〈座談会 栄光の峰をめざして〉51 

SEIKYO online (聖教新聞社):紙上座談会

〈座談会 栄光の峰をめざして〉51 「一対一の対話」で「民衆の連帯」を 世界平和の誓いを新たに 2017年8月7日

国連 核兵器禁止条約を採択
〈出席者〉
原田会長
平和委員会 石渡議長
女性平和委員会 前多委員長
竹岡青年部長
青年平和会議 浅井議長
伊藤女子部長
国連本部で行われた核兵器禁止条約の交渉会議
未来部が成長の夏

 竹岡 未来部の夏季研修会が先日、創価大学で行われました。未来部同士のディスカッションや先輩との交流などを通して、見違えるように大成長した姿に本当に感動しました。

 伊藤 躍進月間の真っ盛り、「E―1グランプリ」をはじめ、各種コンクールへの挑戦、また「創価ファミリー大会」など、各地で活発に行われていますね。

 原田 今、世界各国でも未来部の研修会が行われています。池田先生は「『学会の永遠性の確立』の急所は、まぎれもなく、未来部の育成にある」と呼び掛けられました。広布の永遠の流れを創る聖業との思いで後継の宝を励まし、共に成長してまいりましょう。

被爆体験」を継承

 竹岡 8月6日・9日は、広島・長崎の「原爆の日」。そして15日には「終戦の日」を迎えます。

 原田 広島・長崎では、「原爆の日」に合わせ、原爆犠牲者・戦没者を追善する勤行法要が営まれ、15日には全国で「世界平和祈念戦没者追善勤行法要」「諸精霊追善勤行法要」も執り行われます。全ての方々へ追善の祈りをささげるとともに、世界平和への誓いを新たにしてまいりたい。

 前多 「広島学講座」や「ピースフォーラム2017(長崎平和学講座)」「核兵器廃絶のための学生主張大会」など、平和建設を誓う諸行事も、広島・長崎で開催されています。

 竹岡 「被爆体験を聞く会」も各地で行われていますね。私の祖母も、広島の被爆者の一人として、被爆体験を語り続けています。

 石渡 「核兵器のない世界」の実現のためにも、被爆者の方々の体験や記憶を継承していくことは、戦後70年以上経過した今、大きな課題となっています。

 竹岡 被爆者の方々の思いを、世界の多くの青年と共有するため、青年部として「原水爆禁止宣言」60年の意義を込め、被爆証言集の英語版(第三文明社刊)を発刊します。

 浅井 世界の青年が、被爆者の心の声に耳を傾け、核兵器廃絶へ主体者となって立ち上がる一助となることを念願しています。

 竹岡 そして9月には、宣言発表の地・神奈川で「青年不戦サミット」を行います。広島・長崎・沖縄の3県をはじめ神奈川、各方面、さらに世界の青年部の代表が集い合い、核時代との決別を強く求める青年の声を結集してまいります。

 前多 女性平和委員会では、被爆体験を伝える「草の根の映写会」を各地で開催しています。「平和への願いをこめて――広島・長崎 女性たちの被爆体験」や「知られざるヒロシマの真実と原爆の実態」「恒久平和を目指して 核兵器廃絶への挑戦」などをDVD・VODで視聴しています。

 石渡 「これほど残酷なものとは思わなかった。世界の人々に見てもらいたい」「二度と戦争を起こしてはいけないと強く感じた」「証言者の言葉は、永遠に残していくべき」「こうした活動こそ、社会を大きく変えていく」など大きな反響を呼んでいますね。

 原田 池田先生は綴られています。「世界地図には載っていない、一番、身近な『ご近所』から、人間の『尊厳』と『幸福』と『平和』は広がる」「狭い路地の奥にまで足を運んで、近隣の友と語り合い、地道に友好を拡大していく。その女性たちの勇敢で誠実な努力こそが、社会を変え、歴史を変え、世界を変える」

 前多 まさに女性平和委員会として大切にしている精神です。「核兵器のない世界」の実現を願い、身近な所から、「草の根の運動」を広げてまいります。

先見に満ちた宣言

 浅井 7月7日、被爆者の皆さまの願いであった「核兵器禁止条約」が採択されました。核兵器の使用や開発、実験、製造、保有、移転、そして使用の威嚇などを禁止した、人類史上初の国際条約です。

 石渡 SGIも市民社会の一員として、採択に貢献をしてまいりました。尽力されてきた世界の被爆者の方々、各国政府、国連、国際機関、NGOをはじめ、関係者の全ての皆さまに心から敬意を表します。

 前多 禁止条約では2度にわたり、被爆者への言及がなされ、前文には「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみと被害に留意する」とあります。また「宗教指導者」や「平和及び軍縮教育」への言及もあります。さまざまな意味で、画期的な条約であると思います。

 伊藤 折しも今年は、戸田先生が、人類の生存を脅かす核兵器を“絶対悪”とした「原水爆禁止宣言」の発表から60年。この節目に禁止条約が採択されたことに深い意義を感じます。

 浅井 国際反核法律家協会理事の山田寿則氏は、こう語っていました。「極めて先見性に満ちた宣言だと思います」「宣言が持つ深さ、あるいは、洞察の鋭さを認識するべきでしょう。この原点を外してはいけないし、むしろこの方向に向かって禁止条約は進むべきだと思います」と。

 石渡 9月20日から「核兵器禁止条約」への各国の署名が始まります。歴史的意義を持つこの条約に、世界の全ての国が署名することを心から念願します。

 竹岡 誰よりも、被爆者の皆さまがそれを切望しています。池田先生は語られています。「核時代に終止符を打つために戦うべき相手は、核兵器でも保有国でも核開発国でもありません。真に対決し克服すべきは、自己の欲望のためには相手の殲滅も辞さないという『核兵器を容認する思想』です」と。

 原田 人類の悲願である「核兵器のない世界」の実現に向け、不可欠なのは、こうした意識変革の下支えです。私たちは、「一対一の対話」を軸に、志を同じくする人々と「民衆の連帯」をさらに広げ、「平和の潮流」を確かなものにしてまいりたい。