〈随筆 永遠なれ創価の大城 池田大作〉36 地涌の力は無限 2018年12月27日

〈随筆 永遠なれ創価の大城 池田大作〉36 地涌の力は無限 2018年12月27日

学会には偉大な信心がある!
人生最善の闘争を仲良く朗らかに
わが人間革命から新たな平和の潮流を
真っ赤に燃えるような紅葉。我らも生命を赤々と輝かせ、「栄光の年」から「勝利の年」へ!(池田先生撮影。今月21日、新宿区内で)

 「創価学会には信心がある!」
 今も、私の心に轟く大師子吼である。
 恩師・戸田城聖先生は、なぜ、学会が旭日のごとく大前進しているのか、その原動力について叫ばれたのである。
 一九五七年(昭和三十二年)の十一月、先生の願業である七十五万世帯の折伏の成就が迫った総会の席であった。
 取材の報道陣も二十数社に及んだ。当時は、誤解や悪意の批判があまりにも多く渦巻いていた。
 先生は、そうした「信なき言論」に対して宣言されたのだ。
 敗戦後の荒廃し切った日本社会に立って、唯々「信心」の力で、不幸に喘ぐ庶民を蘇生せしめてきたのが、創価学会だ。
 偉大な信仰に目覚めた、偉大な人間革命の姿を見よ! 我らは、どこまでも信心を根本に、日本そして世界の民衆を幸せにし、社会をよりよくしていくのだ、と。
 以来六十余星霜――。この「信心」即「人間革命」の勝利劇は、今や、地球上のあの地この地で繰り広げられている。
 なかんずく本年一年、いずこからも新たな地涌の菩薩が澎湃と躍り出て、広宣流布の見事な大拡大が成し遂げられた。
 婦人部も、壮年部も奮闘した。男子部も、女子部も、男女学生部も、そして未来部も、目覚ましく成長してくれている。
 世界の各地で「ここに希望の光がある!」と、創価の師弟へ信頼と賞讃が寄せられる時代だ。
 戸田先生は、「断固として信心で勝ったな!」と会心の笑みを浮かべておられるに違いない。

無尽蔵の智慧

 「信心」とは何か。
 その無量の意義を、私は戸田先生から教えていただき、師弟相伝の宝として生命に刻んできた。
 御本仏・日蓮大聖人は、けなげな女性の門下へ、「此の御本尊も只信心の二字にをさまれり」(御書一二四四ページ)と仰せになった。
 この御文を拝されて、先生は、地位や権威でも、名声や財産でもない。「信心」のある人こそが一番、偉いのだ。まさに学会の婦人部ではないかと、声を強められた。
 信心とは、いうなれば、
 「宇宙究極の法則」
 「智慧の宝蔵」
 「求道の太陽」
 「賢者の正道」
 「英知の利剣」
 「不滅の大哲学」――この大確信である。
 妙法への深き信心は、「以信代慧(信を以って慧に代う)」の法理に則り、宇宙大の智慧を湧き出していく源泉である。
 「信心のこころ全ければ平等大慧の智水乾く事なし」(同一〇七二ページ)と示される通りだ。
 人生も、社会も、常に試練の連続だ。厚い壁に突き当たることもある。しかし自行化他の題目を唱え抜いて戦うところ、必ず無尽蔵の智慧が滾々と湧いてくる。突破できぬ困難は断じてない。
 豪雨や台風、地震など自然災害が続いた一年、全被災地の一日も早い復興と、安心の生活の再建を、深く祈念せずにはいられない。
 いずこの被災地でも、わが創価の宝友は、どれほど賢者の英知を発揮して、献身の行動を重ねておられることか。
 豪雨災害に直面した、広島のある婦人リーダーは、被災された方々に寄り添い、ともかく話をじっくり聴くことを心がけてきたという。若い人たちと協力して、仮設住宅での女子会や健康セミナーなどを行い、皆が少しでも元気になればと、創意工夫を凝らしている。
 また、グローバル化などにより、身近な地域社会も大きく変化している。外国人居住者が急増する地域もある。その中で、わが創価家族は、多様な一人ひとりと向き合い、快活にして温かな心配りで、共に生きるスクラムを広げている。
 今月は、「世界人権宣言」が国連で採択されて七十年の佳節であった。
 成立の大功労者である人権の母エレノア・ルーズベルト氏は語った。
 「他人の風俗や習慣を認めて尊重すること自体は小さなことかもしれない。だがそれがもたらす相互の敬愛の実りの、何と大きく豊かなことか」
 一個の「人間」として互いに尊敬し合い、生命本来の尊厳を輝かせていける慈愛の世界を、創価人間主義智慧は創り開くのだ。

