SUA入学レセプションへの池田先生のメッセージ 2017年8月17日

SUA入学レセプションへの池田先生のメッセージ 2017年8月17日

「勇気」「楽観主義」で今日もベストを!

  一、今、私の心も美しきアリソビエホの丘に舞い飛んでおります。そして、世界中から勇み集ってくれた第17期生の皆さんと共に、さらにまた大学院に進学される皆さんと共に、声高らかに宣言したいのであります。「新時代の英才は、ここにあり! 21世紀の地球を照らす、希望の光は、ここにあり!」と。
 この素晴らしき逸材を、わがアメリカ創価大学に送り出してくださったご家族の方々に、私は深く深く御礼を申し上げます。
 私が心より信頼する教員の先生方、職員の方々、人類の宝である、かけがえのない学生たちの薫陶を、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

友情と対話の大学

  一、SUAのキャンパスを、私は、時空を超えて、ギリシャアテネ郊外のコロノスの丘のふもとに広がっていたアカデメイアと重ね合わせています。
 哲人プラトンが創立し、リベラルアーツ教育の源流と讃えられた学園は、「友人たちの学校」とも呼ばれました。師・プラトンは、愛する学生を「友人たち」と敬意を込めて呼び、教員も学生も共同生活を送りながら、友人として親しく語り合い、学び合っていったのです。数多くの外国人学生が、その門を叩いた、世界に開かれた学舎でもありました。
 SUAは、高邁な先人たちの探究の心を受け継ぐ、向学の世界市民たちによる「友情のキャンパス」であり、「対話の大学」であります。 
 世界中の多彩な文化的背景を持つ学生、教職員が建学の理念を分かち合い、互いに敬愛の念を持って、闊達な対話を深める環境が整っております。
 プラトンは、「魂のうちにほんとうの意味で書き込まれる言葉、ただそういう言葉の中にのみ、明瞭で、完全で、真剣な熱意に値するものがある」(廣川洋一著『プラトンの学園 アカデメイア岩波書店)と語りました。
 皆さんは、ここアリソビエホの精神の広場で、縁も深き学友と語らいを重ね、そして思索を深めゆく中で、自身の魂に、ひいては人類の魂にまで、真金の言葉を書き込んでいっていただきたいのであります。

 貢献的人生を歩む

  一、私は、人生の師・戸田城聖先生のもとで、プラトンの哲学を学び、感服したことを思い起こします。
 すなわち、「思慮」とは「それ自体で、人間の仕合せを作りうる力」(向坂寛訳『プラトン全集15』岩波書店)なりというのであります。学問もまた、煎じ詰めるところ「人間の仕合わせ(幸福)を作りうる力」をつけるためにこそあると言って、決して過言ではないでありましょう。
 私の先師である牧口常三郎先生は、教育の目的は若き生命の幸福にあると結論されました。
 しかも、牧口先生によれば、真の幸福とは、自分だけのものではない。社会の一員として「自他共に幸福なる生活を遂げること」であり、「貢献的人生」を歩んで平和な社会の創造に努力することでありました。
 第2次世界大戦中、平和の大信念に殉じて獄死した、この希有の大教育者こそ、我らの創価教育の誉れの源流であります。貢献的人生を歩む世界市民の連帯を築きゆく、アメリカ創価大学の使命の淵源も、ここにあるのであります。そして、それこそ、まさに今、世界が渇望している真に思慮深き人材像に他ならないことを、誇りとしていただきたいのであります。
 私が共に対談集を発刊した、20世紀を代表する大歴史家アーノルド・J・トインビー博士は、まぎれもなく貢献的人生を歩まれた偉大なる世界市民の模範でした。
 博士は、「私は人間だ。だから人間にかかわることは何一つ私にとって無縁とは思われぬ」という古代ローマの劇作家テレンティウスの箴言を、深く心に刻まれていました。そして、2度の世界大戦の経験から、「私と同年輩の人々のうちあれほど多くの人の命を途中で断ち切るという罪を犯した運命に、私の孫たちや曾孫が襲われることのないように、私はできるかぎりのことをしなければならない」(山口光朔・増田英夫訳『A・J・トインビー 回想録Ⅰ』社会思想社)と人類の文明を俯瞰され、平和創出への言論を貫かれたのであります。
 なお、その博士が、ご自身にとっての「第二の教育」と振り返り、生涯の宝とされていたのが、皆さんとほぼ同じ年代に、ギリシャで過ごした「遊歴修業」の一年間でありました。アメリカ創価大学において3年次に国外留学を経験する「スタディー・アブロード」は、博士の青春の飛躍にも通ずる、若き世界市民としての大いなる雄飛の時と、私は見守っております。
 ともあれ、博士の「挑戦と応戦」の歴史観が示唆する如く、皆さんはどんな試練の挑戦にも、たくましく、また朗らかに応戦しながら、不撓不屈の創造的知性を錬磨していただきたいのであります。

