座談会 師弟誓願の大行進〉51 「核兵器なき世界」こそ民衆の願い―― 友情結ぶ対話で平和への連帯を 2018年8月2日

座談会 師弟誓願の大行進〉51 「核兵器なき世界」こそ民衆の願い―― 友情結ぶ対話で平和への連帯を 2018年8月2日

「新・人間革命」執筆開始25年 師と心合わせ研さんの夏
〈出席者〉
原田会長
平和委員会 石渡議長
女性平和委員会 前多委員長
青年平和会議 浅井議長
女性平和文化会議 谷井議長
各国で行われている「核兵器なき世界への連帯」展には、「命の尊さを実感しました」などの声が(上からフィリピン、ドイツ)

 浅井 8月6日は、池田先生が小説『新・人間革命』の執筆を開始された日です。本年は25周年の佳節となります。

 原田 先生の偉大なる執筆闘争に、改めて深く感謝してまいりたい。先生の総仕上げの戦いに呼吸を合わせ、最終章となる「誓願」の章の連載を日々、真剣に研さんしていきましょう。

 石渡 先生は『新・人間革命』の冒頭を次のようにつづられました。「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない。平和こそ、人類の進むべき、根本の第一歩であらねばならない」

 原田 先生の烈々たる決意が込められています。「平和」こそ、あらゆる人々の願望であることを私たちは強く訴えていきたい。

 谷井 先生に続く私たちも、さらなる決意で平和運動を推進してまいります。

 原田 8月6日、9日には広島、長崎で「原爆の日」に合わせて、原爆犠牲者・戦没者を追悼する勤行法要が営まれます。15日には全国で「世界平和祈念戦没者追善勤行法要」も行います。一人一人が、全ての犠牲者の冥福を祈り、世界平和への誓いを心に深く刻んでまいりたいと思います。

 浅井 青年部としては長崎で「青年不戦サミット」を2日間にわたって開催。広島でも「広島学講座」などが予定されています。

 前多 女性平和委員会では、被爆体験を伝える「草の根映写会」や「平和の文化フォーラム」などを引き続き開催し、着実に平和への願いを広げていきます。

 石渡 参加した方々からもたくさんの反響が届いていますね。

 前多 「核兵器の恐ろしさを改めて痛感しました」という声や、お子さんから「広島、長崎に行って、もっと多くのことを学びたい」との感想もありました。

 原田 「一は万が母」(御書498ページ)です。平和のために立ち上がる「一人」がいれば、そこから意識の啓発が広がります。市民社会での運動がますます大事になっている今、学会が多角的に行っている草の根レベルでの平和・軍縮教育に多くの人々から期待の声が寄せられています。私たちは、さらにさまざまな人々、団体と協力して運動を進めてまいりたい。

禁止条約から1年

 谷井 歴史的な「核兵器禁止条約」の採択から1年を迎えました。

 原田 禁止条約は「非人道性」を根拠に“核兵器は違法”との規範を明らかにした、画期的なものです。

 石渡 核兵器なき世界を築くため、全ての国が条約に批准することを願ってやみません。SGIも、核兵器の人道上の影響に関する一連の会議や核兵器禁止条約の交渉会議などに、市民社会団体の一つとして参加してきました。こうした政策形成のプロセスでも、各会議で作業文書を提出するなど、市民社会の声を届けるための努力を重ねてきました。

 浅井 また、「核兵器を憂慮する宗教コミュニティー」にSGIも加わり、他のFBO(信仰を基盤とした団体)と手を取り合いながら、共同声明の発表などに貢献してきました。

 石渡 禁止条約は、前文に「被爆者」や「宗教指導者」の努力への認識が言及されている点でも大変に画期的であるといえます。宗教者としての立場から倫理的な働き掛けをしてきたSGIとして、さらなる貢献を果たしていく決意です。

 前多 被爆者の方々の長年の努力なくして、条約の採択はありませんでした。被爆者は今、高齢化を迎えています。命を振りしぼるように体験を語り継がれている姿に胸を打たれます。多くの被爆者の方々にとって、条約が人生の希望となったとの声も伺いました。

 石渡 先生はかつて、政治レベルでの核軍縮努力が停滞する状況を打破するために“民衆が主役となる”“連帯する”“声を上げる”ことの重要性を訴えられました。この、先生の指針に基づく、SGIの核廃絶への一連の運動は、大きな反響を呼んできました。

 原田 いずれも庶民の中で活動してきた学会だからこそできることです。市民社会の声が高まる中、私どもは、いやまして仏法者としての使命を自覚し、民衆の声を結集していきたい。

共感広げる展示会

 谷井 昨年末にノーベル平和賞を受賞した国際NGO「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」ともSGIは国際パートナーとして共に歩んできました。

 浅井 ICANの川崎哲国際運営委員も「SGIの貢献なくしては、ICANのこれまでの活動も今回のノーベル平和賞の受賞もあり得なかった」と明言されています。

 原田 年頭に総本部を訪れたICANのベアトリス・フィン事務局長らと会見した折にも、核兵器廃絶を改めて誓い合いました。これからも、世界の人々と友好を結ぶと同時に、身近な友と語り合い、草の根から平和の連帯を広げてまいりたい。先生が、先日の『新・人間革命』「誓願」の章で示された、「『平和』とは『友情』の異名」との指針の通りです。

 谷井 SGIが、ICANと協力して制作した「核兵器なき世界への連帯――勇気と希望の選択」展も世界各国で行われ、大きな啓発を与えています。

 前多 今月には静岡で、9月には東京・渋谷での開催が決定しています。その後、各地での開催も予定されています。

 石渡 展示を見ていただくことで共感が生まれます。そして共感は行動につながります。ぜひとも対話の場として、活用いただければ幸いです。

 原田 『新・人間革命』の完結が予定されている9月8日は、戸田先生が歴史的な「原水爆禁止宣言」を発表された意義深き日です。池田先生の一貫した平和哲学、平和行動に学び、私たちも、誰もが実行可能な「対話」という方途で、身近なところから平和の連帯を広げていきましょう。