〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉61 仏法の生命尊厳の思想を世界に! 人々の心の中に平和の砦を 2019年8月12日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉61 仏法の生命尊厳の思想を世界に! 人々の心の中に平和の砦を 2019年8月12日

続く猛暑 聖教配達員の無事故を祈念
〈出席者〉
原田会長
平和委員会 石渡議長
女性平和委員会 前多委員長
青年平和会議 浅井議長
女性平和文化会議 谷井議長
国内外で開催される、SGIがICANの協力を得て制作した「核兵器なき世界への連帯」展(上がモンゴル、下が長崎)

 原田 暑い日が続きます。猛暑の中も、聖教新聞を配達してくださっている「無冠の友」の皆さまに心から感謝申し上げます。どうか、くれぐれも健康第一・無事故第一の配達をよろしくお願いいたします。

 前多 水分の補給はもちろん、帽子をかぶったり、冷えたタオルを首に巻いたりしながら、配達をされている方もいます。

 石渡 寝苦しい夜が続きますので、睡眠不足にも注意を払っていただければと思います。

 原田 台風接近の情報もあります。該当地域の方は無事故を最優先にして、絶対に無理をせず、時間を気にすることなく、配達をしてください。

核兵器禁止条約」

 石渡 学会として、6日に広島で、9日に長崎で、「原爆の日」追善勤行法要を行い、「核なき世界」建設への誓いを新たにしました。

 原田 御書に「国土泰平・天下安穏は一人より万民に至るまで好む所なり楽う所なり」(31ページ)と仰せの通り、平和は人類の悲願です。

 谷井 2017年、核兵器を法的に禁止する初の多国間条約である「核兵器禁止条約」が国連で採択され、現在、発効に向けて批准が進みつつあります。

 石渡 今月6日、南米ボリビアが条約に批准しました。条約発効の要件である50カ国の半数となる、25番目の批准です。日本を含め、全ての国が条約に批准することを願っています。

 原田 核兵器は、人類の生存の権利を脅かす「絶対悪」です。私たちは戸田先生の原水爆禁止宣言を原点に、多くの団体と連携しながら、核廃絶への運動を各国各地で進めてきました。

 石渡 引き続き、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)と協力し、「核兵器禁止条約」の普及を通じて、同条約の早期発効を支援していきます。

 浅井 具体的には、核兵器に関する各種国際会議に参加をし、ICANと共同制作した「核兵器なき世界への連帯」展などを各国で開催していきます。

 前多 女性平和委員会では、2017年からヒロシマナガサキ被爆体験の映写会を草の根で展開しています。被爆者の体験を初めて聞いたという参加者も多く、「涙が止まらなかった」「核兵器の恐ろしさが身に迫った」との声が寄せられています。これまで2万会場で32万人が来場し、約25万の「ヒバクシャ国際署名」を集めています。

脱炭素社会の構築

 浅井 9月23日に、ニューヨークの国連本部で気候行動サミットが開催されます。2015年のパリ協定締結以降も温室効果ガス排出量が増加し、アメリカが協定からの離脱を表明するなど、気候変動問題に対する危機感が国際社会において高まっています。脱炭素社会の構築が急務です。

 谷井 サミットは、この事態を危惧した国連のグテーレス事務総長の呼び掛けで実現されるものですね。

 原田 パリ協定締結の立役者である国連気候変動枠組条約のフィゲレス前事務局長から学会へ、同時開催されるユース気候サミットへの派遣要請が届き、参加する予定になっています。

 浅井 ここでは、SGIと地球憲章インタナショナルが共同制作したスマホアプリ「マプティング」で行っている、気候変動に関する写真コンテストの取り組みについて報告をします。

 石渡 さらに、学生部による「SDGs(持続可能な開発目標)意識調査」の報告を、国連およびニューヨーク市が連携して行う「ニューヨーク気候週間2019」の関連イベントの中で実施する予定です。

 谷井 今秋、女性平和文化会議はSDGsについての女性の意識啓発のためのアンケートを行います。「誰も置き去りにしない」社会を築くため、身近なところから行動していきます。

 浅井 また、ニューヨークでは、FBO(信仰を基盤とした団体)の役割に関する会合も共同主催する予定です。

 原田 FBOについては、昨年7月のモンゴルでのアジア防災閣僚会議、同じく昨年8月の東京での円卓会議などに際し、SDGs推進や防災に果たす役割を他団体と協力して議論しています。信仰を基盤とした地域のネットワークは、“緊急時などに大きな力を発揮する”と国際的にも注目されていますね。

 石渡 はい。これからも多様な組織と連携し、議論を進めてまいります。

 浅井 他にも、多様性を尊重する共生社会の建設へ、「女性差別撤廃条約」採択40周年、「子どもの権利条約」採択30周年の2019年は、国際人権の前進に貢献するとともに、幅広い教育・啓発活動に注力していきます。

 前多 女性平和委員会は「子どもの権利条約」に深く賛同し、日本の批准前の1991年から展示会・講演会・フォーラム等を通じ、啓発に努めてきました。採択30周年である本年は、多くのNGOや団体が集まってスタートした「広げよう! 子どもの権利条約キャンペーン」に賛同団体として参加。かけがえのない子どもたちの笑顔を守るため、草の根の活動を続けていきます。

 谷井 現在、聖教新聞では「私がつくる平和の文化」が連載されています。国連で「平和の文化」についての行動計画が採択されて20年。「多様性の尊重」「女性と男性の平等」「持続可能な開発」「対話」「教育」など、「平和の文化」の大切な要素が語られる本企画は、「画期的な試み」と多くの反響が寄せられています。

 浅井 9月には、青年部が主催し、沖縄で「青年不戦サミット」も開催する予定です。

 原田 小説『新・人間革命』第30巻〈下〉「誓願」の章に、学会の平和運動の意義や歴史がつづられています。そこに、学会の平和運動は「仏法の生命尊厳の思想を人びとの胸中に打ち立て、ユネスコ憲章に謳われているように、『人の心の中に平和のとりで』をつくることを基調としている」とあります。私たちはこれからも、確固たる哲学を胸に、平和建設の主体者となって、善の連帯を世界に広げていきましょう。