創価学園創立50周年記念式典への池田先生のメッセージ 2017年11月18日

創価学園創立50周年記念式典への池田先生のメッセージ 2017年11月18日

 
関西創価学園を訪問した池田先生が、「悔いなき充実の青春を」と呼び掛け、ピアノの鍵盤をたたく(1995年10月、交野市で)
     

 わが創価学園の創立――それは、牧口常三郎先生の悲願であり、戸田城聖先生から託された、最重要にしてロマンあふれる使命でありました。
 半世紀を経た今、世界を結ぶ壮大な連帯となった、創価の師弟の夢の実現を、牧口・戸田両先生もどれほどお喜びでありましょうか。天も地も心も晴れやかな、50回目の創立記念日、誠におめでとう!
 50年前、私には固く誓ったことがあります。それは、「学園生の先頭に立って、世界の知性と対話しよう!」ということです。
 その最初の対話は、「ヨーロッパ統合の父」と呼ばれる、クーデンホーフ=カレルギー伯爵との語らいです。初めての出会いは、学園創立の年・1967年(昭和42年)の10月でした。3年後には、伯爵が学園に来校され、草創の学園生に万感のエールを送ってくださったことも、懐かしい歴史です。
 以来、学園の目覚ましい発展とともに、私の対談集も、伯爵、そしてトインビー博士をはじめ80点に及び、文明を結ぶ対話として、40の言語で出版・翻訳されるまでになりました。
 東西の学園キャンパスを訪れた海外の識者も、ゴルバチョフ元大統領ご夫妻を筆頭に、5000人をはるかに上回っております。この「対話の道」を、わが学園生は誇り高く進んでいってください。
 今ほど、対話が求められている時代はありません。あらゆる差異を超えて、平和と共生の社会を築く道は、対話をおいて他にないからです。
 そのためにも、皆さんは「英知」と「人格」という、世界へ羽ばたくための翼を大きく伸びやかに鍛え抜いていただきたい。語学にも積極果敢に取り組んで、どんな国の、どんな英邁な人とも、率直に自在に語り合い、友情と信頼を結べる力を着実に磨き抜いていただきたいのです。
 「対話の道」は「友情の道」であり「平和の道」です。青年が語り合い「良き友をつくる」ことこそが、「平和をつくる」第一歩だからです。

「学園生」とは親孝行の異名

  ともあれ、大切なのは青年です。青年の連帯です。青年の前進です。
 クーデンホーフ=カレルギー伯爵も、私との対談で、青年こそが「明日の世界を決定づける指導者となる」「その自覚に立って、未来に向かって自己形成し、準備をするべきだ」と強調されていました。
 オーストリア人の父と、日本人の母との間に生まれた伯爵は、戦争のない世紀を築くため、青春の日よりヨーロッパ統合への挑戦を開始されました。あのヒトラー率いるナチス・ドイツから迫害を受け、亡命を余儀なくされてもなお、正義の旗を断じて降ろしませんでした。伯爵には、お母さん譲りの「負けじ魂」が輝き光っていたのです。
 お母さんは、日本から遠く離れた異国での生活に耐え抜き、しかも、夫に先立たれながら、7人きょうだいを立派に育て上げた方です。
 皆さんにも、苦労しながら学園へと送り出してくれている、偉大なお母さん、偉大なお父さんがいます。学園生とは「親孝行」の異名でもあります。
 途中で何があっても、次は勝つ! 最後は必ず勝つ! この不屈の負けじ魂を明々と燃やし、自分のため、父母のため、皆さんの勝利を祈り待つ世界中の人々のため、そして人類の未来のため、進取の気性に富んだ、栄光ある世界の指導者へと成長していっていただきたいのです。

青年は絶えず再生し更新す

 伯爵は、こうも訴えました。「青年は、絶えず再生し、更新する」(鹿島守之助訳『クーデンホーフ・カレルギー全集9』鹿島研究所出版会)と。
 大いなる目標に向かう途上には、必ず大いなる壁が立ちはだかります。たとえ失敗したとしても、嘆かず、恐れず、また挑めばよい。昨日より今日、今日から明日へと、たゆみなく前へ前へ朗らかに進み続ける――その人こそが青年です。ゆえに、皆さんは、日々月々に生まれ変わった命で、向上しゆく「英知の挑戦王」「勇気の前進王」であってください。
 今年、私は、名作『青春万歳』で知られる、中国の文豪・王蒙先生と対談集『未来に贈る人生哲学』を発刊しました。結びに、この王蒙先生の言葉「自分を信じて努力し、自分に最善を尽くせ」を贈り、私のメッセージといたします。
 私が信じてやまない大切な大切な学園生の努力の青春、万歳! 50年の勝利の象徴たる「鳳友会」「金星・蛍会」「創栄会」「創光会」「創陽会」の愛弟子たちに、健康あれ! 幸福あれ! 栄冠あれ!(大拍手)