〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉43 6月6日は牧口先生の生誕日 立正安国の実現こそ学会の魂 2019年6月3日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉43 6月6日は牧口先生の生誕日 立正安国の実現こそ学会の魂 2019年6月3日

公明は現場の声から政策立案
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
志賀男子部長
大串女子部長
広宣流布の闘士」のための殿堂であり、「創価学会の闘士」が集うための城――初代会長・牧口先生の死身弘法の尊き生涯を永遠に顕彰する東京牧口記念会館(八王子市)

 大串 6月6日は初代会長・牧口常三郎先生の生誕日です。さらに、本年の「11・18」には牧口先生の殉教から満75年となります。

 原田 牧口先生の1年4カ月にも及んだ峻厳な獄中闘争の様子は、特高警察の「訊問調書」という形で当時の内務省の資料に残っています(『牧口常三郎全集第10巻』所収、第三文明社)。

 長谷川 牧口先生が特高警察の訊問に対して、「立正安国論」を引用し、次のように堂々と答えられていたことも明記されています。「この法(=仏法)が国内から滅亡するのを見捨て置いたならば、やがて国には内乱・革命・飢饉・疫病等の災禍が起きて滅亡するに至るであろうと仰せられてあります」(現代表記に改めた)

 原田 仏法の法理に基づき、牧口先生は国家神道を精神的支柱として戦争を推し進める軍部政府の誤りを真っ向から破折されました。まさに「王地に生れたれば身をば随えられたてまつるやうなりとも心をば随えられたてまつるべからず」(御書287ページ)との御文の通りの実践を貫かれたのです。

 永石 当時のあの日本の状況下で、一歩も退かずに立正安国を叫ばれた。どれほど強き信念であったことでしょうか。

 志賀 この崇高なる創価の魂を青年部は、しっかり胸に刻んでいきます。

 長谷川 牧口先生は、自らが先頭に立ち、一人の幸福のために、日本全国を東奔西走されていたことでも知られています。

 志賀 池田先生は、1日付の「新時代を築く」の中で、牧口先生が戦時下、九州へも何度も足を運ばれ、その途次には兵庫への訪問を重ねられていたことを教えてくださり、「草創の神戸の支部も、先師が手づくりで築かれたのである」とつづられました。

 永石 一人を大切にされ、どこまでへも駆け付ける牧口先生の精神は、創価学会の伝統ともいえます。

 長谷川 戸田先生、池田先生もまた、広布の激戦地を転戦し、徹底して同志を励まし抜き、拡大の突破口を開き、今日の偉大な学会を築いてくださいました。

 原田 広宣流布のため、立正安国のためなら、時間も距離も、いかなる労苦も惜しまず、動きに動く。この、三代会長の実践に連なり、私たちも眼前の戦いに挑んでまいりたい。大きく動き、断じて勝利していこうではありませんか。

全世代型社会保障

 長谷川 さて、今夏には、令和の時代になって初の国政選挙である参院選が行われます。

 志賀 私たちが支援する公明党は、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の7選挙区の全員当選と、比例区で6以上の議席獲得を目標にしています。

 永石 この目標を達成すれば、参議院公明党として非改選の14議席と合わせて27議席以上。これは、現行の選挙制度では過去最多の議席数となります。

 原田 公明党の国政進出は参院から始まりました。以来、「平和の党」「福祉の党」として、大衆とともに進み、大衆のために戦い、多くの実績を残してきました。本年は結党から55周年でもあります。公明党には断じて勝ち抜き、国民の期待に応える政治をさらに前進させてもらいたい。

 永石 今、日本は深刻な人口減少、少子高齢化に直面しています。この克服は政治の最大の課題です。そのために、子育てから高齢者福祉までの全世代型社会保障が必要です。

 大串 公明党は、これらの課題に対応すべく、参院選に向けて①「子育て安心」社会に②着実な賃上げの実現③希望ある“幸齢社会”に④一人の生命を守り抜く⑤誰もが輝く社会の実現――の「5つの柱」を掲げていますね。

 志賀 公明党は昨年4月から3カ月間、全ての議員が地域をくまなく回り「100万人訪問・調査」運動を行いました。今回の重点政策には、そこで集めた現場の声が反映されています。

 大串 “夜回り先生”こと水谷修氏は「100万人訪問・調査」運動について「この国で忘れ去られた人をあぶり出していく、公明党らしい取り組みだ。公明党がいれば、子どもや高齢者の生きる力につながる」と評価しています。

 原田 大局観に立った上で、現場主義を貫き、小さな声に耳を傾ける。その声から政策を立案し、具体策を提示し、予算を確保して実現していく。これこそが、他党にはない公明党の強みです。 

中道主義」を貫く

 長谷川 今、世界の主要国で政治が不安定になる中で、なぜ、日本の政治は自公政権のもと安定しているのか。その理由は、自公が衆参両院で過半数議席を占めていることだけではありません。多くの識者が、生活現場と直結した政治を進める公明党の役割を高く評価しています。

