〈5・3「創価学会の日」記念特集〉下 インタビュー 世界詩歌協会 国際詩人アカデミー サイード・アミールディン会長 2019年5月6日

〈5・3「創価学会の日」記念特集〉下 インタビュー 世界詩歌協会 国際詩人アカデミー サイード・アミールディン会長 2019年5月6日

池田博士の言葉は人類を一つに結ぶ
詩は「時代の良心」「社会変革の力」
たった一言が、生涯を照らす希望の光源ともなる――全国・全世界の同志のために、寸暇を惜しんでペンを執る池田先生(2009年4月)

 ――池田先生を知ったきっかけを教えてください。
  
 若い頃、世界詩歌協会創立者であるクリシュナ・スリニバス博士と出会い、折々に彼と詩について語り合ってきました。
 その後、国際的な詩人団体を立ち上げ、各地の詩人を集めて国際会議を開いたり、詩歌の専門誌を出版したりしながら、詩のムーブメントを起こしていきました。
 1980年代だったと記憶しています。スリニバス博士から池田博士の詩集を渡され、「ぜひ、書評を書いてほしい」と頼まれたのです。私は当時、マドラス大学で詩を教えていました。
 初めて池田博士の詩を読んだ時の感動は忘れられません。無上の喜び、究極の幸福を得たような感覚にとらわれました。
 池田博士が紡ぎ出す言葉は、憎悪や苦悩の闇から人々を救い出したいとの熱い思いにあふれています。恒久平和の実現へ全精魂を注いでこられた博士の、不断の闘争の結晶に思えてなりません。
 池田博士の詩歌には、人類を一つに結びゆく響きがあります。まさに「世界に平和をもたらす使者」だと直感しました。だからこそ私は“博士の存在を、世の中にもっと広めていかなければならない”との強い衝動に駆られたのです。
 私はすぐさま、池田博士の紹介文を添えた書評を執筆し、50カ国に読者を持つ世界詩歌協会の専門誌「ポエット」に掲載しました。副題は「平和の詩人・池田大作氏」としました。
 反響は、すさまじいものがありました。書評を読んだ数多くの詩人や文芸評論家から、「これは、天才的な詩人の発掘だ。このような詩人が、今の時代に現存することを知らなかった」との驚きと、喜びの声が殺到しました。一晩で、実に100通を超える便りが届いた日もありました。
 池田博士本人からも丁重な礼状をいただき、それがきっかけで博士との交流が始まりました。
 これまで、各地のセミナーや会議等でも、池田博士の詩や事績を紹介しています。
 詩人でありながら、宗教やイデオロギーの枠を超えて、世界に相互理解の対話の道を開いてこられた池田博士を、私は深く尊敬しています。
 今日まで友情が続いていることを、とてもうれしく思うとともに、5月3日の「創価学会の日」を心からお祝い申し上げます。

詩聖に通じる深み

 ――アミールディン会長は、アメリカ・スタンフォード大学など国内外の大学で、詩に関する講義を担当してこられました。これまで世界中の詩に触れてこられた会長にとって、「本物の詩」とは、どのようなものなのでしょうか。
  
 いわゆる「普通の詩」は、事象をそのまま言葉に表したものに過ぎません。
 それに対し、「本物の詩」と呼べるものは、読む人の感情を揺さぶり、心の奥底から“何か”を湧き上がらせる力を秘めています。
 これは簡単な例文ですが、ある詩の一節にこうあります。
 「私は人生のトゲの上に落ちてしまった」
 この作者は、実際に「トゲの上」に落ちたわけではありません。自分の苦しみを表そうとして、このように書いているわけです。巧みな比喩表現を用いることによって、読み手の心にも痛みが伝わります。
 私は先日、“魂の旅路”をテーマにした詩集を上梓しました。人間誰しもが持つ物質的な欲望を離れ、精神的な高みへと向かう境地をつづったものです。
 仏教における悟りもそうですが、境地というのは達した人にしか分かりません。どんなものかを説明しようにもできない。体験して感じるしかない。詩人は、その“感じたまま”を表現することができるのです。
 現在、活躍する詩人の多くは、愛や自然、希望などをテーマに掲げて詩作しています。
 池田博士の作品は、私たちの内にある聖なるものに気付かせ、宇宙とのつながりを感じさせてくれます。人間の苦しみや悲しみを描きながら、それをいかにして転換することができるか、その方途を示されているのです。
 池田博士の詩の持つ深みは、古代の詩人カーリダーサやティルヴァッルヴァル、そして詩聖タゴールなどの偉人たちと通じるものがあります。

焦点は常に一人

 ――現代社会における詩の役割について、お聞かせください。
  
 詩は「時代の良心」であり、「社会を変革する力」そのものです。人間性を開花させ、人類愛に満ちた世界をもたらします。
 私が会長を務める国際詩人アカデミーは2000年、池田博士に最も栄誉ある「マン・オブ・ザ・ミレニアム(千年紀を代表する人物)賞」を授与しました。
 これは、第三の千年の始まりに当たり、新たな時代を開く人物に贈るものです。世界に数千人の会員を持つわがアカデミーは、池田博士への授与を理事会の満場一致で決めました。授与式の模様は、テレビや全国紙に取り上げられ、インド全土に伝えられました。
 式典で私は、池田博士をこう紹介しました。
 「新千年紀に世界平和と普遍的な兄弟愛を確立するため、宇宙的な響きをもつ新たな思想と、高尚なニュー・ヒューマニズム(新しき人間主義)をもって、この地球上に完全かつ静かな変革をもたらす人」であると。
 池田博士は、地上の全ての目から涙を拭い、全ての顔に笑みを取り戻すことを夢見ておられます。
 壮大なビジョンを持ちながら、その焦点は常に“一人の変革”に向けられています。個々人の智慧を開発し、持てる力を引き出すことによって、世界を平和へ、調和へ、繁栄へと導こうとしておられるのです。
 池田博士こそ、21世紀から始まった新たな千年を照らす存在であると確信します。
 「マン・オブ・ザ・ミレニアム(千年紀を代表する人物)賞」は、博士以外の人には、授与されていません。この名に値するのは、池田博士ただお一人であるからです。

 Syed Ameeruddin 1942年生まれ。インド・マドラス大学英文学部教授などを歴任。客員教授として、国内外の大学で詩を教える。国際詩人アカデミー創設者・会長。世界詩歌協会会長。著書多数。