〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉75 さあ、「前進・人材の年」へ― 弟子の力で世界広布を推進! 2019年10月10日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉75 さあ、「前進・人材の年」へ― 弟子の力で世界広布を推進! 2019年10月10日

青年教学2級試験 挑戦の青春に勝利輝く
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
志賀青年部長
大串女子部長
仏法を求めてやまない青年が今、世界中に。その先頭に立ち、求道の汗を光らせる2級試験(9月29日)。忙しい日々の中、真剣に御書を拝したこと自体が、かけがえのない「心の財」に

 大串 エメラルドグリーンの海原が眼下に広がる沖縄研修道場で6日、「沖縄総会」の意義を込めた「本部幹部会」が、にぎやかに開催されました。

 永石 総会を祝賀するかのような大晴天のもと、沖縄家族の笑顔がはじける感動的な集いでした。

 大串 席上、明2020年、学会創立90周年のテーマ「前進・人材の年」が発表されました。

 原田 明年は、池田先生の第3代会長就任から60周年の佳節を迎えます。先生が会長に就任された1960年の年間テーマは「前進の年」でした。今こそ私たち弟子の力で、世界広布のさらなる前進を成し遂げ、人材拡大の実証を示していきたいと思います。

 長谷川 先生は、本部幹部会へのメッセージの中で、「大難に耐えて、法華経を弘める者を、釈迦仏は、衣をもって覆ってくださり、諸天は供養をし、あるいは肩に担い、背負って守るであろう。その行者は大善根の者であり、一切衆生のためには、大導師である」(御書1359ページ、趣意)との御聖訓を拝し、「たゆまぬ大前進の中から、我らは地涌の人材を二陣三陣と呼び出し、励まし育て、一切衆生のためにと、地域へ社会へ世界へ、送り出しています」と呼び掛けられました。

 原田 人材を拡大する一番の方途は、リーダー自身が人間革命し、模範の人材へと成長を続けることです。その姿が友への触発になります。「前進また前進」を合言葉に、新たな人材を励まし、育てる年にしていきたい。

 永石 先生は3日付の随筆で、「世界聖教会館」の竣工に触れ、こうつづられました。「いよいよ、この新しき師弟の言論城から、世界広宣流布の新しき波を起こすのだ! 人間主義と生命尊厳の旗を掲げて、『希望の光』『常楽の光』『平和の光』を広げゆくのだ!」と

 原田 先生と共に、仏法史上、未曽有の世界広布の時代に巡り合えた喜びと感謝を胸に、仏縁を大きく広げる聖教拡大の戦いに、リーダー率先で、さらに取り組んでいきましょう。

世界で仏法研さん

 永石 10月13日は、日蓮大聖人御入滅の日です(弘安5年〈1282年〉)。貞応元年(1222年)2月16日に誕生された大聖人は、人類の不幸を根絶し、全ての人に仏の境涯を開かせたいとの誓願と慈悲を貫かれた御一生でした。

 長谷川 万年にわたる社会の平和と全民衆の幸福を確立するため、大難に次ぐ大難の中、大法を弘通されたのです。

 原田 「生命尊厳」「万人平等」という法華経の根幹を、どう実現するか――その道を開かれたのが、御本仏・日蓮大聖人です。その大聖人に直結し、世界広布の大道を歩んできたのが、創価三代の師弟であり、創価学会です。

 長谷川 なかんずく池田先生の不惜身命の闘争により、大聖人の仏法は世界へと広がり、地涌の連帯は192カ国・地域へと拡大しています。

 原田 大聖人の教えを学ぶ「教学運動」も世界中で活発に行われ、聖教新聞には、真剣に仏法を学ぶ世界の友の求道の姿が毎日のように掲載されています。

信心の骨格を築く

 長谷川 日本の青年も真剣に仏法の研さんに励んでいます。過日の青年部教学試験2級では2万1000人が合格を果たしました。

 志賀 合否の結果はありますが、多忙な中で、研さんに励んだ全員が勝利者です。何より青年時代に、「開目抄」等を実践の中で学び、生涯の信心の骨格を築くことができたことは、大きな意義があります。

 永石 受験者はもちろん、教える側にとっても、一段と深く確信をつかむ機会になったことでしょう。

 志賀 日本中が試験に向けて大奮闘した中、特に全国をリードした模範の地域が、青森総県、総秋田、石川総県です。

 大串 石川池田県では、女子部のリーダーが毎回の講義を担当。仕事が多忙な中でも研さんに励み、御書を通して学んだことの感動を生き生きと語る先輩の姿に、新たなメンバーが立ち上がり、石川総県としても多くの友が受験をすることができました。

 志賀 青森総県の五所川原圏男子部では、受験者一人一人の“合格責任者”を明確にし、圏の勉強会以外にも、受験者の都合に合わせた個別の勉強会を開き続けました。“合格責任者”向けの勉強会も開催し、受験者が理解しやすい講義の仕方を皆で討議。さらに、受験者は勉強会から帰宅後、学んだことを家族に語るようにして理解の定着を図りました。こうした受験者と合格責任者の二人三脚で、目覚ましい結果を出すことができたのです。

