〈座談会〉創立100周年へ向かう“大事な十年” 眼前の戦いに一つ一つ勝利! 2020年1月16日
〈座談会〉創立100周年へ向かう“大事な十年” 眼前の戦いに一つ一つ勝利! 2020年1月16日
- 〈出席者〉原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長
大串 1月度の本部幹部会の中継行事が、本日から始まります。いよいよの決意で出発していきたいと思います。
永石 池田先生は、本年の学会創立90周年から、100周年へと向かう10年は、「人類にとって重大な分岐点となる十年」であり、「地球の平和と繁栄を開く大事な十年」であると強調されています。
長谷川 学会にとっても、この10年間は、眼前の戦いを一つ一つ勝ち越え、「末法の令法久住」を盤石に決していく重要な時となります。
原田 大事な一年のスタートに当たり、私たちは、「自身の一歩前進」こそ、創立100周年を勝ち開いていくと命に刻んでまいりたい。まずは、先生の第3代会長就任60周年の「5・3」を、折伏と人材の拡大でともどもに祝賀していこうではありませんか。
大串 女子部では「ロマン総会」が始まりました。私も早速、会合に参加。少人数の集い(本部・支部単位)だからこそ、皆で率直に語り合うことができ、笑顔が絶えませんでした。
原田 先生は、8日付の「新時代を築く」の中で、「妙法の乙女が生き生きと躍動するところ、家庭も、社会も、未来も、福徳と智慧の門が開かれていく」とつづられています。皆さんの前進こそ、世界の希望なのです。
永石 「華陽姉妹が『一番星』の輝きを自分らしく伸びやかに放っていけるよう、婦人部と共に皆で応援していきたい」とも述べられています。私たちも、「ロマン総会」の大成功を全力で応援しています。
大串 ありがとうございます。一人でも多くのメンバーと総会に集い、信心の確信を深めながら、幸の連帯を広げ、池田先生の誕生月を祝賀してまいります。
西方 このたび、正義の論陣の先駆けを担ってきた「創価新報」が「月刊紙」となり、特に「教宣」に力を入れた青年部の機関紙として、リニューアルされました。
原田 企画の柱の一つが、これまでの学会の正義の闘争史を振り返るインタビューです。1月号は、谷川主任副会長が第2次宗門事件について語っています。
長谷川 また、小説『人間革命』『新・人間革命』から破邪顕正の魂を学ぶ連載も始まりました。
西方 男子部は、この「創価新報」を大いに活用しながら、正義の言論戦をさらに力強く繰り広げてまいります。
永石 男子部では今、広布後継の「3・16」を目指し、わが部、わが本部で10人の「一騎当千の人材」を育成する「広布十傑運動」を推進し、人材のすそ野を大きく広げていますね。皆が応援しています。
西方 ありがとうございます。全リーダーが訪問・激励に奔走し、「部活・本部活」の「10人結集」に総力を挙げてまいります。
長谷川 拡大においても、「5・3」を目指し、「全国3万の折伏」を掲げて進んでいますね。頼もしい限りです。
西方 弘教拡大と人材育成の決勝点として、3月に北海道、5月に総東京、7月に九州で、「新時代全国男子部幹部会」を開催します。必ずや勝利の実証を打ち立ててまいります。
原田 本年は、阪神・淡路大震災から25年となります。先生はいつも、亡くなられた全ての方に、追善の題目を送ってくださっています。そして、「生死は不二であり、妙法で結ばれた我ら創価家族は、必ずや常楽我浄の旅を永遠に離れることなく続けゆけることを、私は確信してやみません」と励ましを送ってこられました。