 負けじ魂で前進を

  一、私が現在、新たな対談を重ねているブルガリアの芸術史家・ジュロヴァ博士は、語られました。
 「自分が生きている時代が直面する諸問題に正面から向き合うには、勇気と先を見通す力、そして知恵が必要です」と。
 愛する君たち、あなたたちよ。苦難も失敗も断じて恐れない、負けじ魂の勇気を! 歴史に学び、未来を見つめつつ、今この時にベストを! 良き学友と励まし合い、楽観主義で前進する聡明な知恵を!と申し上げ、祝福のメッセージといたします。
 私は、わが生命の宝である皆さんの健康と無事故、そして大成長を、皆さんの父上・母上とご一緒に真剣に祈り抜いていきます。お元気で!(大拍手)

創大通教 学光祭への池田先生のメッセージ 2017年8月16日

SEIKYO online (聖教新聞社):随筆など

創大通教 学光祭への池田先生のメッセージ 2017年8月16日

苦闘こそ新しき創造への力

 美しき向学の生命が躍動する「学光祭」、誠におめでとう!
 忙しい中をやりくりし、日本全国、そして世界各国から集い合われた光の友のスクラムを、私は最大にねぎらい、讃えたい。
 「終戦の日」のきょう、私もディスカバリーホールに駆け付け、皆さんと一緒に、この世界市民の学びの連帯にこそ、未来を拓く希望と平和の光があると、声高らかに宣言したい思いでいっぱいであります(大拍手)。
 本日は、常日頃の通教生の皆さん方の奮闘をしのびながら、一点、「苦闘の中の挑戦こそ、新たな創造の力なり」とエールを送りたい。
 本年、アメリカ創価大学の卒業式で講演をしてくださった、高名な心理学者のチクセントミハイ博士は、語っておられました。
 「創造は、たとえ困難であったとしても、価値のある何かを達成しようと自発的に努力し、身体と精神を働かせるときに発揮されるものです。つまり、創造には『能動的』生き方という前提条件があります」と。
 私には、学ぶという皆さん方の誇り高き「通教スピリット」と重なり合う、洞察と思えてなりません。
 仕事や家事、子育て、社会貢献など、人の何倍も多忙な時間の合間を縫い、勇み求めて学問に挑みゆく皆さんです。講義にあっても、はつらつと臨み、一言ももらすまいと耳を傾けて、ノートを取りゆく真剣な姿を、先生方も、皆、感嘆されています。
 大変な中で、怯まず、惑わず、積極果敢に学びの挑戦を続ける。それは、まさしく生命の究極の能動性の光です。地味であり、地道でありながら、そこにこそ、大いなる可能性の開花があり、新たな創造の力が脈々と湧き来ることは、断じて間違いありません。
 今、皆さんが「負けじ魂」即「通教スピリット」を燃やし、不屈の一歩前進の一日一日を勝ち取っていくことが、必ず一家眷属にも、また後輩たちにも、何よりの創造の炎となって受け継がれていくのです。
 明年4月へ、文学部人間学科の通教課程開設の準備も進んでおります。通信教育部のますますの大発展を見つめつつ、「信」を「通」わせ合う宝友の皆さんの健康長寿と、ご一家の栄光勝利を、私は祈り続けていきます。
 終わりに、わが師匠から授けられた「人生は強気でいけ!」との叫びを、不二の皆さんに贈り、私のメッセージといたします(大拍手)。

 