 原田 徹底して一人を大事にする。工夫をこらして学ぶ喜びを引き出す。こうした取り組みが、素晴らしい成果を生んだのですね。

 志賀 総秋田では、公務員試験と教学試験の両立に挑戦した学生部員がいます。両方の試験の勉強で、深夜に及ぶことが何度もあったそうですが、受験した自治体の全てと、2級試験の合格を果たしました。

 大串 青年部として他にも、三重総県、富山総県、総新潟、鳥取総県、香川総県の躍進が光りました。

 原田 先生は、今回の2級試験の受験者に対し、「深い宿縁と福運をもって、今この時に躍り出てきた皆さん」に、「最敬礼して題目を送っています」と言われました。21世紀の世界広布を担い、大きく展開する、若き平和の「柱」、英知の「眼目」、連帯の「大船」である青年部の皆さんの成長を心から応援しています。

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 名場面編 第12巻 2019年10月9日

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 名場面編 第12巻 2019年10月9日

 
「栄光」の章

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第12巻の「名場面編」。心揺さぶる小説の名場面を紹介する。次回の「御書編」は16日付、「解説編」は23日付の予定。(「基礎資料編」は2日付に掲載)

真剣の二字に勇気と知恵が

 〈1967年(昭和42年)5月3日、会長就任7周年を迎えた山本伸一は、10日後には海外指導に出発し、最初の訪問地・ハワイへ〉
 
 今回の旅で彼(山本伸一=編集部注)が決意していたこともまた、七年前と同じく、一人でも多くの人と会い、励まし、その胸中に使命の種を植えることであった。(中略)
 彼は握手をしながら、その人のための励ましの言葉を、瞬時に紡ぎ出した。ある年配者には、こう激励した。
 「いつまでも、長生きをしてください。
 人生の勝利の姿は、地位や名誉を手に入れたかどうかで決まるものではありません。最後は、どれだけ喜びをもって、はつらつとした心で、人生を生き抜いたかです。あなたの、その姿自体が、信心のすばらしさの証明になります」
 また、ある青年には、こう語った。
 「“信心の英雄”になろうよ。それには、自分に負けないで、君自身の広布の歴史をつくることだよ。私もそうしてきたし、それが最高の人生の財産になる」
 どの言葉も、最も的確に、相手の心をとらえていた。魂の琴線をかき鳴らし、歓喜の調べ、勇気の調べを奏でた。この日の夜、ホテルで打ち合わせをした折、アメリカの日系人の幹部が伸一に尋ねた。
 「先生がそれぞれのメンバーに語られる、激励の言葉を聞かせていただきまして、その内容が本人にとって、本当にぴったりのことばかりなので驚いております。どうすれば、ああいう言葉をかけることができるのでしょうか」
 「私は真剣なんです!」
 伸一から返ってきたのは、その一言であった。特別な秘訣や技巧などはない。
 真剣――この二字のなかには、すべてが含まれる。真剣であれば、勇気も出る。力も湧く。知恵も回る。また、真剣の人には、ふざけも、油断も、怠惰もない。だから、負けないのである。そして、そこには、健気さが放つ、誠実なる人格の輝きがある。
 伸一が、一人ひとりに的確な励ましを送ることができるのも、“もうこの人と会うのは最後かもしれない”という、一期一会の思いで、瞬間、瞬間、魂を燃焼し尽くして、激励にあたっているからである。
 (「新緑」の章、20~23ページ)

腹を決めれば力が湧く!

 〈長野総合本部長の赤石雪夫は、青年時代に、兼任した役職を全うしていくことに悩み、山本伸一のアパートを訪れたことがあった。伸一は彼を銭湯に誘った〉
 
 赤石は、湯につかりながら、伸一に尋ねた。
 「たくさんの役職をもち、私なんかより、はるかに多忙なのに、どうして、そんなに悠然としていられるんでしょうか」
 (中略)
 「もし、みんなの目にそう映るとしたなら、それは、私が腹を決めているからだよ。
 一瞬たりとも、気を抜くことはできないというのが、今の私の立場だ。戸田先生のご存命中に広宣流布の永遠の流れを開いていただかなくてはならない。そのためには、学会は、失敗も、負けることも、決して許されない。私は、その責任を担っている。
 もし、負けるようなことがあれば、先生の広宣流布の構想が崩れてしまうことになる。師匠の構想を破綻させるような弟子には、私は絶対になってはならないと心に決めている。そんな弟子では、結果的にみれば、師子身中の虫と変わらないじゃないか。だから、負けられないんだ。勝つことが宿命づけられているんだ。
 私は断じて勝つ――そう心を定めて、祈り抜いていけば、勇気も湧く。知恵も湧く。力も湧いてくる」
 赤石は、何度も頷きながら、伸一の話を聞いていた。
 「何事も受け身で、人に言われて動いていれば、つまらないし、勢いも出ない。その精神は奴隷のようなものだ。しかし、自ら勇んで挑戦していくならば、王者の活動だ。生命は燃え上がり、歓喜もみなぎる。
 同じ動きをしているように見えても、能動か、受動かによって、心の燃焼度、充実度は、全く異なる。それは、当然、結果となって表れてくる。
 どうせ活動するなら、君も、常に自分らしく、勇んで行動する主体者になることだよ」(中略)
 アパートに戻ってからも、伸一は、赤石を励まし続けた。
 「(中略)広宣流布のために、うんと苦労をしようよ。うんと悩もうよ。うんと汗を流そうよ。自分の苦労なんて、誰もわからなくてもいいじゃないか。御本尊様は、すべてご存じだもの」
 (「愛郷」の章、134~136ページ)

