〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉16 2月16日は日蓮大聖人の御聖誕の日 誠実に堂々と「攻めの対話」を 2019年2月11日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉16 2月16日は日蓮大聖人の御聖誕の日 誠実に堂々と「攻めの対話」を 2019年2月11日

一人一人に励まし送る座談会
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
竹岡青年部長
大串女子部長
世界各地で行われる“ザダンカイ”は永遠に広布発展の要! ここから、地域に信頼と友情の輪を広げよう(オーストラリア)

 大串 今月も全国で座談会が行われます。一人でも多くの友に参加していただこうと、各地で励ましに全力で取り組んでいます。

 永石 神奈川県のある地区では手作り案内状を手にメンバーのお宅へ足を運んでいます。各部の連携を密にし、毎月、地区の全メンバーに会うことを目標にしているそうです。

 長谷川 座談会後には、参加できなかったメンバーのお宅を訪れ、“ミニ座談会”や“訪問座談会”を行っている地区も多くあります。リーダーが「こちらから会いに行く」姿勢が大切です。そうした地区は皆が生き生きと活躍しています。

 原田 池田先生は「草創以来、学会は、座談会や少人数の会合を大切に、一対一の対話に徹してきた。それゆえに、創価の連帯は192カ国・地域に広がったのである」と述べられています。座談会は学会の生命線であり、広布の黄金軸です。座談会を通して、一人一人にこまやかな励ましを届けていきましょう。

師を求め共に戦う

 大串 2月16日は日蓮大聖人の御聖誕の日です。今や、世界中の人々が大聖人の太陽の仏法を求め、実践するという未聞の時代が到来しました。

 竹岡 昨年は世界84カ国・地域で教学試験が実施されました。教学研修会も各国で行われ、皆が真剣に大聖人の仏法を学び、信心の成長の糧としています。

 大串 海外の同志が自身の人間革命、地域広布を目指して御書を研さんする姿に、日本の青年部も大変に触発を受けています。

 原田 私たちも、さらに求道心を燃やして御書を拝し、「広宣流布」そして、「立正安国」の大理想へ、いよいよの信心でまい進してまいりたい。

 長谷川 大聖人の弘法の生涯は「立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」といわれています。大聖人は、国主諫暁の書である立正安国論を、大難を覚悟で時の実質的な最高権力者である北条時頼に提出されたのです。

 永石 安国論の執筆当時は災害や疫病が続き、人々は苦しみにあえいでいた時代でした。そのような状況下で、民衆は無力感にさいなまれていました。その根源には誤った宗教があると、喝破されたのです。

 原田 大聖人は、たとえ相手が「国主」であっても、堂々と諫めていかれました。仏法の本義は、自身の幸福にとどまることなく、平和建設のため、人々の幸福のために、積極的に社会に関わり、生命尊厳の仏法の理念に基づいて行動していくことにあります。

 長谷川 池田先生が、学会の使命は立正安国の実現にあるとされた上で「宗教が、現実社会の人間の苦悩の解決から目を背けるならば、もはや、それは宗教の死といえる」(小説『新・人間革命』第4巻「立正安国」の章)とつづられている通りです。

 竹岡 当然、主権在民の現代にあっては、主権者は国民の一人一人です。故に、私たちが身近な友人と語り合い、仏法の生命尊厳の哲学を人々の胸中に確立していくことこそ、大聖人の御精神にかなった行動であります。それによって、日蓮仏法が「生きた宗教」として現代に脈動していくのだと思います。

 大串 大聖人は大難をも恐れず、妙法を弘められました。御書には「とてもかくても法華経を強いて説き聞かすべし」(552ページ)とあります。今こそ、語りに語って仏縁を地域に広げていく時であると感じます。

 永石 先生は「『強いて』語るためには、何よりもまず、自分の臆病な心、弱い心を打ち破らねばならない。そうであってこそ、勇気をもって、悠然と楽しく対話ができる。その結実は、真心と執念で決まる」と語られました。

 原田 先生が教えてくださっている通り、私たちの対話の根本は真心と執念です。相手の反応がどうあれ、誠実に堂々と、「強気の対話」「攻めの対話」で粘り強く信念を語り切ることが大切です。

 永石 間もなく「二月闘争」も後半戦です。地域を駆け巡り、対話拡大に挑戦していきたいと思います。

 原田 先生は『新・人間革命』第3巻「平和の光」の章で、二月闘争の当時を述懐され、「師を求め、師とともに戦おうとする時、広宣流布に生きる、師の生命の脈動が流れ通う」とつづられました。「師弟」こそ、自身の境涯を拡大する道であり、広布推進の力となります。「伝統の2月」を悔いなく駆け抜けていきましょう。

仏法違背の邪宗門

 長谷川 一方、大聖人の御精神に違背し、没落の一途をたどっているのが日顕宗(日蓮正宗)です。

 竹岡 宗門では法主・日如の号令のもと、いいかげんな信者勧誘に躍起になっていますが、成果はあがらず昨年も、大惨敗でした。

 長谷川 そもそも、宗門は信者を“金づる”としか見てこなかった。民衆の幸福を願われた大聖人の精神に違背するその姿には、信心のかけらもありません。

 竹岡 宗門事件後、信者数は最盛期の2%にまで激減。その後も低迷しています。仏法の因果は厳しい。

 原田 御聖訓に「信心の血脈なくんば法華経を持つとも無益なり」(御書1338ページ)と仰せです。まさしく邪宗門のことです。正義の学会は、世界192カ国・地域に広がり、勢いよく前進しています。

