〈随筆 永遠なれ創価の大城 池田大作〉32 行学錬磨の大道 2018年6月10日

〈随筆 永遠なれ創価の大城 池田大作〉32 行学錬磨の大道 2018年6月10日

楽しく学び語れ世界最高の哲学
全人類の幸福と平和の実現のために!
民衆凱歌の都・江戸川に立つ東京国際池田記念講堂――。ここは地域に開かれた信頼の灯台、広布源流の誉れの宝城(6日、池田先生撮影)

 梅雨の晴れ間となった昨日(九日)の午前、新宿の紀伊國屋書店の前を車で通った。
 そこで目に飛び込んできたのは、近日発刊となる小説『新・人間革命』第三十巻(上巻)の懸垂幕であった。ご支援くださる皆様方への感謝は尽きない。最終章の連載に、さらに全力を尽くそうと決意した。

先師の誕生日に

 六月は、“創価の父”牧口常三郎初代会長のご生誕の月である。
 先生は、こよなく青年を愛され、一生涯、青年の気概で戦い抜かれた。
 軍部政府による投獄の前年(昭和十七年)には“広宣流布は青年のリードによらねばならない”と語り残されている。
 牧口先生のお誕生日の六月六日、私は、この偉大な先師の闘魂を胸に、青春の広宣拡大の大地・江戸川区へと走った。
 初訪問となった“国際講堂”は、同志の真心で美しく光り、館内の記念展示には、“江戸川は「信心の横綱」なり”との誇りが漲っており、本当に嬉しかった。
 江戸川家族は聖教新聞の拡大でも、任用試験の受験推進でも、模範の実証を示してくれている。
 講堂で勤行をし、六十五年前、男子部の第一部隊で共に歴史を創った、江戸川をはじめ墨田や江東などの忘れ得ぬ宝友たちにも題目を送った。
 当時、町工場で深夜まで働く友が多かった。十分に学校に行けなかった友もいる。皆、悩みを抱えながら懸命に奮闘する若者たちだった。
 二十五歳の私自身も、病気との闘いが続いていたが、意気は高かった。――世界の民衆を牽引するのは、ひとえに我ら青年だ。その指導原理となる生命尊厳の大哲理を、今こそ学び語り、広げようではないか――と。
 私は同志と集まるたびに、声に出して御書を拝読することから始めた。
 「着実に、あきらめず、コツコツやろうよ」
 粘り強く教学を学ぶ中で、一人ひとりが自らの尊い使命に目覚め、胸を張って立ち上がっていった。それぞれの新たな可能性を引き出しながら、自信と確信をもって対話に打って出たのだ。
 皆が「行学の二道」に励む中で、第一級の青年リーダーの力をつけていった。わが陣営は三百三十七人から出発し、一年間で目標の千人を優に超す地涌の丈夫のスクラムを築き上げた。
 これが、“青年学会”の大いなる推進力となったのである。
 ◇
 六日の帰途、雨の中、旧江戸川を渡って、浦安平和会館へ向かった。
 牧口先生が市川で行われた座談会や鎌ケ谷での講演会などに臨まれ、千葉に転教された率先の足跡が偲ばれた。
 会館では、婦人部の方の紹介で二組の入会記念勤行会が行われていると伺い、車中から合掌し、いよいよ、ご多幸の人生を、と祈った。
 女子部の時代に千葉へ幾たびとなく通った妻が、微笑んで言った。
 「今日は『関東婦人部の日』ですね」と。
 先日の「関東総会」の大成功を重ねて祝福するとともに、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の「敢闘精神」の大行進を讃えたい。

仏法求道の喜び

 私たちが勤行で読誦する法華経の方便品には、「諸仏の智慧は甚深無量なり。其の智慧の門は難解難入なり」(創価学会法華経一〇六ページ)とある。
 この仏の難解にして深遠なる智慧も、「南無妙法蓮華経」の一法に納まっている。その大法を末法の一切衆生――全人類に開き示してくださったのが、御本仏・日蓮大聖人であられる。
 この日蓮仏法を学ぼうと、全世界で求道の友が研鑽の汗を流している。
 特に今月十七日、日本全国で行われる「仏法入門」の任用試験を目指して、新入会の友や会友の方々をはじめ、多くの友が真摯に学ばれている。何と尊いことか。
 受験する方はもちろん、共に学び、応援してくれる全ての同志に、心から感謝を申し上げたい。
 法華経の随喜功徳品には、法華経を聞いて随喜する功徳の大きさが説かれている。有名な「五十展転」である。
 歓喜の信心に立ち上がった一人が、その喜びを友に伝え、その友がまた歓喜して別の友に教え、また次の人へと伝わり、やがて喜びの波動は五十人目に至る。
 この最後の人の功徳でさえ、無量無辺であると示されている。
 妙法を「語る功徳」「聞く功徳」が、いかに偉大であることか。その意味からも、教学試験の研鑽を通して、仏法を語り、教える人の功徳も、それを聞き、学ぶ人の功徳も、どれほど大きいか計り知れない。
 仕事や家庭など、多忙な生活の中で時間を工面しての学び合いである。どうか、その一分一秒に、大いなる随喜あれ、絶大なる福徳あれと願わずにはいられない。

