青年不戦サミットへの池田先生のメッセージ 2019年9月10日 わが後継のスクラムで生命尊厳の道を開け!

青年不戦サミットへの池田先生のメッセージ 2019年9月10日

わが後継のスクラムで生命尊厳の道を開け!

 


 万国津梁の天地・沖縄での「青年不戦サミット」、誠におめでとう!
 きょう9月8日は、わが師・戸田城聖先生が、学会の平和運動の永遠の原点である「原水爆禁止宣言」を、青年に託された日であります。
 “核兵器を絶対に使用させてはならない”“世界の民衆の生存の権利を断じて守らなければならない”との恩師の師子吼を、私は不二の弟子の誓いとして命に刻みつけ、行動を貫いてきました。
 今から10年前の9月8日に発表した核廃絶提言で、核兵器禁止条約の交渉の機運を高めることを呼び掛け、こう結びました。
 「勇気の炎を社会に灯す熱源こそ、青年です。青年の情熱には、一人から一人、また一人へと伝播し、あらゆる困難の壁を溶かし、新しき人類史の地平を開く力が脈動している」と。
 信頼してやまない青年部の皆さんは、この挑戦の先頭に立って、世界の青年たちと手を携えながら連帯の輪を広げてくれました。その中で、長らく不可能と言われ続けてきた核兵器禁止条約が、2年前に国連で採択されたのであります。
 私は、広島と長崎に原爆が投下されてから75年となる明2020年のうちに、何としても核兵器禁止条約の発効を実現させたいと切望しています。条約の発効こそが、原水爆禁止宣言で訴えられた、核兵器を容認する思想の「奥に隠されているところの爪」をもぎ取るための不可欠の基盤になると信じてやまないからです。
 日蓮大聖人は「法華経」の「三界は安きこと無し猶火宅の如し衆苦充満して甚だ怖畏すべし」の一節を引かれ、これは末代の衆生を諫める経文であると仰せになられました(御書1388ページ、趣意)。
 今こそ、すべての人類の生命と尊厳を守るために、この「火宅」を出ずる道を、わが後継の青年部のスクラムで大きく切り開いていってほしい。9月8日という意義深き日に行われる「青年不戦サミット」を、その崇高な挑戦を成し遂げる決意を共々に誓い合う場としていっていただきたいのであります。
 「命どぅ宝(命こそ宝)」の精神光る沖縄研修道場は、核ミサイルが配備されていた発射台を“平和の発信地”へと転換させた、「不戦」と「非核」の精神が結晶した場所です。これまで世界の多くの識者が訪れ、平和への連帯を深める場所ともなってきました。
 大切な友人である平和学者のスチュアート・リース博士も、その一人です。
 博士は研修道場を訪問した時に感じた思いを、こう述べておられます。
 「ここは、人間が行ってきた戦争の愚かさを思い起こす場所であり、人間が平和を創造できるという“象徴の地”です」と。
 沖縄青年部の皆さんが、現在、新たな沖縄戦証言集の発刊に向けて準備を進めていることも伺っています。本当に尊い取り組みです。広島と長崎の被爆証言の継承とともに、青年部の重要な使命の一つがここにあります。
 毀誉褒貶の八風に流されず、自らの信じた道をどこまでも突き進む。未来の勝利は今にあり――。この「誉れの青春」を生きゆく皆さんの活躍を心から念願し、私のメッセージといたします。