 永石 学会は昨年も、青年を先頭に、生き生きと対話を拡大。世帯増を果たした地域が相次ぎました。また、各地で地域貢献の活動を展開し、周囲から大きな信頼が寄せられています。

 原田 大聖人直結の世界宗教として誇りも高く、私たちは前進していきたい。

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉15 青年部の人材グループに「新時代1期生」が誕生 新しい人こそ新しい広布の力 2019年2月7日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉15 青年部の人材グループに「新時代1期生」が誕生 新しい人こそ新しい広布の力 2019年2月7日

「近隣友好」が立正安国の大道
〈出席者〉
原田会長
永石婦人部長
志賀男子部長
中原男子部大学校事務局長
大串女子部長
山口白蓮グループ委員長
各地で開催されている、「白蓮グループ」と「男子部大学校」の入卒式。青春時代の鍛えと薫陶は生涯の宝に。さあ、決意と挑戦の日々を

 山口 2月3日、千葉市幕張メッセで開催された、カラーガード・マーチングパーカッションの全国大会で、鼓笛隊の「創価グランエスペランサ」が接戦を制し、「最優秀賞」に輝きました。2年連続「日本一」の栄誉です!(一同、拍手)

 大串 メンバーは今回、「従藍而青」を合言葉に、徹底して池田先生の指導を学び、本番を迎えました。特に1月の本部幹部会で紹介された「『勝つ』なかに『幸福』もある。『希望』もある。『広宣流布』もある」との指針を胸に刻み、日々の学業、仕事、学会活動、そして練習などに全力で取り組んできました。

 原田 グランエスペランサとは、“大いなる希望”との意味ですね。その名の通り、多くの人に、希望と勇気を届けてくれた鼓笛隊の活躍に、心からの喝采を送ります。

 永石 また、大変にうれしいことに、4日からは、池田先生の新たな随筆「『人間革命』光あれ」が聖教新聞で始まりました。

 原田 先生は今回、67年前の「二月闘争」で、「近隣を大切に」と訴えられたことを通し、「一人ひとりが、自分のいる場所で、自分の身近な縁に目を向けて、そこから、勇気の対話の一歩を踏み出すこと」が重要であると言われています。

 永石 さらに、「ここで戦うと腹を決めれば、会う人、縁する人に向き合う一念が変わる。自分の祈りが深まれば相手も環境も変わる」「一番足元の近隣・地域の人びとを眷属と慈しみ、妙法の光で楽土へ照らしていくことが、立正安国の大道なのである」とも教えてくださっています。

 原田 「新時代の二月闘争」に挑む私たちが、心に刻むべき指針です。自分が今いる場所から、勇気の一歩を踏み出し、師匠の大恩に応えていきたい。

「小単位」での育成

 志賀 現在、青年部の「創価班・牙城会・白蓮グループ」の入団式・入卒式が各地で行われています。

 大串 今期、入団するメンバーは全員が、各グループの「新時代1期生」として出発します。そこには、師から託された広布の新たな道を開きゆく決意が込められています。

 中原 昨年9月8日、小説『新・人間革命』が完結しました。私たちにとって、小説の完結は、弟子のいよいよの人間革命と団結の戦いで広布を遂行していく誓願の時を示すものであると思います。

 原田 このたび、誕生する「新時代1期生」はまさに、弟子の新時代を切り開く先駆者たちです。先生が、「『新しい人』だからこそ、『新しい力』を発揮できる」と述べられている通りです。

 志賀 男子部では、昨年誕生した「男子部大学校1期生」が、創価班・牙城会の「新時代1期生」となります。

 中原 1年間、挑戦を続けた男子部大学校1期生の成長には、目を見張るものがあります。入会して日の浅いメンバーも多い中、1年を経て、地区の青年部の中心として活躍する1期生もいます。まさに、「鉄は炎打てば剣となる」(御書958ページ)との大学校の指針の通りです。

 志賀 その背景には、執念ともいえるほどの真心で、寄り添い続けた先輩たちの奮闘があります。たとえば、中部では、先輩たちが週に1度、大学校生の自宅に行き、一緒に勤行・唱題を続けてきました。

 中原 その中で、両者の絆が強くなり、目標や悩みを共に祈り、解決に向けて共に動くことが定着。三重では、半数以上の大学校生が折伏を実らせるなど、新たな人材育成の潮流が起きています。

 志賀 このように、「1対1」や「2対1」といった小単位での育成を重視している地域は特に、大学校生の成長が顕著です。

 原田 大事なことです。いよいよ大学校2期生も誕生しています。「新しい力」が「新しい広布の扉」を開く――これが広布の鉄則です。「新しい人」が無限の力を発揮できるよう、さらに励ましを送っていきましょう。