〈座談会 栄光の峰をめざして〉53

SEIKYO online (聖教新聞社):紙上座談会

〈座談会 栄光の峰をめざして〉53 世界宗教の新たな雄飛へ 広がるSGIの教学運動 2017年8月14日

研さんが拡大と育成の力に
〈出席者〉
原田会長
永石婦人部長
森中教学部長
志賀男子部長
伊藤女子部長

 伊藤 「教学部初級試験・青年部教学試験3級」(9月24日実施)に向け、各地で教学研さんが活発に行われていますね。

 原田 池田先生は、「伝統の教学試験に向け、若人の求道が、何と凜々しいことか。受験者を応援してくれるスクラム尊い限りである」と心からたたえられています。勉強会や、受験者の激励に尽力してくださっている皆さまに、あらためて感謝申し上げます。

 森中 研さんのための教学講座も、SOKAチャンネルVODで配信され、各地で活用されています。また今日から、創価学会公式ホームページ「SOKAnet」でも配信されます。

 志賀 男子部では、例年以上の勢いで取り組みが進んでいます。ある地域では「合格責任者」を明確にし、モバイルSTB等も活用しながら小単位で勉強会を行っています。また、御書講義を行うメンバーの育成にも力を注いでいます。

 伊藤 女子部でも「青年部教学試験3級」、また「池田華陽会御書30編」の読了運動を通して、新しい人材が立ち上がっています。「行学の翼」を鍛えゆく大成長の夏としていきます。

 原田 秋には、伝統の「教学部任用試験(仏法入門)」も行われます。教学試験は「人材育成の要」として、日本だけでなく海外でも実施されています。海外だけで、毎年平均、60カ国・地域で約16万人が教学試験を受験する規模にまで広がっています。「行学の二道をはげみ候べし」(御書1361ページ)と仰せの通り、「弘教」と「教学」が連動し、広布前進の大きな活力となっています。

「宿命転換」の法理

 永石 今、未来部の教学研さんも世界に広がっていますね。ブラジルでは昨年9月、任用試験と同時に、少年少女部・中等部を対象に「教学オリンピック」という名称で、教学試験を開催しました。

 森中 「10年、20年、30年後に人生の岐路に立った時、前に進む力にしてほしい」との思いを込めて行われたそうです。未来部員3600人が参加し、「題目」や「信行学」などの信心の基本、日蓮大聖人の御生涯、御書を学び合いました。

 伊藤 ブラジルの未来部長が語っていました。「2030年のブラジルの先頭に立ち、広宣流布を成し遂げていくのは現在の未来部の世代です。だからこそ、教学を勉強し、池田先生のことを学ぶ中で、師弟不二の精神を感じてもらいたい」と。今年も実施する予定で多くのメンバーが受験を決意しているそうです。

 永石 昨年末、第1回の「アフリカ統一教学実力試験」も、19カ国105会場で行われましたね。老若男女、内外を問わず、学ぶ喜びが爆発した大歓喜の試験だったと伺いました。

 森中 日蓮大聖人の御生涯、「一生成仏抄」「阿仏房御書(宝塔御書)」の2編、「仏教人間主義の系譜」「日顕宗を破す」を学び、成仏の考え方、御本尊の意義などが明確になり、確信を深めています。

 志賀 アフリカのメンバーが特に興味を持ち、心に残った教材が「日顕宗を破す」だったそうですね。

 森中 そうなんです。いわば日顕宗の“対極”にあるSGIがいかに崇高か、いかに「人間の宗教」としての深い価値があるかを知り、仏意仏勅の使命をあらためて自覚しています。本年、第2回の開催も決定し、大きな喜びが広がっています。

 原田 海外各国での入会動機の多くに、「仏法の『宿命転換』の法理に感銘した」ということが挙げられますね。「運命は変えられる」との言葉は大きな驚きと感動を与えています。

 森中 各国の教学試験や教学研修会を通して、教学を求める観点が一重深まっていることを実感します。特に法華経の「願兼於業(人を救うため、あえて宿業を背負い、願って生まれること)」の法理は各国のメンバーに浸透しています。

 原田 「願兼於業」の法理をふまえた生き方を池田先生は「宿命を使命に変える」と示されています。この言葉は同志の大きな信心の確信となっていますね。

創価学会仏の誇り

 志賀 欧州や北米、中南米の青年部が、一番関心をもっているテーマは「立正安国」だと伺いました。

 森中 激動の時代にあって、不安定な社会情勢が続く中、SGIの青年たちは、自分たちに何ができるのかを真剣に考えています。「立正安国」の精神を通し、一人一人の生命を変革していくことこそ、さまざまな問題の解決への直道であると確信し、「一対一の対話」に挑んでいます。