 志賀 専修大学の野口旭教授は、公明党が教育の無償化や中小企業支援に取り組んでいることを挙げ、「国民の不満や苦しみの芽を摘み取る政策を政権の中で進めていることが、社会・経済の安定につながっている」と述べています。

 大串 一橋大学の中北浩爾教授も、公明党について、「これほど国会議員や地方議員が現場に足を運び、有権者の声に耳を傾けている政党はない」と述べています。

 永石 生活者の目線に立ち、消費税率10%引き上げ時に軽減税率の導入を推進したのも公明党ですね。

 原田 公明党が連立与党の中で大きな働きをしているから政治が安定し、多くの国民から信頼が寄せられているのです。また、一貫して中道主義を貫き、国民的な合意形成に努めてきたのも公明党です。公明党の議員は、こうした豊富な実績と政策を堂々と語り抜いてもらいたい。

〈池田先生と共に 新時代を築く〉 2019年6月1日

〈池田先生と共に 新時代を築く〉 2019年6月1日

太陽の心で今日も前進!
 

 今月6日は、先師・牧口常三郎先生の生誕の日。今年は148周年となる。
 わが学会の無上の誇りは平和の殉教の先師を創立の父と仰ぎ、正義の志を烈々と受け継いでいることだ。
 前後して女子部(4日)と婦人部(10日)の記念日が続き、学会家族の希望あふれる月間が展開される。
 若き日から女性の教育に尽くし、何より母たちの幸福を願って死身弘法された先生も、笑顔で見守ってくださっているに違いない。
 御本仏は、「日蓮は此の法門を申し候へば他人にはにず多くの人に見て候へ」(御書1418ページ)と言われた。
 大聖人が大難を恐れず貫かれた「立正安国の対話」を現代に蘇らせ、まさに「多くの人」に会っていかれたのが、牧口先生である。
 「健康のためには活動が第一」と、足取り軽やかな先生であった。戦時下で交通事情の厳しい中、九州へも幾たびとなく向かわれた。その途次には兵庫へ訪問を重ね、一人また一人と仏縁を結ばれている。草創の神戸の支部も、先師が手づくりで築かれたのである。
 先生は「菩薩行をせねば仏にはなれぬ」と教えられた。立正安国に挑む我らの菩薩行は、どこまでも偉大な先師と共に仏の道を歩むのだ。
 * * * 
 大聖人は、伴侶を失い、信仰のゆえに人から怨まれながらも、毅然と広宣流布に生き抜く女性を「さながら不軽菩薩の如し」(同1419ページ)と讃えられた。さらに法華経の記別である「一切衆生喜見仏(一切衆生が喜んで仰ぎ見る仏)」とは、貴女にこそふさわしい名前であるとまで仰せである。
 これは、そのまま創価の母、華陽の乙女へのご賞讃と拝されてならない。
 68年前、アジアで戦乱が打ち続く中、平和への誓いと祈りを込めて、婦人部、女子部は結成された。
 来る日も来る日も、創価の女性は民衆の大地を勇み走って、どの人にも仏の生命があると「不軽の対話」を勇敢に誠実に重ねてきた。
 どんな苦労にも負けず、どんな宿命も打開できると、「煩悩即菩提」の勇気の光を明々と放っている。
 そして今や、まさしく世界中が喜んで仰ぎ見る「幸と平和のスクラム」が輝き広がっているのだ。
 * * * 
 わが後継の高等部は結成55周年を迎える(7日)。正義の走者たちが成長する「従藍而青」の晴れ姿を、牧口先生も、どれほどお喜びか。
 先生は「年齢はどうあれ、一日一日、進歩する人が、青年である」と強調された。
 さあ、今日も、太陽の心で若々しく前進だ! 
 人と会い、友と語り、境涯を開きながら「立正安国」即「福運安穏」の勝利劇を!

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 第8巻 解説編 2019年5月29日

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 第8巻 解説編 2019年5月29日

紙上講座 池田主任副会長
〈ポイント〉
①“精神の布陣”の構築
②「本門の時代」とは
③日韓友好の深き思い
ソウルの漢江に架かる橋(1990年9月、池田先生撮影)。先生は文化と教育の交流に力を注ぎ、日韓の間に友情の「宝の橋」を築いてきた

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第8巻の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠玉の名言を紹介する。次回は、第9巻の「基礎資料編」を6月5日付に掲載予定。(第8巻の「基礎資料編」は5月8日付、「名場面編」は15日付、「御書編」は22日付に掲載)