希望の門を開く

 今や平和と人道の哲学の連帯は、地球社会に希望を広げている。
 牧口先生の誕生日前日の五日には、「世界の青年へ」と呼びかける声明を、アルゼンチンの人権運動家でノーベル平和賞受賞者のエスキベル博士と共同で発表した。その舞台は、「永遠の都」ローマである。声明に呼応して潑剌たる青年たちの集いも行われ、私は胸を熱くして見守った。
 「欧州師弟の日」にあたる六日、小説『新・人間革命』の挿絵は、奇しくも、そのローマの街並みであった。
 声明で光を当てた通り、国際社会が取り組んでいる「SDGs(持続可能な開発目標)」の推進にあって、根幹をなす指針は「誰も置き去りにしない」との一点である。そのための行動を力強く支える哲学が、今こそ求められている。
 なかでも注目されているのがFBO(信仰を基盤とした団体)の役割である。「誰も置き去りにしない」精神とは、まさしく宗教者にとって日常的な信仰実践そのものであるからだ。
 大聖人は「一切衆生皆成仏道法華経」(御書九九ページ)と仰せになられた。牧口先生も御書に線を引かれていた一節である。
 釈尊法華経を説いた究極の目的は、万人成仏である。全ての人に尊極の生命が具わり、それを開き、顕すことができることを教えたのだ。
 今回、同志が「冬は必ず春となる」(同一二五三ページ)の一節と共に学ぶ御抄には、法華経方便品の「若有聞法者無一不成仏(若し法を聞くこと有らば 一りとして成仏せざること無けん)」(同ページ)との文がある。
 一人ももれなく幸福にするのだ!――世界の人びとが求めてやまない、万人の尊厳性と可能性を解き放つ「希望の門」が、ここにある。
 「仏法入門」の研鑽は、「世界市民」の精神性の錬磨へ、そして人類のレジリエンス(困難を乗り越える力)の拡大へ連動しているといってよい。

行者とは何ぞや

 牧口先生が使用されていた御書には、「行者とは何ぞや」との書き込みが残されている。
 思索を重ねられた一つの結論として、先生は「自分ばかり御利益を得て、他人に施さないような個人主義の仏はないはずである。菩薩行をせねば仏にはなれないのである」と語られている。
 御書を繙くと、「法華経の行者」という言葉が、優に三百カ所以上、確認できる。大聖人がいかに「行」(修行・行動・実践)を重んじられているかが拝されよう。
 今、嬉しいことに、四日が記念の日である華の女子部は華陽姉妹の「御書三十編」を学びつつ、信頼と友情の対話を朗らかに広げてくれている。 牧口先生の誕生日の翌日(七日)が結成記念日の高等部も、教学に挑み、成長する姿が凜々しい。
 結成の日(三十日)を目指す英知の男女学生部も、いやまして御書を拝しながら、人材の育成に、弘教の拡大にと、にぎやかだ。
 「行学の二道」に徹するのが、創価の伝統である。
 ◇
 恩師・戸田城聖先生は、御書の研鑽を“剣豪の修行の如き鍛錬”と譬えられた。
 その峻厳さと共に、「楽しく信心して、楽しく折伏して、楽しく教学の勉強をしていってもらいたい」と、温かく励ましてやまなかった。
 ――我々は何のために生まれてきたのか。それは、法華経に「衆生所遊楽(衆生が遊楽する所)」とあるように、遊びに来たのだ。御本尊を信じきった時に、生きていること自体が楽しいという人生になるのだ、と。
 悩みや困難が何もない人生などない。そうではなく、いかなる困難も逆境も、全てを悠々と乗り越えゆく「勇気」「智慧」「生命力」を無限に湧き立たせていく。そのための信仰である。「人間いかに生くべきか」という根本の道を学び、自らの最高の人格を輝かせていくための教学である。
 その一番の体現者こそ、婦人部総会を笑顔爛漫の大成功で終えた“太陽の母たち”である。
 今日(十日)は、白ゆりの香りも高き「婦人部の日」。皆で最大の尊敬と感謝を捧げたい。
 文豪ゲーテは、「いま大事なのは、ほめられるとか、けなされるとかいうことではなく、学ぶことなのだ」と言った。
 毀誉褒貶の世を見下ろし、不退の先師・恩師に連なる我らは、学び、進もう! 行動しよう!
 行学錬磨の大道――人間として最高に誉れある青春と人生が、ここにあると確信しながら!
 (随時、掲載いたします)

 ゲーテの言葉は『ゲーテ全集8』所収「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」登張正實訳(潮出版社)。

世界広布新時代第35回本部幹部会 関東総会から(要旨) 中井暢一関東長 大高陽子婦人部長 太田英雄男子部長 加藤貴代美女子部長 2018年6月8日

世界広布新時代第35回本部幹部会 関東総会から(要旨) 中井暢一関東長 大高陽子婦人部長 太田英雄男子部長 加藤貴代美女子部長 2018年6月8日

「敢闘精神」で新たな前進を
 

 中井 1978年、池田先生は、7月の千葉「旭日遙かに」に始まり、茨城「凱歌の人生」、埼玉「広布の旗」、栃木「誓いの友」、群馬「広布の鐘」と、わずか4カ月の間に、関東5県全てに県歌を贈ってくださいました。