立場などかなぐり捨てて

 〈10月、国立競技場で開催された東京文化祭では、4万2千人が出演した人文字が、花園を駆ける子鹿や、世界各地の風景を描き出し、観客を魅了した〉
 
 下絵の制作にあたった芸術部員のなかには、(中略)世間によく名の通った画家もいた。その著名な画家たちがつくった下絵も、容赦なくボツになった。(中略)皆が感嘆し、納得のいく絵でなければ、審査はパスしなかったからだ。
 だが、何度、ボツになろうが、そのことで文句を言ったり、やめると言い出す芸術部員は一人もいなかった。皆、自分の画壇での立場も権威も、かなぐり捨てていた。メンバーは、皆で力を合わせ、後世に残る最高の人文字をつくることに徹しきろうと、心を定め、集って来たのである。
 だから、絵がボツになると、自分の絵のどこに問題があったのかを真摯に思索し、挑戦の意欲をますます燃え上がらせるのであった。およそ、一般社会では考えられない、この姿を見て、若手の芸術部員が著名な画家に言った。
 「高名な先生が、ボランティアで、人文字の下絵を描かれるとは思いませんでした」
 すると、彼は笑いながら答えた。
 「私は、画家である前に学会員ですからな。一会員として、広宣流布の新時代を開く文化祭のために、何ができるかを考え、応援させていただいているんです。この文化祭は、映画にもなるそうですから、何百万という人が、文化祭を見ることになる。その人たちに、心から感動を与え、生きる勇気と希望を与えるお手伝いができるなんて、すごいことじゃないですか。さらに、この作業が、仏法のすばらしさを証明していくことにもなる。
 こうした偉業にかかわれるというのは、まさに千載一遇ですよ。
 また、いろいろな考えや画風の人が、力を合わせて、新しい芸術を創り出すことなんて、めったにあるもんじゃない。普段は自分の世界に閉じこもっているだけに、この機会は、私にとっては、新しい刺激と発想が得られるチャンスだと思っています。今回の作業を通して、狭量な自分の殻を破り、境涯を開きたいと考えているんですよ」
 (「天舞」の章、213~214ページ)

「未来に羽ばたけ君と僕」

 〈1968年(昭和43年)、創価学園が開校した。栄光寮の寮生たちは寮歌を制作。7月、テープに吹き込み、山本伸一のもとに届けた〉
 
 伸一は、それを、妻の峯子とともに聴いた。
 「いい歌だね。さわやかで、すがすがしい。そして、力強い。二十一世紀に羽ばたかんとする、学園生の心意気がみなぎっている。名曲が完成したね」
 伸一は、毎日、このテープを聴き、学園生の未来に思いをめぐらせ、成長を祈念した。
 (中略)
 伸一は、彼らの一途な開道の心意気に、なんとしても応えたいと思った。そして、寮歌の五番の歌詞をつくって、贈ろうと考えた。
 八月は夏季講習会が二十三日まで行われ、陣頭指揮をとっていた伸一は多忙を極めていたが、寮歌の五番の作詞に取りかかった。
 四番までの歌詞を何度も読み返しては思索し、五番では友情をうたおうと思った。
 ペンを手にすると、伸一の頭には、泉のように言葉が浮かんだ。
 それを吟味するかのように、推敲を重ね、歌詞を書き記していった。
  
 五、富士が見えるぞ 武蔵野の
   渓流清き 鳳雛
   平和をめざすは 何のため
   輝く友の 道拓く
   未来に羽ばたけ 君と僕
  
 「輝く友の 道拓く」の箇所には、学園生のために命がけで道を開こうと決めた、伸一自身の決意も込められていた。(中略)
 学園生は、「君と僕」の歌詞に、二つの意味を感じ取っていた。
 一つは、「君」は「友」であり、「僕」は「自分」である。そして、もう一つは、「君」が「自分」であり、「僕」は、創立者である「山本伸一」である。
 歌いながら、生徒たちは、伸一が極めて身近な存在に思えた。そして、ともに未来に向かって前進する、共戦の父子の絆を感じるのであった。
 (「栄光」の章、354~357ページ)

 ※『新・人間革命』の本文は、聖教ワイド文庫の最新刷に基づいています。

 【挿絵】内田健一郎 【題字のイラスト】間瀬健治

支部未来本部長・未来部長会への池田先生のメッセージ 2019年10月8日

支部未来本部長・未来部長会への池田先生のメッセージ 2019年10月8日

わが地域に人材の花を咲かせ広げよう!