白蓮は勝利の女王

 大串 新指導集『勝利の女王 白蓮グループ』が発刊された、白蓮グループの「新時代1期生」も躍動しています。

 山口 この時に当たり、白蓮グループでは、蓮をモチーフにしたデザインのスカーフを、私服に着用するという新しい任務スタイルが始まりました。

 大串 指導集には、「大らかに『友情と連帯』の勝利を!」と題する、池田先生の「発刊に寄せて」も掲載されています。感動と感謝でいっぱいです。

 山口 今、各地の入卒式に参加する中で、白蓮での薫陶を胸に、仕事や生活の悩みを乗り越えているメンバーの姿を多く見ます。あらためて、白蓮の使命の深さを実感します。

 原田 先生はかつて、「白蓮の前進こそ、広宣流布の前進です。白蓮の勝利こそ、創価学会の勝利なのです」と言われました。
 皆さんが、毅然として一人立つことで、自分自身はもちろん、一家眷属も、また地域も社会も、全てを幸福へ、希望へ、勝利へと、引っ張っていくことができるのです。

 永石 白蓮の皆さんが誇り高き使命を胸に、「友情と連帯」の大拡大を成し遂げていけるよう、私たちも全力で応援していきます。

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 第5巻 基礎資料編 2019年2月6日

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 第5巻 基礎資料編 2019年2月6日

物語の時期 1961年10月8日~1962年1月25日

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第5巻の「基礎資料編」。各章のあらすじ等を紹介する。次回の「名場面編」は13日付、「御書編」は20日付、「解説編」は27日付の予定。

「開道」の章

 1961年10月8日、ベルリンの壁の前に立った山本伸一は、その夜、東西ドイツの統一と世界の平和への強い誓いを込めて勤行した。終了後、東西冷戦の氷の壁を溶かすために、各国の指導者と会って「対話」の道を開く、民衆と民衆の心をつなぐ文化交流に力を注いで「平和」の道を開く――との決意を披歴する。
 翌日は、ケルン市内の工場などを見学した後、重役らとの会食会に。「仏法のヒューマニズム」に共感する出席者の姿を通して、国境や民族を超えて互いに理解し合えることを、強く確信したのであった。
 10日、伸一はオランダへ。翌日、フランスのパリを訪れ、凱旋門などを視察。ルーブル美術館で、芸術は人間性の発露・表現であり、武力や暴力など、外圧的な力で人間を封じ込める“野蛮”の対極にあると語る。
 13日に、イギリスに渡った伸一は、ヨーロッパの組織について検討し、西ドイツ(当時)、フランス、イギリスの各国と、欧州全体の連絡責任者を立てることを決定。ロンドンで、老人との対話から、高齢化社会にあって「思いやりのネットワーク」の大切さを痛感する。

歓喜」の章

 10月15日の夜、スペインのマドリードに到着した伸一は、平和を、ヒューマニズムを守り抜く地涌の友の誕生を願い、“出よ! 妙法のピカソよ、妙法のカザルスよ”と祈る。
 翌日は、スイスへ。ジュネーブの空港では、出迎えてくれた婦人部員やその家族を激励する。
 さらに、オーストリアのウィーンを訪問。著名な音楽家たちが眠る中央墓地を訪れ、楽聖ベートーベンの墓碑の前に立つ。「苦悩を突き抜けて歓喜へ」との自身の言葉通り、苦悩に次ぐ苦悩の激浪を身に受けながら、交響曲第九番を完成させた生涯に思いを馳せる。伸一は、若き日、苦境に立つ恩師・戸田城聖を守ろうと孤軍奮闘する中で、その音楽を聴き、魂を燃え上がらせてきた。彼は万人の幸福と世界の平和を実現するため、ベートーベンのごとく、あえて困難な道を征こうと決意する。
 その後、イタリアのローマとバチカン市国へ。伸一は、古代ローマの遺跡に立ち寄り、人間共和の「永遠の都」の建設を誓う。ヨーロッパ滞在最終日の21日には、カタコンベ(初期キリスト教時代の地下墓所)を訪れ、不屈の信仰の大切さを語る。

「勝利」の章

 10月23日にヨーロッパから帰国した伸一は、30日と11月1日、大詰めを迎えた「大阪事件」の裁判の公判で、大阪地裁の法廷に立つ。
 5日は、国立競技場に10万人が集った第10回男子部総会へ。“10万結集”は、54年に戸田が「国士訓」を発表し、「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう。かくして、国に十万の国士あらば、苦悩の民衆を救いうること、火を見るよりも明らかである」と呼び掛けて以来、青年部の室長だった伸一の、師への誓いでもあった。
 会場には、翌年の学会のテーマである「勝利」の文字が掲げられていた。それは、この日を迎えた青年たちの心情でもあり、戸田の遺命を実現し、青年部の室長として最後の仕事を成就した、伸一の勝利を示すかのようでもあった。
 12日には、横浜・三ツ沢の競技場に8万5000人が集い、第9回女子部総会が開催された。伸一は、「女子部は全員が教学部員に」と期待を寄せる。20日、東北本部の落成式に出席。そこで発表された“東北健児の歌”を、「新世紀の歌」として全国で歌っていくことを提案する。

