〈教学〉 12月度座談会拝読御書 兄弟抄 2019年12月3日

〈教学〉 12月度座談会拝読御書 兄弟抄 2019年12月3日

拝読御文

 設ひ・いかなる・わづらはしき事ありとも夢になして只法華経の事のみさはくらせ給うべし、中にも日蓮が法門は古へこそ信じがたかりしが今は前前いひをきし事既にあひぬればよしなく謗ぜし人人も悔る心あるべし、設ひこれより後に信ずる男女ありとも各各にはかへ思ふべからず(御書全集 1088ページ16行目~18行目、編年体御書 689ページ16行目~18行目)

[池田先生の指針から] 広布の大道を貫く

 現代において、「只法華経の事のみ」という「心の師」を求める生き方を堅実に歩んできた学会員は皆、見事に勝利の実証を示しています。日本中、世界中に庶民の信心の英雄は数多くおられます。
 その方たちこそ、「広宣流布の宝」です。
 また、「人類の宝」です。
 「法」を根幹として、また「師弟不二」に徹して、自身の宿命を転換し、何ものにも揺るがぬ幸福境涯を確立されています。
 
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
 
 人間の心の動きは千差万別です。なかには、大聖人の予言的中の現証を見て、誹謗していたことを撤回して悔いる心をもつ人もいました。
 反対に、信心をしていながら迫害を恐れて退転し、あまつさえ、もともと誹謗していた人よりも一層激しく毀謗する心をもつ人も多くいました。
 
 心浅き人間。退転反逆の輩。臆病な者たち。人間の心は恐ろしいものです。だからこそ、大聖人は、まっすぐに師弟の道を歩み通した池上兄弟と夫人たちに「設ひこれより後に信ずる男女ありとも各各にはかへ思ふべからず」とまで仰せくださったと拝されてなりません。
 
 どんな嵐が吹き荒れても、いささかも微動だにせずに、背信の者たちを悠然と見おろし、ただ広宣の大道を貫いてきた門下たちこそ真の弟子であると、大聖人は最大に讃嘆なされております。「師弟」こそ、人生の無上の価値です。
 
 戸田先生は、次のように語られたことがあります。
 「一生成仏という大空に悠々と舞い上がっていくには、難という烈風に向かって飛び立たねばならない。難に負けない信心こそが、永遠の幸福の城を築きゆく力なのだ。信心で越えられぬ難など、断じてない」
 この戸田先生の決然たるご確信こそ、学会精神であり、折伏精神であり、魔と戦う攻撃精神です。
 
 どこまでも大事なのは信心です。
 大聖人は池上兄弟に対して、「必ず三障四魔と申す障いできたれば賢者はよろこび愚者は退くこれなり」(御書1091ページ)と仰せになられました。
 
 「賢者はよろこび」の信心に立てば、三障四魔の激しき風は、わが生命を覆う宿命の「雲」を吹き払います。そして、澄み切った天空には、大歓喜の虹がかかることは絶対に間違いありません。そこにこそ「正義」と「幸福」と「勝利」の太陽の光が燦然と輝くことを確信して、大難に対して威風堂々と挑んでいくことです。
 三障四魔を打ち破る弟子の勝利こそ、師匠の祈りであり、喜びなのです。
 (『勝利の経典「御書」に学ぶ』第2巻)
 
 

師弟不二に徹し 幸福境涯を確立
[キーワード1] 只法華経の事のみ

 今回の拝読御文の直前で、「心の師とは・なるとも心を師とせざれ」(御書1088ページ)と、揺れ動く自分の「心」を基準にするのではなく、「心の師」を求める生き方の大切さを示されています。
 
 私たちにとって「心の師」を求めるとは、御本尊根本、御書根本に生き抜くことです。それは、正しき道を厳然と指し示す師匠と共に、不二の人生を貫くことにほかなりません。
 
 さらに、私たちには「広宣流布の大願」という、ぶれることのない「地涌の菩薩」の使命があります。日々の祈りの中で、この崇高な誓願に立つことができるのは、どれほど素晴らしいことでしょうか。
 
 煩わしいと思うことも、大願で大きく包めば、自身を「人間革命」していくための糧になります。全てを“広布のため”と、価値創造していくことができます。
 
 一方で、信心が弱ければ、煩わしさは、三障四魔となって信仰を破壊してしまいます。だからこそ「法華経のことだけに取り組む」姿勢、すなわち法華経の信心を根本に置いた揺るがない生き方を強調されているのです。
 
 妙法流布、折伏に励む人は、必ず人生を大きく開いていくことができるのです。そのことを、池上兄弟とその夫人たちに大確信で教えられているのです。
 
 私たちも、広布の誓願に生き抜く師弟不二の人生を、朗らかに勝ち進んでいきましょう。
 
 

[キーワード2] 宿縁深き同志の世界

 人の本性は、苦難に直面した時に現れるものです。
 大聖人の時代も、迫害が激しくなると、多くの門下が退転していきました。
 仏法の厳しき眼で見れば、それはまさに、自身の揺れ動く弱い「心」を師としたことにほかなりません。
 
 大変な環境にあって、池上兄弟が、状況が良い時も、悪い時も、ただ一筋に信仰を貫いていることを、日蓮大聖人は「あなた方に替えて思うことはできない」と、最大にたたえてくださっているのです。
 
 広宣流布に励む人こそ、人類の宝です。それは、他の誰かではありません。師弟不二の道を歩む一人一人が人材です。
 
 池田先生はつづっています。
 「一人も残らず、使命の人だ。病と闘い、経済苦に挑み、夢に向かう友がいる。皆、人間革命のドラマの主役なのだ。
 戸田先生は『時には、“貧乏菩薩”や“病気菩薩”のように見えるかもしれない。しかし、それは人生の劇を演じているんだよ。正真正銘の地涌の菩薩なんだ』と、よく語られた。
 闘う姿で、同じ悩みを抱える人を励ましていける。嵐に揺るがぬ大境涯を開いていける。
 人生、劇の如く、思い切って楽しく演じ、勝ちまくって、妙法の偉大さを証明していこう!」
 
 今、この時に生まれ合わせた、師弟の縁、同志の宿縁は計りしれません。異体同心の仲良き団結で、励ましを広げながら、一人ももれなく使命の人生を歩み抜きましょう。