 恩師・戸田先生はよく言われておりました。
 「人材を育てる人こそが真の人材だ」と。
 広宣流布の尊き最前線で、まさしく真の人材の輝きを放たれている支部未来本部長の皆さん、未来部長の皆さん、いつもいつも本当にありがとうございます!
 「開目抄」の最終章では、なぜ、法華経の会座に、釈迦・多宝・十方分身の諸仏が集まってきたのかが、論じられております。
 日蓮大聖人は、宝塔品の「令法久住・故来至此」、すなわち「法をして久しく住せしめんが 故に此に来至したまえり」との経文を引用され、仰せになられました。
 それは、「未来に法華経を弘めて未来の一切の仏子にあたえん」(御書236ページ)ためであると。
 そして、その仏たちのお心は、大きな苦しみにあっている我が子を何としてでも救わずにおかないという父母よりも、さらに強く盛んであると言われるのであります。
 本日の全国を結んでのテレビ会議は、この最極無上の仏に直結して、「未来の一切の仏子」を励まし育み、世界広宣流布の流れを永遠ならしめゆく「誓願の会座」にほかなりません。どれほど崇高にして、どれほど福徳あふれる集いでしょうか。
 未来部担当者の方々が、また教育部の先生方が、親きょうだいにも勝る深い慈愛をもって、後継の宝の成長と幸福を願い、日夜、尽くしておられる献身を思う時、私は妻とともに、朝な夕な合掌せずにはいられません。
 人の何倍、いな何十倍もお忙しい毎日でしょう。しかし、皆さんの功徳は無量無辺であり、子孫末代まで絶対に守られていくことを、どうか強く深く確信してください。
 フランスの大思想家ルソーは教育小説『エミール』の中で訴えました。
 「子どもに純真な心をもちつづけさせるよい方法は一つしかないと思われる。それは、子どものまわりにいるすべての人が純真なものを尊重し、愛することだ」と。
 学会ほど、純真な心の世界はありません。学会ほど、正義の団体はありません。
 この創価の庭にみなぎる人間主義、生命尊厳の「教育力」こそ、地域を、社会を、さらに世界までも、照らし晴らしゆく希望の太陽でありましょう。
 きょうの有意義な研鑽を力としながら、共々に「いまだこりず候」(同1056ページ)と、励ましの種を蒔き、人材の花また華を、わが支部から未来へ咲かせ広げようではありませんか!
 どうか健康第一で聡明に朗らかな前進をお願いします。私も題目を送り続けます。

 ルソーの言葉は『エミール』今野一雄訳(岩波書店

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉74 「山口開拓指導」に学ぶ勝利の要諦 拡大と育成は広布の両輪 2019年10月7日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉74 「山口開拓指導」に学ぶ勝利の要諦 拡大と育成は広布の両輪 2019年10月7日

〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
西方男子部長
大串女子部長
師弟の道を一筋に歩み抜く青年の存在ほど心強いものはない――次代を担う男女青年部の友が各地で対話拡大に先駆

師弟の道を一筋に歩み抜く青年の存在ほど心強いものはない――次代を担う男女青年部の友が各地で対話拡大に先駆

 原田 この度、北京で行われた中国の建国70周年を記念する行事に学会の代表として参加してきました。私は、池田先生の第1回訪中に同行させていただきました(1974年)。先生はかねてより「将来、必ず、中国は大発展する」と確信されていました。まさしく今、中国は世界が刮目する発展を遂げています。

 長谷川 20世紀最大の歴史学者トインビー博士も、池田先生との対話の中で、中国が21世紀に向け「世界の平和共存」と「人類文明の進展」に大きく貢献していくであろうと論じられていましたね。

 原田 ともあれ、中国の方々は、両国友好の井戸を掘った先人として、池田先生の功績を高く評価しています。今回、お会いした中国の識者の方々からも、先生に敬意を払われていることが伝わってきました。

 永石 今月には、杉本総合婦人部長を団長とする第8次女性訪中団が、中華全国婦女連合会の招へいで中国を訪問いたします。

 原田 池田先生の初訪中から45周年。友好の絆を一段と強く結んでいくのは私たち後継の弟子です。先生が開かれた友誼の道をさらに広げていきましょう。

一人を励まし抜く

 大串 10月9日は、広布史に燦然と輝く「山口開拓指導」が開始された日です。1956年(昭和31年)のこの日から翌年1月にかけて、若き池田先生が陣頭指揮を執り、延べ22日間で当時の山口の会員世帯数を約10倍に拡大した闘争です。