 大高 私たちは、どんな時も、先生が命を削って筆を執ってくださった県歌を歌いながら、前進してきました。そして本日、県歌誕生40周年という佳節に、本部幹部会を「関東総会」として開催していただくことができました(拍手)。

 中井 この関東総会を広布拡大の大波で迎えようと、かつてない折伏に挑戦し、全ての県が「ブロック1」の折伏・弘教を成し遂げ、本日を大勝利で迎えることができました。

 大高 池田先生は「埼玉新聞」への特別寄稿で「富士山は、なぜ日本一なのか? 日本一の裾野の広がりがあるからです」と教えてくださいました。私たちは「人材の裾野の拡大こそ、広布拡大の原動力」と決め、折伏に挑戦するメンバーを「折伏チャレンジャー」と呼び、励ましと育成に力を注いできました。その結果、22万6000人の「折伏チャレンジャー」が誕生しました。

 太田 男子部は、創価の青年らしく、はつらつと折伏戦に挑み、「部3」の折伏を達成することができました。男子部大学校の1期生全員が「折伏チャレンジャー」へと大成長しています。

 加藤 女子部は、白蓮グループを先頭に「本部2」を大きく超える折伏ができました。婦人部の皆さまの大応援で、新たに「部1」を上回る華陽リーダーが誕生。華陽姉妹のスクラムが大きく広がっています。

 中井 ここ船橋に住む葛谷創価長(ブロック長)は、奥さまが病魔と闘う中、支部長・地区部長の度重なる励ましに、勇んで「折伏チャレンジャー」になりました。そしてご夫人を亡くし、生きる希望を失っていた友人に御本尊を授与することができました。さらに、この戦いに取り組む中、奥さまの病状が劇的に改善。地域に喜びが広がっています。

 大高 婦人部は、6・6「関東婦人部の日」の記念月間を婦人部総会で大勝利しました。埼玉の岩崎グループ長は、支部婦人部長の励ましに生まれて初めて友人に学会宣言し、婦人部総会にお誘いしました。さらにチラシを持って先輩と一緒にご近所を初めて回ると、総会当日は、学会の会合は初めてという友人が、なんと6人も参加されたのです。最初は微妙な緊張感でスタートした総会でしたが、最後は笑顔満開。学会理解が大きく広がりました。

 加藤 関東各県が池田先生から頂いた永遠の指針は、「鉄桶の団結・埼玉」「旭日の千葉」「直通の茨城」「人材の王国・群馬」「広布源流の栃木」です。

 中井 そして関東の同志、皆の心に脈打つのは「敢闘精神」です。先生は、「『敢闘』とは、『敢えて闘う』と書く。『敢えて』挑戦するのだ。『敢えて』一歩を踏み出すのだ」と教えてくださいました。

 太田 池田門下の関東青年部が、この敢闘精神を受け継ぎ、広布の突破口を開いていきます。

 中井 関東5県が心を合わせれば無敵です。“大関東が動けば日本が変わる。大関東が勝てば全国が勝つ”との勝利の方程式を胸に刻み、創立90周年に向かって、新たな前進を開始しようではありませんか(拍手)。