長谷川 あの日から25年。兵庫、関西の同志は、不撓不屈の精神で、復興の道を歩んでこられました。関西魂を発揮し、世界の希望と輝く「三変土田」「立正安国」の実証を敢然と示してこられたのです。
原田 先生は、いかなる試練にも負けない、兵庫、関西の同志の強く深い団結の勝利を、日蓮大聖人が、これほどの「未来までの・ものがたり」(御書1086ページ)はないと労い、たたえてくださっているに違いない、と言われています。東北の同志とも肩を組みながら、地球社会を照らす励ましのスクラムを、さらに大きく広げていっていただきたい。
大串 さて、1月は、年間で最も平均気温が低くなる傾向です。特に今は「寒の内」で、一年で最も寒い時季といわれます。
原田 凍結などによる転倒の危険も高まります。高齢者の方は、会合参加に際しては、決して無理をされないよう、お願いします。
長谷川 また、交通事故にも十分に注意を払っていきたいと思います。特に、車を運転する方は、時間に余裕をもって安全運転に努めましょう。
永石 思わぬ所から人が飛び出してくるケースもあります。制限速度を順守し、細い道などでは、すぐに車を止められる徐行運転を心掛け、事故を未然に防いでいきたいと思います。
原田 携帯電話を使いながらの運転(ながら運転)の厳罰化も進んでいます。事故は、起こした人も、被害にあった人も、皆が悲しみます。絶対に起こさないよう、あらゆる努力を払っていきたい。
永石 また、歩行者の場合、信号がない車道を横切った所で事故に遭うケースがあります。たとえ面倒でも、信号のある横断歩道を使うようにしましょう。
原田 いずれにしろ、健康であり、無事故であってこその広布の活動です。皆で何度も声を掛け合いながら、充実と前進の日々を送っていきたい。
日蓮大聖人御聖誕800年を慶祝 明年に新版の御書全集を発刊
学会創立90周年となる「前進・人材の年」の開幕を祝賀する「世界広布新時代第45回本部幹部会」が11日午後、巣鴨の東京戸田記念講堂で盛大に開催された。
これには原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長が各部の代表、来日した海外19カ国・地域の同志と出席。
席上、日蓮大聖人御聖誕800年(2022年)慶祝の意義を込め、明年の11月18日を記念して御書全集の新版を発刊することが発表された。
池田大作先生は祝福のメッセージを贈り、この一年を「皆が前進!」「皆が人材!」と悔いなく戦い切って、朗らかに「人間革命」「宿命転換」の功徳の花を満開に咲かせ、共々に「常勝歓喜」の勝ち鬨を上げようと呼び掛けた。
さらに、かつて先生が「立春」に寄せて認めた書「創価人材乃城」が紹介された。
(全国中継は16日から19日〈中継の会場と時間は各県・区で決定〉)
「前進・人材の年」の開幕を高らかに告げる“号砲”が轟いた。
日本一の音楽隊・創価ルネサンスバンガードによる壮麗なファンファーレが、本部幹部会の会場となった東京戸田記念講堂に響きわたる。
「池田先生の第3代会長就任60周年」「学会創立90周年」など、幾重にも意義深き佳節を迎える2020年。
それは、“人類にとって重大な分岐点となる十年”を勝ち越えるための基盤を築きゆく、重要な一年である。
皆が新たな広布の山へ勇躍の“前進”を! 皆が人間革命の劇をつづる“人材”に! さあ自分自身の新記録を目指して、勢いよくスタートダッシュを!