 伊藤 この夏、来日したインド、ブラジルの青年部の代表も皆、求道心を燃やし、真剣に研さんしていました。「人間主義の哲学」「生命尊厳の法理」を世界の青年が希求していますね。

 森中 今、強く感じているのは、SGIメンバーが「創価学会仏」との誇り、そして「アイ アム シンイチ・ヤマモト(私は山本伸一だ)!」との自覚で前進していることです。世界広布の大願の成就を誓い、現代に出現したのが、仏意仏勅の団体である創価学会です。戸田先生は、「学会は、この末法にあって、これだけ大勢の人に法を弘め、救済してきた。未来の経典には、『創価学会仏』という名が厳然と記されるのだよ」と語られました。

 永石 私たち一人一人の広布の戦いが「創価学会仏」として、未来に語り継がれていく――これほど素晴らしいことはありませんね。

 原田 小説『新・人間革命』第30巻「大山」の章で池田先生は綴られました。
 「広宣流布に戦う根本精神が師匠から弟子へと脈々と受け継がれ、一つの組織体として活動し続けるならば、それは、民衆を救済し続ける恒久的な仏の生命力をもつことになる。『創価学会仏』とは、初代会長・牧口常三郎、第二代会長・戸田城聖という師弟に連なり、広宣流布大誓願の使命に生きる同志のスクラムであり、地涌の菩薩の集いである」
 世界宗教として新たな雄飛を遂げゆく今、私たちは、全世界の地涌の同志と心一つに、「広宣流布大誓願の使命」を果たしてまいりたい。

 