世界広布新時代第35回本部幹部会 関東総会から(要旨) 原田稔会長 2018年6月8日

世界広布新時代第35回本部幹部会 関東総会から(要旨) 原田稔会長 2018年6月8日

大誠実の振る舞いが友好拡大の根本
「自他共の幸福」の連帯を地域へ
 

 一、「世界広布新時代第35回本部幹部会」ならびに「関東総会」の開催、誠におめでとうございます(拍手)。
 本日は、6カ国・地域から、81人のSGIメンバーも参加されております。遠いところ、ようこそお越しくださいました。心から歓迎申し上げます。
 一、さて、ロシア連邦の新たな駐日大使として本年3月に着任したミハイル・ガルージン大使が、先月、総本部に来訪されました。
 会見の冒頭、就任に対する池田先生の祝意をお伝えすると、大使は「創立者を深く尊敬しています。ますますのご健勝を祈っています」と語っておられました。
 終始、池田先生を「創立者」と、敬愛の念を込めて呼ぶガルージン大使は、かつて約1年間、創価大学に留学。自ら「創価大学は私の第二の母校です」と語る“創大生”です。
 先生と2007年に再会した際も、親子のごとく、ざっくばらんに語り合っておられました。
 このガルージン氏が、池田先生を深く知ることになったのは、1981年、先生の第3次訪ソの折です。この時、学会代表団の通訳を務めてくださったのが、当時、地元モスクワ大学の4年生だったガルージン氏でありました。
 氏は、池田先生の人間外交を目の当たりにする中で、先生に深く魅了されていきました。とりわけ、先生が無名戦士の碑に花をたむけ、平和への祈りをささげる姿に、「わが国の戦争の痛みをも深く理解してくださるのか」と大感動したそうです。そして翌82年、ガルージン氏は創価の学びやの門を、たたいたのであります。
 ガルージン大使は語っています。
 「世界平和に尽くされる池田先生の姿が、私の外交官としての原点です」
 「創価大学で学んだ日本の、またロシアの青年が現在、露日関係のさまざまな分野で活躍しています。その人材を育てられたのは、事実上、池田先生です。『人材育成』こそが、池田先生の露日関係への最大の貢献であると私は思います」と。
 思えば、同じく先月、中国・李克強首相の歓迎レセプションにおいて同席されていた程永華駐日中国大使も75年、日中国交正常化後、初めての日本への国費留学生として、創価大学に学びました。その受け入れは、池田先生ご自身が身元保証人になってのものでありました。
 以来、約半世紀を経て、日露関係、日中関係が共に重大な局面にある今日、その中核中の中核を、共に創大出身者が担っているのです。
 この動かしがたい事実こそ、池田先生の類いまれなる先見の明、そして創価人間主義の普遍性を、何よりも物語っていると確信します(拍手)。
 一、実は、中国やソ連からの留学生を創価大学に受け入れた際、関係者の一部から“マルクス・レーニン主義が学内に、まん延するのではないか”と心配の声が上がりました。
 しかし池田先生は、そのような懸念など歯牙にもかけず、こう語られました。
 「留学生を大使だと思って、誠意を尽くしていこう」
 そして先生は、有言実行で食事や生活環境まで細心の注意を払われていました。例えば、このようなこともありました。
 程永華氏をはじめとする留学生を受け入れた当時、私は学会の学生部長を務めていました。留学生は全員が日本人学生と共に寮生活を送るのですが、ある日のこと、私は先生から、同室になる学生部員に伝えるようにと、ご伝言をお預かりしました。
 そのご伝言とは、「標準語で話すように」というものでした。この時代、創大の寮には関西弁を話す学生が多くいました。そこで先生は、“必ずや将来、日中外交の大舞台で働くであろう留学生たちが、標準語を早く覚えられるように”との真心から、このご伝言を託されたのです。私自身、“ここまで先生は心を砕いておられるのか”と驚きました。
 どこまでも相手を尊敬する。そして「これほどまで」というぐらいに、こまやかな配慮をめぐらし、具体的な行動で、その心を示していく。そうした大誠実の振る舞いこそ、人間外交の根本であります。誠実さによって、いかなる相手も心を開くのです。
 御書には「法華経を耳にふれぬれば是を種として必ず仏になるなり」(552ページ)と明確に仰せです。
 池田先生が若き留学生たちを「大使」と思って厚く遇されたように、私どもは縁する全ての友を「仏」と確信して、その無限の可能性を信じ抜き、その幸福を祈り抜き、そして粘り強く仏法を語り抜いていきたい。
 その労苦は、友人のためであるのはもちろん、そのまま自身の福運と光り輝きます。
 それは、戸田先生が「広宣流布のために会い、勇敢に、誠実に仏縁を結んだ人は、未来において、その人が必ず自分の眷属となり、諸天となって、自分を護り支えてくれるようになるのだ」とご指導されている通りです。
 私どもは、「自他共に喜ぶ」幸福の連帯を、ますます広く地域に広げていきたい。
 一、いよいよ上半期も、残り1カ月あまり。教学部任用試験(仏法入門)も目前に迫りました。
 ここで今一度、一人一人が、「広宣流布大誓堂完成5周年」を迎える本年に掲げた目標や決意を、新たにしていきたい。
 そしてともどもに、最後まで諦めることなく戦い切り、大前進、大成長、大勝利の、悔いなき上半期にしていこうではありませんか(拍手)。

〈教学〉 6月度座談会拝読御書 単衣抄 2018年6月5日

〈教学〉 6月度座談会拝読御書 単衣抄 2018年6月5日

御書全集 1514ページ13行目~15行目
編年体御書799ページ13行目~15行目
仏法の魂は民衆救済の実践に
御自身の大闘争で経文の正しさを証明
 
本抄について

 「単衣抄」は、建治元年(1275年)8月、日蓮大聖人が54歳の時、身延でしたためられた御消息です。
 対告衆は不明ですが、南条家ゆかりの夫妻に宛てられたものと考えられています。
 本抄では、はじめに単衣(裏地のない着物)1枚の御供養を頂いたことへの御礼を述べられた後、大聖人が立宗の時から今年54歳に至るまで、二十余年の間、斬首されようとしたり、2度も流罪に処せられたりするなどの大難に遭われてきたことを述べられています。
 また、仏法の上から、大聖人の戦いには天台大師・伝教大師も及ばないと言われています。
 大聖人の闘争は、法華経の「如来(=釈尊)の現に在すすら猶怨嫉多し」(法華経362ページ)などの経文を身をもって証明したものであり、大聖人が出現されなかったならば、仏の言葉も、“法華経は真実である”と述べた“多宝如来の証明”も虚妄となったと仰せです。
 さらに大聖人に衣を供養することは、法華経の六万九千三百八十四の文字の一つ一つの仏に供養することであり、その仏が、夫妻を「わが檀那である」と言って守ると仰せです。
 その供養の功徳は今世だけでなく、死後にまで及ぶことを示され、本抄を結ばれています。

