〈池田先生と共に 新時代を築く〉 2019年9月24日

〈池田先生と共に 新時代を築く〉 2019年9月24日

師弟の誓いは富士の如く
 

 秋の彼岸の追善回向を恩師記念会館で懇ろに行うとともに、台風等が打ち続く中、全宝友の無事安穏、健康長寿を深く祈念した(21日)。
 御書に「上七代・下七代・上無量生下無量生の父母等存外に仏となり給う」(1430ページ)と仰せである。妙法に包まれた家族・同志は、三世永遠に共に常楽我浄の旅を続けられるのだ。
 * * * 
 恩師記念会館には、私が若き日、戸田先生に捧げた和歌と先生から頂いた返歌が展示されている。
 恩師の事業が最も厳しい窮地にあった昭和25年(1950年)9月21日、師弟の誓いを私は詠んだ。
  
 古の
   奇しき縁に 
      仕へしを
  人は変れど
     われは変らじ 
  
 先生の返し歌は2首、
  
 幾度か
   戦の庭に
     起てる身の
  捨てず持つは
      君の太刀ぞよ
  
 色は褪せ
   力は抜けし
      吾が王者
  死すとも残すは
       君が冠
  
 「古の奇しき縁」とは、「久遠元初」から広宣流布誓願で結ばれた師弟の契りにほかならない。
 御本仏は「師弟相違せばなに事も成べからず」(御書900ページ)と仰せである。
 何があろうと、牧口先生、戸田先生を広布の永遠の師匠と仰いで戦い抜く。この不動の一点に立つゆえに、私はいかなる難にも断じて負けなかった。時を超え、国を超えて、師弟の誓いは脈々と受け継がれている。
 恩師は私への返し歌で、「君の太刀」は離さず、「君が冠」を残すと詠じてくださった。
 私は今、先生と同じ心でわが愛弟子たち一人一人に「正義の宝剣」を託し、「勝利の宝冠」を被せたいのだ。
 * * * 
 「熱原の法難」から740年の今年を、我らは「創価勝利の年」と銘打ち、異体同心で勝ち進んできた。
 今、民衆仏法の凱歌は、仏教発祥の天地・インドをはじめ、世界五大州に轟いている。
 9月21日は、私が念願の韓国初訪問を果たした日でもある(1990年)。模範の団結で、今月も若き地涌の友を座談会に大結集し、人材を育み、希望の連帯を広げている様子を何よりうれしく伺った。
 日蓮大聖人は、熱原の法難の中、同志を守り戦っていた青年・南条時光に、法華経の一節を贈られた。
 「願くは此の功徳を以て普く一切に及ぼし我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん」(同1561ページ)
 妙法の功徳は無量無辺である。わが創価家族は一人ももれなく、この大功徳を受け切ってもらいたい。あの友にも、この友にも、生き生きと仏法を語りゆこう!
 富士の如く揺るがぬスクラムで、太陽の仏法の福光を、いよいよ勇気凜々と、広げゆこうではないか!

座談会 創立90周年を勝ち開く!〉71 世界広布の新時代を担う少年少女部 後継の成長が希望の未来に 2019年9月19日

座談会 創立90周年を勝ち開く!〉71 世界広布の新時代を担う少年少女部 後継の成長が希望の未来に 2019年9月19日

本年もキッズフェスタを開催
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
佐保少年部長
角田少女部長
9月23日に結成記念日を迎える少年少女部が、世界広布新時代を走る欧州の青年部と(先日の本部幹部会)。未来を担う宝の友に、思い出に残る広布の歴史がまた一つ

 原田 学会創立100周年、さらには22世紀の夜明けに至る大切な時代を担う、使命深き世代こそ、今の少年少女部です。

 永石 現在、各地で広布にまい進している方の多くに、未来部時代に築いた信心の原点、師弟の原点があります。その裏には陰に陽に支えてくれた人が必ずいます。私自身もそうです。

 長谷川 未来本部長の皆さまをはじめ、青年部の担当者や、地区の方など、それこそたくさんの人がいることでしょう。

 原田 この夏も、大勢の方々が、上半期の激戦を勝ち越えた疲れをいとわず、各種コンクールの推進や研修会、合唱団の練習などに献身してくださいました。池田先生は、そうした担当者の方々を「まさに『冥の照覧』光る学会の宝です」とたたえられています。

 佐保 このたび、少年部長の任命を受けました。少年少女部に対する先生の深い慈愛と大きな期待、担当者の方々の真心と情熱に触れ、胸がいっぱいです。あらためて、“ああ、私も、このような創価家族の大きな愛情の中で育てていただいたんだ”と思いました。

 角田 未来部の育成に携わらせてもらえる使命と感謝を胸に、どこまでも一人を大切にし、共に創価後継の人材へと成長していく決意です。

 原田 先生は、先日の随筆の中でも、「希望の未来を開く後継の友が成長し、躍動する姿ほど嬉しいものはない」と、その真情をつづってくださっています。どうか、後継の宝の友の一人一人に寄り添い、励ましを送り、共に生涯にわたる信心と師弟の原点を築いていってください。

