「情熱の日」記念集会への池田先生のメッセージ 2018年10月5日

「情熱の日」記念集会への池田先生のメッセージ 2018年10月5日

青春のチャレンジ精神で宇宙大の可能性を開け!

 一、明るく楽しく、友と輝く「情熱の日」おめでとう!
 不屈の負けじ魂を燃やす競技大会も、価値創造の英知みなぎる文化祭も、笑顔と団結光る演目も、私は皆さん方に届けと拍手を送りながら、全て見守っておりました。いつも、皆さんと私の心は一体です。
 今日、10月4日は、世界的に何の日か、聞いたことがありますか。そう、「宇宙開発記念日」です。61年前の今日、人類は初めて人工衛星の打ち上げに成功しました。
 そこで、皆さんと一緒に心を天空に広げ、宇宙のロマンを語り合う思いでメッセージを送ります。
 一、まず、皆さんに呼びかけたいのは、「チャレンジ精神で、宇宙大の可能性を開いていこう!」ということです。
 これまで私は、世界の多くの宇宙飛行士や著名な天文学者と、宇宙や生命の不思議をめぐって語らいを重ね、対談集も発刊してきました。その一人に、ロシアを代表する宇宙飛行士のセレブロフ博士がいます。博士が4度の宇宙飛行を成し遂げ、合計すると373日間も宇宙に滞在できるようになった出発点は、いったい何だったのでしょうか。
 じつは、まさに61年前、最初に打ち上げられた人工衛星が星空を悠々と飛ぶ姿を、10代の少年時代に仰ぎ見つめた体験でした。この時の感激によって、若き博士の命に眠っていた好奇心、探求心が目を覚まし、大きく動き始めたといいます。
 星よりも美しく瞳を輝かせ、夢中になって、天文学など学問の万般に挑んでいきました。もともと体が弱かったのでスポーツを通して体も心も鍛え、大いに読書に励んで、ずるいことや卑しいことをしない高潔な人格を磨き上げていったのです。
 このセレブロフ博士ご夫妻は、わが創価学園生との出会いを人生の宝とされ、「心が震えるほど感動しました」とまで語られていました。
 そして学園生に、理想に向かい、自分のなすべきことを自覚し、いやいやではなく、喜び勇んで挑戦していってほしいとエールを送ってくださったのです。そこにこそ、新たな創造性が発揮されるからです。
 皆さん一人ひとりの生命には、まさしく宇宙大の可能性が秘められています。それを、「今 ここから!」「今日から明日へ」、思い切り解き放っていくのが、青春のチャレンジ精神なのです。
 一、次に申し上げたいのは、「思うようにいかない時こそ、どっしりと朗らかに根を張ろう!」ということです。
 女性で初めて地球から飛び立って、「私はカモメ」という言葉を宇宙から発したロシアのテレシコワさんも、私たちの大事な友人です。このテレシコワさんは、学生時代、お母さんが重い病気にかかってしまいました。突然、お母さんの看病や、食事の支度、買い物、洗濯などを、お姉さんと二人で背負うようになり、それはそれは忙しい毎日となりました。お母さんの病気との闘いが長く続いたので、学校の方は諦めなければならないと考えたこともあったようです。
 でも、彼女が心に刻んでいた学校の先生の励ましの言葉がありました。それは、「樹木は、はじめに根をおろして、そのあとで上に向って伸びはじめるんだよ」(宮崎一夫訳『テレシコワ自伝』パピルス双書)という一言でした。
 彼女は、今はじっくり根を張る時だと心を定めました。命の奥底から湧き上がってくる負けじ魂で、必死に時間をやりくりし、一歩でも前に進もうと勉強に挑みました。
 その後も努力に努力を貫き通し、やがて宇宙飛行士という夢を叶えました。そして宇宙から、自分のお母さんをはじめ地球上の全てのお母さんたちへ、幸福と平和を願うメッセージを送っていったのです。
 青春は、誰もが、思うようにいかないこととの戦いです。その時に、歯を食いしばって根を張った人は強い。どんな試練の嵐が襲いかかってきても、倒れません。そして、自分自身が揺るがぬ大樹とそびえ立って、悩める人たちを、温かく励まし、力強く支えていくことができます。
 一、この9月8日、私はライフワークである小説『新・人間革命』の連載を完結しました。全30巻の中で、折々に愛する学園生のことを綴っていくことは、何ものにも勝る喜びでありました。
 わが命である学園生が、それぞれの誓いの道で、たくましく「勝利の旗」を掲げてくれることこそ、地球の未来を照らし晴らす「人間革命」の希望の光なのです。
 さあ、これからも一緒に、「勇気の太陽」を輝かせながら、いよいよ学び、いよいよ鍛え、いよいよ勝ち進んでいこう!
 親孝行をよろしくお願いします。風邪などひかないように。
 皆さんの健康と充実と友情の青春を、私は一生懸命、祈り抜いていきます。
 みんな、元気で!(大拍手)