拝読御文

 日蓮・日本国に出現せずば如来の金言も虚くなり・多宝の証明も・なにかせん・十方の諸仏の御語も妄語となりなん、仏滅後二千二百二十余年・月氏・漢土・日本に一切世間多怨難信の人なし、日蓮なくば仏語既に絶えなん

法華経の身読

 御書を拝すると、日蓮大聖人は御自身が受けられた難について「少少の難は・かずしらず大事の難・四度なり」(御書200ページ)と言われています。“四度の大事の難”とは、①松葉ケ谷の法難、②伊豆流罪、③小松原の法難、④竜の口の法難・佐渡流罪の四つです。
 大聖人は権力によって2度にわたり流罪に処せられたほか、斬罪や襲撃などの命に及ぶ難を受け、また、あらゆる階層の人々から憎まれ、悪口を浴びせられたのです。
 法華経には、末法法華経の行者に対して三類の強敵が現われ、「刀杖瓦石」(刀や杖で打たれ、土くれや石を投げつけられる)、「数数見擯出」(権力によって何度も追放される)、「悪口罵詈」(悪口を言われ、罵られる)などの難を受けると説かれています。
 大聖人の遭われた難の様相は、まさにこれら法華経の文と一致しています。すなわち、大聖人が身をもって法華経を読まれていることを如実に示しているのです。このことを“法華経の身読”といいます。
 大聖人による法華経身読は、大聖人が末法法華経の行者であることを、事実と経文の一致をもって証明する実践でした。

 法華経に「我(=釈尊)滅度して後、後の五百歳の中、閻浮提に広宣流布して、断絶して悪魔・魔民・諸天・竜・夜叉・鳩槃荼等に其の便を得しむること無かれ」(法華経601ページ)と説かれています。この経文は、「後の五百歳」すなわち末法に妙法が全世界(一閻浮提)に広宣流布していくことを予言したものです。
 日蓮大聖人は、この法華経の予言通り、命に及ぶ幾多の大難を忍ばれて、法華経の真髄である南無妙法蓮華経の大法を弘通されました。
 「大願とは法華弘通なり」(御書736ページ)と示されている通り、まさに広宣流布こそ大聖人の大誓願であり根本精神です。
 大聖人は、南無妙法蓮華経の大仏法が日本だけではなく全世界に広宣流布していくことを次のように説かれています。
 「法華経の肝心たる南無妙法蓮華経の大白法の一閻浮提の内・八万の国あり其の国国に八万の王あり王王ごとに臣下並びに万民までも今日本国に弥陀称名を四衆の口口に唱うるがごとく広宣流布せさせ給うべきなり」(同258ページ)
 この大聖人の御精神を受け継いで、世界に妙法を弘通し、広宣流布を進めてきた和合僧(=仏法実践者の集い)が創価学会です。
 創価学会が大聖人の御精神を正しく継承する和合僧であるからこそ、世界中に妙法を弘め、大聖人が願われた世界広宣流布を現実のものとすることができたのです。

身延での御生活

 日蓮大聖人は、文永11年(1274年)5月に身延に入られました。
 大聖人は本抄で、身延における当時の御生活を次のようにつづられています。
 「蘇武が幽閉された時のように雪を食として命を継ぎ、李陵のように簑を着て世を過ごしています。山林に入って木の実のない時は、空腹のまま2、3日を過ごします。鹿の皮が破れれば、裸のまま3、4月も過ごしました」(御書1514ページ、通解)
 蘇武や李陵は、中国の古代の武将です。彼らのように、雪を食べ、簑を着、小さな庵室で大聖人は広宣流布の指揮を執っておられました。
 食べるものも十分になく、味噌や塩も足りない中です。大聖人自ら木の実を集め、芹を摘み、薪を取るなど炊事の用もされたと伝えられています。衣も、自然死した鹿の皮を着ておられたといいます。
 こうして衣食住ともに大変に厳しい状況下にあった大聖人の御生活を支えたのが、多くの門下の真心の御供養でした。
 大聖人は御入滅の直前まで、8年間以上を身延で過ごされます。大聖人は身延において「撰時抄」「報恩抄」を著されるなど、末法のあらゆる人々を救う仏法の確立へ、その歩みを進められました。