続いて幹部会のステージには、今月結成55周年を迎える中等部を代表して、「富士中学生合唱団」のメンバーの凜々しい姿が。
創価グロリア吹奏楽団の演奏に合わせて、学会歌「青年よ広布の山を登れ」を歌い上げる。
〽青年とは
希望とは
真実とは
広宣流布という
友のための法戦を
貫きゆくことなのだ ……
“創立100周年の広布の主役”である未来部の力強い歌声に、参加者の拍手がしばし鳴りやまなかった。
合唱などの後、池田主任副会長が池田先生のメッセージを代読。
その中で先生は“「前進・人材の年」の最初の幹部会に当たり、一幅の書を、この師弟の大城で掲げたい”と述べ、墨痕鮮やかな大書を紹介した。
そこにつづられていた言葉は「創価人材乃城」――かつて「立春」に寄せて、先生が揮毫したものである。
さらに先生は、我ら創価の師弟が築き上げてきた「城」とは「民衆の城」であり、「平和の城」であり、そして「青年の城」にほかならないと強調。
「創立100周年への十年の先頭に立つ、誇り高き青年部・未来部の友の『熱と力』に、私は『令法久住』の一切を託します」と訴えた。
「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」とは、第2代会長・戸田城聖先生の確信であった。
今から60年前、第3代会長に就任した池田先生は当時32歳。「本日より、戸田門下生を代表して、化儀の広宣流布を目指し、一歩前進への指揮を執らせていただきます!」――この青年会長の烈々たる師子吼から、広宣流布の新時代が幕を開けたのである。
青年が一人立つ――ここに、次代建設の不変の方程式がある。
今回の本部幹部会の席上、活動体験を発表したのは、誠実な振る舞いで地域社会に信頼の輪を広げ、弘教拡大に先駆する男女青年部の代表3人だった。
矢野繁さん(香川総県創価班委員長)はあらゆる苦難を乗り越えて、学会厳護に生きる日々を報告。
戸塚美奈子さん(総埼玉白蓮グループ副委員長)は、“白蓮精神”を胸に営業職として屈指の実証を示す喜びを伝えた。
さらに、13年前に入会した長沼博之さん(東京・品川総区牙城会委員長)は、折伏の実践の中で長女の病を克服し、両親も入会に導いた感動を語った。
志賀青年部長は、今秋開催される「世界青年平和文化総会」を目指し、世界中の池田門下の若人が手を携えて弘教と人材拡大の金字塔を打ち立てたいと強調。また2030年に向けた青年部の平和運動について言及した。
原田会長は、明秋に御書全集の新版を発刊することを発表。「御書根本」「大聖人直結」の信心と、師弟不二の「一人立つ精神」こそ学会の永遠不変の根本精神であると力説し、創価の三代会長の不惜身命の闘争に連なる青年部が一切を勝ち開く時は“今”と訴えた。
さらに広布前進の鍵は、地道な「訪問・激励」と励ましの“決勝点”である「座談会」にあると強調。
まずは学会伝統の2月へ、寒風に負けじと胸を張って広布の山を駆け登ろうと呼び掛けた。
続いて、2001年9月の本部幹部会での池田先生のスピーチ映像を視聴。最後に全員で、学会歌「誓いの青年よ」を大合唱した。
小説「新・人間革命」に学ぶ 第15巻 基礎資料編 2020年1月8日
小説「新・人間革命」に学ぶ 第15巻 基礎資料編 2020年1月8日
- 連載〈世界広布の大道〉
今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第15巻の「基礎資料編」。各章のあらすじ等を紹介する。挿絵は内田健一郎。
1970年(昭和45年)、創価学会は、仏法の人間主義を根底とした社会建設への取り組みを本格化した。
山本伸一は、人間の精神の開拓を忘れ、便利さや豊かさのみを追求する社会の“歪み”を痛感していた。その最も象徴的な事例が、公害問題の深刻化である。彼は、月刊誌などで、公害問題の本質や対策について論及し、仏法の生命哲理の視点から公害根絶を訴える。
公害に苦しめられてきた熊本の水俣でも、53年(同28年)ごろから、学会員が誕生。友の幸せを願い、力強く生きる同志の姿は、地域の希望の存在となっていった。
74年(同49年)1月、伸一は第1回「水俣友の集い」に出席し、皆が「水俣の変革の原動力」となって、「郷土の蘇生の歴史を」と励ます。
また、70年から翌年の春にかけて、各地で文化・芸術のさまざまな催しが行われる。伸一も、創価の大文化運動の先駆けたらんと、「青年の譜」など、詩歌を次々に発表していく。