 会長就任3周年となる1963年(昭和38年)5月、中部第二本部、兵庫本部が新たに誕生し、学会は20本部、87総支部、463支部の陣容となります。9月には、信濃町に新たな学会本部が完成しました。
 まさに、組織の面でも、建物の面でも、学会が大きな飛躍を遂げた時です。その中で、山本伸一は、「自分が生きているうちに、世界広布の揺るぎない基盤をつくり上げておかなければ、(中略)ようやく到来した広宣流布の好機を、逸してしまうことを痛感」(41ページ)し、リーダーの胸中に学会精神をみなぎらせる“精神の布陣”の構築に心を砕きました。
 それが、「殉難をも恐れず、民衆の幸福と人類の平和に生涯を捧げた、牧口常三郎戸田城聖の精神を、いかにして永遠のものにしていくか」(10ページ)ということです。
 そのために、伸一は全国各地で、リーダーの自覚と責任感を促し、一人一人の同志に、清新な息吹を送ります。
 理事の代表との打ち合わせの折には、「戸田先生は、ご自身の、また、幹部の“自己教育”ということを、叫ばれた。これは、先生の遺言です」(31ページ)と恩師の指導を確認し、自身がその挑戦を重ねていることを語り、「私と同じ決意に立っていただきたい」(32ページ)と呼び掛けています。
 兵庫のリーダーとの懇談では、「学会の組織には、お年寄りもいれば、青年もいる。それぞれが互いの持ち味を生かしながら、団結し、調和していってこそ、学会の本当の力が出せる」(45ページ)と、団結の重要性を訴えます。
 また、奄美大島では、広宣流布を阻むのは、「環境や状況の厳しさではなく、幹部の一念に宿る『妥協』と『あきらめ』の心」(89ページ)と強調し、「幹部というのは、広宣流布の責任をもつ人の異名」(91ページ)と、リーダーの姿勢について語っています。
 さらに、広布の「宝剣」である青年の育成に、全精魂を注いでいきます。
 部員が少なく、組織の実態が極めて厳しい、と嘆く青年に対して、伸一は即座に「君が立ち上がればいいんだ!」(115ページ)と答え、「青年ならば、一人立つことだ。そこから、すべては変わっていく」(同ページ)と励まします。そして、自らの「二月闘争」の体験を通して、「君も立て! 断じて立つんだ。見ているぞ!」(116ページ)と力強く呼び掛けます。
 殉難を恐れない師の精神とは、この「一人立つ」精神にあることを、青年の心に打ち込んでいったのです。

「無疑曰信」の信心

 7月1日に開催された男子部幹部会で、伸一は、翌64年(同39年)4月の戸田先生の七回忌を期して、学会が「本門の時代」に入ることを宣言しました。
 「本門の時代」とは、第一に「理論や観念ではなく、現実に広宣流布の証を打ち立てる時代」(309ページ)であり、第二に「教育、芸術、政治、経済などの各分野に、本格的な文化の華を咲かせていく時代」(234ページ)であり、第三に「弟子の飛翔の時代」(235ページ)です。
 この「本門の時代」を勝利するために重要なことが、「何があっても御本尊を信じ抜く、『無疑曰信』の清流のごとき信心」(209ページ)であり、学会は「一点の濁りもない、清流のごとく、清らかな信心の団体であらねばならない」(280ページ)ということです。
 「清流」の章では、退転者の姿を通し、魔の本質が明らかにされています。退転者は、「学会や山本伸一を『巨悪』に仕立て上げ、自分を、その被害者、犠牲者として、『悪』と戦う『正義』を演じようとする」(284ページ)。それが、「悪鬼入其身」の姿です。
 魔の目的は、同志の絆を分断し、広布の組織を攪乱することです。退転者が流すデマに対する反応に、「その人の境涯、人格、人間観が端的に表れる」(同ページ)。ゆえに、大切なことは、魔の本質を見破ることです。
 同章には、退転者の無残な末路が描かれ、「仏意仏勅の団体である創価学会の組織を攪乱し、反旗を翻した罪はあまりにも重く、限りなく深い」(286ページ)と記されています。この厳粛な一節を心に刻みたい。
 『新・人間革命』第30巻〈上〉「大山」の章には、戸田先生の「学会は、この末法にあって、これだけ大勢の人に法を弘め、救済してきた。未来の経典には、『創価学会仏』という名が厳然と記されるのだよ」(98ページ)との言葉が紹介され、「学会は、『創価学会仏』なればこそ、永遠なる後継の流れをつくり、広宣流布の大使命を果たし続けなければならない」(100ページ)とあります。
 広宣流布とは、仏と魔との間断なき闘争です。いかなる障魔の嵐が競い起ころうとも、私たちは清流の信心を貫いていきたいと思います。