「獅子」の章

 62年「勝利の年」の元日、伸一は、東京・信濃町の学会本部で行われた初勤行で、新年の大勝利を誓い、深い祈りを捧げる。13日には、雪の北海道へ。前年に他界した女子部のリーダーの北海道女子部葬に参列。翌日は、北海道総支部幹部会と全道の地区部長会に出席し、「北海の獅子よ立て」との念願を語る。
 17日、国会議事堂で、学会員の参議院議員が記者会見を開き、「公明政治連盟」の発足を発表する。
 25日は、大阪事件の裁判の判決公判が開かれることになっていた。前日に大阪入りした伸一は、関西の女子部幹部会に続いて、関西男子部の幹部会へ。どこまでも不幸な人の味方となり、民衆の幸福のために堂々と前進するよう訴える。
 公判では、伸一に「無罪」が言い渡される。関西本部に戻った伸一は、広間に掲げられていた戸田の遺影を見つめ、“先生、伸一は無罪を勝ち取りました……”と報告。
 さらに彼は、同志に向かい、「この事件は迫害の終わりではない。むしろ、始まりです」と語り、「私たちは師子だ。嵐のなかを、太陽に向かって進もう!」と呼び掛ける。

「大阪事件」無罪判決までの経緯

 〈大阪事件の無罪判決を勝ち取った後、山本伸一は関西本部で、事件の本質について語る〉
 「学会は民衆を組織し、立正安国の精神のうえから、民衆のための政治を実現しようと、政界にも同志を送り出してきました。その学会が飛躍的な発展を遂げているのを見て、権力は、このままでは、学会が自分たちの存在を脅かす一大民衆勢力になるであろうと、恐れをいだいた。そして、今のうちに学会を叩きつぶそうとしたのが、今回の事件です」(「獅子」の章、352ページ)

 ※『新・人間革命』の本文は、聖教ワイド文庫の最新刷に基づいています。

【挿絵】内田健一郎 【題字のイラスト】間瀬健治

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉14 「誓願」の祈りで地域に仏縁広げる “今いる場所”こそ広宣流布の本舞台 2019年2月4日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉14 「誓願」の祈りで地域に仏縁広げる “今いる場所”こそ広宣流布の本舞台 2019年2月4日

巧妙化する「詐欺」を見破る
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
志賀男子部長
大串女子部長
弾けるような題目で、わが近隣に勇気の対話の一歩を! 励ましと仏縁を広げ、地域の太陽として輝く婦人部の友(1月16日、名古屋市で行われた愛知婦人部の集い)

 大串 全国の同志の皆さまが“私の二月闘争”を勝利で飾ろうと、対話拡大に駆けています。

 原田 各県各地を訪問する中、その先々で、前進の息吹にあふれた、拡大の報告を聞きます。皆さん、池田先生の指導を胸に刻み、師弟共戦の心で戦っておられます。

 長谷川 先生は年頭から連日、私たちのために指針やメッセージを贈ってくださっています。大白蓮華の連載「世界を照らす太陽の仏法」では、2月号から、各部の友への指導がつづられています。

 永石 第1回は私たち「婦人部」を代表として、新時代の「二月闘争」の勝利の要諦について、教えてくださいました。いつも、婦人部を温かく励まし、見守ってくださる先生に感謝は尽きません。

 長谷川 二月闘争は、1952年(昭和27年)、先生が蒲田支部で指揮を執られ、1カ月で201世帯の弘教拡大という、当時の壁を破る金字塔を打ち立てた戦いです。

 永石 本年、10周年を迎える「婦人部 実践の五指針」の一つ目は「祈りからすべては始まる」です。これは、二月闘争の当時、先生が特に強調されていたことです。

 原田 とても大事な指針です。婦人部だけでなく、わが地域の指針として心に刻み、行動してまいりたい。

 永石 大白蓮華で、「祈り」について、先生は祈禱抄の一節を拝されています。「大地はささばはづるるとも虚空をつなぐ者はありとも・潮のみちひぬ事はありとも日は西より出づるとも・法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず」(御書1351ページ)

 長谷川 そして、「妙法の祈りとは、『誓願』です。最も強靱な精神の力です」とした上で、「必ず成し遂げる!」という信念、「絶対に負けない!」という確信、「断じて戦い勝つ!」という究極の勇気、の重要性を教えてくださいました。

 原田 池田先生は、二月闘争の当時、24歳の青年でした。先生は、広宣流布の師匠である戸田先生にお応えしようと、師の誕生の月を「なんとしても歴史的金字塔で荘厳しましょう!」と、皆に呼び掛けられました。師に勝利を誓い、誰よりも真剣に祈ることから始め、一人一人を徹して励まし抜いていかれたのです。

爽やかなあいさつ

 志賀 さらに、先生は大白蓮華で「其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ、仏種は縁に従って起る是の故に一乗を説くなるべし」(御書1467ページ)との御文を拝され、「妙法を持つ人が“今いる場所”こそ、広宣流布の本舞台」であると示されています。

 永石 「自分にしか切り開くことのできない広布の曠野が必ずあります」「最も重要なことは、この地域の広布を担うのは、誰かではなく自分なりと、深く自覚することです」との指導を実践し、さらなる決意で、地域に友情と幸の連帯を広げていきます。

 長谷川 先生ご自身が二月闘争の当時、住んでいた東京・大田区のアパートの住民の方々との親交を大切にされました。爽やかなあいさつを交わされ、ご自身が病気を乗り越えた体験を語られたりもしました。