池田先生の指針から 真心に真心で応えられた大聖人

 まだ面識のない信徒の夫妻から、一枚の「単衣」が届けられました。(中略)
 大聖人は、夫妻の使いの者が帰途につくまでの、わずかな時間を使われたのかもしれません。自ら筆をとり、御礼の返書をしたためてくださった。それが本抄です。
 この御手紙をいただいた夫妻の名前は分かりません。(中略)しかし、本抄の内容から、夫妻で地道に信心を貫いていたことが分かります。
 無名の人こそ大切なのです。地道な信心即生活にこそ仏法の真髄が光っているのです。大聖人は、この夫妻の「真心」に「真心」で応えられました。その御心が、御手紙から、ひしひしと伝わってきます。その大聖人の御心を、かみしめていただきたいのです。
 “あなたの真心は、必ず諸仏に通じていますよ”“成仏は間違いありませんよ”と激励される大聖人の御慈愛が御手紙に、にじみ出ています。単衣の衣は、大聖人にとって、衣であって衣ではなかった。門下の心であり、命であったのです。(『永遠の経典「御書」に学ぶ』第1巻)
 ◇ ◆ ◇ 
 「我ありて、仏法あり」。日蓮大聖人の大確信です。大聖人が一身に大難を受けきってくださったからこそ、仏の言葉は「真実」になったのです。
 「仏法は真実なり」と証明するために、大聖人は自ら魔を駆り出して戦われたのです。
 その大闘争がなければ、どんな立派な経典も、結局は、ただの本にすぎません。どんな深遠な経文も、ただの言葉にすぎません。
 その言葉に、命を吹き込んでこそ仏法です。本当の宗教です。
 今年も「四月二日」を迎えました。永遠に忘れ得ぬ我が恩師・戸田城聖先生の一生は、日蓮大聖人の御金言を虚妄にしないための一生であられた。
 七百年間、言葉だけだった「広宣流布」を事実のうえで証明した一生であられた。
 「日蓮なくば仏語既に絶えなん」とありますが、御本仏・日蓮大聖人の御言葉を絶対に噓にしないというのが、創価学会の根本精神です。(同)

参考文献

 〇…『永遠の経典「御書」に学ぶ』第1巻、「単衣抄」(聖教新聞社

〈座談会 師弟誓願の大行進〉40 全国各地で大成功の「婦人部総会」 報恩の心で新たな出発! 2018年6月7日

〈座談会 師弟誓願の大行進〉40 全国各地で大成功の「婦人部総会」 報恩の心で新たな出発! 2018年6月7日

各会館で「救急対応」を確認
〈出席者〉
原田会長
永石婦人部長
池上中国婦人部長
照屋沖縄総県婦人部長
竹岡青年部長
仲良く、にぎやかな女性の連帯こそが、家庭・地域・社会を潤すオアシスに(全国各地の「婦人部総会」の模様)

 竹岡 1951年(昭和26年)6月10日、各部に先駆けて結成されたのが、「婦人部」です。

 原田 池田先生は第3代会長に就任した折、誓われました。最も尊貴な創価の母たちが、「日本中いな世界中から敬愛され、讃嘆される時代を必ず創り開こう!」と。その通りに今、世界の良識と知性が、「創価の婦人部は、世界一の幸と平和のスクラム」と賞讃してやまない時代になりました。ひとえに、先生の励ましと、それに連なる尊き同志の力です。

 池上 この5月には、「グループ」発足40周年、5・3「創価学会母の日」制定30周年を祝賀する「婦人部総会」を各地で開催しました。

 原田 まさに、世界一にふさわしい活発な集いでしたね。日蓮大聖人は、門下が心を合わせ、励まし合うよう願われ、「志有らん諸人は一処に聚集して御聴聞有るべきか」(御書970ページ)と仰せです。求道の心で集い、仏法の話を聞き、語り合う姿は、御本仏直結の実践です。

 照屋 総会に寄せて、先生はメッセージや随筆、巻頭言など、幾重にも励ましを送ってくださいました。感謝でいっぱいです。

 永石 各地の総会で大好評だった、SOKAチャンネルVOD「人生の金メダル」に登場する2人の婦人部員が先日、総本部に来られました。「ここからがスタートです。創価学会、そして広宣流布に、わが身をささげられることに深く感謝しています」と、凜として語る姿は、本当に美しく輝いていました。

感動を呼ぶ拡大劇

 池上 各地の総会では、そのVODに感動し、入会を希望される方が相次ぎました。たとえば、鳥取では、多くのグループで、入会希望者が誕生しました。

 原田 広島では、婦人部総会を目指し、折伏を決意された方が、50人の友人に語り抜こうと決め、53人目の方に、折伏を実らせたと伺いました。執念の闘争に脱帽です。

 池上 岡山では、4月22日に行われた“全国男幹”に向け、日本一の折伏を達成しました。
 また、山口では、広大な山間地域での婦人部総会の取り組みが話題を呼んでいます。ここでは20年前から、地域に根差した総会を開催。徐々に、友人が友人を誘うようにもなり、本年は23人の友人が参加しました。その中から新入会者も誕生し、今年も「私も題目をあげたい!」と言う友がいました。

 永石 島根では、地域の一軒一軒を回り、「笑顔の婦人部総会おめでとう!」と書かれた模造紙に署名を集め、当日、届けてくださった壮年部の方がいたそうですね。このように、多くの方の応援をいただき、大成功の婦人部総会にすることができました。

 照屋 那覇池田県の、ある地域では、「30年前の私と信心」と題して、総会を開催しました。全員が、これまでの祈りが、ことごとく、かなっていることに感動。参加した友人も感銘を受け、「これからも、婦人部総会に誘ってください」と言っていました。

 永石 悲しいこと、苦しいこと、うれしいことを赤裸々に話す婦人部員の体験を聞いて、「うらやましいです。私も、そのように語れるようになりたい」と言う友人も多くいます。

 原田 那覇王者県の、ある地域では、聖教新聞を購読している友人が「わが友に贈る」を読んで感動し、その切り抜きを行っていることを発表して、会場が喝采で包まれたそうですね。

