〈随筆 永遠なれ創価の大城〉26 黄金輝く一年に感謝 2017年12月29日

〈随筆 永遠なれ創価の大城〉26 黄金輝く一年に感謝 2017年12月29日

「栄光の年」へ「師弟共戦」の心で!
宿縁深き同志と「地涌の義」を証明
建設中の新・国立競技場。何本ものクレーンが、天に腕を伸ばす。ここが2020年、東京五輪の中心会場に(2日、池田先生撮影)

 年の瀬になると、胸に染み入る御聖訓がある。門下の女性の真心を賞でられた一節である。
 「三千大千世界に七日間、降る雨の数は、数え尽くせるかもしれない。十方世界にある大地の塵の数を、数え知っている人はいるかもしれない。
 しかし法華経の一文字を供養する功徳は計り知ることは難しいと、仏は説いておられます」(御書一四八三ページ、通解)と。
 尊き婦人部をはじめ、わが創価家族の計り知れない奮闘を賛嘆してくださっている御文と、私には拝されてならない。
 この黄金の一年も、我らは、広宣流布と立正安国へ、一人ひとりが無量無辺の「心の財」を積みながら、力の限り前進を果たすことができた。

陰徳陽報の栄冠

 とくに、この本年最終号に至るまで聖教新聞を配達してくださる“無冠の友”の皆様方に、あらためて感謝申し上げたい。
 日蓮大聖人は、「雨ふり・かぜ(風)ふき・人のせい(制)するにこそ心ざしはあらわれ候へ」(同一五四八ページ)と仰せである。
 寒風や降雪の日、冷え込む日も多い。その中を、かじかむ手に白い息を吹きかけながら、一軒、また一軒と言論の光を届けゆく、強盛な「心ざし」の栄光の走者に、全同志で大喝采を贈ろうではないか!
 座談会など、友が集う会場を提供してくださっているご家庭への感謝も尽きない。
 御書には「家に讃教の勤めあれば七難必ず退散せん」(一三七四ページ)と示されている。
 妙法の音声に満ちた個人会場があってこそ、地域の広布は伸展し、郷土の安穏も築かれる。庶民の和楽の集いこそ“世界平和の縮図”なのである。
 明年、完成五周年となる「広宣流布大誓堂」では、日本中、世界中の友を迎えて、誓願勤行会が行われている。これまでに参加された海外の求道の友は、百二十三カ国・地域に及ぶ。無事故で清々しく運営に当たってくれている役員の方々にも深謝したい。
 仏法では、「俱生神」すなわち人が生まれた時から左右の肩には同生天・同名天がいて、全ての行為を交互に天へ報告していると説かれる。
 大聖人は、この譬えを通して、夫の四条金吾佐渡まではるばる送り出した、日眼女の支えを賞讃されている(御書一一一五ページ)。
 誰が知らなくとも、誰が誉めなくとも、仏天は全てお見通しである。陰の献身は、一切合切が自らの福徳となり、命の輝きとなる。
 「陰徳陽報」という、生命の究極の栄光がここにあるのだ。

若人よ進め戦え

 「熱原の法難」の渦中、師弟共戦の勇気ある信念で、新年を出発した若き南条時光に、大聖人は仰せられた。
 「花は開いて果となり・月は出でて必ずみち・燈は油をさせば光を増し・草木は雨ふればさか(栄)う・人は善根をなせば必ずさかう」(同一五六二ページ)と。
 妙法流布に勇敢に生き抜くことこそ、最極の大善根であり、自他共の生命を栄え光らせゆく道といってよい。
 この道を私たち青年に教えてくださったのが、戸田城聖先生である。
 私は入会から一年が過ぎた頃、先生の法華経講義を受講できた感激を記した(一九四八年九月)。
 「若人よ、大慈悲を抱きて進め。
 若人よ、大哲理を抱きて戦え。
 吾れ、弱冠二十にして、最高に栄光ある青春の生きゆく道を知る」
 この「栄光ある青春」に、地涌の若人を一人また一人と呼び出して、師弟の道を邁進しゆくことが、私の戦いとなった。
 そして十年――。後継たる男女青年が先駆し、戸田先生が生涯の願業と定められた七十五万世帯の大折伏を成就できた。
 恩師のもとで行われた歴史的な3・16“広宣流布の記念式典”は、その集大成であったのだ。