光彩放つ「虹の懸け橋」

 「本門の時代」を迎える64年、韓国では、広布の「激流」の歴史が始まりました。1月上旬から、新聞が突然、学会への批判記事を掲載するなど、厳しい試練にさらされます。
 しかし、韓国の同志は、自由に学会活動ができる時が来ることを信じて、懸命に信心に励みます。一人一人が模範の市民として、社会貢献の活動に取り組み、信頼の輪を韓国社会に広げていきました。伸一も、韓国の同志に題目を送り、日本と韓国の間に、信義と友情の「宝の橋」を架けようと、文化・教育の交流にも力を注ぎます。
 そして98年(平成10年)5月、伸一に慶熙大学から「名誉哲学博士号」が授与されます。18日には、伸一のSGI韓国仏教会本部の初訪問が実現しました。それは、韓国の友の勝利の凱歌でもありました。「激流」の章は、その場面で締めくくられています。
 新聞連載を振り返ってみると、この「激流」の章で、韓国の歴史が描かれ始めたのは、98年の「7月17日」からでした。「7・17」は、57年(昭和32年)のその日に、池田先生が“最後は信心しきったものが必ず勝つ”と師子吼し、不屈の「負けじ魂」が刻まれた「大阪大会」が開催された日です。
 翌99年(平成11年)5月、先生は九州・福岡から韓国・済州島を初めて訪問。国立済州大学から「名誉文学博士号」が授与され、同大学の趙文富総長(当時)と平和の語らいを広げました。さらに、済州の友と記念撮影会を行い、渾身の励ましを送っています。
 今月、20周年記念の学術シンポジウムが済州大学と創価大学の共催で行われました。先生が築いた日韓友好の「虹の懸け橋」は、ますます光彩を放っています。

名言集

●広布への情熱
 わが地域を変えゆかんとするなら、ただ一つ、わが心に闘魂の太陽ありや、広宣流布への情熱ありやを、問うことだ。(「布陣」の章、76ページ)
 
●激励の手を満遍なく
 会合に出席する人というのは限られている。たとえば、座談会を見ても、参加者に倍するほどのメンバーが、それぞれの組織にはいるはずである。そこに、満遍なく激励の手を差し伸べてこそ、盤石な学会がつくられ、それが拡大にもつながり、広宣流布の広がりも生まれる。(「宝剣」の章、103ページ)
 
●真の言論人
 「いまだこりず候」(御書一〇五六ページ)と、正義の言論の矢を放ち続けることである。その不屈なる魂の叫びが、人びとの心を揺り動かすのである。真の言論人とは、不屈の信念の人の異名でなければならない。(「清流」の章、204ページ)
 
●行事開催の目的
 学会が行うさまざまな行事は、一人ひとりの信心の成長を図り、広宣流布を前進させるための場である。その根本の目的が見失われ、行事を“こなす”ことのみに目を奪われてしまえば、開催の意味はないといっても過言ではない。(「清流」の章、226ページ)
 
●幸福になる権利
 すべての人が幸福になる権利をもっている。いな、最も苦しんだ人こそが最も幸せになる権利がある――それを実現してきたのが創価学会である。(「激流」の章、333ページ)

 ※『新・人間革命』の本文は、聖教ワイド文庫の最新刷に基づいています。

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉42 “創価の女性の月”6月へ朗らかに前進 地域照らす立正安国の対話 2019年5月27日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉42 “創価の女性の月”6月へ朗らかに前進 地域照らす立正安国の対話 2019年5月27日

「生活密着の政策は公明党だから実現」識者
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
竹岡青年部長
大串女子部長
創価の女性の真心の対話が、あらゆる人と幸の仏縁を結ぶ。各地で奮闘する女子部・婦人部の友

 長谷川 6月は創価の女性の月ですね。4日は女子部の「世界池田華陽会の日」、そして、10日は「婦人部の日」です。

 大串 2009年6月4日、池田先生・奥さまが東京・信濃町創価女子会館を初訪問されました。これが「世界池田華陽会の日」の淵源です。今年は、初訪問から10周年の佳節です。

 原田 各地で女子部の皆さんが、地域の婦人部やご家族と共に、対話拡大に挑戦している様子を伺っています。先生は「一つ一つの挑戦と労苦が、全て『心の財』となります。大福運となって、最も充実した青春の凱歌の『この道』が悠々と開かれていきます」と励ましを送られています。

 長谷川 「大白蓮華」6月号巻頭言では「母の祈りを栄光凱歌の翼に!」と題し、世界中の広布の母をたたえてくださっています。

 永石 感謝の思いでいっぱいです。先生は、兵庫の婦人部と語り合った「幸福常勝の哲学」を紹介してくださいました。①徹して一人の友の幸せを願い、大切にする心②目標を最後まで、喜び勇んで、やり通す執念③「負けたらあかん」の異体同心の団結――です。

 長谷川 学会家族の皆に当てはまる指針です。先生は5月19日付の随筆でも「あの友もこの友も、あの地もこの地も、笑顔で照らし晴らしゆくのが、創価の女性たちの立正安国の対話ではないだろうか」と、婦人部・女子部にエールを送ってくださいました。

 原田 広宣流布、立正安国の戦いは民衆が賢明になり、強くなって平和と幸福の連帯を広げていく闘争でもあります。私たちは題目を「獅子の吼ゆるが如く」(御書764ページ)唱え抜き、一人でも多くの友に確信の声を届け、民衆勝利の新時代を開いていきたい。

現実的に平和構築

 竹岡 今年は私たちが支援する公明党が結党55周年を迎えます。さらに自民党と初めて連立を組んでから20年。この間、公明党が果たしてきた役割に対し、多くの識者から高く評価する声が寄せられています。