 角田 はい。私自身の先生との初めての出会いは、東京創価小学校の卒業式です。先生は私たちに、「諸君しかない。私は毎日、真剣に祈っています。妻と共に」「皆さんも、私の後に続いてもらいたい」と呼び掛けられました。一人一人を抱きかかえるように温かく包み込んでくださった先生のように、無限の可能性を持つ未来部員のために全力を尽くしていきます。

 佐保 私も未来部時代に命に刻んだ先生の指針があります。先生は未来部に、「お父さん、お母さんを大切に」とお願いされ、「君たちが生まれる時、どんなに、お母さんがたいへんだったか。あなたが大きくなるために、両親は、どんなに疲れても、眠れなくても、大事に面倒を見てくれた。苦しい仕事にも耐えて働いてくれた。あなたが初めて声たてて笑った時、初めて歩いた時、どんなに両親は幸せでいっぱいになったか。病気になったとき、どんなに、おろおろと心配したか」とつづられていました。

 長谷川 「感謝できる人は幸せな人だ」と続く有名なエッセーですね。未来部員は全員が使命ある人材です。感謝の心、親孝行の心を大切にし、他人を思いやり、皆を幸せにできる人へ成長していかれることを切に願います。

「会館は楽しい所」

 角田 10月の5・6日には、待望の第2回「SOKAキッズフェスタ」が開催されます(全国の会館で中継。会場と時間は各県・区で決定)。

 永石 キッズフェスタは、家族で会館に集い、歌や体操、読み聞かせなどを行う、子どもたちが楽しむためのイベントです。

 佐保 主に未就学児童から小学校低学年までが対象で、本年は“体操のお兄さん”が登場し、親子でできる体操を行います。当日は親子一緒に、動きやすい格好でお越しくださればと思います。

 永石 現在、発売中の子育て・教育応援誌「灯台」10月号では、キッズフェスタの魅力や楽しみ方を特集していますね。とても参考になります。

 原田 幼い頃に、家族一緒に楽しく過ごした、学会の会館などでの思い出は、生涯忘れないものであり、広布後継の人材を育む上でも重要です。池田先生も、「子どもは、学会の庭で育てていきなさい」との戸田先生の指導を繰り返し教えてくださっています。キッズフェスタを通し、家族で一緒に楽しい時間を過ごし、信心継承の語らいを深める好機にしていければと思います。

 永石 日蓮大聖人は、未来部の年代から励まし続けてきた南条時光の成長を心から喜ばれ、「あいよりもあをく・水よりもつめたき冰かなと・ありがたし・ありがたし」(御書1554ページ)と仰せです

 長谷川 この御聖訓を通し、先生は「従藍而青の後継の友のために汗を流されている行動は、釈尊そして大聖人に直結する聖業の中の大聖業に他なりません」と強調されています。

 原田 「さあ、新たな黎明の時が来ました。私と一緒に、未来まで語り継がれる『人間革命と広宣流布の継承の物語』を、朗らかに綴りゆこうではありませんか!」――これが先生の今の思いです。先生と共に、後継者育成の大道を着実に歩んでまいりましょう。

交通安全への意識

 長谷川 最後に、交通安全についてのお願いです。9月21日から30日は、「秋の全国交通安全運動」の期間です。

 原田 依然として、高齢者の交通事故被害が目立ち、今年は未就学児童の悲惨な交通事故が発生し、社会問題ともなりました。

 長谷川 秋口になって、日没時間が急激に早まることへの対応も必要です。具体的には、早めのライトの点灯や、車から見えやすい色の服装の心掛け、自転車に乗る際の反射材用品等の使用などです。

 原田 この機会に今一度、交通安全への意識を高め、身の回りのできることから始めていきましょう。

フフイ大学「名誉教授」称号授与式での池田先生の謝辞(代読) 2019年9月19日

フフイ大学「名誉教授」称号授与式での池田先生の謝辞(代読) 2019年9月19日

アンデス山脈の懐に抱かれた美しきフフイ州
生命の大地から価値の創造を
励ましの言葉と献身が「心への点火」の連鎖に
アルゼンチンの人権の闘士で、ノーベル平和賞受賞者であるペレス=エスキベル博士夫妻と語り合う池田先生。民衆の連帯の重要性や対話の力などについて意見を交わした(1995年12月、東京・創価国際友好会館で)

 一、「冬は必ず春となる」
 貴国・アルゼンチンの友人たちと、常に語らい、励ましとしてきた金言であります。
 今、希望あふれる春を迎えた憧れの貴国へ、私の心も舞い飛んでおります。
 本日、光栄にも、新時代の「人材育成の大城」と輝く貴・国立フフイ大学より、栄えある名誉教授の称号を賜りました。
 この栄誉を、私は何よりも、アルゼンチンSGIをはじめラテンアメリカ各国の同志と共に、拝受させていただきたいと願っております。
 わが宝友たちこそ、いかなる試練の冬にあっても、良き国民、良き市民として社会に貢献し、幸福と繁栄の春を勝ち開いてきた、世界に模範の誉れのスクラムであるからであります。
 誠に誠に、ありがとうございます(大拍手)。
 本日は、光輝みつる貴大学の精神に学び、人類の凱歌の春を呼ぶ「三つの力」を確認し合いたいと思います。