創価池田女子大学入学式への池田先生夫妻のメッセージ 2017年8月11日

SEIKYO online (聖教新聞社):随筆など

創価池田女子大学入学式への池田先生夫妻のメッセージ 2017年8月11日

たゆまず英知を磨き鍛え
青春凱歌の軌道を進め!
創価池田女子大学の新入生が、創価大学からの交換留学生らと記念のカメラに納まった

 誉れの創価池田女子大学は、2000年の開学以来、まさしく21世紀という「女性の世紀」を照らす教育の太陽として、輝く大発展を続けております。
 心身ともに健やかな女性を育む伝統が築かれ、スポーツの世界大会や全国・州の大会でも、目覚ましい活躍が光っています。
 いつも陰に陽に、学生たちを守り支えてくださっているクマナン議長ご夫妻、ムルゲッシュ学長代理はじめ、教職員の皆さま方のご尽力に、私と妻は、満腔の敬意を表したいのであります。
 この8月15日、貴国は1947年の独立から、栄光の70周年の佳節を迎えられます。
 独立の父マハトマ・ガンジーの高弟で、生涯、師弟の大道を貫いた非暴力の闘士に、私も友好を結んだG・ラマチャンドラン博士がおられます。人生の最晩年の独立記念日、博士は、未来を託す青年たちに三つの「F」を訴えられました。それは、「Free(自由たれ)」「Frank(率直たれ)」「Fearless(恐れるな)」とのモットーです。
 今日は、この独立の魂が込められたキーワードを通して、祝福のメッセージを送らせていただきます。
 第一に、「Free」。すなわち、「わが生命を自由自在に解き放つ『学びの光』を」ということです。
 ラマチャンドラン博士のモットーは、マハトマと出会いを結び、学び抜いた学生時代の鍛錬の日々に育まれたといいます。祖国の人々の自由のために、わが使命を自覚して力をつけながら、非暴力の闘争に邁進していったのです。
 究極の非暴力にして、平和を創造する力こそ、学問であり、教育にほかなりません。
 くしくも、あのインド独立の前夜の8月14日、19歳の私は、生涯の師と仰ぐ戸田城聖先生と初めてお会いしました。
 戦時中、軍国主義の弾圧に屈しなかった信念の人間教育者は、戦火や貧困に苦しむアジアと世界の民衆の流転を転換しゆくために、「人間革命」のビジョンを掲げ、一人一人の青年がいかなる不幸の鉄鎖も断ち切って、自らの生命の可能性を信じ、解き放っていけるよう、励まし指導してくださいました。
 私自身、10年近くに及ぶ日々の個人授業で、万般の学問を授けていただいたのです。
 ガンジーは、「精神の向上は、絶え間ない努力によってのみ実現する」と語っています。
 一人ももれなく偉大な使命の皆さんです。たゆまず粘り強く学び抜き、英知を磨き鍛えて、わが最極の生命を自由自在に、高く高く飛翔させていただきたいのであります。
 第二に、「Frank」。これは、「率直に語らい、温かく励まし合う『友情の熱』を」という点です。
 100年ほど前の夏8月、日本を初めて訪れた詩聖タゴールは、緑の丘で女子学生たちと大きな樅の木の下に座って語らい、詩を紡ぎました。乙女たちはさまざまな質問を投げかけ、タゴールは、その「熱心にして率直」(『古の道 タゴール講演集』北昤吉訳、プラトン社=現代表記に改めた)な向学の姿勢に感嘆したといいます。
 誠実な言葉を響かせて、友情を結び合う女性たちの快活な対話は、それ自体が、何と薫り高き詩歌を奏でゆくことでしょうか。
 タゴールは、「美と善の心および勇敢と柔和の精神」(前掲書=同)は、女性の心情を通じてこそ、世々代々に伝わると綴っております。聡明な女性のスクラムが広がれば広がるほど、家庭を、地域を、社会を明るく照らし、「平和の文化」で温めていくことができます。
 どうか、最良の学友と仲良く励まし合い、このキャンパスから、麗しき「女性の世紀」の熱を、世界へ未来へ送っていってください。
 第三に、「Fearless」。「太陽の心で、恐れなく朗らかに『希望のエネルギー』を」と呼びかけたい。
 私が対話を重ねた、インドの教育の母・ムカジー博士は、若き日に最愛の家族を失いながらも、“どんな雲の陰にも太陽は輝いている”と、悲哀を乗り越えて学究の挑戦を続け、そして慈愛の教育者として社会貢献の人生を歩み通されたのです。
 ムカジー博士は、若人にメッセージを残されました。「自分らしく真摯に生きるのです。自身の能力に確信を持つのです。真理をもって目標に達するのです。そして、自分の正義を信じて恐れなく進むのです」と。
 太陽は、いかなる闇も打ち払い、わが軌道を悠然と正確に進みます。
 「幸福の太陽」たる皆さんも、悩みや苦しみの暗雲を見下ろしながら、「私は負けない!」と誓いの太陽を昇らせてください。
 希望のエネルギーを満々とたたえつつ、青春凱歌の軌道を恐れなく朗らかに勝ち進んでいっていただきたいのです。
 私も妻も、世界の宝、人類の宝の皆さんが、健康で幸福で、最高に充実した学生生活を飾れるよう、日々、真剣に祈ってまいります。
 地球の未来を照らす「太陽の乙女」たちよ、青春の生命を磨き、勝ち光れ!(大拍手)

 

〈座談会 栄光の峰をめざして〉52 

SEIKYO online (聖教新聞社):紙上座談会

〈座談会 栄光の峰をめざして〉52 回向の本義「題目の光は無間にまで至る」 後継の自覚で力強い唱題を 2017年8月10日

邪義で信者だます日顕
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
竹岡青年部長
志賀男子部長
伊藤女子部長
自行化他の題目を唱え、広布にまい進する学会活動の偉大な功徳を故人に回(めぐ)らし向ける。ここに回向の本義が(昨年8月、中部池田記念墓地公園での諸精霊追善勤行法要)

 伊藤 本日から16日まで毎日、全国の墓地公園・納骨堂では、「諸精霊追善勤行法要」が営まれます。また、会館で実施される地域もあります。
 
 原田 学会の墓園には、多くの方から信頼と共感の声が寄せられています。学会員でない親族の方が、明るく、すがすがしく、何より管理の行き届いた墓園を訪れて“私もぜひ入りたい(笑い)”との感想を届けられることもあります。
 
 伊藤 池田先生が示された墓園の基本理念――「恒久性」「平等性」「明るさ」を体現した「生死不二の生命の宮殿」に、感動が広がっているのですね。
 
 長谷川 御義口伝には、追善回向について、明確に仰せです。「日蓮およびその門下が、故人を追善する時、法華経を読誦し、南無妙法蓮華経と唱えたならば、題目の光が無間地獄にまで至って、即身成仏させることができる」(御書712ページ、通解)