 長谷川 一橋大学大学院の中北浩爾教授は、「自公政権は現在のところ、日本政治で唯一の安定した連立の枠組みとなっている。自公以外の安定した連立の枠組みは、この四半世紀の間、存在してこなかった」(月刊誌「潮」6月号)と述べています。

 竹岡 さらに、中北氏は、自民党だけでは「平和や弱者の観点が抜け落ちてしまうので、そこを補完する役割を公明党が担っています」(月刊誌「第三文明」6月号)と指摘。このような公明党の姿勢が、政権の安定につながっているのではないでしょうか。

 永石 自公政権は福祉や医療、社会保障の分野などで多くの生活に密着した政策を実現してきました。これらについて中北氏は近著の中で「こうした政策は、公明党が政権に入っていてこそ実現できる」(『自公政権とは何か』ちくま新書)と指摘しています。

 原田 少子高齢化が急速に進み、日本社会は転換期を迎えています。これからますます政治の重要テーマになっていく「教育」「子育て」なども公明党が長年リードしてきたものばかりです。今月、成立した「幼児教育・保育」と「大学・専門学校などの高等教育」の「無償化」実施のための2法なども、そうです。

 竹岡 作家・佐藤優氏は先日、平和安全法制を巡って「公明党は『歯止めをかけた』と言われるが、私は『平和を、より強化した』と思っている。公明党が強くなることは、世界平和のためにも重要なことだ」と語っていました。

 大串 佐藤氏は「公明党は平和を現実的に構築していく価値観を持っている。民衆に寄り添い、一人一人の平和を実現していくことは、公明党にしかできない」とも言われています。

 永石 評論家の森田実氏は「結党以来、55年の歴史の中で公明党が主張してきた政策は今や、国の中心政策に据えられました。全世代型社会保障の構築や、命を守る防災・減災対策の拡充、自然・文化の力を生かした観光立国化はその代表格です」と語られています。

 原田 連立政権の要として、公明党は、日本社会の安定と発展、そして平和のために、なくてはならない存在となっています。そのことを、私がお会いする各界のトップや識者の方々もよく言われます。多くの方々が、公明党らしさをさらに発揮してもらいたいと期待しています。

 竹岡 公明党は、積み重ねてきた実績、庶民を守る政策を掲げて全力で戦い、これからも「大衆とともに」進んでもらいたい。

改元詐欺”に注意

 永石 社会では、特殊詐欺の被害が続いています。特に今、急増しているのが改元に便乗した手口です。

 原田 これは、全国銀行協会や銀行を装って封書を送り、「平成から令和への改元によってキャッシュカードの変更手続きが必要」などとかたり、口座番号や暗唱番号と共にキャッシュカードを送らせるという、極めて悪質なものです。

 長谷川 銀行等の金融機関が暗証番号を尋ねたり、キャッシュカードなどを送るように指示したりすることはありません。書類が届いても、絶対に口座情報や暗証番号などを教えず、キャッシュカード、通帳なども渡さないでください。

 永石 改元によってキャッシュカードの変更が必要になることはありません。

 大串 ある調査では特殊詐欺被害者のうち、9割以上の人が「自分は大丈夫だと思った」「考えたこともなかった」と回答していたというデータもあります。

 原田 油断や過信は禁物です。互いに注意し合い、怪しいと思ったら迷わずに周囲の人や警察に相談するなど、賢明な判断で詐欺被害を防いでいきましょう。

〈池田大作先生 四季の励まし〉 誓願に生きる人生は幸福 2019年5月26日

池田大作先生 四季の励まし〉 誓願に生きる人生は幸福 2019年5月26日

 
 

 誓願に生き抜く人生は、
 最も幸福な人生である。
 いかなる苦難の烈風にも負けず、
 誠実に誓いを果たし抜く人は、
 真の勇者であり、勝利者である。
 創価の師弟には、
 誇り高き大願がある。
  
 世界の広宣流布は、
 仏法の究極の大願である。
 言い換えれば、
 この世界から
 「悲惨」の二字をなくし、
 人類の幸福なる恒久平和
 実現することであるのだ。
 一宗教の繁栄が目的ではない。
 全民衆の幸福が根本の目的である。
 「人間」のために、
 仏法はあるからだ。
  
 仏と同じ誓いに立てば、
 仏と同じ智慧が湧く。
 仏と同じ力が出る。
 仏と同じ戦いができる。
 これほど強い、
 これほど誇り高い人生は、
 どこにもない。
  
 我らは、
 この広宣流布大誓堂を中心に、
 それぞれの使命の舞台で、
 自行化他の題目の師子吼を、
 いやまして勇気凜々と響かせ、
 ありとあらゆる邪悪に打ち勝ち、
 わが地涌の眷属の威光勢力を
 無限に増してゆくのだ。
  