若人の英知の連帯

  一、第一に、「英知と友愛の握手の力」であります。
 貴大学の美しい校章の中央には、「友愛」の象徴として、固く結ばれた二つの手が描かれています。
 さらに、「自由」と「平和」のシンボルである、フリジア帽とオリーブの木が、黄金の太陽に包まれています。まさしく、貴大学が広げてこられた、輝きわたる若人の英知の連帯そのものではないでしょうか。
 あの第2次世界大戦中に、平和と人道の信念を貫き通した大教育者・牧口常三郎先生と戸田城聖先生の弟子として、私も「人間主義」の対話を重ね、国を超え、民族を超え、文明を超えて、信頼の握手を交わしてきた一人です。
 また、教育と文化のたゆまぬ交流を通し、民衆と民衆、なかんずく青年と青年の心通う握手の道を開いてきました。
 昨年6月には、貴国の偉大な人権の獅子であられるペレス=エスキベル博士とご一緒に共同声明を発表し、「連帯の力で乗り越えられない壁など決してない。さまざまな文化的アイデンティティーや精神的アイデンティティー、そして属性の違いを超えて、青年による行動の連帯を幾重にも広げていこうではないか」と呼び掛けたのであります。
 貴国では、国家の「教育の父」たるサルミエントを偲んで、ゆかりの9月21日を「アルゼンチン学生の日」と制定されていると伺いました。
 毎年、この時期には、貴大学がそびえ立つフフイ市は、「アルゼンチンの青年の春の都」と謳われ、「学生の祭典」がにぎやかに開催されるとともに、ラテンアメリカの諸課題へ若き英知を結集する青年会議が行われます。
 光栄にも、この気高き若人の祭典の折に、私は貴大学の一員とさせていただきました。
 貴大学の英才たちをはじめ、貴国そしてラテンアメリカの青年リーダーたちと、がっちり命と命で握手して、一人一人の栄光を切に祈り、未来を託す思いであります。

天然資源の宝庫

  一、第二に申し上げたいのは、「生命の大地から汲み出す価値創造の力」です。
 アンデス山脈の懐に抱かれたフフイ州は、風光明媚な天然資源の大宝庫でもあります。なかでも、水面が白い大平原に見える景勝のオラロス塩湖は、電気自動車(EV)などの電源に使用される貴重なリチウムの生産源としても世界的に注目されております。
 この天地にあって、貴大学は「地質鉱山学研究所」を淵源とし、鉱工業をはじめ、地域産業の躍進の大きな原動力となってこられました。
 とともに、ここフフイでは、約200年前、大指導者のベルグラーノが誇り高き民衆と共に、「独立」と「教育」の不滅の歴史を刻んでおります。
 「他者の幸福に力を注ぐことほど尊いことはない」と叫び、公共教育の充実のために、私財をなげうって、人生を捧げられました。
 そして、このベルグラーノの“人間開発と平和な社会を実現する唯一の方法は、教育である”との確信を、そのまま受け継がれ、民衆に開かれた大学教育の大発展へ名指揮を執ってこられたのが、テキ総長その人なのであります。
 地球上の大地に埋蔵された鉱物資源には限りがありますが、人間の生命の大地に内在する価値創造の力には限界がありません。
 この力を汲み出して、人類の新たな地平を開く「人間教育」と「人間革命」へ、私たちは敬愛するテキ総長をはじめ貴大学の先生方、学生方と手を取り合って、前進していきたいと思いますが、いかがでしょうか!(大拍手)

社会の繁栄のため

  一、第三に、「民衆を照らす行動の力」であります。
 貴大学は、フフイ州が生んだ大詩人、マルチン・ラウル・ガランの呼び掛けを、モットーとして高らかに掲げておられます。
 すなわち、「この炎で汝の松明に火を灯せ」と。
 まことに素晴らしいモットーであります。
 私には、サルミエントの信条が思い起こされるのであります。
 「私は、一人の人間の言動が、他者に精神の力を注ぎ入れることができると信じている」と。
 「人間」の心に炎を灯すのは、その人を思いやる「人間」の真心であり、励ましの言葉であり、献身の行動でありましょう。
 この心から心への点火が限りなく連鎖していくのが、教育のロマンではないでしょうか。
 仏典には、「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」との譬喩があります。
 私も、本日より、貴大学のモットーを深く体し、後継の青年たちと共々に、悩める友のため、民衆の幸福のため、社会の繁栄のため、世界の平和のため、わが命を燃え上がらせて、人類の現在、そして未来を、いよいよ赫々と照らしゆく決心であります。
 結びに、貴大学の無窮の大発展と、本日ご列席の方々のますますのご健勝をお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変にありがとうございました!」)(大拍手)