 永石 この時、先生は弘教拡大とともに徹底して同志の激励、リーダーの育成に力を注がれました。

 西方 男子部のあるリーダーが、仕事が多忙で思うように活動できない悩みを先生に打ち明けました。すると、先生は「真剣さは、必ず形に出る」と指摘され、「何としてもメンバーと会いたい。人材を出したい。そう思うなら徹底して手紙やはがきを書けばいいじゃないか」「時間は与えられるものではなく、どうつくり出すかだよ」と、厳しくも温かく指導されたそうです。

 長谷川 とても大事な指導です。その人は先生の言葉に自身の弱気、諦めの命が吹き飛んだそうです。

 原田 先生は山口に滞在中、日に何十通とメンバーへの激励の一文をしたためていました。当時、池田先生は戸田先生の事業を支えている渦中です。そうした中にあっても、目の前の「一人」を励まし、「一人」から広布の突破口を開かれたのです。

 永石 池田先生はかつて、山口開拓指導の勝利の要諦について3点、教えてくださいました。①勝利への揺るぎなき一念②祈りを合わせる③電光石火のスピード――です。

 西方 先生ご自身が実践されてきた勝利のリズムを受け継ぎ、私たち男子部は広布の目標の達成、自身の課題克服へ向け前進してまいります。

 大串 女子部もさらなる聖教拡大に挑戦し、先生のご指導通りに、真っすぐに進んでいきます。

 長谷川 日蓮大聖人は、若き南条時光に「此の法華経を強く信じまいらせて余念なく一筋に信仰する者」を仏菩薩や諸天善神が「影の身にそふが如く」守護する(御書1528ページ)と約束してくださっています。

 原田 広宣流布の偉大な師匠に続き、真剣に戦い抜いてきた方々が皆、勝利の実証を示し、幸福境涯を開いていくことは、御聖訓に照らして間違いありません。創立記念日の「11・18」に向け、さらなる拡大に励んでいきたい。その闘争の中で、わが地域の広布が開かれ、私たちの人生も大きく開いていくからです。

供養の心に福徳が

 長谷川 本年も多くの方々に広布部員の申し込みをしていただきました。深く御礼申し上げます。

 永石 歓喜にあふれる財務となるよう取り組み、祈っていきます。

 原田 学会は大聖人の御遺命である世界広布に邁進しています。ゆえに学会が推進する財務が、御本仏への供養に通じることは間違いありません。そして御書に、御供養の志が「日本国の法華経の題目を弘めさせ給ふ人に当れり」(1241ページ)と仰せの通り、真心を尽くした功徳は計り知れません。最後まで無事故の財務になるよう、真剣に祈念してまいりたい。

幼保無償化がスタート 生活者に寄り添う公明党

 大串 10月に入り、社会ではさまざまな新制度がスタートしました。

 永石 その一つが、幼児教育・保育の無償化です。これは少子化の打開に向けて、公明党が長年にわたって主張してきたことが結実したものです。

 長谷川 無償化には、消費税率10%への引き上げによる増収分が活用されます。対象となる子どもは約300万人にも上ります。

 西方 子育て世代の友人と無償化の話題になると「家計が本当に助かる」との声が聞かれます。生活者目線の素晴らしい政策です。

 永石 今後は、無償化の一層の拡大と待機児童の解消へさらなる努力を続けてもらいたいですね。

 原田 自公連立政権が発足して今月で20年。公明党は政治の安定に寄与するとともに改革の要としての役割を果たしてきました。

 西方 先日、公明党の山口代表が著名な国際政治学者のイアン・ブレマー氏と会談しました。ブレマー氏は日本政治の安定が世界でも際立っていることを指摘し、「世界中の先進民主主義国家の中で、現段階で日本が最強のリーダーシップを誇っているのは間違いない」と述べていました。また、「日本が二度と戦争に関わらないということを強くバックアップしているのが公明党だ」と、平和を重視する公明党の存在の大きさを強調していました。

 原田 公明党への期待は国内外で、ますます高まっています。これからも、謙虚に民意を受け止め、国政の舵取りに努めるとともに、大衆の党、福祉の党として一人の生活者に寄り添う政策をどんどん実現していってもらいたい。

本部幹部会・沖縄総会への池田先生のメッセージ 2019年10月7日

本部幹部会・沖縄総会への池田先生のメッセージ 2019年10月7日

広布に生き抜く生命は偉大 人間革命の大歓喜に舞え!
SGI本幹研修会で来日した友が誓いのカメラに。初めて沖縄を訪問したインドのメンバーは、沖縄の広布史を学び、「自分の人生を世界広布にささげる決意が固まりました」と(沖縄研修道場で)