誓いつなぐ力走

 御聖訓には「真実一切衆生・色心の留難を止むる秘術は唯南無妙法蓮華経なり」(御書一一七〇ページ)と仰せである。
 大宇宙と生命の本源のリズムに合致しながら、絶対の幸福と永遠の平和へ価値創造しゆく根本の方途が、信心なのだ。
 信心とは、まさしく、
 「生命の宝冠」
 「永遠の青春の心」
 「感動の人生」
 「和楽の光源」
 「平和の大道」
 「人間学の王道」
 「無上の幸福学」――に他ならない。
 座談会を軸に、感激の同志、久遠の友と励まし合って、織り成していく広布のドラマは、歓喜とロマンに満ちている。
 今月初めにも、ヨーロッパ二十一カ国から来日した求道の若人が東北を訪れて、「欧州と奥州」の連帯のエールを交わし、希望の太陽が昇るような素晴らしき青年友好総会が開催された。
 人材の城・東北六県での交流交歓会も、世界同時進行の広布新時代を開く決意が光っていた。
 「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(同一三六〇ページ)と仰せのごとく、地涌の使命に目覚めた一人、また一人が、世界中で湧き出ずるように誕生しているのだ。
 目を見張り、胸躍る世界広布の新展開である。
 大聖人は「信心の血脈なくんば法華経を持つとも無益なり」(同一三三八ページ)と断言なされた。
 「広布の誓願」を貫く創価の三代が受け継いできた「信心の血脈」は、「地涌の義」(同一三六〇ページ)に寸分違うことなく一閻浮提に広がり、国境も、民族も、言語や文化の差異さえも超えて、一人、また一人へと脈々と流れ通っている。
 共戦の師弟に励まされた一人が立ち上がり、目の前の一人に励ましの襷を渡す。その一人がまた次の一人に励ましの襷をつないでいく――。この信心のリレーが、一人ひとりの人間革命の力走を紡ぎ出していくのだ。
 先日の「全国高校駅伝」(男子第六十九回全国高等学校駅伝競走大会)では、大阪代表として初出場を果たした関西創価高校の選手たちが、師走の都大路を、懸命に襷をつないで駆けてくれた。
 本当によく頑張った。私は妻と一緒に、“負けじ魂ここにあり!”との関西創価の英姿に、祝福の大拍手を送った。

金剛の勇気で!

 戸田先生と私は、さらに「ふかく信心をとり給へ、あへて臆病にては叶うべからず候」(同一一九三ページ)の御文を拝し、「法華経の兵法」の何たるかを確認していった。
 信心とは――
 「最極の正義」
 「金剛の勇気」
 「不壊の大城」
 「人生最善の闘争」
 「邪悪への攻撃精神」
 「将軍学の極意」
 「勝利の軌道の法則」なり、と。
 広宣流布、立正安国とは、いかなる戦いか。
 大聖人は、この現実社会を主戦場として、法華経の行者と魔軍が「とられじ・うばはん」(同一二二四ページ)とする大法戦であると明かされている。
 御本仏が「一度もしりぞく心なし」(同ページ)と戦い抜かれた、この広宣の大道に誇り高く連なっているのが、創価の勇気ある信心である。
 この信心から、我らは常に出発する。信心で団結し、信心で戦うのだ。
 それゆえに、学会には地涌の無限の力が満々と漲り、広大無辺の功徳が現れ出ずる。皆が仏になる一生成仏の厳然たる実証が輝き光るのである。

文明創造の挑戦

 「広宣流布大誓堂」の建立から五周年――。
 不思議なる時を得て、「人間革命」の大歓喜の広がりは、この五年間で確固たるものとなった。
 十四世紀のイスラム世界で活躍し、あのトインビー博士が「偉大な歴史家」と称えたイブン・ハルドゥーンは、進展していく文明の姿を描いた。
 「それはまるで、新しい創造、新しい生成が起こり、新世界が生まれたかのごとくになる」
 今、まさに世界の激動の荒波の水底で、新しき創造の大いなる潮流が広がっている。
 すなわち、万人に具わる生命の尊厳性を開き輝かせる、新たな人間主義の潮流である。どこまでも一人の人間における人間革命を起点として、漸進的に地域革命、社会革命へと進む、民衆革命であり平和革命である。
 この広宣流布という、人類の宿命を転換する壮大な文明的挑戦を、いよいよ勢いを増して断行するのだ。

恐れなく堂々と

 「世界人権宣言」作成に尽力されたブラジルの“人権の獅子”アタイデ氏は私に語られた。
 二十一世紀は「『精神の力』がはかりしれないほどの働きを示す世紀になる」「信仰にもとづく息吹は、平和と秩序と正義を拡大していきます」と。
 「精神の力」――私たちでいえば「信心」である。生命に具わる無限の可能性への確信である。
 何が起ころうが、私には信心がある! わが家には信心がある! 我らには偉大な信心がある!
 だから何ものも恐れない。だから絶対に乗り越えられない苦難はない。真面目に、誠実に、勇敢に、信心をやり切って、最後は必ず勝つのだ!
 この合言葉で、いよいよこれからと、「強盛の信心」で、威風も堂々、進みゆこう!
 どうか、無事故で、健康第一で、よいお正月をお迎えください。そして来年も共々に戦い、共々に勝とうではないか!
 
 (随時、掲載いたします)

 エレノア・ルーズベルトの言葉は『生きる姿勢について』佐藤佐智子・伊藤ゆり子訳(大和書房)、イブン・ハルドゥーンは『歴史序説』森本公誠訳(岩波書店)。