 いざ、広宣流布へ、
 前進また前進! 闘争また闘争!
 これが、
 創価学会の永遠の誓願である。
 そこに民衆の平和勢力は
 堂々と築かれる。
 いかに社会の混迷が深まろうと、
 民衆が立ち上がれば、
 希望は開ける。
 永遠の平和の基盤を築くチャンスは
 「今」である。

 威風堂々とそびえ立つ広宣流布大誓堂(東京・信濃町)。「創価学会常住御本尊記念日」の今月19日、池田大作先生が車中から撮影した。
 大誓堂に御安置されている創価学会常住御本尊には「大法弘通慈折広宣流布大願成就」と認められ、仏意仏勅の教団である学会の使命が、厳然と刻印されている。全国・全世界の地涌の同志がここに集い、誓願の題目を唱え、それぞれの地で新たな挑戦を開始してきた。
 かつて池田先生は、こう呼び掛けた。「我らには誓願の題目がある。祈り、涌現した仏の命で、人と会い、人と語る。その一切が仏縁となる」と。
 さあ、広布誓願の題目を朗々と唱えながら、平和と友情のスクラムを大きく広げよう!

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉41 一瞬の出会いを大切に 友情結ぶ対話 広宣流布は「人と会う」こと 2019年5月23日

〈座談会 創立90周年を勝ち開く!〉41 一瞬の出会いを大切に 友情結ぶ対話 広宣流布は「人と会う」こと 2019年5月23日

公明党の主張が実現 教育無償化スタートへ
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
竹岡青年部長
志賀男子部長
大串女子部長
池田先生の思想を研究する熱が世界に広がる――中国・仲愷農業工程学院でのシンポジウム(18日)

 大串 21日付の聖教新聞で報じられていた通り、中国・広東省広州市の仲愷農業工程学院で、中日友好協会の初代会長である廖承志氏と、池田先生の思想を巡るシンポジウムが開催されました。

 志賀 これは、仲愷農業工程学院、広東省社会科学院、創価大学が主催したものです。中国内外の学術者から29本の論文も寄せられ、日中のさらなる友好交流のための方途が活発に議論されました。

 竹岡 先生の「平和・文化・教育」の思想の研究は、アメリカ、カナダ、アルゼンチン、スペイン、インドなどでも行われ、“ここに時代を開く鍵がある”と注目されています。青年部にとって、これほどの誇りはありません。

 長谷川 池田先生はこれまで10度訪中し、歴代の指導者らと友誼を深めてこられました。また、行く先々で心温まる交流を重ねてきました。初めて訪れた際(1974年5月)、「おじさんは、どこから来たのですか」との少女の問いに、「日本から来ました。あなたに会うために来ました」と答えたことは有名な話です。後に先生は、「相手が大人であろうと、子どもであろうと、一瞬一瞬の出会いを大切にし、友情を結ぶために全力で対話した」と振り返っています。

 原田 中国だけではありません。先生は世界中を訪問しながら、それこそ無名の庶民から国家の指導者まで多くの方と会い、深い友好の絆を結んできました。

 長谷川 先生は言われています。「どんな機会も逃さず、私は人と会ってきた。世界中、どの地でも、時間の許す限り、『会う』ことで学会の味方を増やした。『会う』ことで学会を強くしてきた。『もう、会う人がいない』というくらい、会って会って会いまくる。ここに学会の強さがあるのだ」と。

 原田 「人と会い、人と語らう」――ここから広布の道は開かれます。私たちは先生の行動に続き、日本中の友人・知人と会って会って会いまくり、希望の対話、励ましの対話、確信の対話で、創価勝利の大道を開いていきましょう。

しっかりと睡眠を

 永石 ところで、現代人の慢性的な課題の一つとして、「睡眠不足」が挙げられます。当然ですが、睡眠が不足すると疲れが取れにくくなります。戸田先生が折あるごとに、広布に生きる大切な使命の同志に、「あらゆる工夫をして寝なさい」と言われていた通り、「睡眠」は、健康を守るためにも、事故を防ぐためにも、重要です。

 原田 池田先生も、「多忙な現代人には、難しいかもしれないが、時間を価値的に使うことです。そして朝を、さわやかに出発する。信心即生活の智慧が、自分自身を守っていくのです」と語られたことがあります。

 長谷川 「真夜中以前の1時間の眠りは、以後の2時間分に値する」という言葉もありますね。

 永石 学会活動でも、たとえば、会合の後の打ち合わせなどで帰宅が遅くならないようにしていきたいと思います。特に、婦人部・女子部のリーダーは、できる限り短時間で打ち合わせを終えていきましょう。

 長谷川 一日の唱題の目標を決めている人ほど、短時間で打ち合わせを終え、早めに帰宅して唱題に挑戦していますね。

 永石 帰宅後に電話で連携を取り合う場合も短時間で済ませ、早く休めるように、リーダーから心を配っていきたいと思います。

 原田 「価値的に聡明に」――これが信心の智慧です。しっかりと睡眠を取り、朗々たる唱題で生命力を満々と湧かせ、日々の活動に取り組んでいきましょう。

「歴史的な転換点」

 大串 さて、今月、公明党が長年訴えてきた「幼児教育・保育」と「大学・専門学校などの高等教育」の「無償化」を実施するための2法が、自民・公明などの賛成多数で、可決・成立しました。