 大串 先生はどんなに忙しくても「近隣」の方々を大切にされ、仏縁を結んでこられたのですね。

 志賀 「無縁社会」と呼ばれて久しい現代にあって、青年世代は、生まれ育った故郷を離れて暮らし、近所付き合いがほとんどないという人も多くいます。

 原田 そのような風潮がある中で、学会青年部の皆さんが、はつらつと地域に貢献しつつ、友情を大きく広げる姿は、各地の希望になっています。先生は、かつて「今、暮らす地域を新たな故郷とし、今、縁する人を同郷の友として、友情を広げていきたい。そこに喜びも広がる」と指導されました。

 志賀 壮年・婦人の皆さまが築いてこられた信頼、地域広布の精神を継承するために、私たち青年部も“今いる場所”で“縁する人”に大きく対話を広げてまいります。

 原田 それぞれが、使命の場所で「広宣流布」と「立正安国」の旗を掲げ、対話の拡大、友情の拡大、信頼の拡大に挑戦していきたい。各地の広布史に残る、二月闘争を起こしていきましょう。

“組織利用”は厳禁

 大串 特殊詐欺の手口が巧妙化し、被害も後を絶ちません。近年増加しているのが、犯罪グループが、被害者の個人情報を調べる目的で事前にかける「アポ電(アポイントメント電話)」と呼ばれるものです。

 志賀 先月、都内で高齢者夫婦が2000万円を奪われた強盗致傷事件がありました。これも、事前に息子をかたって、現金の有無などを尋ねる電話があり、その後、実行されたものでした。警視庁は「アポ電は事件の前兆」と、警戒を呼び掛けています。

 長谷川 また、何度も確認していることですが、学会の組織は皆が信心に励むため、広布のための組織です。組織を利用しての商売は厳に戒めてまいりたい。いわゆる“マルチ商法”も同様のことがいえます。

 原田 組織の立場を使って、物を売るような行為は厳禁です。もし、話を持ち掛けられた場合には「いりません」「必要ありません」ときっぱり断り、すぐに、組織のリーダーに相談してください。信心を根本に油断を排し、常識豊かな判断で、無事故の日々を送ってまいりましょう。

〈随筆 「人間革命」光あれ 池田大作〉 新時代の黎明 2019年2月4日

〈随筆 「人間革命」光あれ 池田大作〉 新時代の黎明 2019年2月4日

勇気で挑め困難に屈するな!
声は力なり 立正安国の言論王たれ
わが郷土は「よきところ」と信頼広げ
雲湧き、風起こり、まばゆい太陽が光を放つ。その自然のドラマのもと、大阪城が堂々とそびえる。“常勝”の誇りも高き民衆の勝利劇を厳と見つめるように――(1997年11月、池田先生撮影)

 「光明は人を輝かす」と、文豪ビクトル・ユゴーは叫んだ。
 世界的な傑作『レ・ミゼラブル』では、人を健やかに、幸せにする光明が希求されている。
 世の悲惨に打ちひしがれた民衆のために!
 苦悩の闇に追いやられた若人のために!
 ユゴーは、人間を進歩させる原動力に、「あえてなす」ことを挙げた。
 正義と人道の行動に打って出る勇気が、生命を光輝あらしめるのだ。
 法華経には、「地涌の菩薩」は「無量の光明あり」(創価学会法華経四五二ページ)と、その輝く姿が讃えられている。
 翻って、地涌の光明は、今いずこにあるのか。
 御本仏・日蓮大聖人の仰せの通り、広宣流布のため、立正安国のため、たゆみなく勇猛精進する、創価の民衆にこそあるのだと、私たちは高らかに宣言したい。
 執筆二十五年に及んだ小説『新・人間革命』が完結して迎えた一年――いよいよ、わが宝友一人ひとりが自らの人生の上に、偉大な「人間革命」の実証を示しゆく時だ。
 創価世界市民の連帯が地球社会を包み始めた今、この欄も「随筆 『人間革命』光あれ」として、綴っていきたい。

衆生の闇を破る

 我らが実践する日蓮仏法は、まさしく「太陽の仏法」である。
 その正義を、創価の父・牧口常三郎先生は、法難の獄中にあっても、堂々と主張されていた。
 当時の訊問調書を繙くと、牧口先生は、法華経神力品の一節を引かれている。
 「日月の光明の 能く諸の幽冥を除くが如く 斯の人は世間に行じて 能く衆生の闇を滅し」(法華経五七五ページ)
 そして、大聖人こそ、全世界の人類を即身成仏へ導く大導師であられると明言されたのである。
 軍部政府の圧迫を恐れた宗門が、御書の「日蓮は一閻浮提第一の聖人なり」(九七四ページ)などの要文を削除した所業とは、あまりに対照的であった。
 日蓮仏法の真髄の光は、まぎれもなく創価の「師子王の心」によって厳護され、継承されてきた誇りを忘れまい。
 牧口先生が身読された神力品の経文には「世間に行じて」とある。
 この通りの実践こそ、まさに学会活動なのだ。世間を離れてしまえば、悪口罵詈されることも、煩わしい苦労もない。しかし我らは、久遠元初からの地涌誓願のままに、あえて試練の国土に躍り出て、民衆の苦悩の闇、時代の闇、社会の闇を打ち破っていくのだ。
 今、日本全国、全世界で、創価家族が「柔和忍辱の衣」を着て、勇敢に誠実に大仏法を「世間に行じて」いる英姿の光明を、御本仏がどれほど讃嘆され、また牧口先生が喜んで見つめておられることか。