学会として「文化の年」と定めた71年(同46年)が開幕すると、彼は2月、北海道で初の“雪の文化祭”に出席する。雪像の展示や、ゲレンデでのマスゲームなど、新しき庶民文化の祭典を実現した友を、心からたたえた。
1971年(昭和46年)4月2日、東京・八王子に創価大学が開学。山本伸一は、牧口・戸田両会長の大学設立構想を受け継ぎ、その実現に全生命を注いできた。しかし、大学の自主性を尊重し、開学式も、入学式も出席を見送る。
創立者の伸一は、5月、創大生の代表等に、“学生が主体者となって全ての問題に取り組んでいってほしい”と語る。
1期生たちは、創立者と同じ責任感で、大学建設に奮闘していく。
当初、教員の一部に伸一の来学を歓迎しない空気があった。学生たちは自分たちが創立者を呼ぼうと、大学祭として「創大祭」を開催し、訪問が実現。さらに、翌年7月、寮生の「滝山祭」にも伸一は出席する。
72年(同47年)秋、理事会は、学費値上げの改定案を示す。だが、その進め方は、創立者が示した“学生参加”の原則に反するものだと、学生たちは主張し、白紙撤回となる。その後、学生たちは大学の財政について協議を重ね、自主的に学費値上げを決議する。
73年(同48年)の第3回入学式には、伸一が初めて出席。彼は、創価大学は、人類のため、無名の庶民の幸福のために開学したと述べ、「創造的人間であれ!」と訴える。
同年7月、伸一は「滝山祭」の盆踊り大会で、学生の中に飛び込み、手の皮がむけるほど太鼓をたたいて、全身全霊で激励する。また、この年の「創大祭」の祝賀会では、学生のために就職の道を開こうと、招待した各企業のトップ一人一人に、自ら名刺を渡してあいさつする。
75年(同50年)3月、第1回卒業式で彼は、生涯、創大で結んだ魂の絆を忘れるなと励ましを送る。伸一が命を削る思いで育んだ創大出身者から、世界各国で社会に貢献する多くのリーダーが誕生していく。
1971年(昭和46年)6月、山本伸一は、牧口初代会長の生誕100年を記念する、先師の胸像の除幕式に臨む。創価の源流を開いた牧口をしのび、“先生を獄死させた権力の魔性の牙をもぎとり、民衆が喜びにあふれた社会を築いてまいります”と誓う。
6月8日には、北海道へ。激励行の合間に、大沼で月の写真を撮影する。伸一の写真撮影は、「自然との対話」写真展に発展し、新たな民衆文化の波を起こすことになる。
彼は、学会の発展は、そのまま地域の興隆につながらねばならないと考え、地域の人々との懇親の集いをもつことを提案。伸一が出席し、「鎌倉祭り」「三崎カーニバル」が開催される。それは地域に根差した人間文化の「開花」の姿でもあった。
同年の夏季講習会の折、大型の台風の影響を受け、近くでキャンプを行っていたボーイスカウトの世界大会の参加者を避難させてほしいとの要請が入る。伸一の陣頭指揮で万全の支援を推進。感謝の言葉を述べるボーイスカウトの世話役に、彼は言う。「友情は人間性の証です。友情を広げ、人間と人間を結び合い、人類の幸福と平和の連帯をつくるのが、私どもの目的です」
1971年(昭和46年)6月、山本伸一は北海道の大沼へ。雲の切れ間から、まばゆい光を放つ月に、シャッターを切った。
「――夜空は、黒い闇である。大沼の湖面も天の色を写し取ったかのように、黒々としていた。しかし、やや青みを帯びた満月だけが天座に君臨し、湖面に一筋の金の帯を走らせていた。それは、大沼に浮かぶ月というより、無窮の宇宙空間を絶え間なく運行する、大きな星の写真のようにも見えた」(「開花」の章、316ページ)
池田先生が撮影した写真作品を展示する「自然との対話」写真展は、82年(同57年)から始まり、海外では41カ国・地域、150都市で開催されている。
1974年(昭和49年)1月24日、山本伸一は「水俣友の集い」に出席。「水俣病」と呼ばれる公害病に負けず、生き抜いてきた同志を全力で励ました。
「学会精神を基調として立ち上がった皆様方の、真剣な姿を拝見し、私は本当に嬉しい。今日の催しこそ、新しき水俣建設の原点となるものであると、私は確信しております」(「蘇生」の章、50ページ)
〈池田先生と共に 新時代を築く〉 わが友と前進勝利の師弟旅 2020年1月8日
〈池田先生と共に 新時代を築く〉 わが友と前進勝利の師弟旅 2020年1月8日
伝統の“箱根駅伝”で、わが創価大学駅伝部が大感動の結果を打ち立ててくれた。創立者として、これほどの喜びはない。
選手、指導陣、スタッフをはじめ苦楽を共にしてきた皆さん、陰に陽に応援してくださった全ての方々に、心から御礼申し上げたい。
本当にありがとう!