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命に学ぶ」 御書編 第11巻 2019年9月18日

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命に学ぶ」 御書編 第11巻 2019年9月18日

 

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第11巻の「御書編」。小説で引用された御書、コラム「ここにフォーカス」と併せて、識者の声を紹介する。次回の「解説編」は25日付の予定。(「基礎資料編」は4日付、「名場面編」は11日付に掲載)

題目こそ幸福の直道

【御文】
 「朝朝・仏と共に起き夕夕仏と共に臥し……」(御書737ページ、御義口伝)

【通解】
 (傅大士の釈には)「毎朝、仏と共に起き、毎晩、仏と共に眠る……」

●小説の場面から

 〈1966年(昭和41年)3月、山本伸一はペルーを初訪問し、現地の同志を激励。人生を勝利する第一の要諦に「題目」を挙げ、次のように指導する〉
 「御本尊は、大慈悲の仏様です。自分自身が願っていること、悩んでいること、希望することを、ありのまま祈っていくことです。苦しい時、悲しい時、辛い時には、子どもが母の腕に身を投げ出し、すがりつくように、『御本尊様!』と言って、無心にぶつかっていけばいいんです。
 御本尊は、なんでも聞いてくださる。思いのたけを打ち明けるように、対話するように、唱題を重ねていくんです。やがて、地獄の苦しみであっても、噓のように、露のごとく消え去ります。
 もし、自らの過ちに気づいたならば、心からお詫びし、あらためることです。二度と過ちは繰り返さぬ決意をし、新しい出発をするんです。
 また、勝負の時には、断じて勝つと心を定めて、獅子の吼えるがごとく、阿修羅の猛るがごとく、大宇宙を揺り動かさんばかりに祈り抜くんです。そして、喜びの夕べには『本当にありがとうございました!』と、深い感謝の題目を捧げることです。(中略)
 題目は、苦悩を歓喜に変えます。さらに、歓喜を大歓喜に変えます。ゆえに、嬉しい時も、悲しい時も、善きにつけ、悪しきにつけ、何があっても、ただひたすら、題目を唱え抜いていくことです。これが幸福の直道です」(「開墾」の章、138~139ページ)

翻訳は新たな歴史開く推進力

【御文】
 本朝の聖語も広宣の日は亦仮字を訳して梵震に通ず可し(御書1613ページ、五人所破抄)

【通解】
 大聖人の御書も、広宣流布の時には、また日本語を外国語に翻訳して、広く世界に伝えるべきである。

●小説の場面から

 〈1966年(昭和41年)夏、伸一は国内外を東奔西走する中で、未来への布石として御書の英訳を推進する〉
 伸一は、世界広布のために、御書を各国語に翻訳するにあたって、英語訳の大切さを痛感していた。
 それは英語を話す人が多いだけでなく、御書の英訳から、ほかの外国語に重訳されていく可能性が高いからであった。(中略)
 翻訳作業は、御書講義などでよく研鑽される御抄を中心に進められていったが、担当したスタッフにとっては、苦悩の連続であった。
 大聖人の教えを正確に翻訳し、伝えていくには、何よりも、御書の原文を、正しく解釈することが重要になる。(中略)教学部の関係者に聞いたり、山本会長の講義や仏教辞典などにあたりながら、まず解釈に幾晩も費やさなければならなかった。
 仏法用語など、英語にはない概念の言葉や、文化の違いをどう説明するかも、難しい問題であった。
 スタッフは、時に黙々と辞書と格闘し、時に互いに意見をぶつけ合い、激しく議論することもあった。(中略)
 翻訳は、華やかなスポットライトを浴びることもない、地味で目立たぬ労作業である。しかし、それは、世界の広宣流布を推進するうえで、いかに大きな貢献であったか。
 偉業というものは、賞讃も喝采もないなかで、黙々と静かに、成し遂げられていくものといえる。(「常勝」の章、215~216ページ)

ここにフォーカス/戦争は人間の最大の愚行

 「常勝」の章に、ベトナム戦争に心を痛め、平和のために奮闘する山本伸一の姿が描かれています。
 伸一は1966年(昭和41年)11月の青年部総会で和平提言を発表。翌年8月の学生部総会でも、ベトナム戦争の早急な解決を訴えています。
 さらに、ニクソン米大統領宛てに書簡を送ります。その中で、彼は「あなたも現在、『平和の大統領』として後世に長く語り伝えられていくか、それとも全人類の平和への期待を裏切った人として歴史の断罪を受けるか、その分かれ目に立たされているような気がいたします」と、大統領に忠告し、さまざまな国際機構の設置を提案しています。
 書簡は人を介して大統領補佐官キッシンジャー氏に託され、大統領に届けられました。それから間もなく、ベトナム和平協定が結ばれています。
 同章には、「戦争は、人間の魔性の心がもたらした、最大の蛮行であり、最大の愚行以外の何ものでもない」と。この「魔性」の生命を打ち砕き、人間の心の中に崩れざる“平和の砦”を築くのが、私たちの「人間革命」の運動です。