月闘争の着眼

 日蓮大聖人の聖誕の月にして、戸田城聖先生の誕生の月である二月を、「報恩の拡大」で飾ろうと、六十七年前(一九五二年)、私は、蒲田支部の若き支部幹事として行動を起こした。
 当時の組織の最小単位である「組」(現在のブロック)を基盤に、異体同心で邁進し、それまでの壁を破る弘教で、広宣流布の突破口を開いた。
 その際、「祈りから始める」「体験を語る」との指針と共に、私は「近隣を大切にしよう」と訴えた。
 これが「伝統の二月」の淵源である。
 特別な作戦などない。要は、一人ひとりが、自分のいる場所で、自分の身近な縁に目を向けて、そこから、勇気の対話の一歩を踏み出すことだ。
 ここで戦うと腹を決めれば、会う人、縁する人に向き合う一念が変わる。自分の祈りが深まれば相手も環境も変わる。それを避けていたら、いつまでも、自分の「本国土」とはならないのだ。
 一番足元の近隣・地域の人びとを眷属と慈しみ、妙法の光で楽土へ照らしていくことが、立正安国の大道なのである。
 大聖人は、大難に挑まれている新潟・佐渡で、悠然と言い放たれた。
 「我等が如く悦び身に余りたる者よも・あらじ、されば我等が居住して一乗を修行せんの処は何れの処にても候へ常寂光の都為るべし」(御書一三四三ページ)
 ともあれ、悩みのない人生がないように、何の課題もない地域など、どこにもあるまい。それでも、わが郷土を、御書の御指南の通りに「よきところ・よきところ」(同一一八三ページ)と一念を定め、皆で知恵を出し、育んでいくのだ。
 その快活な挑戦を続ける中で、事実の上でも、必ずや「三変土田」して、「よきところ」へ転換していけるのである。
 「二月闘争」等で駆け巡った東京の大田や神奈川の川崎、また鶴見をはじめ共戦の天地も隆々と栄え光っていることを、私は妻と嬉しく伺い、縁の友に題目を送っている。

さあ最前線へ!

 本年、我らは「創立九十周年へ 創価勝利の年」と掲げて出発した。
 このように“一年間のテーマ”を決めるようになったのは、六十年前の一九五九年からだ。
 戸田先生が逝去されて初めて迎える新年を「黎明の年」にと、私が発案したのである。
 「黎明」とは、暗から明に転ずる「夜明け」のことである。
 当時、総務の役職とともに、青年部の室長も兼務していた私は、「青年の力」によって、この一年を創価の黎明とするのだと誓い、祈った。
 さあ、広布拡大の最前線へ! まだ訪れていない地域へ! 会えていない友のもとへ!
 私は、先陣切って動きに動いた。
 「幹部が率先して一番困難な所にあたるのだ。法華経は冬の信心ではないか」と呼び掛けて、私自身が真っ先に、厳寒の北海道へと向かった。
 一月十五日には小樽に第一歩を印すと、旭川、夕張、そして札幌へと、北の大地を駆け、同志の中へ飛び込んでいった。恩師の故郷で、北国の友の辛労を偲びつつ、希望の灯火を掲げたのだ。
 二月一日には、関西へ。続いて四国に渡り、香川、高知を回った。一旦帰京し、中旬に中部の名古屋、再び大阪。大阪事件の公判の合間を縫って、懸命に友の激励を重ねた。
 三月に入ると、茨城の日立、水戸を歴訪し、次いで埼玉の大宮へ。
 「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候、悪は多けれども一善にかつ事なし」(同一四六三ページ)
 行く所、向かう所、御聖訓を拝し、異体同心の団結こそ勝利の要諦なり、と約し合ったのである。
 下旬にも、愛知、滋賀、福井、京都、岐阜へと転戦し、御書を拝しては対話を続けた。一瞬の機会も逃さず、真剣な個人指導に徹した。
 皆、悩みを抱え、健気に悪戦苦闘していた。その胸奥に、御書と恩師の指導を通して、勇気と希望という確かな黎明の光を灯していったのだ。
 御聖訓には、「百千万年くら(闇)き所にも燈を入れぬればあか(明)くなる」(同一四〇三ページ)という譬えがある。
 声も惜しまず、勇気凜々と語った分、内外を問わず、仏縁を結び、友の心を明るく照らし、温めることができるのだ。
 六十年の時は巡り、青年部の中核たる創価班、牙城会、白蓮グループにも「新時代一期生」が誕生し、新たな黎明を告げる活躍を開始している。
 各地の“青年室長”との深い自覚で、励ましを広げ、人材の育成と拡大に当たってくれている男女青年部のリーダーたちを讃え、労いたい。

