〈池田先生と共に 新時代を進む〉15

SEIKYO online (聖教新聞社):折々の指針

〈池田先生と共に 新時代を進む〉15 2017年8月6日

核兵器の廃絶へ連帯を強く
 

 私が師・戸田城聖先生に初めてお会いしたのは、終戦から2度目の夏。父母が復員を待ちわびていた長兄の戦死の公報が届いた、2カ月半後のことであった。
 命を賭して軍部政府と戦い抜かれた先生を信じて、19歳の私は、創価の平和闘争に身を投じた。
 戦争は、どれほど多くの尊い生命を奪い、愛する家族を引き裂き、嘆きと悲しみの底に突き落としたか。
 なかんずく、広島、長崎の被爆者の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみを、断じて忘るるな! これが、師の峻厳なる誡めであった。
 ― ◇ ― 
 核兵器は、世界の民衆の生存の権利を根源的に脅かす、まさしく“絶対悪”にほかならない。
 戸田先生は、1957年の9月8日、仏法の生命尊厳の哲理の上から「原水爆禁止宣言」を神奈川で発表された。
 核兵器の禁止と廃絶を時代の潮流に高めることを、青年への「遺訓の第一」として託されたのだ。
 宣言から60周年となる本年の7月、ニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」が採択された。核兵器の使用や保有を一切の例外なく全面的に禁止する、初めての国際条約となる。
 「核兵器のない世界」は人類の悲願である。そのためにも、民衆の連帯をいや増して強め広げなければならない。頼もしいことに、次代を担う青年部、未来部が、尊き父母たちの「平和の心」を受け継いで、学び、前進してくれている。
 生命尊厳の希望の大潮流を、さらに力強く未来へ創り起こしていきたい。
 ― ◇ ― 
 「立正安国論」に「汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を禱らん者か」(御書31ページ)と仰せである。
 自他共の幸福への追求と世界の平和への貢献が、一体不二で連動しているのが、我らの広宣流布である。
 今、真冬のブラジルからも、はるばると若き200人の地涌の宝友が、研修に来日してくれている。
 忘れ得ぬブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁と私は約し合った。
 ――政治・経済次元のつながりよりも、はるかに高く、広く、強く、世界市民を結び合い、人類の命運さえも変える絆を結ぼう!と。
 運命は変えられる。諦めなければ!
 平和は勝ち取れる。青年が心一つに立ち上がれば!