 一、わが師・戸田城聖先生は、第2代会長になられた折、私に一首の和歌を詠んでくださいました。
 「現在も 未来も共に 苦楽をば 分けあう縁 不思議なるかな」と。
 沖縄の広宣流布は、この恩師から直々に託された誓願であります。ゆえに私は、第3代に就任して真っ先に沖縄へ飛びました。
 そして、愛してやまない沖縄の同志たち一人一人と、「苦楽を分けあう不思議なる縁」を結び、深め、広げてきたのであります。
 以来、60星霜になろうとする今、わが沖縄家族の栄光と凱歌の晴れ姿ほど、うれしいものはありません。沖縄本島の各地と宮古八重山など10の会場を結ぶ大晴天・大歓喜の沖縄総会、ならびに本部幹部会、誠におめでとう!(大拍手)
 遠路はるばる集われたSGIの皆さん方、ようこそ、お越しくださいました。この福徳は、いかばかりか。
 何より御本仏が、「心ざし大海よりふかく善根は大地よりも厚し」(御書1105ページ)と賛嘆してくださっているでありましょう。本当にありがとう!(大拍手)
 一、わが創価学会は、どこまでも「御書根本」です。
 だからこそ、何があっても行き詰まらない。
 だからこそ、限りなく前進できるのであります。
 大難の佐渡で記された「諸法実相抄」の一節を拝したい。
 「たえて弘めん者をば衣を以て釈迦仏をほひ給うべきぞ、諸天は供養をいたすべきぞ・かた(肩)にかけせなか(背)にを(負)ふべきぞ・大善根の者にてあるぞ・一切衆生のためには大導師にてあるべし」(同1359ページ)との仰せであります。
 日蓮大聖人の正統の門下たる創価の師弟は、三類の強敵と戦い、いかなる難も耐え忍びながら、妙法を弘め抜いてきました。それゆえに、三世十方の仏菩薩も、諸天善神も、我らを断固として護らずにはおきません。
 このたゆまぬ大前進の中から、我らは地涌の人材を二陣三陣と呼び出し、励まし育て、一切衆生のためにと、地域へ社会へ世界へ、送り出しています。そして、その模範の中の模範、希望の中の希望こそ、わが沖縄創価学会なりと、胸を張って宣言したいのであります(大拍手)。

仏性に向かって

 一、本日、代表の友が参加されているブラジルでも台湾でも、インド、シンガポールでも、そして韓国でも、創価の誉れの宝友たちは、法華経に説かれる「柔和忍辱の心」を深く体して、大変であればあるほど、「いまだこりず候」(同1056ページ)と御書の通り、勇敢に誠実に忍耐強く信念の行動に打って出てきました。
 「立正安国論」には、対話の極意が幾重にも示されています。それは、相次ぐ災難をどうすれば打開できるかを巡る語らいです。
 その中で、仏法への誤った理解を正されると、客人は顔色を変えて怒り出し、杖を手にとり、席を蹴って立ち去ろうとします。
 しかし、その時「主人咲み止めて曰く」(同24ページ)。すなわち、すかさず微笑みを浮かべて、客人の足を止め、おおらかに包み込みます。そして、再び諄々と対話を進め、最後には、客人が主人と「誓い」を共有して、ついに「立正安国」の行動へ一緒に踏み出すのです。
 仏法者の言論は、たじろいだり、気取ったり、臆したりする必要はない。「はたらかさず・つくろわず・もとの儘」(同759ページ)という本有無作の生命で、相手の仏性に向かって、正義と真実を朗らかに悠々と語り切っていけばよいのであります。
 この笑顔の対話の力を生き生きと発揮して、歓喜あふれる友情の舞、幸福の舞、平和の舞を広げているのが、まさしく沖縄広布の尊き父母たちであり、創価家族の偉大な「おじい」「おばあ」ではないでしょうか。
 大聖人は、夫に先立たれ、幼子を抱え信仰を貫いてきた健気な母を励まされました。
 「此の妙の字は仏にておはし候なり、又此の妙の文字は月なり日なり星なりかがみなり衣なり食なり花なり大地なり大海なり、一切の功徳を合せて妙の文字とならせ給う、又は如意宝珠のたま(意のままに何でも取り出すことができる宝の珠)なり」(同1484ページ)と。
 妙法を唱え、広布に生き抜く生命が、不幸になどなるわけがない。
 太陽のように明るく、大地のように豊かに、大海のように広々と境涯を開き、生活にも、環境にも、未来にも、幸の花を咲かせ、宝の価値を自由自在に創造していくことができる。
 必ず現実を変えられる。
 断じて皆を幸せにできる。
 これが、御本仏の絶対の約束なのであります。この無量無辺の仏力・法力をこんこんと湧き出していくのが、我らの信力・行力です。