通信員制度65年

 人間主義の言論紙たる聖教新聞は通算二万号の金字塔を打ち立てた。とともに、この一月、通信員制度が発足してから六十五周年の節を刻んだ。
 地域の最前線で創価の民衆運動を記録し、宣揚しゆく尊い献身にあらためて感謝申し上げたい。
 通信員の方々が撮影した写真のページ「郷土アイ」に、先日、懐かしい新潟の瓢湖に飛来した白鳥が紹介されていた。
 写真では、「いざ、羽ばたかん!」とばかりに、大きく翼を広げた一羽の姿が印象的であった。
 御書には、白鳥の声を聞いて嘶く白馬の声によって威光勢力を増すという輪陀王の故事を通し、「白馬は日蓮なり・白鳥は我らが一門なり・白馬のなくは我等が南無妙法蓮華経のこえなり」(同一〇六五ページ)と仰せである。
 題目の声を響かせるところ、梵天帝釈をはじめ諸天も光を盛んにして、我らを守護しないわけがないと、ご断言である。
 どんな逆境に臨んでも我らには題目がある。
 全同志が「自他彼此の心なく」(同一三三七ページ)と題目を唱えゆく恐れなき前進に、諸天の旗も色冴えて、「人間革命」そして「立正安国」の大光はいやましていくのだ。

語り続けよ友よ

 大寒波に見舞われたアメリカ中西部など、各地で自然災害が続き、国際情勢も揺れ動いている。全世界の尊き仏子の健康と安穏を、強盛に祈らずにはいられない。
 「語る者よ、語りつづけよ、歌う者よ、歌いつづけよ」と、アメリカの大詩人ホイットマンは、力強く呼び掛けた。
 粘り強く発し続ける青年の声、民衆の声、連帯の声にこそ、世界を変えていく力がある。
 「声は力」である。
 「声は光」である。
 いよいよ「声仏事を為す」(御書七〇八ページ)と、大確信の師子吼を轟かせながら、「創価勝利の年」を輝き光らせていこうではないか!

 (随時、掲載いたします)

 ユゴーの言葉は豊島与志雄訳『レ・ミゼラブル』(岩波書店)、ホイットマンは酒本雅之訳『草の葉』(岩波書店)。

〈池田大作先生 四季の励まし〉 「行動の人」が壁を破る 2019年2月3日

池田大作先生 四季の励まし〉 「行動の人」が壁を破る 2019年2月3日

 
 

 人生の価値とは
 “記録への挑戦”から生まれる。
 自分のこれまでの最高記録を、
 どう更新し、書きあらためるか。
 その“挑む”姿勢から、
 勝利と満足の人生が開かれていく。
 ゆえに、一人一人が、
 何らかの“わが新記録”をつくり、
 積みかさねていかねばならない。
 記録は次々と打ち破られ、
 ぬり替えられてこそ意味がある。

 大事なことは、
 常に前進の方向へ
 一念を定めることである。
 壁を乗り越える挑戦が、
 自身の境涯を確実に広げていく
 因となることは間違いない。
 戦えば必ず生命は変わる。
 宿命は絶対に転換できる。

 どのような逆境にも
 打ちひしがれず、
 祈り、戦っていること自体が
 勝利であり、
 何ものをも恐れない
 仏の姿なのである。

 日蓮大聖人は、自らを
 「法華経の行者」と言われた。
 行者とは行動の人のことであり、
 行動してこそ、
 真実の仏法者である。
 風が吹けば波が立つように、
 行動を起こせば状況は変化する。
 行動は壁を破り、
 自分の境涯を開く力である。
 行動の人には、あきらめはない。
 行き詰まったように見えても、
 行動のなかから、
 常に新しき道が開かれるからだ。

 第一歩を踏み出さなければ、
 目的は達せられない。
 まず「行動」だ。
 「一歩」を踏み出すことだ。
 「前進」即「勝利」である。
 大事なのは「今この時」である。

 明2020年「東京オリンピックパラリンピック」のメイン会場となる新国立競技場。本年11月末の完成へ、建設が着々と進む。先月8日、池田大作先生がシャッターを切った。
 学会の「伝統の2月」。その淵源は、第2代会長・戸田城聖先生から東京・蒲田支部支部幹事に任命された若き池田先生が、同志への激励を重ね、2月の1カ月間で支部201世帯の弘教という金字塔を打ち立てたことにある。
 池田先生は「二月闘争」を振り返りながらつづった。
 「いずこであれ、一人立つ勇者が現れれば、必ず広布の火蓋は切れる。いかに困難であっても、そこに奮闘する友がいる限り、一人を誠実に励まし抜く。これが壁を破る鉄則だ」と。
 さあ、勇気の対話で友情と信頼の絆を結び、自身の“拡大の新記録”に挑もう。

座談会 創立90周年を勝ち開く!〉13 1・26「SGIの日」記念提言を発表 人間革命の哲学を人類の道標に 2019年1月31日

座談会 創立90周年を勝ち開く!〉13 1・26「SGIの日」記念提言を発表 人間革命の哲学を人類の道標に 2019年1月31日

2月3・4日は教学の日 御書根本の前進を
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
竹岡青年部長
大串女子部長
世界が待望する「創価の人間革命の宗教」。各国で実施される「教学研修会」では、「太陽の仏法」の確信に触れ、皆が清新な決意で出発!(今月、インドでの集い)

 大串 このたび、関西創価小学校のアンジェリック・ブラスバンドが、「こども音楽コンクール」の全国大会で見事、「文部科学大臣賞」に輝きました!