* * *
学会創立90周年の新春、日本全国、全世界、「異体同心」の祈りで出発できた。
御本仏の仰せ通り、ここにこそ「生死一大事の血脈」が流れ通い、「広宣流布の大願」は叶いゆくのだ。
創価班、牙城会、白蓮グループ等、尊い役員の無事故の運営に感謝は尽きない。
真心の雪だるまが出迎える北海道から、すでに桜が咲き薫る沖縄まで新年勤行会の様子をつぶさに伺った。災害の被災地でも、同志は力強く集い合われている。
新入会の友が陸続と誕生し、ご家族や友人、識者の方々の参加も、うれしい。
アメリカ・ボストンの新年勤行会には、私の友人である世界的な宗教学者のハービー・コックス博士が出席され、女子部の体験や未来部の演奏などに温かな拍手を寄せてくださった。
コックス博士は、私との対談集で、庶民の味方として悩める人々の中へ飛び込んで希望を送ってきた学会精神に注目された。そして「草創期の魂は、今や世界へ大きく広がるSGI運動に生きつづけています」と洞察されている。
この一年、民衆の大地に「人間革命」の大歓喜の花を爛漫と咲かせゆこう!
* * *
今から、ここから、世界市民の平和の連帯が始まる。
今月を中心に行われる、女子部の朗らかな「ロマン総会」、誠におめでとう!
御義口伝には「依正福智共に無量なり所謂南無妙法蓮華経福智の二法なり」(御書792ページ)と説かれる。
妙法の乙女が生き生きと躍動するところ、家庭も、社会も、未来も、福徳と智慧の門が開かれていくのだ。
「あの友がいたから」「この一言があったから」――友情と励ましの語らいで、人は強く明るくなれる。
今、夕焼け空に光る「宵の明星」(金星)のごとく、華陽姉妹が「一番星」の輝きを自分らしく伸びやかに放っていけるよう、婦人部と共に皆で応援していきたい。
愛する全創価家族が、新たな一日一日を、健やかに若々しく前進されるよう、私も妻と題目を送り続けます。
わが友と
前進勝利の
師弟旅
〈教学〉 1月度座談会拝読御書 阿仏房御書(宝塔御書) 2020年1月4日
〈教学〉 1月度座談会拝読御書 阿仏房御書(宝塔御書) 2020年1月4日
末法に入って法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり、若し然れば貴賤上下をえらばず南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり、妙法蓮華経より外に宝塔なきなり、法華経の題目・宝塔なり宝塔又南無妙法蓮華経なり(御書全集1304ページ6行目~8行目、編年体御書469ページ6行目~8行目)
大聖人は、ここで「法華経を持つ男女の・すがた」と言われております。「すがた」とは、外に現れた姿形、行動です。抽象的、理念的なものではなく、目に見える具体的、現実的な「すがた」であり、今、ここで、懸命に生を営んでいる一人ひとりの人間そのものでありましょう。
大聖人は、この生きた人間の外に宝塔はないのだと断言されているのです。まさしく、御本尊を持ち、題目を唱え、仏法を弘めゆく人の「すがた」は、妙法の当体として、瞬間瞬間、輝いていく。喜怒哀楽も露わな凡夫がそのままで「尊極の宝塔」と現れるのです。
苦悩に満ちた現実の中で、心ない悪口にも負けず、自身の宿命転換のために、そして人々の幸福のために、尊き金の汗を流しながら戦い抜いている、学会員の「すがた」こそ、まさしく宝塔にほかなりません。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
大聖人は、“阿仏房、あなた自身が妙法蓮華経の宝塔なのです”“あなたも七宝の輝きを放っているのです”“あなた自身が仏なのです”と繰り返し、阿仏房自身が宝塔であることの意味を展開されていきます。
まず、大聖人は、「法華経の題目・宝塔なり宝塔又南無妙法蓮華経なり」と仰せです。法華経で説かれる宝塔とは、南無妙法蓮華経以外の何ものでもないのです。法華経の題目こそ宝塔であり、それを大聖人は御本尊として顕されたのです。
「御義口伝」には、「今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は明鏡に万像を浮ぶるが如く知見するなり、此の明鏡とは法華経なり別しては宝塔品なり」(763ページ)と仰せです。
鏡がなければ、自分の顔を見ることができません。まして「己心の宝塔」は、それを見る明鏡がなければ誰も見ることができない。そこに、大聖人が御本尊を顕された理由もあります。
日蓮大聖人は、御本仏としての御自身の生命を御本尊として御図顕されました。私たちが、この御本尊を明鏡として、南無妙法蓮華経の題目を唱えた時に、自身に内在する仏の生命が力強く涌現します。私たち一人ひとりが胸中に宝塔を打ち立てる、まさに、そのための御本尊なのです。
(『勝利の経典「御書」に学ぶ』第10巻)
法華経に説かれる壮大なスケールの宝塔。それは、あなた自身のことなのです!