半世紀超す執筆に想う 識者が語る/国立イタプア大学元副総長 ジルダ・アグェロ氏

●万人が豊かな人生を歩む指針

 2005年4月、パラグアイの国立イタプア大学の副総長として、尊敬する池田博士に名誉博士号を授与するために訪日しました。間もなく15年になりますが、あの時の思い出は、昨日のことのようによみがえってきます。
 池田博士は授与式に先立ち、ゴンサレス総長と私を、美しい胡蝶蘭を飾って迎えてくださり、懇談してくださいました。
 当時、私は、パラグアイの国立大学史上、女性で初めて副総長という重責に就き、多忙な日々を送っていました。池田博士はそのことをご存じで、私を“パラグアイローザ・パークス”とたたえてくださったのです。人知れず、もがき、苦闘していた私にとって、この上ない、励ましの言葉でした。涙が込み上げてきて仕方がありませんでした。
 私はこれまで数多くの池田博士の著作に触れてきました。
 幅広い分野への深い見識を持ち、小説『人間革命』『新・人間革命』や対談集、平和のための提言などを編まれています。
 そこで一貫しているのは、万人が幸福になるための指針が示されていることです。
 私が、池田博士から学んだことは、私たちは幸せになるために、この世に生まれてきたこと。そして、人生とは“戦い”であるがゆえに、幸せを勝ち取るためには、常に戦わなければならない、という点です。
 池田博士は、ご自身の人生の全てを捧げて、人々の幸福のために、世界の平和のために行動し、その模範を示されています。
 私も2年前まで3期15年、副総長として、大学の発展のために、学生のために、懸命に走り抜いてきました。苦しい時も、つらい時も、池田博士との出会いが私の前進の原動力でした。
 世界中どこを探しても、これほど、偉大な足跡を残された人物を見たことがありません。
 ここイタプア県には、チャベスやフラム移住地があり、多くの日系人の方々が生活しています。その中に、パラグアイSGIの友人がおり、長年、交流を続けています。
 イタプア県の日系移住者からパラグアイSGIの歴史が始まったこと、そして、その草創期には、大変な苦労があったことも、よく理解しています。
 私にとって、SGIは自分自身を高めてくれる大切な存在です。今後も、池田博士の著作を学びながら、豊かな人生を歩んでいきたいと思います。

 Yilda Agüero 教育学博士。専門は教育哲学や教育管理学。国立イタプア大学副総長を3期15年務め、女性の地位向上に貢献した。SGIの諸行事にも来賓として出席している。

 ※『新・人間革命』の本文は、聖教ワイド文庫の最新刷に基づいています。

【挿絵】内田健一郎 【題字のイラスト】間瀬健治

 【おわびと訂正】8月21日付3面の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」第6巻から第10巻の「番外編㊤」の年表で、1963年7月11日の池田先生の事績において、小説の参考頁の章名を「布陣」としましたが、「宝剣」の間違いでした。心からおわび申し上げ、訂正いたします。 

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉70 明確な目標から勇気と歓喜が―― 声を掛けた分だけ仏縁は広がる 2019年9月16日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉70 明確な目標から勇気と歓喜が―― 声を掛けた分だけ仏縁は広がる 2019年9月16日

2級試験が目前に皆が行学の闘士に成長を
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
西方男子部長
大串女子部長
教学試験2級に向け、研さんを重ねる各地の男子部の友。学んだ分だけ確信が深まり、自身の信心の財産になる

 原田 先日、竣工になった「創価学会 世界聖教会館」の館内を見てきましたが、実に素晴らしいものでした。聖教新聞を、ここまで大きく発展させてくださったのは池田先生にほかなりません。

 長谷川 誰よりも記事を執筆し、レイアウト等にも温かなアドバイスを送り、そして、配達員の無事故を祈り抜いてくださっているのが先生です。感謝の思いは尽きません。

 永石 世界聖教会館竣工の喜びの中、全国の同志の皆さんが聖教新聞の拡大に挑戦しています。目標を明確にして、挑戦する中で数多くの仏縁拡大のエピソードも生まれていますね。

 西方 池田先生は、小説『新・人間革命』第30巻〈上〉「雌伏」の章に、こうつづられています。「自らが目標を定め、主体者となって取り組む活動には歓喜がある」「日々、勇気を奮い起こして自分の殻を破り、新しい挑戦を重ねていくことだ」

 原田 特にリーダーは率先の対話に励みたい。なかなか思うような結果が出なくても、語ること自体が仏縁を広げていくことです。そうした自身の体験もありのままに語り、勇気の波動を起こしていきましょう。