一念の転換から

 一、55年前の12月2日、ここ沖縄で、小説『人間革命』の執筆を始めた忘れ得ぬ日、私は居合わせた若き沖縄健児たちと握手を交わし、語りました。
 ――人間生命の一念の転換から、国土の宿命も転換できる。この沖縄から幸福の風、平和の波を起こそう! 日本と世界を背負う大人材を出そう!と。
 今、その通りの実証が無数に光っているではありませんか!
 この沖縄研修道場も、世界の知性から「人間が平和を創造できるという“象徴の地”」として大いなる希望を寄せられています。
 このたび誕生した「世界聖教会館」の言論会館の須弥壇には、ここ沖縄研修道場の石が、日本の全都道府県、さらに世界五大陸の石とともに、平和と安穏と繁栄への祈りを込めて埋納されております。
 また「世界聖教会館」という意義にふさわしく、建物の至る所に、ブラジル、インドなど、世界中の美しい石材が用いられているのであります。
 私は、今再び、沖縄をはじめ全世界の信頼する後継の青年たち一人一人と固い心の握手を交わしたい。そして、大好きな「沖縄健児の歌」を共々に歌いながら、新たな「人間革命」の大前進を、大歓喜カチャーシーを舞うがごとく開始しようと申し上げ、私のメッセージといたします(大拍手)。

〈池田大作先生 四季の励まし〉 平和は「友情の対話」から 2019年10月6日

池田大作先生 四季の励まし〉 平和は「友情の対話」から 2019年10月6日

 
 

 創価学会が進める
 広宣流布は、
 決して宗派の拡大が
 目的ではない。
 法華経の生命尊厳と
 万人尊敬の哲学を基調に、
 人類の幸福と
 世界の平和の確立を目指す
 民衆運動である。
 対話を根幹として、
 人と人とを結び、
 世界市民の「希望の連帯」
 「善の連帯」を築き上げ、
 地球民族の共生の理想を
 実現していく精神闘争に
 ほかならない。

 利害による結合は、
 もろく、はかない。
 真の友情は、
 苦難にあうほど深められ、
 強められていくものだ。
 「真実の友情」を
 結ぶことこそ、
 最高の人生の宝である。

 ダイヤモンドは
 ダイヤモンドでしか
 磨けないように、
 人間対人間の、
 全人格的な
 打ち合いによってこそ、
 人は自らを鍛え、
 さらなる高みへと
 登攀していけるのだ。

 力強い声は、
 皆の心を大きく広げる。
 温かい声は、
 友の心を開かせる。
 久しぶりに会う友には、
 「しばらくでしたね」と、
 こちらから声を掛ける。
 失意の友には
 「祈っています」と
 励ましの声を贈る。
 にこやかに、
 明るい笑顔で語るのだ。
 自信に満ちて、
 正々堂々と対話するのだ。

 目の前の一人を
 大事にすることから
 平和は始まる。
 性格や好みが
 合わない人もいるだろう。
 でも自分と違うからこそ、
 学ぶことも多い。
 勇気を出して語らい、
 友情を結ぼうと
 聡明に努力していく。
 ここに、
 人類を一つに結びゆく
 「世界市民」の
 誇り高き一歩がある。

 澄み切った青空の下、躍動のリズムに乗って青年たちが舞った――。
 1992年(平成4年)2月、池田大作先生が恩納村の沖縄研修道場を訪問。アジア総会・平和音楽祭の後、野外で行われた交歓会では、アジアの青年たちが、平和建設の情熱を演舞に託した。その雄姿を、先生が撮影した。
 道場内に立つ「世界平和の碑」。かつて核ミサイルの発射台だったが、先生の提案で生まれ変わった。先生はその真情を「核も、戦争も、人の心から生まれた。ならば、まず人の一念の『発射の向き』を変えよ! その逆転の作業を! 『碑』は、その象徴である」と述べている。
 さあ、心豊かに友情を結ぼう。それが、平和への確実な道となる。