佐渡の門下・阿仏房から、法華経に描かれる宝塔出現の意味について聞かれ、答えられたのが本抄です。
大聖人は「法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり」と仰せです。
つまり、私たち世界広布にまい進する学会員こそが、想像を絶するようなスケールと荘厳さで表現された宝塔そのものなのです。
さらに、「貴賤上下をえらばず」と教えられています。男性・女性の差別もなく、身分や立場などに関係なく、妙法を唱え弘める、ありのままの一人の人間こそ、宝塔なのです。
拝読御文の直前で、宝塔の出現とは、声聞たちが法華経を聞いて「己心の宝塔」を見たことであると教えられています。続いて大聖人は、“日蓮の弟子檀那も同様です”と仰せです。
私たちにとって、己心の宝塔を見るとは、自身の尊極にして偉大な可能性に目覚めることです。それは、他人の尊厳性を知ることと表裏一体です。
そのために大切なことは「南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来」と仰せの通り、唱題の実践です。それも自行化他にわたる唱題行です。
御本尊を信じ、唱題と学会活動に励む人は、尊厳なる自身の存在に目覚め、わが生命を最高に輝かせていけるのです。
“南無妙法蓮華経と唱える人が多宝如来です”と仰せです。
多宝如来は、法華経を説くところに宝塔を涌現させて法華経の真実を証明することを誓った仏のことです。
つまり、信心に励む私たちは、自身が「宝塔」と輝くことで、妙法の偉大さを証明していく存在であるともいえるのです。
法がいくら素晴らしいといっても、それを実践し、偉大さを体現する人がいなければ、他人には伝わらず、法が弘まることもありません。
日蓮大聖人は他の御書で、「法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し」(御書856ページ)と仰せです。
学会や仏法への理解といっても、それは、人を通してなされます。さわやかなあいさつをはじめ、日々の誠実な振る舞いが、仏法の偉大さを証明し、広宣流布を開くのです。私たちは、仏法正義の証明者であり、創価の人間主義の体現者となっていく使命を担っているのです。
自身が御本尊への真剣な唱題によって、仏界の生命を開き、顕し、自分のいる地域や職場で宝塔と輝いていくことが大切です。その希望と勇気の光で、周りの人、そして地域を照らしていくのです。
信仰の輝きは、必ず相手の仏性をも触発します。つまり、自分が宝塔と輝くだけでなく、自他共に宝塔と輝いていくことができます。この人間革命の連帯を広げゆくことで、平和と安穏の人間主義の社会が築かれていくのです。
〈座談会〉創立100周年へ 新たな10年の出発 広布と師弟に生き抜く人生を 2020年1月6日
〈座談会〉創立100周年へ 新たな10年の出発 広布と師弟に生き抜く人生を 2020年1月6日
- 箱根駅伝 創大生の力走に大拍手!
- 〈出席者〉原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、西方男子部長、大串女子部長
大串 「前進・人材の年」が、晴れ晴れと幕を開けました!
長谷川 「創価学会創立90周年」「池田先生の会長就任60周年」という意義深き佳節を迎える本年、合言葉は「皆が前進! 皆が人材!」です。この紙上座談会もタイトルを一新し、新たな決意で臨んでいきたいと思います。
西方 まず、何より大きな喜びになったのが、1月2、3日に行われた箱根駅伝での、創価大学の力走ですね!