 長谷川 聖教新聞の拡大といえば、1973年(昭和48年)の愛媛の戦いを思い起こします。

 永石 その年の5月、池田先生が11月に愛媛を訪問されることが伝えられると、愛媛の同志は聖教新聞の友人読者の拡大に全力で挑戦しました。

 原田 当時はまだ学会員の中にも、聖教新聞は機関紙だから会員が購読するものという固定観念がありました。学会理解の輪を広げるため、友人に購読を勧めるという発想自体が新しい挑戦だったのです。

 長谷川 愛媛の同志は“地域中、愛媛中の人が、聖教新聞を購読する時代をつくろう!”と誓いを立て、真剣な唱題と、執念の対話を重ねていきました。

 永石 その結果、県内各地に購読者が広がり、購読率が世帯の3割を超えた地域も生まれました。かつてない聖教拡大とともに学会理解も深まり、地域広布が大きく進んでいきました。

 原田 小説『新・人間革命』第18巻「前進」の章では、当時の愛媛の同志の戦いが、「地域の人たちに聖教新聞を購読してもらおうというのは、未来を開く新しい発想です。これは、将来の広宣流布運動の基調になるでしょう。『広布第二章』の偉大な魁です」とたたえられています。

 大串 拡大の結果で先生にお応えしたい、との弟子の思いと行動から、地域広布の新たな展開が生まれたのですね。

 長谷川 戸田先生はかつてこう語られました。「聖教新聞には、幸福への道が書かれている。仏法の眼から、社会の現象をどうとらえていけばよいのかも書いてあります。こんな新聞は、ほかにはありません」「この新聞を、日本中、いや、世界中の人に読ませたいんです。それ自体が、仏縁を結ぶことになるじゃないか。つまり、折伏に通じていくんです」

 原田 ともかく語ることです。日蓮大聖人は「法華経を耳にふれぬれば是を種として必ず仏になるなり」(御書552ページ)と仰せです。私たちが聖教拡大を通して声を掛けた分だけ、地域に仏縁と幸福が広がります。朗らかに励まし合いながら、「11・18」へ、そして創立90周年へ勢いよく前進していきましょう。

「求道」「挑戦」の心

 大串 「青年部教学試験2級」(9月29日)が近づいてきました。

 西方 試験への挑戦を通して、信心の確信が深まることはもちろん、「求道の心」「挑戦の心」が磨かれ、人材の育成にもつながっています。

 大串 先生は、聖教新聞の新連載「心に御書を」(9月13日付)の中で「『御書』を根本に、創価は永遠に前進する。『行学の二道』を貫くゆえに、我らに停滞はない」とつづられました。

 永石 私たちも、大事な広布の後継者の成長のため、最後の最後まで受験者を励まし抜いていきます。

 原田 青年部の皆さんが研さんを通して、大聖人直結の不退の信心を学び、実践し、行学の闘士に成長することを願っています。

宗門は凋落の一途

 永石 「秋分の日」の23日を中心に「秋季彼岸勤行法要」が全国の主要会館、墓地公園等で行われます。

 長谷川 同志と共に厳粛に勤行・唱題を行い、広宣流布の途上で亡くなられたご家族や友人、さらに、全ての同志の先祖代々の諸精霊の安穏と福徳を祈念していきます。

 原田 御書には「日蓮およびその門下が、故人を追善する時、法華経を読誦し、南無妙法蓮華経と唱えたならば、題目の光が無間地獄に至って、即身成仏させることができる」(712ページ、通解)と説かれています。題目の功徳は、故人をも救うことができるのです。

 西方 一方、彼岸の時季が近づくと、“塔婆を立てなければ、故人が成仏できない”“僧侶が拝まなければ、追善回向にならない”などと、大聖人の仏法とは無縁の邪義を唱え、信徒をだまそうと企むのが日顕宗(日蓮正宗です。

 長谷川 そうした日顕宗の実態を創価新報(8月21日付)の教宣特集「日蓮正宗の哀れな実態」でも、明らかにしています。

 西方 参詣者が減るばかりの凋落の現証、宗門に愛想を尽かした脱講者の声、大石寺総代の大謗法の実態など、日顕宗の実情が明快に報道されています。男子部はこれからも広布破壊の大悪とは断じて戦います。

 原田 滅亡への坂を転がり落ちる邪宗門など、はるかに見下ろし、私たちは御書根本、大聖人直結で進み、世界広布の大道を歩み抜いてまいりたい。

〈池田大作先生 四季の励まし〉 「向上の人」こそ偉大! 2019年9月15日

池田大作先生 四季の励まし〉 「向上の人」こそ偉大! 2019年9月15日

 
 

 人間の幸福といっても、
 自分の臆病や
 怠惰などの弱さと戦い、
 勝つことから始まる。
 人間革命とは、
 自己自身に
 勝利していくことである。
 大事なことは、
 強盛な信心に励み、
 大功徳を受け、
 生活も豊かになり、
 幸福に満ち満ちた
 悠々たる大境涯に
 なっていくことである。
 そのための
 学会の活動である。

