〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉77 世界の「民音」が創立56周年 音楽は心を結ぶ「喜びの讃歌」 2019年10月17日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉77 世界の「民音」が創立56周年 音楽は心を結ぶ「喜びの讃歌」 2019年10月17日

芸術には平和を構築する力が
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
伊藤民音代表理事
志賀青年部長
大串女子部長
ベルギー王国トゥルネー市で開催された音楽祭(8月)で、講演とコンサートを行う、民音研究所のウルバン所長と民音派遣のアーティスト。背景は世界遺産の大聖堂 ©Véronique Pipers/1point2.be

 原田 あらためまして、台風19号による記録的な大雨の影響で、被災をされた全ての皆さまに心からのお見舞いを申し上げます。

 長谷川 学会本部の災害対策本部でも連日、被害状況の把握を続け、各地の対策本部と連携を取りながら支援に当たっております。

 原田 私も14日に神奈川の川崎へ伺いました。16日付の「心に御書を」の中で池田先生は、「わざはひも転じて幸となるべし、あひかまへて御信心を出し」(御書1124ページ)との御聖訓を拝して、「被災地の復旧・復興、尊き宝友の健康・安穏、変毒為薬をひたぶるに祈っています」と、真心の伝言を送ってくださっています。引き続き、被災をされた方々に励ましを送ってまいります。

人間文化の夜明け

 大串 明18日で、「民音」が創立から56周年となります。

 伊藤 推進委員、賛助会員をはじめ、民音を支えてくださる全ての皆さまのおかげで、この日を迎えることができます。心から感謝申し上げます。

 永石 最近はテレビの人気番組で、「民音音楽博物館」が相次いで紹介され、大きな話題です。民音を応援する私たちにとっても、誇らしいことです。

 原田 1997年(平成9年)9月、完成したばかりの民音文化センターを初訪問された創立者の池田先生は、芳名録に「祈 世界一の発展」「祈 芸術運動の先駆」「祈 人間文化の夜明け」と記されました。民音の果たす役割が、どれだけ大きいか。

 大串 小説『新・人間革命』第8巻「清流」の章でも、「私は、『世界の民音』に育てたいと思っている。『民音があって、音楽は蘇った』『民音があって、新しい、最高の音楽が生まれた』『民音があって、民衆の心と心が結ばれ、世界が結ばれた』と言われるようになるんだ」とつづられています。

 伊藤 長年にわたる池田先生の励ましのおかげで、音楽・芸術運動の一翼を担う、今の民音の大発展があります。感謝は尽きません。

無限の可能性証明

 大串 SOKAチャンネルVODに、「民音音楽博物館~音楽を愛するすべての人に~」が追加されています。

 志賀 この番組では、30万点に及ぶ音楽資料が所蔵され、“民間では国内最大級の規模”と評される、民音音楽博物館の「音楽ライブラリー」の模様などが紹介されています。

 長谷川 民音音楽博物館には、付属の研究所(民音研究所)が併設されていますね。先日は、民音研究所の所長が出席し、ベルギーの音楽祭で講演とコンサートが行われました。

 原田 これに先立ち、ベルギーの全国紙には「愛と人類への民音の讃歌」との見出しで、次のような記事が載りました。「民音創立者池田大作氏は、第2次世界大戦という世界の終末を生き抜いた。戦争は氏の青年期に大きな影響を与え、平和のために生涯をささげる決意をした。この精神のもと、池田氏民音をはじめ、多くの機関を創立した。氏の夢は、音楽を通し、人々の相互理解を推進することである」と。感慨深く紙面を見ました。

 伊藤 大変にうれしく思います。「民音研究所」は本年で開所5周年です。長年、多彩な音楽文化活動を推進してきた民音の“実績”を土台に、音楽が平和構築に果たす可能性を証明する機関として開設しました(1面に関連記事)。

 原田 音楽に「どんな力があり、平和構築に、どう生かせるのか」――研究所の使命は、「平和構築の音楽」の探求と言えますね。

 伊藤 音楽には、無限の力があると信じています。平和を生み出す力にもなれば、破壊する力にもなります。一つの例を紹介します。東アフリカのルワンダ共和国で、1994年4月7日から7月14日まで続いた虐殺の時の話です。

 志賀 約80万人もの尊い命が奪われ、世界中を震撼させた出来事ですね。

 伊藤 これほどの悲劇が起こった背景は、さまざまに研究されていますが、ある政治的な歌が、テレビやラジオで何度も放送され、差別をあおったことが指摘されています。

 志賀 音楽が利用され、恐怖、憎しみ、分断、そして殺りく衝動が駆り立てられていったのですね。

 伊藤 一方、2004年、ルワンダ初の女性ドラム集団インゴマ・ンシャが結成されます。「新しいドラムと新しい時代」との意味で、文化を発展させることで、癒やしと和解をもたらすことを目指しました。当初は、虐殺の被害者と加害者の双方の女性たちで構成され、今では他の多くの女性たちにも門戸を開いている集団です。

 大串 音楽を通して地域社会を再建していく物語は映画にもなり、大きな感動を呼んだと聞きました。

 永石 悲劇や破壊の後でも、音楽には、生活を立て直し、和解と共存を促進する力があることを見事に証明したのですね。本当にすごいことです。

 伊藤 先生は民音に対して、音楽は「民衆の喜びの讃歌」であり、「人類の心を結ぶ力」であり、「生命を励ます希望」であると教えてくださっています。こうした「平和構築の音楽」の力を探求し、紹介するのが、民音研究所です。これからも、賛助会員の皆さまのご支援にお応えすべく、社会貢献の活動に全力を尽くしてまいります。

 原田 音楽の持つ無限の可能性を証明する民音へ、さらに発展しゆくことを切に願っています。