青春勝利の舞を

 思えば、この「3・16」の大儀式と時を同じくして、信濃町の近くに完成したのが、旧・国立競技場であった(一九五八年三月)。
 アジア競技大会(一九五八年)、東京オリンピック(一九六四年)をはじめ、幾多の大規模なスポーツや文化の祭典が開催され、青春勝利の感動のドラマが繰り広げられてきた舞台である。
 “民衆を救い、社会を救いゆく人材十万を結集せよ!”との恩師の遺命を果たさんと、この国立競技場に創価の若き精鋭十万が集ったのは、一九六一年(昭和三十六年)の十一月であった。
 若人が戦い切り、栄光の勝ち鬨を上げた姿を象徴するように、スタンド上には、「勝利」の二字が掲げられた。
 ――戸田先生! この日本の潮、世界の希望となりゆく地涌の若人を、どうぞご覧ください!
 あの日、恩師の笑顔を思い浮かべ、報告した心の叫びは、不二の弟子として最高の喜びである。
 そして今日、師弟の誓いの劇は、大きく晴ればれと世界に広がった。
 インドでは本年、青年部十万人という大拡大を見事に成し遂げてくれた。あの国でも、あの地域でも、新しき地涌の力の台頭は嬉しい限りだ。
 先日(今月二日)、建設が進む新・国立競技場の側を車で通った。
 二〇二〇年、東京オリンピックパラリンピックのメイン会場である。青空には、巨大なクレーンが林立し、新たな創造の息吹が感じられた。
 奇しくも今、世界聖教会館の建設工事が進められ、総本部の総合案内センターや創価宝光会館も着工される。
 創価世界市民がいやまして胸を張り、人類社会に、平和と栄光の大連帯を広げゆく新時代が始まっているのだ。

わが新しき決意

 愛する沖縄の天地で、私が小説『人間革命』を書き始めたのは、一九六四年(昭和三十九年)の十二月であった。
 いずこにもまして苦しんでこられた沖縄が、いずこにもまして幸福に栄えていただきたい。この思いで、「沖縄を『東洋のハワイ』に」とのビジョンも語り合ってきた。
 今、沖縄の観光客数は、ハワイにも勝るとも劣らぬ勢いで増加していると伺った。
 「命どぅ宝(命こそ宝)」の沖縄も、平和と調和が光る「アロハの心」のハワイも、人類を照らす不屈の勝利島として、ますます繁栄されゆくことが、私の悲願である。
 恩師とゆかりの長野で『新・人間革命』の執筆を開始してからは、今年で二十五年目となり、全三十巻の総仕上げに入っている。全同志一人ひとりに「人間革命」の栄光譜あれとの祈りを込めて!
 さらに七十歳を迎えた時には、小説に加えて「随筆」の連載という、新たな“ペンの闘争”に挑み始めた。
 第一回には、八十歳までに「世界広布の基盤完成なる哉」との展望を記し、「このあとは、妙法に説く不老不死のままに、永遠に広宣流布の指揮をとることを決意する」と綴り残した。
 九十歳になる今、一層、熱い思いが湧き上がる。
 「不思議なる霊山一会の愛弟子たちと共に、末法万年尽未来際までの地涌の義を決定づける」――これが、新しい一年に臨む私の決意である。

世界青年部総会

 現在、私が心から楽しみにしていることがある。それは、明年三月に予定されている「世界青年部総会」だ。
 全国で“紅の朝”の如く若き生命を光らせた男女青年部が、二十一世紀の広布後継と前進を誓い合う。さらに全世界でも、地涌の若人たちが、希望と友情の総会を開催するというのである。
 まさに物理的な距離を超えて結合した、世界同時の3・16「師弟共戦の誓いの会座」となるに違いない。法華経に説かれた壮大な会座を仰ぐ思いで、私は青年たちの挑戦を見つめている。
 そして、この若き英雄たちのスクラムを見守り、全力で応援してくれる父母や同志たちに、尽きせぬ感謝を捧げたい。
 私たちは、この青き地球に生まれ合わせ、苦悩多き現実世界の中から「立正安国」の誓願に燃えて立ち上がった。
 万人の生命の故郷たる地球を、勇気と慈悲の妙音で包みながら、桜梅桃李の人材が乱舞しゆく時代を創っているのだ。
 その誇り高き魁として躍り出て、生命尊厳の大法を弘めゆく哲人こそ、創価の青年なのである。
 御書には仰せである。「我等が居住して一乗を修行せんの処は何れの処にても候へ常寂光の都為るべし」(一三四三ページ)
 君たち、貴女たちよ!
 自らが地涌の勇者の「一人」と立ち上がり、壁を破って成長しよう!
 自らが大切な「一人」の友を見つけ、心から励ましていこう!
 自らがいる場所から、対話と友情の種を蒔き、信頼と安心の花園を広げようではないか!
 皆、体を大切に! 
 仲良く、朗らかに、さあ「栄光の年」へ出発だ。

 (随時、掲載いたします)