 「人と比べる」よりも、
 「きのうの自分」と
 比べてどうか。
 「きのうの自分」より
 「きょうの自分」、
 「きょうの自分」より
 「あすの自分」を見よ――
 そう生き抜く
 「向上の人」こそ、
 偉大なる人生の山を
 登りきれる人である。
 「栄光の旗」は
 「努力の風」にこそ
 悠々と、はためく。

 人間革命とは、
 一面からいえば
 「一流の人間」に
 成長することでもある。
 一流の人は、
 「力」とともに
 「人格」も立派だ。
 誠実である。
 何ごとも、
 薄っぺらな策ではなく、
 自分の全人格で
 ぶつかっていくことだ。

 「勇気」が
 「慈悲」に通ずる――
 戸田先生の至言である。
 真実を語り、
 正義を叫び抜く。
 折伏の功徳は、
 限りなく大きい。
 自分が得をする。
 相手も得をする。
 そして一家一族へ、
 社会へと、福運は
 幾重にも広がっていく。
 広宣流布のために動こう
 ――その心が功徳を生む。
 対話の秋である。
 にこやかな笑顔で、
 陽気に
 歌を口ずさむように、
 快活に進もう!

 降り注ぐ陽光。眼前には、青々とした竹林が広がっていた――。先月上旬、池田大作先生が日高市の埼玉池田研修道場を訪れ、庭園の竹をカメラに収めた。
 一本一本の竹は、土の中で地下茎でつながり、ため込んだ大量の栄養分を吸収しながら、勢いよく伸びていくという。皆で支え合って生き生きと成長する姿は、一人一人の人間革命を目指し、「異体同心の団結」で前進する創価家族と重なる。
 小説『新・人間革命』の連載完結から1年。世界の同志も『新・人間革命』を“心の滋養”としながら、広布拡大に挑戦している。
 さあ、世界の創価家族と共に前進し、わが人間革命の勝利劇をつづりゆこう!

本部幹部会で紹介された池田先生の指針 2019年9月13日

本部幹部会で紹介された池田先生の指針 2019年9月13日

広宣流布は信念の言論戦
正義を叫べ!真実を語れ! 「新聞」は民衆の勝利のために
ウエルカム(ようこそ)!――未来部の友が、65カ国・地域から集った270人のSGIメンバーを歓迎(8月31日)

 「世界広布新時代第42回本部幹部会」(8月31日、横浜市鶴見区の神奈川池田記念講堂)の席上、1993年4月の本部幹部会での池田先生のスピーチ映像が上映された。11・18の「創価学会 世界聖教会館」完成へ、勇躍前進する友への指針として掲載する。

 一、きょう4月20日は、「聖教新聞」の創刊記念日である(1951年創刊)。まず全国の、わが愛する「無冠の友」――配達員の方々、また配達協力者の方々に、心より感謝を申し上げたい。ありがとうございます!
 これからも、どうかご健康で、一日一日、無事故であっていただきたい。素晴らしい福運を積みながら、ご長寿で、素晴らしい生涯であっていただきたい。
 「聖教新聞」は、発行部数においても日本有数の新聞である。しかも、それ以上に、仏法を根底とした「人生の指針」「人間哲学」「人間讃歌」「人間の生き方」という、内容の深さにおいては“世界第一”であると確信する。

希望を万年先まで

 一、新聞こそ、言論戦の“武器”である。私の尊敬する、ブラジル文学アカデミーアタイデ総裁も、新聞を精神闘争の“武器”として戦ってこられた。
 総裁は青年時代から、新聞記者として活躍された。しかし独裁政権から、何度も弾圧される。投獄もされた。国外追放にもあった。
 けれども総裁は、絶対にペンを折らなかった。書いて書いて、書きまくった。民衆に真実を訴え抜いた。
 何があろうと“道を貫く”“退転しない”。これが人間としての「勝利者」の証しである。
 どこまでも、正義を叫び切っていく。真実を語りに語り抜いていく。ここに私たちの折伏精神もある。広宣流布は、永遠不退の闘争であり、信念の言論戦なのである。
 アタイデ総裁とは、今回のブラジル訪問の折に初めてお会いした(93年2月、リオデジャネイロ)。お顔には、長き闘争の風雪が刻まれていた。まさに“獅子の顔”であった。戦士の心は、会ったとたん、瞬時に響き合った。
 「戦いましょう」「二人で力を合わせ、人類の歴史を変えましょう」――これが、出迎えてくださった空港での総裁の言葉であった。
 一、アタイデ総裁は、新聞の使命について、こう述べられた。
 「新聞は毎日、また常に、民衆の光輝ある力のために、現在と未来の間に立って、歴史の行進を先取りする。そして世界の地平線へ、鋭きまなざしを広げていく」
 商業主義でもない。自己満足のためでもない。新聞は「民衆の勝利」のためにある。
 わが「聖教新聞」は、これからも、世界の第一級の良識と広く深く連帯しながら、さらに力強く、さわやかに、民衆の心、人類の心を動かしてまいりたい。
 一波が二波、三波、そして万波となっていくように、新世紀へ、万年の未来へ、限りない希望の生命の波を送っていく。これが「聖教新聞」の使命である。