 永石 広宣流布の途上で亡くなられた、家族、同志、友人、先祖代々の、安穏と福徳を祈念する勤行法要は、御書に仰せ通りの回向の場ですね。

 伊藤 小説『新・人間革命』第25巻「薫風」の章には、御聖訓「人のをやは悪人なれども子・善人なれば・をやの罪ゆるす事あり、又子悪人なれども親善人なれば子の罪ゆるさるる事あり……」(同931ページ)を引用され、このように書かれています。
 「親子、家族の絆は強い。成仏のためには、生前の故人の信心が最大の要件であることは当然ですが、残された子どもなど、家族が真剣に題目を送ることによって、故人を成仏に導くことができます」と。

 長谷川 さらに、「他界したあとは、回向される側の成仏・不成仏は、回向する側の信心のいかんにかかってきます。したがって、ご遺族など、回向する方々が、強盛に信心に励んでいくことが、大事になるんです」と続きます。

 原田 私たちにとって法要は、哀悼の感情で故人に思いをはせるだけでなく、強盛な信心に立ち、広布の道を歩むことを誓う場です。それによって、故人の成仏もかなっていくのです。

日々の祈りで追善

 長谷川 先生は、仏法で説く「逆即是順」(逆即ち是れ順なり)の法理についても言及されています。

 原田 「逆」とは逆縁――仏の教えを聞いて正法を誹謗することであり、「順」とは順縁――仏の教えを聞いて素直に信心することです。
 つまり、「逆即是順」とは、一切衆生が仏性を具えているため、たとえ正法を誹謗した人であっても、正法に縁したことが因となって、必ず成仏できることを説いています。

 永石 これを通し、先生は語られました。「南無妙法蓮華経という大法をもって回向するならば、物故者の生命が悪業をはらんでいたとしても、悪は即善と顕れ、成仏させることができるのであります。しかも、この題目の回向によって、自分自身にも福運と威光勢力が具わっていきます。そこに、私どもの追善の深い意義があります」と。

 原田 生命力を満々とたたえた力強い題目によって、諸精霊の威光勢力が増す――偉大な妙法の功力を再確認する指導です。

 永石 先生はまた、遺族の方々に対して、広宣流布という「名誉ある道を歩んだ先覚者の遺志を、必ず継承していってください。その意味から、ご自分を、単なる『遺族』と考えるのではなく、南無妙法蓮華経という宇宙根源の法を持った、広宣流布の『後継者』であると、強く自覚していっていただきたい」と言われています。

 原田 日蓮大聖人の仏法は、常盆、常彼岸です。私たちは、日々の勤行・唱題で、故人に真心の題目を送るとともに、決意を新たにして、広布にまい進していくことが大切です。それでこそ、故人も喜ばれることでしょう。

“供養稼ぎ”に躍起

 志賀 一方、この時期、“僧侶に拝んでもらわなければ、成仏できない”“塔婆を立てなければ、先祖の追善回向にならない”など、大聖人の教えに違背した邪義を唱え、供養稼ぎに躍起になるのが、日顕宗(日蓮正宗)の坊主です。

 竹岡 大聖人は、「謗法の者をやしなうは仏種をたつ」(同1467ページ)と断じられている。仏法を利用して、金もうけばかりを考えている“食法がき”の坊主に拝まれて、成仏などできるはずがない。かえって悪道に堕ちることは間違いない。

 志賀 しかも、日顕宗には、この現代でも、「僧が上」で「信徒が下」という時代錯誤の差別主義が横行している。

 竹岡 さらには、大聖人の仏法と懸け離れた、“法主絶対”“法主信仰”の強要だ。法主から法主へ相承を受けるだけで、どんな人物でも大聖人の法魂が宿るという、カルトまがいの“神秘的な血脈観”を信者に押し付けている。当然、そんなことは御書のどこにも書かれていない。

 原田 「日本国の一切衆生法華経を信ぜしめて仏に成る血脈を継がしめん」(同1337ページ)と仰せのように、仏になるための血脈は万人に開かれている。大聖人の仏法が、民衆仏法といわれるゆえんです。

 志賀 大聖人の仏法を、現実に世界192カ国・地域に広めたのは学会です。SGIです。

 竹岡 先生は今、『新・人間革命』を通して、第1次宗門事件の真実を教えてくださっています。私たち青年部は、この歴史を学びながら、邪宗門に鉄ついを下す正義の言論戦を力強く展開していきます。

 原田 学会は、衰亡しゆく日顕宗を悠然と見下ろしながら、どこまでも、大聖人直結、御書根本で、世界宗教の大道を歩み抜いてまいりたい。

 

