〈座談会 栄光の峰をめざして〉57 不滅の原点「原水爆禁止宣言」60周年 青年の連帯で平和の潮流を 2017年9月7日

〈座談会 栄光の峰をめざして〉57 不滅の原点「原水爆禁止宣言」60周年 青年の連帯で平和の潮流を 2017年9月7日

神奈川で「不戦サミット」
〈出席者〉
原田会長
寺崎SGI平和運動総局長
竹岡青年部長
青年平和会議 浅井議長
伊藤女子部長
女性平和文化会議 玉栄議長
“青年の連帯と行動こそ不可能を可能にする力”――世界五大州、30カ国・地域のメンバーが一堂に会した「青年不戦サミット」(2日、神奈川文化会館で)

 竹岡 学会の平和運動の不滅の原点である「原水爆禁止宣言」発表から60年。世界五大州から集ったSGI青年部の代表と共に、「青年不戦サミット」を宣言の地・神奈川で盛大に開催することができました。
 
 原田 宣言が行われた1957年9月8日は、台風一過の晴天でした。横浜・三ツ沢の競技場に5万人の青年らが集い、当時、高校生だった私も参加しました。戸田先生が発せられた声は、まさに師子吼。今も胸に響き渡っています。
 
 寺崎 今回、55カ国・地域のSGIメンバーも、宣言の舞台となった三ツ沢の競技場を訪問しました。まさに60年前のように、雨上がりの澄み切った美しい青空が広がっていました。
 
 竹岡 歴史的な舞台に立ち、当時の光景を思い浮かべました。戸田先生の師子吼、そして恩師の構想実現のため、全魂を注がれた池田先生の師弟不二の闘争に思いをはせ、皆、感動で胸を熱くしました。戸田先生の「遺訓の第一」は、今や世界の青年部に大きく広がっています。

「人間革命」が起点

 浅井 2日の夕刻から、神奈川文化会館で行われたサミットには、多数の来賓と共に、30カ国・地域の青年をはじめ540人が参加しました。また3日には、東京・信濃町で「青年平和連絡協議会」も行われ、活発に議論を交わしました。
 
 玉栄 核兵器保有国、依存国、非保有国の青年が一堂に会して、「核兵器のない世界」への誓いを固め合い、世界の青年の熱誠にあふれた歴史的な集いとなりました。
 
 寺崎 被爆体験や、イタリアの核兵器廃絶運動「センツァトミカ核兵器はいらない)」をはじめ、世界の平和運動の報告も大きな反響を呼びました。
 
 伊藤 サミット当日にはラジオ日本、FMヨコハマで「原水爆禁止宣言」やサミットについて紹介されていましたね。聞いていた人が皆、感動していました。
 
 寺崎 来賓からも多くの声が寄せられました。「宣言から60年。SGI会長が心血を注ぎ、開いた世界平和への道筋を、世界の青年部の皆さんが意志を受け継ぎ、活動していることに感銘しました」「地球上の一人一人が、こうした運動に参加できれば、平和な世界になると確信します」と。
 
 原田 池田先生は、サミットに集った青年部を、「創価21世紀不戦グループ」としてはどうかと提案してくださいました。宣言70周年、80周年、さらには100周年に向けた「平和の新潮流」を、先生は今を生きる世界の青年たちに託されたのです。
 
 竹岡 先生の呼び掛けを受け、青年部として3点を柱に、さらなる平和建設に取り組んでいくことをサミットで確認し合いました。
 
 浅井 第一に「歴史の継承」です。「原水爆禁止宣言」の精神、そして池田先生の平和行動を私たち青年部が継承してまいります。また世界の課題でもある、戦争体験・被爆体験も語り継いでいきます。
 
 玉栄 第二に「核兵器禁止条約の普及」です。核兵器廃絶の重要な一歩である条約の意義を、世界の人々に伝えていくことは、草の根の活動を広げる私たち学会の大きな使命です。
 
 浅井 そして第三に「青年の連帯の拡大」です。核兵器だけでなく、平和を脅かす諸課題は今なお世界に数多く存在します。私たち青年部が「信仰者」として、「良き市民」として、平和のための「青年の連帯」をさらに拡大してまいります。
 
 竹岡 「民衆が連帯し、青年の力で行動の波を起こしていけば、必ず“不可能を可能にする力”が生み出される」――先生の信念を胸に、サミットを「核兵器のない世界」への新たな出発の場とし、「人間革命」を起点に「世界平和」への波動を起こしてまいります。

歴史的な条約採択

 玉栄 この7月には、世界の被爆者の方々、市民社会や非保有国の尽力により、「核兵器禁止条約」が122カ国の賛成を得て、国連で採択されました。
 
 伊藤 SGIと協力してきたICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のベアトリス・フィン事務局長は「核兵器禁止条約の採択が、戸田第2代会長の原水爆禁止宣言から60周年の年であるということも、非常に意義深いことです」と語っていました。あらためて不思議な時の一致を感じます。
 
 寺崎 採択の歴史的な場面に、私もSGI代表団として参加いたしました。戸田先生、池田先生の師弟不二の平和闘争があって、今ここに自分たちがいるのだと、心からの感謝と感動があふれてきました。今月、国連総会期間中に開催される条約の記念式典には、市民社会の代表も招かれ、SGIも参加します。
 
 竹岡 核兵器廃絶への挑戦は新たなステージに入りました。条約の意義を普及させ、支持をいかに幅広く堅固なものとしていけるかが次なる挑戦といえます。
 
 寺崎 核兵器保有国、依存国を含め、全ての国が「核兵器のない世界」という地球的な取り組みへの歩みを共にできるよう、心から念願しています。条約への加盟国を広げ、核兵器禁止を全地球的な規模で確立するためにも、市民社会の後押し、また宗教者の連帯が不可欠です。今後も志を共にする全ての関係者と力を合わせ、「核兵器のない世界」を目指してまいります。
 
 原田 「民衆の誓いの連帯が、どれだけの時代変革を成し遂げることができるのか――。人類史に輝く『未来までの物語』を共々に紡いでいこうではないか!」と先生は呼び掛けられました。「汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を禱らん者か」(御書31ページ)と仰せの通り、地球上から「悲惨の二字」をなくすため、私たちは「民衆の誓いの連帯」をさらに力強く広げてまいりましょう。