魔との戦い

『勝利の経典「御書」に学ぶ』第4回「兄弟抄(上)」Add Star

『「広宣流布の大業というものは、魔との戦いである。たじろぐことは許されない。負ければ、人類は、永遠に闇に包まれてしまう」

恩師・戸田城聖先生の遺訓ともいうべき師子吼です。戸田先生は、広宣流布を阻む魔との闘争に一歩も退かれなかった。いな、魔を駆り出して、追撃するまで、断固、戦い続けられた。

それは、万人の幸福の実現のためです。この地上から、悲惨と不幸を無くすために、人々を苦しめる一切の魔性を打ち破ろうとされた。そして、最後の最後まで、広宣流布の総大将として指揮をとり続けられた。』

『悪世の娑婆世界にあって、大聖人と巡りあえることが、どれほど稀なことであるのか。それとともに、大聖人滅後の後世の人々にとって、法華経の真髄である妙法を、大聖人の御書の通りに弘通する、仏法の正しき指導者に巡りあうことも、これまた至難です。

私自身、この世に生を受けて、広宣流布の師匠である戸田先生と出会い、師弟の契りを結ばせていただいた以上の喜びはありません。この妙法を実践しようと思えたのも、戸田先生にお会いして、「この人ならば信じられる」と確信したからです。

かつて井上靖氏との往復書簡で、私はこう綴りました。「戸田先生を知って仏法を知ったのであり、仏法を知って戸田先生を知ったのではありません」と。』

『師弟が、どれほど重要な人生の財であるか。まして仏法から見れば、師弟がどれだけ尊極な生命の結合であるか。ともあれ、初代・牧口先生、二代・戸田先生の師弟がおられなければ、日蓮大聖人の仏法は現代に蘇ることは断じてなかったのであります。

「法」は、「人」の生命の中で、はじめて脈動し、「人」の振る舞いを通して真価が発揮されるからです。「法」を正しく持ち、「法」の精神のままに行ずる「人」がいない限り、価値創造は生まれません。

ですから、仏法の実践にあって、「師匠」の存在が不可欠なのです。そして「弟子」が「師」と同じ振る舞いをするなかに、「法」は継承されます。「師弟」こそ、仏法の要の中の要です。』

『悪知識の恐ろしさは、私たちの「心」を破ることにあります。悪縁に紛動され、悪僧にたぶらかされ、正しい「心」を見失ってしまえば、仏道を成就することはできません。

反対に言えば、「心」が破られない限り、いかなる大難も最後は「信心の力」で乗り越えることができます。「心こそ大切」です。「悪知識に破られない心」を築くためには、聡明な智慧で魔を魔と見破り、悪知識と戦っていく勇敢なる実践が不可欠となるのです。』

【『勝利の経典「御書」に学ぶ』第4回「兄弟抄(上)」「大白蓮華」2009年4月号】

 

 

 

 

 


2009-04-01 『勝利の経典「御書」に学ぶ』第4回「兄弟抄(上)」Add Star

『ある時、戸田先生は、御本尊の相貌の中に第六天の魔王が認められていることについて、こう講義されたことがあります。

「第六天の魔王が御本尊のなかにいる。そうすると御本尊を拝みたてまつるときに、第六天の魔王は御本尊のいうことを聞くのです。第六天の魔王がほかの魔将を命令で、きちんと押さえるのです。本有、すなわちもともとの立派な姿となって、御本尊のなかにあらわれてくる。みな南無妙法蓮華経に照らされて本有の尊形となる」

先生はさらに「初めて人を助ける第六天の魔王に変わるのです」とまで言われました。

ここに信心の極意があります。』

『「元品の無明を対治する利剣は信の一字なり」(751頁)と仰せのように、元品の無明を打ち破るのは、まさしく「信心」の利剣です。生涯、信心を貫き、戦い続ける。魔を魔と見破り、元品の法性を顕現させ続ける。常に戦い続ける“月々・日々に強くしていく信心”であってこそ、本質的な意味で胸中の無明の働きを破ることができるのです。

そのためにも、常に正しき道標を示す師匠の存在が必要なのです。

戸田先生は、よく、「私の真の弟子ならば難を恐れず最後まで続け。断じて負けてはならぬ」とご指導されました。一日また一日、先生の言われるままに戦い、私は一切の魔性を打ち破ってきました。

「師弟」は、いかなる魔性をも破る原動力です。反対に、「師弟」を忘れ、忘恩に堕した人間は、皆、無明の生命が強くなり、結局、第六天の魔王の眷属と化してしまったのです。

ともあれ、「何があっても恐れない」「一切、魔性に従ってはならない」--これが、魔と戦う信心です。必ず勝つことができます。そしてまた、これが人生の極意ともいえましょう。』

『今は未曾有の経済危機の中、三障四魔も盛んに競い起こっています。だからこそ、一番大事なのは、「自分自身の心に勝つこと」「唱題に徹し抜くこと」です。

「難を乗り越える信心」に生ききれば、必ず、変毒為薬することができます。必ず、宿命転換することができます。必ず、一生成仏の境涯を築くことができます。必ず、広宣流布の道が大きく開かれていくのです。

さあ、深き信心に立ち、「心」で勝って「5・3」を勝ち飾り、そして、一人一人の大勝利の実証の姿で、明年の創立80周年を迎えていきましょう。』

【『勝利の経典「御書」に学ぶ』第4回「兄弟抄(上)」「大白蓮華」2009年4月号】