 永石 沖縄では、毎月のグループ懇談会を目指し、「家庭訪問100%」を目標に掲げ、全力で取り組んでおられますね。そうした運動が、大きな力になっていると確信します。

 照屋 はい。その中、沖縄世界県の、ある地域の総会では、こんなことがありました。かつて、ある婦人部員が友人に、「苦しい時は、南無妙法蓮華経と唱えてね」と言ったそうなんです。今回の総会で、その友人が、「実はいつも唱えているんです」と告白し、「私も御本尊をいただきたい」と述べたそうです。すると、その様子を見ていた、別の友人から「私も入会したい」との声が上がり、総会中に2人の方が入会を希望されたのです。

 永石 感動的な話ですね。いよいよ上半期の総仕上げの時を迎え、私たちは、婦人部総会の勢いのままに走り抜いていきたいと思います。ベストセラーとなっている、池田先生の指導集『幸福の花束Ⅱ』(本社刊)を読み深めながら、小説『新・人間革命』完結の時に、報恩と誓願の結果を残してまいりましょう。

責任者が119番通報

 竹岡 さて、各地の会館における「救急対応」についての確認です。

 原田 本部幹部会の中継行事を含め、会館内で行われている全ての会合で、もしも急病の方がいた場合は、会場責任者や各種運営グループ(一日会館長の創価宝城会、創価班、牙城会、王城会など)の方が、ためらうことなく、「119番通報」を行ってください。

 竹岡 そして、急病の方を知る人がいないかを呼び掛け、ご家族への連絡も行ってもらってください。さらに、急病の方を知る人が、可能な限り、救急車に同乗し、ご家族に取り次ぐまで対応していただきたいと思います。

 原田 会館には、AED(自動体外式除細動器)も設置されています。会場責任者を担う組織のリーダーや各種運営グループの方は、万一の際に、迅速に対応できるよう、使用方法を事前に確認してください。

 永石 AEDには、操作説明用のDVDがありますので、研修の機会を設け、視聴しておくことが大切になりますね。

 原田 そうです。ともあれ、体調が悪い時は無理をしないこと。また、寒暖差に対応するため、薄手の上着を用意しておくなど、一人一人が、聡明に体調を管理し、有意義な日々を送っていきましょう。

〈座談会 師弟誓願の大行進〉39 任用試験(6月17日)まで2週間 共に学び、共に信心の成長を 2018年6月4日

〈座談会 師弟誓願の大行進〉39 任用試験(6月17日)まで2週間 共に学び、共に信心の成長を 2018年6月4日

世界が求める人間主義の哲学
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
志賀男子部長
伊藤女子部長
どこまでも御書根本に前進! 世界中で実施される任用試験(上からチリ、マレーシア)

 志賀 6月6日は初代会長・牧口常三郎先生の生誕の日です。軍部政府の抑圧に屈することなく正義を叫び抜かれた「創価の父」の死身弘法の生涯があってこそ、現在の世界広布の大潮流があります。

 長谷川 牧口先生の生誕の地である新潟、また長野の同志も、先月の「信越総会」をかつてない拡大で勝ち越え、ますますの前進を続けています。

 原田 牧口先生は叫ばれました。「人を救い、世を救うことを除いて、宗教の社会的存立の意義があろうか」と。友のため、地域のため、私たちは「立正安国」の道を、さらに堂々と歩んでまいりたい。

 伊藤 また、7日には、「高等部結成記念日」を迎えます。1964年のこの日、高等部は池田先生の万感の期待と共に結成されました。

 原田 先生はかつて「私が第3代会長となり、最初に結成したのは高等部である」と語られました。一人一人が学会の次代を担う“未来の宝”です。真心の励ましを送り、地域を挙げて育んでいきましょう。

一対一の人材育成

 長谷川 6月17日に実施される「教学部任用試験」(仏法入門)まで、いよいよ2週間を切りました。多くの会友の方も含め、申込数も前回より、大きく増えました。

 原田 池田先生は、5月22日付「新時代を進む」の中で「共に学び、教えてくれる方々にも、感謝は尽きない。受験する方も応援する方も『生命尊厳』と『人間尊敬』の最極の哲学を学ぶ誇りに胸を張っていただきたい」と、受験者、応援する方、双方に対して激励の言葉を贈られました。共に学び、信心の成長を果たすため、最後まで励ましを送っていきましょう。

 志賀 任用試験は、中・高等部をはじめ、新入会者や、活動に参加し始めたばかりのメンバーが多く受験します。人材育成のチャンスとして、受験者それぞれに“合格責任者”を明確にして「一対一」の丁寧な研さんに取り組んでいる地域が多いですね。

 永石 大切なのは、教える側が徹底して関わり続けることですね。受験者にとっては、親身になって勉強を教えてもらうことが何よりの思い出になります。「先輩が自分のために尽くしてくれた」という経験が、学会活動に励むきっかけにもなります。

 伊藤 大人数での勉強会も大切ですが、「一対一」であれば、受験者の予定に時間を合わせ、勉強会を開くことができます。また、悩みや課題に対し、教学を通して励ましながら勉強を進めることで、お互いが元気になり、信心の成長につながりますね。