 竹岡 末冨芳・日本大学教授(教育行政学)が、「公明党の尽力により、今月、幼児教育・保育と高等教育を無償化する二つの法律が成立したことは、日本の教育政策において歴史的転換点と言っていいでしょう」と語っている通り、これは画期的な出来事です。

 志賀 これらの無償化は、日本が直面する「少子化」を克服するためのものであり、親の経済格差が、子どもに受け継がれる「貧困の連鎖」を断ち切ることを目指すものです。

 竹岡 安倍首相も「小学校、中学校9年間の普通教育無償化以来、70年ぶりの大改革」と述べています。

 志賀 財源には、今年10月に実施される、消費税率10%への引き上げによる増収分が充てられます。

 竹岡 この法案には、国民民主党日本維新の会なども賛成。立憲民主党共産党は反対しました。政府は今、無償化と併せ、2013年度からの5年間で53万5000人分の保育の受け皿を拡大するなど、待機児童の解消に取り組み、さらなる拡充を推進しています。また、保育士の年収も13年から5年間で48万円増加させるなどし、さらなる待遇改善を行っています。

 志賀 公明党が与党になる前、「教育無償化」の実現など、誰が予想できたでしょうか。自民党だけの政権では、絶対にできなかったと思います。これは、長年かけて、公明党が主張してきたことを自民党が受け入れたものです。そういう意味では、日本の歴史を変える、大変な出来事です。

 竹岡 口で言うだけではない。予算を工面し、法律を作る。そうした粘り強い仕事を公明党は続けてきました。そして今や、教育無償化を含めた「全世代型社会保障」が与党の政策になったのです。

 原田 これが「生活者目線」を貫く公明党が政権与党にいる価値の一つです。「教科書の無償配布」に始まる、「教育は国の一大事業」「子どもは未来の宝」という公明党の精神が、形になったものであり、日本の未来のための重大な変革であると高く評価したい。

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 第8巻 御書編 2019年5月22日

〈世界広布の大道――小説「新・人間革命」に学ぶ〉 第8巻 御書編 2019年5月22日

 

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第8巻の「御書編」。小説で引用された御書、コラム「ここにフォーカス」と併せて、識者の「私の読後感」を紹介する。次回の「解説編」は29日付の予定。(「基礎資料編」は8日付、「名場面編」は15日付に掲載)

何ごとも勝てば嬉しい

【御文】
 仏法と申すは勝負をさきとし
 (御書1165ページ、四条金吾殿御返事)

【通解】
 仏法というのは勝負を第一とし

●小説の場面から

 〈1963年(昭和38年)6月3日、山本伸一は東京第一本部の新出発の幹部会に出席し、あいさつに立った〉
 「何ごとも勝てば嬉しい。活動の勝利は、わが生命に躍動と歓喜をもたらし、希望と活力の源泉となる。しかし、負ければ歓喜もなくなり、元気も出ません」(中略)
 「折伏にせよ、あるいは会合の結集にせよ、勝とうと思えば、目標を立て、決意を定め、真剣に唱題に励むことから始めなければならない。さらに、知恵を絞って、勇気をもって挑戦し、粘り強く行動していく以外にありません。
 そして、一つ一つの課題に勝利していくならば、それは、大きな功徳、福運となっていきます。
 また、何よりも、それが人生に勝つための方程式を習得していくことになる。さらに、活動を通してつかんだ信仰への大確信は、人生のいかなる困難をも切り開いていく力となります。
 御書には『仏法と申すは勝負をさきとし』と仰せです。それは、広宣流布とは、第六天の魔王という生命破壊の魔性との戦いであり、さらには人間が生きるということ自体が、人生そのものが戦いであるからです。
 人間の幸福といっても、自分の臆病や怠惰などの弱さと戦い、勝つことから始まります。人間革命とは、自己自身に勝利していくことであり、そのための、いわば道場が、学会活動の場であるともいえます」
 (「布陣」の章、47~48ページ)

一の暴論には十の正論を

【御文】
 声仏事を為す
 (御書708ページ、御義口伝)

