本紙創刊67周年を記念 無冠の友へのメッセージ 池田大作 2018年4月30日

本紙創刊67周年を記念 無冠の友へのメッセージ 池田大作 2018年4月30日

皆が人間革命の勝利劇を
百花繚乱の無量の福徳よ薫れ!
桜やレンギョウなど、色鮮やかな花々が咲き薫る。わが地域にも、幸福と友情の花園を広げよう(昨年4月、池田先生撮影。東京・八王子市)

 春風のようにさっそうと、本紙の配達に走る「無冠の友」。“希望の哲理”を届ける友の尊い一歩一歩が、地域に百花繚乱の福徳を広げゆく。ここでは、本紙配達員の機関紙「無冠」の創刊記念日特集に掲載された、池田先生のメッセージを紹介する。

 我らの聖教新聞の創刊67周年の春を、全国の「無冠の友」の皆さま方と共に、晴れやかに迎えることができました。
 とりわけ、この冬は、各地で記録的な豪雪に見舞われ、低温などの厳しい気象条件が続く中で、皆さま方のご苦労はいかばかりであったか。配達員の方々、販売店の方々、また、輸送に携わってくださる全ての方々に、私は改めて心から御礼を申し上げます。
 今回、3月11日の歴史的な「世界青年部総会」が大成功できた陰にも、「無冠の友」の祈りと支えがあったことを、私は伺っております。「地域のことを誰より知る『無冠の友』の先輩が青年と共に足を運んでくださったから、新たな地涌の若人を立ち上がらせることができました」等々、感謝の声がたくさん届いています。
 御本仏・日蓮大聖人は、「かくれての信あれば・あらはれての徳あるなり」(御書1527ページ)と仰せになられました。
 「月月・日日に」たゆまず無冠の使命に徹しゆく「かくれての信」は、皆さま方とご家族はもとより、地域社会全体をも「あらはれての徳」で包みゆくのであります。
 今、私と妻のこの上ない喜びは、聖教新聞に随時掲載される「無冠の友」の記念写真を拝見することです。紙面は御宝前にお供えし、感謝の題目を唱え、皆さまのますますの健康長寿、絶対無事故、そして栄光勝利を、深く強く祈念しております。
 ◇ 
 今、世界同時進行の広宣流布の大発展は、日本だけではなく、各国・地域の機関紙誌が、その原動力となっています。
 南米のアルゼンチンでは、新たに誕生した青年文化センターのオープンを祝賀しようと、青年部が先頭に立って、機関紙「アルゼンチン・セイキョウ」の拡大に勇んで挑戦しました。歓喜の波動は幾重にも広がり、青年平和文化総会には、友人を含めて2万人が参加しています。
 そして、この希望の大連帯の要と光っているのも、やはり配達員の方々です。
 「アルゼンチン・セイキョウ」には、同国の新聞協会からも、「読者一人一人との人間の絆をつなぎとめる模範の仕事をしており、配達員の皆さんの努力で、それは成し遂げられています」と賞讃の声が寄せられているのです。
 言葉が人を結びます。
 言論が心を動かします。
 活字が未来を開きます。
 おかげさまで、小説『新・人間革命』の執筆も完結の第30巻の最終章に入りました。25年間、6300回を超える連載も、全て「無冠の友」の皆さまとの誇り高き共戦の歴史です。
 小説『人間革命』『新・人間革命』を貫く主題は、ご存じの通り、「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」であります。
 この「宿命の転換」というテーマについては、20世紀最大の歴史家であるトインビー博士とも語り合いました。
 個人にも思いもよらぬ苦難や試練がある。社会にも、あまりにも悲惨な災害や貧困、暴力、分断、対立、紛争等々がある。博士は私に問い掛けられました。
 ――人間は、それらを「宿命的」と言って諦めるしかないのか。それとも宿命は変えることができるのか――
 私は「因果は瞬間瞬間に動いていく。常に自身の宿命転換、社会変革への強い生命力を最大限に引き出していけるのが人間革命の哲理です」と申し上げました。
 「イエス! イエス!」と目を輝かせ、大きくうなずいて賛同してくださった博士の笑顔が、45星霜を経た今も、鮮やかによみがえります。
 宿命は、必ず転換できる。断じて使命に変えられる――小説でも随所につづった通り、まさに、わが創価の父母たちは、宿命転換の人生を晴ればれと勝ち示してきた、厳然たる証明者ではないでしょうか。
 なかんずく、家庭で職場で地域で、何役も務めながら、早朝からの配達を遂行してくださっている「無冠の友」の皆さま方こそが、一人も漏れなく「人間革命の勝利劇」を飾られ、そして愛する郷土から人類の宿命転換への希望の光を放ちゆかれることを、私は確信してやまないのであります。
 ◇ 
 この冬、雪深い福井県で奮闘してくださっている配達員の方々の尊い川柳を、私は合掌しつつ拝見しました。
 「さあ今日も ハッピーロード 踏みしめて」
 「配達中 慌てず事故なく 油断なく」
 「無冠には 昇る朝日が ごほうびだ」
 これから迎える梅雨の季節、また暑い夏の日々も、体調を整えて「絶対無事故」の配達を、どうか、よろしくお願い申し上げます。
 大聖人は、妙法の良薬を持って広宣流布のために動く人には、上行らの四菩薩が常に同行していることを明かされ、「道を行く時は此の菩薩も道を行き給ふ、譬へば・かげと身と水と魚と声とひびきと月と光との如し」(同1306ページ)と仰せであります。
 かけがえのない皆さま一人一人の歩みが、仏菩薩の厳然たる加護に包まれ、そして一家眷属にまで、百花繚乱の無量の福徳が薫りゆくよう、私は妻と祈り抜いてまいります。お元気で!