 志賀 研さんを通して、男子部の活動者会に初参加したメンバーがこう語っていたそうです。「初めて、信仰や学会活動を“自分のこと”として捉えることができました」と。

 原田 とても大切な視点ですね。たとえば、試験範囲の「一生成仏と広宣流布」を研さんすることにより、仏法を実践する目的が、自身の「一生成仏」と、自他共の幸福を目指す「広宣流布」の活動の中にあることを学ぶことができます。

 長谷川 「創価学会の歴史」を学びながら、三代会長の卓抜した人間性と平和への貢献を語るとともに、教える側が自身の師弟の原点を語っても、よいのではないでしょうか。

 伊藤 今回の範囲に「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(御書1253ページ)との御文があります。ある新入会の方は、この御文にとても感動し、「こんな素晴らしい仏法を教えてくれた友人に、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです!」と語っていたそうです。

 永石 草創の時から、多くの同志が「希望の源泉」として、胸に刻んできた御金言ですね。折伏をした紹介者の方も、これほどうれしい友人の言葉はなかったことでしょう。

 原田 新しいメンバーが仏法の哲理を学ぶことで感じた喜びは、仏法対話への弾みになります。日蓮大聖人が「行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ」(同1361ページ)と仰せの通り、「行学の二道」は信心を深める上での両輪なのです。

仏法理解の入り口

 長谷川 また、今回も、多くの未入会家族の方や、会友の方々が受験に挑戦されています。

 志賀 試験名に「仏法入門」とある通り、任用試験は万人に開かれた、仏法理解の“入り口”といえます。

 永石 「十界」を学んだ会友の婦人の方の「日常生活でのさまざまな心の動きを理論的に学ぶことができ、穏やかな気持ちになりました」との声も伺いました。

 志賀 研さんを重ねる中で、仏法哲理と学会員の誠実な振る舞いに感動し、入会を決意された方のお話も聞いています。

 長谷川 日蓮仏法は、生活の上で実証を示していくことを目的にしています。ある方は、職場での人間関係に悩む中で「御みやづかいを法華経とをぼしめせ」(同1295ページ)との御文を学び「普段の生活に密着した仏法の思想に感動しました」と語っていました。受験を通して一人でも多くの方が仏法理解を深め、日々の生活のさらなる充実につながれば幸いです。

 伊藤 学習には、VODの教学講座「任用試験(仏法入門)のために」も好評です。この番組は創価学会公式ホームページ「SOKAnet」でも視聴することができます。どうぞ、ご活用ください。

 原田 日蓮仏法、創価の哲学を世界の人々が学ぶ時代になりました。教学試験は、世界約60カ国・地域で実施され、海外だけでも毎年約16万人が、挑戦しています。任用試験を通じ、世界宗教としてさらに力強く飛翔していきましょう。

未来部部長研修会への池田先生のメッセージ 2018年6月4日

未来部部長研修会への池田先生のメッセージ 2018年6月4日

信心の根を強く深く張り、偉大な人材の大樹と育て

 愛する高等部のリーダーの皆さん、世界市民の平和の城・創価大学へ、ようこそ! 宝の人材の皆さん一人一人と、私は心の握手を固く交わしながら、すべてを見守っております。
 お世話になる担当者の皆さん、また役員の方々も、本当にありがとうございます。
 この会場はディスカバリーホール、すなわち「発見」という名前を冠しています。「Discovery」には、“覆いを取る”という意義があります。
 どうか、皆さんは、今日の研修会で、弱気や遠慮などの覆いを取り払って、自分自身の秘められた無限の可能性を大いに発見していってください。そして、新しい人間革命の挑戦のドラマを開始していただきたいのであります。
 わが創大にお迎えした私たちの友人に、ワンガリ・マータイ博士がいます。
 博士は、アフリカの大地に木々を植樹する運動を始め、アフリカ人の女性として初のノーベル平和賞を受賞しました。環境破壊で傷ついた故郷の大地に、一本また一本と木を植え、やがてそれは、4000万本にも達したのです。
 博士は語られています。「木は、土の中で根っこを伸ばすとともに、空高く向かって成長する」「『どんなに高いところまで行こうと、根を張っているからこそ養分を得られる』ということを私たちに教えてくれる」(小池百合子訳『UNBOWED へこたれない ワンガリ・マータイ自伝』小学館)と。
 皆さんは、大空高く、偉大な人材の大樹に育ちゆく一人一人です。
 ゆえに、夢と希望を掲げながら、信心という「根っこ」を、強く深く張っていってください。日々、勇気凜々と題目を唱える青年の生命には、どんな雨や風にもへこたれない、不屈の「負けじ魂」が鍛え上げられていくのです。
 日蓮大聖人は、「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(御書231ページ)と仰せになられました。今、目の前の課題に全力を尽くす中に、未来の勝利の因が厳然と刻まれます。
 さあ、今から、ここから、勉強でも、読書でも、スポーツでも、自分が決めた挑戦を、一日また一日、粘り強く積み重ねていこう!
 最も信頼する皆さんの健康と成長を、これからも私は強盛に祈っていきます。
 親孝行をよろしくお願いします。大切な大切な不二の皆さん、お元気で!(大拍手)