〈座談会 栄光の峰をめざして〉51 

SEIKYO online (聖教新聞社):紙上座談会

〈座談会 栄光の峰をめざして〉51 「一対一の対話」で「民衆の連帯」を 世界平和の誓いを新たに 2017年8月7日

国連 核兵器禁止条約を採択
〈出席者〉
原田会長
平和委員会 石渡議長
女性平和委員会 前多委員長
竹岡青年部長
青年平和会議 浅井議長
伊藤女子部長
国連本部で行われた核兵器禁止条約の交渉会議
未来部が成長の夏

 竹岡 未来部の夏季研修会が先日、創価大学で行われました。未来部同士のディスカッションや先輩との交流などを通して、見違えるように大成長した姿に本当に感動しました。

 伊藤 躍進月間の真っ盛り、「E―1グランプリ」をはじめ、各種コンクールへの挑戦、また「創価ファミリー大会」など、各地で活発に行われていますね。

 原田 今、世界各国でも未来部の研修会が行われています。池田先生は「『学会の永遠性の確立』の急所は、まぎれもなく、未来部の育成にある」と呼び掛けられました。広布の永遠の流れを創る聖業との思いで後継の宝を励まし、共に成長してまいりましょう。

被爆体験」を継承

 竹岡 8月6日・9日は、広島・長崎の「原爆の日」。そして15日には「終戦の日」を迎えます。

 原田 広島・長崎では、「原爆の日」に合わせ、原爆犠牲者・戦没者を追善する勤行法要が営まれ、15日には全国で「世界平和祈念戦没者追善勤行法要」「諸精霊追善勤行法要」も執り行われます。全ての方々へ追善の祈りをささげるとともに、世界平和への誓いを新たにしてまいりたい。

 前多 「広島学講座」や「ピースフォーラム2017(長崎平和学講座)」「核兵器廃絶のための学生主張大会」など、平和建設を誓う諸行事も、広島・長崎で開催されています。

 竹岡 「被爆体験を聞く会」も各地で行われていますね。私の祖母も、広島の被爆者の一人として、被爆体験を語り続けています。

 石渡 「核兵器のない世界」の実現のためにも、被爆者の方々の体験や記憶を継承していくことは、戦後70年以上経過した今、大きな課題となっています。

 竹岡 被爆者の方々の思いを、世界の多くの青年と共有するため、青年部として「原水爆禁止宣言」60年の意義を込め、被爆証言集の英語版(第三文明社刊)を発刊します。

 浅井 世界の青年が、被爆者の心の声に耳を傾け、核兵器廃絶へ主体者となって立ち上がる一助となることを念願しています。

 竹岡 そして9月には、宣言発表の地・神奈川で「青年不戦サミット」を行います。広島・長崎・沖縄の3県をはじめ神奈川、各方面、さらに世界の青年部の代表が集い合い、核時代との決別を強く求める青年の声を結集してまいります。

 前多 女性平和委員会では、被爆体験を伝える「草の根の映写会」を各地で開催しています。「平和への願いをこめて――広島・長崎 女性たちの被爆体験」や「知られざるヒロシマの真実と原爆の実態」「恒久平和を目指して 核兵器廃絶への挑戦」などをDVD・VODで視聴しています。

 石渡 「これほど残酷なものとは思わなかった。世界の人々に見てもらいたい」「二度と戦争を起こしてはいけないと強く感じた」「証言者の言葉は、永遠に残していくべき」「こうした活動こそ、社会を大きく変えていく」など大きな反響を呼んでいますね。

 原田 池田先生は綴られています。「世界地図には載っていない、一番、身近な『ご近所』から、人間の『尊厳』と『幸福』と『平和』は広がる」「狭い路地の奥にまで足を運んで、近隣の友と語り合い、地道に友好を拡大していく。その女性たちの勇敢で誠実な努力こそが、社会を変え、歴史を変え、世界を変える」

 前多 まさに女性平和委員会として大切にしている精神です。「核兵器のない世界」の実現を願い、身近な所から、「草の根の運動」を広げてまいります。

先見に満ちた宣言

 浅井 7月7日、被爆者の皆さまの願いであった「核兵器禁止条約」が採択されました。核兵器の使用や開発、実験、製造、保有、移転、そして使用の威嚇などを禁止した、人類史上初の国際条約です。