無冠の友は「仏の使者」

 一、日蓮大聖人は、門下の大田乗明へのお手紙で、「金珠女」の説話を引いておられる。
 「昔金珠女は金銭一文を木像の薄と為し九十一劫金色の身と為りき」(御書1012ページ)――昔、金珠女は、仏の木像を飾る金箔を金銭一文で供養し、九十一劫の間、金色の身となった――。
 (昔、毘婆尸仏という仏が入滅したあと、人々は七宝の塔を供養したが、そのなかの木像の顔の金色が一カ所、欠け落ちていた。このとき、貧しい一女性が、乞食をして得た金珠〈金の宝珠〉で補修した。その功徳で九十一劫もの長い間〈一劫は一説には約1600万年との計算もある〉、金色の身と生まれて、人界・天界の喜楽を受け続けたと、「付法蔵因縁伝」〈『大正新脩大蔵経』第50巻〉に説かれている)
 「金色の身」とは、光り輝く最高の大福徳の身ということであろう。お金も「いらない」「いらない」と言っても入ってくる(爆笑)。
 それはともあれ、くめどもつきぬ福運、体からあふれ、にじみ出てくる歓喜の光。こうした「金色の身」が生々世々に続いたというのである。
 わずか「金銭一文」でも、時にかなった真心からの供養であれば、計り知れない功徳を得る。「心」の不思議な作用である。
 一、さらに大聖人は、「仏」を供養した金珠女の功徳以上に、「仏の師」である「経(法華経)」に供養する大田乗明夫妻の功徳は大きい。必ず一生のうちに成仏されますよ、と断言しておられる。
 大聖人のお言葉には、絶対に、うそはない。必ず、その通りになっていく。私は大確信をもっている。
 今、私たちは、最高の供養である「妙法流布」をなしている。「広宣流布」の聖業をなしている。その人は、「金珠女」すなわち「黄金の宝珠の女性」以上の大福徳を得る。必ず「金色の身」となる。これが、御本仏のお約束であられる。
 なかんずく配達員の方々の功徳は大きい。
 というのは、大聖人は「仏は文字に依って衆生を度し給うなり」(御書153ページ)――仏は(経文の)文字によって、人間を済度(救済)される――と仰せになっている。
 「文字」には、人を救う力がある。人を救う「文字」がある。
 経文そのものとは次元は異なるが、「聖教新聞」の根本は「文字によって人々を救う」新聞である。広宣流布をなしている唯一の新聞である。
 それを届けてくださる方々は、実は「仏の使者」であられる。一日一日が、偉大なる価値を生まないわけがない。一歩一歩が永遠の福徳を積まないはずがない。
 尊き仏使であられる配達員の皆さまが、また、ご一家が、永遠に無事故で、色あせぬ金色の幸福に包まれておられることを私は願い、祈っている。

「無限の知恵」を

 一、大航海時代、はるかな海を越えて、マカオを訪れた一人の詩人がいた。彼の名はカモンイス(1524~80年)。ポルトガル文学史上、最大の詩人とうたわれる人物である。
 詩人は語る。
 「権威や権力を利用して卑劣な中傷、根拠なき批判をする者は、絶対に勝つことはできない。それは勝利の因に欠けているからだ。真の勝利は、唯一無二にして完全なる正義をもっているかどうかで決まる」と。
 「正義」こそ力である。私たちは、大聖人の仏法という、「唯一無二にして完全なる正義」をもち、進んできた。ゆえに、一切を乗り越え、堂々と勝ってきた。いかなる中傷も、ものともせず前進してきた。そして今や、全世界にこれほどの信頼の輪を広げつつ、この上なく楽しい「世界一」の学会となった。
 一、カモンイスは、また「勝利は権力ではなく、知恵で勝ちとるものだ」と。
 仏法の精神にも通ずる、英知の言葉である。
 いわんや大聖人の仏法は、「以信代慧(信を以って慧に代う)」である。「幸福への知恵」「勝利への知恵」は、信心のなかに含まれている。
 周囲がどうか、環境がどうかではない。大切なのは、自分自身の知恵である。知恵で決まる。その知恵を開くために、自分自身が「信心」を奮い起こしていくことである。
 また、そうした強き信心の祈りは、すぐに目には見えなくとも、時とともに、必ず、「勝利のリズム」を生み出していく。「無限の知恵」が、「無限の勝利」の道を開いていく――それが信心である。
 本日は、海外20カ国の求道の同志も集っておられる。心から感謝申し上げたい。遠いところ、本当に、ご苦労さまです。
 最後に、皆さまの健闘をたたえ、また「無冠の友、万歳!」と申し上げ、本日のスピーチとしたい。
 本当にご苦労さま! ありがとう!