〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉11 人間の尊厳を守り、平和と幸福を実現―― 立正安国が日蓮仏法の根幹 2019年1月21日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉11 人間の尊厳を守り、平和と幸福を実現―― 立正安国が日蓮仏法の根幹 2019年1月21日

1月26日はSGIの日 師が築いた世界広布の道
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
志賀男子部長
大串女子部長
「世界の同志の広布への情熱、真剣さに胸を打たれました。私たちも負けずに頑張ります!」と決意を新たにする日本の友(13日、東京・葛飾平和講堂でのアルゼンチンの友との交流交歓会)

 志賀 日蓮大聖人の仏法の根幹は「広宣流布」であり、「立正安国」です。

 永石 その点について、小説『新・人間革命』第21巻「共鳴音」の章には、次のように記されています。「『立正』とは、生命尊厳の哲理であり、人間革命の方途を示した仏法の人間主義の思想を、人びとの胸中に打ち立てることである。そのための実践が広宣流布である。そして、この広宣流布は、『安国』という、社会の繁栄と平和の実現をもって完結する」と。

 原田 「広宣流布」と「立正安国」の関係が、明確に示された一節です。第4巻には、そのものずばり、「立正安国」という章もあります。池田先生は、この立正安国を実現するための広宣流布の方途として、教育・文化・政治などの分野に、仏法の人間主義の旗を掲げる団体を設立し、運動を推進してきました。

 大串 第26巻「勇将」の章では、社会の制度や仕組みは大切だが、より重要なのは、それらを運用する人間の心であると訴えられています。そして、いかに制度が整っても、人間のいかんで、制度は悪用、形骸化されてしまう危険があると強調されています。

 志賀 だからこそ、為政者も、民衆も、確かな哲学をもつ必要があります。つまり、「人間は等しく尊厳無比なる生命をもっているという哲学」「人々の苦しみに同苦し、他者の苦を取り除こうとする慈悲」「自己のエゴイズム・欲望を、いかに制御し、昇華するか」が大切なのです。

 原田 この哲学を人々に伝えていくことが「立正」です。まさしく、一対一の対話で、仏法の思想を語り、広げていくことは、「立正」の戦いです。

 大串 「立正安国論」に、「須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を禱らん者か」(御書31ページ)との有名な御文があります。

 志賀 ここに、仏法者の使命が明確に示されています。すなわち、自身の安らぎのみを願い、自己の世界にこもるのではなく、人々の苦悩を解決し、社会の繁栄と平和を祈ることが、真の宗教者の生き方です。

 原田 平和社会の実現のため、地上から、戦争を、貧困を、飢餓を、病苦を、差別を、あらゆる“悲惨”の二字を根絶していくことが、日蓮仏法の根本であり、学会の目的です。そのために、教育・文化・政治などの分野で積極的に運動を進めていくのです。

中道主義の政治を

 志賀 15日付の「新時代を築く」の中で、先生は「中道」の思想について紹介してくださいました。
 また、『新・人間革命』第11巻「常勝」の章では、「中道主義を根底にした政治、すなわち中道政治は、対峙する二つの勢力の中間や、両極端の真ん中をいくという意味ではありません。あるいは、両方から、そのよいところをとって、自己の生き方とするような折衷主義でもありません。色心不二の仏法の生命哲学に立脚した、人間の尊厳を守り、平和と幸福を実現しゆく政治ということであります」と明言されています。

 長谷川 中道主義とは、“対立する意見を足して二で割る中間主義”でもなければ、“両方のよいところをとる折衷主義”でもありません。中道とは、“道に中る”と読みます。命中・的中の「中」です。

 原田 つまり、正しき人間主義、生命尊厳主義に即して離れない。常に「道に中っている」「正道に適っている」――これが中道です。いうなれば中道とは、「誰も置き去りにしない」ことであり、「皆の幸福のために行動する」ことに尽きます。私たちの支援活動も、こうした中道主義に立脚した人材を輩出し、社会の繁栄を築くためにあることを確認しておきたい。

「一人」への励まし

 永石 1月26日は「SGI(創価学会インタナショナル)の日」です。1975年のこの日、グアムにおいて、SGIが発足したことに由来します。

 長谷川 今や192カ国・地域に広がった「SGIの発展」「世界広布の伸展」もひとえに、池田先生の命懸けの戦いがあったからこそです。小説『新・人間革命』第1巻の「はじめに」には、「広宣流布の世界への広がりこそが、恩師の本当の偉大さの証明になる」との池田先生の真情が記されています。

 永石 「君の本当の舞台は世界だよ」との戸田先生の言葉を胸に、山本伸一会長が世界広布の旅を始める箇所から始まるのが、小説『新・人間革命』です。

 大串 御書に、「法華経の大白法の日本国並びに一閻浮提に広宣流布せん事も疑うべからざるか」(265ページ)とあります。この大聖人の仰せを現実にしたのは、池田先生であり、創価学会です。

 原田 言うまでもなく、当時、海外には、わずかなメンバーしかいませんでした。しかし、先生は、一人また一人へと励ましを重ねていきます。広宣流布は、「目の前の『一人』への励ましから始まる」――この広布の鉄則を先生自らが示してくださったのです。

 長谷川 “人材がいない”と嘆く幹部に、「みんな人材です。これから光ってゆきます。純粋に信心を全うしていけば、みんな広布の歴史に名を残すパイオニアの人たちです」と語り掛けるシーンにこそ、先生の思いがあふれています。

 原田 戸田先生から託された世界広布の基盤を、築いてくださったのが池田先生です。この道を、さらに大きく開いていくことこそ、弟子の使命です。私たちも、先生に教わった通り、「目の前の一人」への励ましに徹し、さらなる世界広布の大道を歩んでいきましょう。