【通解】
 声が仏の働きをする。

●小説の場面から

 〈7月28日、山本伸一は、言論部の第一回全国大会で、邪悪な言論が横行していることを指摘する〉
 伸一は訴えた。
 「悪質な意図をもって、民衆を扇動するような、一部の評論家やジャーナリスト、あるいは指導者によって、日本が左右されてしまえば、いったいどうなるか。そうした邪悪な言論と戦い、その噓を暴き、人間の“幸福”と真実の“平和”のための新しい世論をつくりあげていくことこそ、言論部の使命であります。
 私は、一握りの評論家やジャーナリスト、あるいは一部の“偉い人”だけが、言論の自由謳歌するような時代は、もはや去ったと叫びたい。また、本来、言論の自由とは、そういう特権階級のためのものではないはずであります。私どもは、善良なる世論を結集し、燃え上がる民衆の言論戦をもって、新しき時代の幕を開いていこうではありませんか!」
 民衆が、堂々と真実を語り、正義を叫ぶことこそ、「言論の自由」の画竜点睛である。「一」の暴言、中傷を聞いたならば、「十」の正論を語り抜く。その言論の戦いのなかにこそ、「声仏事を為す」という精神も、生き生きと脈打つのである。
 伸一は、最後に、どこまでも民衆の味方として、人びとの心を揺り動かす情熱と理念、緻密な論理とを備えた大言論戦の勇者たれと呼びかけ、講演としたのである。(「清流」の章、205~206ページ)

ここにフォーカス/こまやかな配慮

 日蓮大聖人は、こまやかな配慮にあふれる方でした。御書には、日ごろ接する機会のない門下に対する思いやりの言葉が、随所に記されています。
 その例として、「布陣」の章では、富木常忍が大聖人に「帷(夏用の着物)」を供養したことが挙げられています。
 「帷」は、90歳になる常忍の母が、わが子のために精魂込めて縫い上げたものといわれています。母の心がこもった、その帷を、常忍は大聖人に供養しました。
 大聖人は、「我と老眼をしぼり身命を尽くせり」(御書968ページ)――自ら老いた眼を細め、身命を尽くして作られたことでしょう、と常忍の母の労苦に思いをはせられます。
 さらに、“この着物を身に着けて、日天の前で、その由来を詳細に報告しましょう”と言われ、諸天善神の加護は間違いないと激励されます。
 母は子を思い、子は母を、師匠を思う。そして、師匠は弟子を思い、その母にも心を配る――。何と美しい心の交流でしょうか。これこそ、仏法の世界です。
 「布陣」の章に、「山本伸一も、この大聖人の御心を、わが心としていかなければならないと、常に、自分に言い聞かせてきた」とあります。
 どうすれば、同志が喜ぶのか、元気になるのか。その人だけではなく、家族、周囲にまで思いを巡らせ、真剣に祈り、励ましを送る。その真心の連帯を広げていくことが、広宣流布の運動の根本です。

私の読後感 識者が語る/元駐日韓国大使 権哲賢氏

●恩師の偉大さの証し

 韓国と日本の間には、過去に不幸な歴史がありました。いまだに韓日の友好を築くには、幾つもの困難があります。
 しかし、だからこそ、「真の韓日友好」を願われる池田先生の心と言葉が、多くの人々に伝わり、韓日関係の改善の力となることを心から望んでいます。
 私は、日本に留学し、また、駐日韓国大使を務めました。池田先生がいかに深い歴史認識に基づいて、韓国について語られているかが、よく分かります。
 先生は、韓日間の民衆と文化の交流に多大な貢献をなされた方です。韓国に対する深い理解があり、誠実で勇気ある行動を貫いてこられたことに、いつも感謝しています。
 現代社会のさまざまな問題を克服するためには、「人間の変革」を避けては通れません。その人間に対する不信や失望が今、世界に渦巻いています。
 しかし、先生は決して、人間に対する信頼を手放すことはありません。これが、先生の真骨頂でありましょう。一人の人間革命から人類の宿命の転換が始まる、との小説のテーマは、先生の信念そのものと感じます。
 半世紀を超す小説の執筆は、一言で言えば「感動」そのものです。それは、師匠のもとで、若き時代から徹底して薫陶を受けたからこそ、可能だったのではないでしょうか。つまり、その執筆は、池田先生と同時に、戸田先生の偉大さの証しでもあると思えてなりません。
 『新・人間革命』第8巻「激流」の章には、韓国SGIの歴史がつづられています。
 創価学会は、日本で発展した宗教団体として、韓国国内では、多くの人が批判的に見ていました。そのような状況の中で、韓国SGIの方々は誠実に、社会に貢献してきました。
 韓国SGIが今日、ここまで発展していることは、まさに「不可能を可能にした」といえましょう。その発展の原動力こそ、池田先生の存在にほかなりません。
 小説で触れられている慶熙大学の名誉哲学博士号をはじめ、先生には韓国国内から数多くの顕彰が贈られています。しかし、それでもなお、先生がなされた韓日友好の業績をたたえるには足りないと感じています。
 韓国に一貫して寄せられる先生の真心は、韓日友好の大きな柱として、不滅の光を放ち続けるに違いありません。今後も先生に、希望の指針を示していただきたいと念願しています。

 クォン・チョリョン 韓国生まれ。筑波大学で都市社会学の博士号を取得。2004年、韓日議員連盟の副会長兼幹事長に就任。08年から3年間、駐日大使を務めた。

 ※『新・人間革命』の本文は、聖教ワイド文庫の最新刷に基づいています。