創価栄光の集いへの池田先生のメッセージ 2019年10月5日

創価栄光の集いへの池田先生のメッセージ 2019年10月5日

新たな価値創造の挑戦へ

 一、若き創価世界市民の英知と連帯が輝く創大祭、白鳥祭、誠におめでとう! 誉れの留学生たちの躍動するスクラムも、何よりうれしい。陰で人知れず、無事故・大成功の運営に尽くしてくれている尊き役員の皆さん方も、本当にありがとう!
 一、私が青春時代から心の親友と敬愛してきた民衆詩人ホイットマンは語りました。「この地球上の全ての国々、そこに住む人々は、身も心も多様に見えるけれども、同じ家族の一員だ」と。
 世界各国の英邁な知性の先生方、また、日本の各界を代表される柱の先生方が見守ってくださっている本日の集いは、まさしく多彩な「地球家族」「地球民族」の友情の虹かかる広場といえましょう。
 講堂前に蝶と戯れるホイットマンも微笑み、わが創大生、わが短大生、そして、わが留学生を祝福してくれているに違いないと思うけれども、みんな、どうだろうか!(大拍手)
 今回、皆さんは、創大祭のテーマに「今! 人間主義の大連帯を」、白鳥祭のテーマに「勇気の光彩 幸の未来へ」と掲げました。建学の精神を真摯に体現し、母校愛を漲らせながらの青春の前進に、私は心から敬意を表します。
 このテーマを踏まえつつ、私は、「人類の新たな価値創造の大道を朗らかに!」と申し上げたい。
 ホイットマン生誕200周年の佳節である本年、研究の第一人者であられるケネス・プライス博士をお迎えできたことは、この上ない光栄であります。誠に誠に、ありがとうございます(大拍手)。プライス博士の忘れ得ぬ洞察の一つに、ホイットマンは「恵まれない境遇に育ちながら、一個の人間が世界のために、いかに大きな力を発揮できるか」を証明したとありました。
 これこそ、私がお仕えした恩師・戸田城聖先生の「人間革命」の哲学とも響き合うホイットマンからの希望のメッセージなのであります。
 ホイットマンは高らかに詠いました。
 「見えるあたり、光の世界は、わたしの目にもたしかに壮大――空も星も壮大だし、/大地も壮大、永続する時間と空間も壮大」「しかしもっと遥かに壮大なものは目に映らぬわたしの魂で、これらのものをことごとく わが内に収め、新たな価値を賦与してくれる」(酒本雅之訳『草の葉』岩波書店)と。
 何ものにもまして壮大な広がりを持った、この人間生命の限りなき可能性、なかんずく「価値創造」の力に、人類は今再び、目を向けるべき時が来ているのではないでしょうか。
 それは、ITをはじめ目覚ましく進歩する科学技術も、急速なグローバル化に伴う世界情勢の変化も、的確に鋭く認識しながら、一つ一つを、民衆の幸福のため、そして地球全体の平和と共生のために生かし、リードしていく智慧であり、勇気であり、慈悲であります。
 世界市民の要件ともいうべき、この智慧と勇気と慈悲を、一人一人の内奥から引き出し、錬磨し、結集していく推進力こそ、人間教育の真髄でありましょう。

精神を耕す対話

 一、光栄にも、今日(4日)は、「創価教育」を深く探究してくださっているアメリカのデポール大学、スペインのアルカラ大学、カナダのオタワ大学の先生方をお迎えしております。
 創価教育の父であり、平和の信念に殉じた牧口常三郎先生も、どれほどお喜びであるか。私たちは感謝と連帯の大拍手をお送りしたいのであります(大拍手)。
 もちろん、人生にも社会にも、課題・難題は山積しております。
 しかし、創立500年を超す伝統を誇るアルカラ大学ゆかりの大文豪セルバンテスが語った信条を、私たちも強く分かち合いたいと思うのであります。
 すなわち「うろたえていて幸せをつかめるものか。運命はおのが手で切り開くべきものであろう」(荻内勝之訳『ペルシーレス』筑摩書房)と。
 前人未踏の大道を進みゆく私たちの開拓の旅には、かけがえのない道づれがあります。それは「対話」であります。
 セルバンテスの名作『ドン・キホーテ』は、主人公と、その友サンチョ・パンサの冒険の旅であるとともに、二人の生き生きとした対話の旅でもありました。あたかも大地を耕すように、対話は精神を耕して賢明にし、豊かな収穫をもたらすことを示しているのであります。
 「平和のフォートレス」の創立者として、私は世界に対話の道を開いてきました。あらゆる差異を超えて、人間への「信頼」と「学び」という対話の大道を、さらに大きく、さらに広々と、さらに縦横に開いてくれることを、私は、愛する創価同窓の友に託します。

全ての経験に“学び”がある

 一、本日は、アフリカの名門ケニアのナイロビ大学からも、先生方がお越しくださっております。
 母校のナイロビ大学で教壇に立たれ、わが創大の名誉博士でもあられる、偉大な「環境の母」ワンガリ・マータイ博士は自身の信念を語られました。
 すなわち、「すべての経験に学びがあり、どんな状況にも希望の光はある」「何かを成し遂げたことのある人は誰でも、何度も打ちのめされた経験をもっている。だが皆、起き上がって進み続けるのであり、それこそ私がいつも心がけていたことだった」(小池百合子訳『UNBOWED へこたれない ワンガリ・マータイ自伝』小学館)と。この言葉を、皆さんに贈りたい。
 そして今日からまた、たくましく朗らかに、最良の世界市民と学び合い、切磋琢磨しながら、日々、新たな価値創造に挑戦していただきたいのであります。
 かけがえのない青春の一日また一日、皆さんが勇気ある探究と友情の光彩で、人間主義の大連帯を築き広げ、人類の幸の未来を創り開くことを、私は最大の楽しみとして祈り、応援してまいります。
 みんな、健康で、無事故で、充実の秋を勝ち飾ってください。親孝行もよろしくお願いします(大拍手)。