 竹岡 “日本一”に相当する栄誉です。本当に、おめでとうございます!(一同、拍手)

 永石 関西創価小は昨年度も、別の大会で、“日本一”となる「文部科学大臣賞」を受賞しています。これで、同校初の2年連続での快挙となります。

 長谷川 同部の指針は、創立者である池田先生から贈られた「基本は力 持続は力」です。毎日の基本的なことの積み重ねの重要性が示されています。

 永石 この指針から、児童たちは「0・0作戦」(練習ゼロの日をゼロに)を実行しているそうですね。個人練習などの工夫もしながら、粘り強く努力を重ねていると聞きました。

 長谷川 さらに、“音を変えたければ、自分を変えよう!”と、あいさつ、マナー、勉強など、「全てで日本一」を目指した挑戦を重ねてきたそうです。そうした「自分の弱い心に負けたらあかん!」との勇気が、今回の栄光につながったのだと思います。

 原田 素晴らしい話です。若さには、無限の力があります。私たちも一日一日の目標を明確にし、自身の「人間革命」に挑みながら、栄光の歴史を勝ち取っていきましょう。

“あきらめ”と対峙

 大串 池田先生は本年も、1・26「SGIの日」を記念して、「平和と軍縮の新しき世紀を」と題する提言を発表してくださいました。

 長谷川 ここでは、軍縮のための三つの足場(①「平和な社会のビジョン」の共有、②「人間中心の多国間主義」の推進、③「青年による関与」の主流化)と、五つの具体的な提案が示されています。

 竹岡 その一つが、核兵器禁止条約への各国の参加の機運を高めるため、有志国によるグループを結成することです。先生は、日本が、そのグループに加わり、核保有国と非保有国の対話の場の確保に努めることを提案。また、AI兵器を禁止する条約の交渉会議を早期に立ち上げることなども訴えられています。

 長谷川 各マスコミでも即座に報道され、その注目度の高さがうかがえます。

 永石 提言では、仏法の視座を通し、「人間革命」の思想の重要性が示されていました。

 原田 思えば、小説『新・人間革命』第30巻の「あとがき」で先生は、社会も国家も世界も、全ては人間の一念から生まれるものであり、「人間革命」なくして、自身の幸福も、社会の繁栄も、世界の恒久平和もないと断言されました。

 大串 そして、仏法を根幹とした「人間革命」の哲学は、「第三の千年」のスタートを切った人類の新しき道標となろう、と結論されたのです。

 原田 その言葉のままに、提言では、日蓮大聖人が、「立正安国論」で、社会に巣くう“あきらめ”の心と対峙されたことに言及されています。

 竹岡 当時、災害や戦乱が相次ぐ中で、多くの民衆が生きる気力をなくしていました。また、自分の力で困難を乗り越えることをあきらめてしまう思想や、自己の心の平穏だけを保つことに専念するような風潮が社会を覆っていました。

 原田 そうした思想や風潮は、全ての人間に内在する可能性をどこまでも信じ、その薫発と開花を通じて、万人の尊厳が輝く社会を築くことを説く法華経とは、対極にあるものでした。ゆえに大聖人は、「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには」(御書24ページ)と仰せになり、“あきらめ”の心が巣くう社会の病根を厳しく指摘されたのです。

 竹岡 社会の混迷が深いからといって、あきらめるのではない。人間の内なる力を引き出して、時代変革の波を共に起こす――これこそ、大聖人の思想の根幹であり、創価の三代会長に脈打つ精神です。

 原田 たとえば、池田先生は、冷戦対立が激化した1974年、ソ連と中国を初訪問されました。また、冷戦終結後にアメリカとの厳しい対立関係にあったキューバや、テロ問題に直面していたコロンビアを訪れています。それは、“宗教者や民間人だからこそ、できることは必ずあるはずだ!”という強い信念と決意からの平和行動でした。

 長谷川 “このようにすれば必ず成功する”という万能な解決策などない中、先生は対話と交流を重ね、平和と共存の道を開いてこられたのです。

 原田 ひるがえって私たちも、身近で起きている、あらゆる困難な出来事に対し、あきらめることなく、挑戦を重ねていきたい。自身の周囲に、地域に、友好の輪を広げていく。自らの人間革命を通し、現実を変えていく――池田先生が示してくださった、この思想を実践する一人一人を目指していきましょう。

「師弟の絆」の強さ

 永石 2月3・4日の「教学の日」を中心に、各地で「御書講義」が開催されます。今回は、「生死一大事血脈抄」の「『在在諸仏土常与師俱生』よも虚事候はじ」(同1338ページ)等を拝します。

 大串 「いたるところの仏国土に、師と弟子が常に共に生まれ、仏法を行じる」という、「師弟の絆」の強さが示された一節ですね。

 原田 弟子にとって、常に師と共に生まれ合わせ、行動できることほど、うれしいことはありません。この御文を身をもって実感できる私たちだからこそ、一層の喜びを胸に、広布の大道を歩んでいきたい。