 石渡 SGIも市民社会の一員として、採択に貢献をしてまいりました。尽力されてきた世界の被爆者の方々、各国政府、国連、国際機関、NGOをはじめ、関係者の全ての皆さまに心から敬意を表します。

 前多 禁止条約では2度にわたり、被爆者への言及がなされ、前文には「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみと被害に留意する」とあります。また「宗教指導者」や「平和及び軍縮教育」への言及もあります。さまざまな意味で、画期的な条約であると思います。

 伊藤 折しも今年は、戸田先生が、人類の生存を脅かす核兵器を“絶対悪”とした「原水爆禁止宣言」の発表から60年。この節目に禁止条約が採択されたことに深い意義を感じます。

 浅井 国際反核法律家協会理事の山田寿則氏は、こう語っていました。「極めて先見性に満ちた宣言だと思います」「宣言が持つ深さ、あるいは、洞察の鋭さを認識するべきでしょう。この原点を外してはいけないし、むしろこの方向に向かって禁止条約は進むべきだと思います」と。

 石渡 9月20日から「核兵器禁止条約」への各国の署名が始まります。歴史的意義を持つこの条約に、世界の全ての国が署名することを心から念願します。

 竹岡 誰よりも、被爆者の皆さまがそれを切望しています。池田先生は語られています。「核時代に終止符を打つために戦うべき相手は、核兵器でも保有国でも核開発国でもありません。真に対決し克服すべきは、自己の欲望のためには相手の殲滅も辞さないという『核兵器を容認する思想』です」と。

 原田 人類の悲願である「核兵器のない世界」の実現に向け、不可欠なのは、こうした意識変革の下支えです。私たちは、「一対一の対話」を軸に、志を同じくする人々と「民衆の連帯」をさらに広げ、「平和の潮流」を確かなものにしてまいりたい。

 

創大通信教育部スクーリング開講式への池田先生のメッセージ 2017年8月7日

SEIKYO online (聖教新聞社):随筆など

創大通信教育部スクーリング開講式への池田先生のメッセージ 2017年8月7日

学び続ける勇者たれ! 自他共の常勝と価値創造の道を

 「学は光、無学は闇。知は力、無知は悲劇」。我らのキャンパスの「学光の塔」に刻まれた、この創価教育の大精神を体現されゆく、誉れの通教生の皆さん方! 暑い中、また多忙のところ、日本全国、そして17カ国・地域から、誠に誠に、ご苦労さまです。
 「学光の塔さながら通教生」「通教生さながら学光の塔」たる、尊き賢者の皆さん一人一人と、私は心の握手を交わしながら、きょうからの全スクーリングを見守らせていただきます。
 来月は、日本と中国の国交正常化から45周年の佳節です。
 共々に手を携えて、両国間の金の橋を架けてきた宝の友人の一人が、中国教育学会の名誉会長を務められる顧明遠先生です。
 この顧先生と私は対談集(『平和の架け橋』)の中で、“「生涯教育」こそ良き社会を築く鍵なり”と深く一致しました。
 顧先生は、ここ創価大学で語られております。
 「この瞬間も大きく変化している社会において、ただ学ぶということだけが、新しい創造を生み、不敗の地に立つことができる」
 そして顧先生は、わが創大通信教育部の挑戦に、大いなる信頼と期待を寄せてくださっているのであります。
 人生も社会も永遠に闘争です。しかし学び続ける勇者は、決して行き詰まらない。生き生きと常に価値を創造し、自他共に常勝不敗の道を開きながら、平和のスクラムを拡大していくことができる。
 ともあれ皆さんが、こうして創大に集い合われたこと自体、幾多の困難に打ち勝った証しに他ならないと、私は感激しております。
 特に本年は、九州をはじめ日本各地で記録的な大雨が続いています。東北や熊本も、震災からの復興へご苦労が絶えることはありません。
 さまざまな苦難に不撓不屈の負けじ魂で立ち向かう学光の同志を、互いに大拍手を送り、讃え合いたいと思いますが、どうでしょうか!(大拍手)
 どうか、水分補給など体調管理に十分気をつけながら、縁の学友と共に、楽しく有意義で、充実した一日一日をお過ごしください。
 結びに、敬愛してやまない皆さんに、
 
  勝ち光れ
   学の宝塔
    君なれば
 
 と贈り、私のメッセージといたします。心身も頭脳も、ますます頑健にと祈りつつ(大拍手)。

 
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