〈5月度 男子部「御書活動者会」研さんのために〉 三世諸仏総勘文教相廃立 2018年4月28日

〈5月度 男子部「御書活動者会」研さんのために〉 三世諸仏総勘文教相廃立 2018年4月28日

学会は最高の善知識の連帯
励ましの絆を一層強く
世界各地から集い来る友を広宣流布大誓堂が迎える(東京・信濃町)。自らの使命の舞台で善の連帯のさらなる拡大を!

 5月度の男子部「御書活動者会(御書活)」では、「三世諸仏総勘文教相廃立」を研さん。「善知識」の存在の大切さを学ぶ。

御文

 縁とは三因仏性は有りと雖も善知識の縁に値わざれば悟らず知らず顕れず善知識の縁に値えば必ず顕るるが故に縁と云うなり(御書574ページ)

通解

 縁とは、三因仏性はあるといっても、善知識の縁に値わなければ、これを悟らず、知らず、またあらわれることもない。善知識の縁に値えば必ずあらわれるゆえに縁というのである。

背景と大意

 本抄は、弘安2年(1279年)に著されたとされるが、詳細は不明である。略して「三世諸仏総勘文抄」「総勘文抄」とも呼ばれる。
 題号の意は、過去・現在・未来のあらゆる仏(三世諸仏)と釈尊が、全員の総意として決定した文書(総勘文)という趣旨。釈尊の教えの違いを立て分け(教相)、方便の権教を廃して自行真実の法華経を立てることを真意とした、ということである。
 本抄ではまず、仏が九界の衆生の機根に応じて説いた随他意の教えである「化他の経」と比較し、仏の内心の覚りをそのまま説いた随自意の「自行の法」である法華経こそ、真実の教えであることが示される。
 そして、諸仏がこの世に出現した究極の目的は法華経を説くことであり、仏法流布の国土に生まれた門下に、必ずこの一生で成仏するよう御指導され、本抄を結ばれている。

解説

 今回の拝読御文は、本抄全体の結論として、仏の究極の目的である一切衆生の成仏を実現するために、何よりも「縁」が重要であると記された箇所である。
 日蓮大聖人は、仏になりうる性分、可能性である三因仏性(三種の仏性。仏性と、それをあらわす智慧と助縁)も、結局は、善知識の縁があってこそ、その性分が輝くことを教えられている。
 善知識の「知識」とは、「友人」「知人」のこと。仏法の正しい道理を教え、仏道に導く人を「善知識」といい、反対に、私たちを信心から遠ざけ、信心を破る存在を「悪知識」という。
 仏道修行は常に障魔との戦いである。御書には「名聞名利の風が激しく、仏道修行の灯は消えやすい」(1440ページ、通解)と仰せである。自分だけで仏道修行を貫くことは容易ではない。だからこそ、仏法の正しい道理を教え、仏道に導く善知識の存在が不可欠なのである。
 拝読御文の後には、こうした良き縁と触れ合う大切さについて、草木の譬えを通して分かりやすく説かれている。すなわち、“春に雨にあって草木が萌え出る”ように、また、“秋に月の光を浴びて果実が熟す”ように、善知識の存在によって、生命は強く正しく育まれていくのである。
 さらに、「末代悪世には、悪知識は大地微塵よりも多く、善知識は爪の上の土よりも少ない」(御書1468ページ、通解)とある通り、末法では悪知識が充満し、善知識に巡り合うことは、まれである。ゆえに、仏法を求めようとする善なる心を言葉巧みに破ろうとする悪知識を看破するとともに、皆で支え合って前進し、互いに善知識となることが大事なのである。
 池田先生はつづっている。
 「最高の善知識の集いこそ、わが創価学会であると、あらためて確認しておきたい。いうならば、善知識に触発されて、自身の生命に秘められた力を発揮するのが学会員です。善知識のネットワークに身を置くことで、自身の本来の使命が大きく開花します。『一人を大切にする』『この世から不幸をなくす』『どんな人も必ず幸福になれる』等、妙法に則った生き方や信念は、学会員の戦う姿に触れることで受け継がれていきます」
 新年度を迎えて約1カ月。職場や家庭の環境が変わり、心機一転、新たな挑戦を開始したメンバーも多いだろう。一方、五月病ともいわれるように、疲れやストレスがたまりやすい時節でもある。
 男子部大学校では、1期生誕生から“最初の3カ月”が過ぎようとしている。栄光の「5・3」から青年の月・7月へ――。私たちは、創価学会こそ“最高の善知識の集い”であるとの誇りを胸に、「一人」を大切にしながら、励ましの絆を一層強く結んでいきたい。