志賀 往路7位、復路9位で過去最高の総合9位となり、見事、悲願のシード権(10位以内)を獲得することができました!(一同、大拍手)
大串 快進撃は1区の米満選手のスタートダッシュから始まりましたね。歴代2位となる記録で区間賞に輝きました。チームが勢いづき、全員の力走につながりました。
永石 なかでも、10位と「55秒差」の11位でたすきを受け取った、10区の嶋津選手の力走には、本当に感動しました。序盤からのハイペースで、従来の記録を19秒上回り、13年間塗り替えられなかった区間記録を更新! チームとして総合9位の大逆転を果たしたのです。その奮闘は、多くの人たちに勇気を送ってくれました。
長谷川 選手やスタッフはもちろん、全国の皆さんの応援が一丸となってつかんだ栄光ですね。駅伝終了後、選手らが口々に応援してくれた方々に感謝を述べていたのが印象的でした。
原田 創立者である池田先生も「大勝利おめでとう。本当によく頑張った。ありがとう」と、皆の大健闘をたたえられていました。私たちも、各人が掲げる本年の勝利の峰に向かって走り抜いていきたい。
西方 今年の夏には、いよいよ東京五輪・パラリンピックが行われますね。
原田 今、大舞台を目指して真剣に努力を重ねているスポーツ部のメンバーもいます。また、それぞれの分野で多くの同志が今年の飛躍を期しています。皆で応援していきましょう。
永石 池田先生は、本年の出発に向けて「(学会創立)100周年へ向かう10年は、人類にとって重大な分岐点となる10年である」と述べられました。
長谷川 では、「人材」とは果たしていかなる人なのか。小説『新・人間革命』にはつづられています。「学会の人材の要件とは何か――。根本的には、生涯、広宣流布のために生き抜く人です。学会と共に、師弟不二の大道を歩み続けていこうと決意し、それを実践している人です」(第25巻「人材城」の章)
原田 現実に日蓮大聖人の御遺命の通り、「死身弘法」で広宣流布の道を開いたのが創価三代の師弟です。その創価の師弟に連なる人生を生き抜く中にこそ、自身の偉大な人間革命があり、無限の可能性の開花もあります。
志賀 青年部も、徹底した折伏・弘教の実践の中で、一人一人が次代を担う使命を自覚し、人材へと成長してまいります。
永石 各地で行われた新年勤行会では多くの新入会員も誕生しました。全員が宝の人材の方々です。
原田 御書には「一切の仏法も又人によりて弘まるべし」(465ページ)と仰せです。新しい人を励まし、育ててこそ広布は進みます。折伏・弘教、訪問・激励、また、任用試験など、数々の機会を通して人材を育み、「前進・人材の年」を、かつてない池田門下の陣列で荘厳していこうではありませんか。
大串 1月1日には、1965年に小説『人間革命』の連載が開始されてから55年の佳節を刻みました。
長谷川 先生は『人間革命』の執筆について「師の戸田の決意と精神を、全同志が分かちもってほしかった。そのための執筆でもあった。安楽に慣れ、原点の精神を忘れれば、魂は滅びる。人類の幸福の宝城たる学会を永遠ならしめるには、戸田の敢闘を永遠に伝え抜かなくてはならない」(『新・人間革命』第10巻「言論城」の章)と、真情をつづられています。
永石 『人間革命』の冒頭は「戦争ほど、残酷なものはない。戦争ほど、悲惨なものはない」から始まっています。この一節は、人類の平和と幸福の実現という、学会の運動の目的を象徴しています。
原田 当時、連載が開始されると、すさまじい勢いで同志の間に感動が広がっていきました。また、同年に発刊された、単行本の第1巻は、たちまちベストセラーになりました。その反響は社会にも広がり、「小説を読み、真実の学会の姿を知りました」「反戦を掲げた主題から、学会が発展する要因が分かりました」と、各界からも感動の声が寄せられました。
西方 まさに、先生の言論闘争が、会員一人一人を鼓舞するとともに、学会の正義を社会に広く伝えていったのですね。
志賀 当時の青年部員も、『人間革命』から崇高な創価の師弟の精神を学び、折伏・弘教、メンバーの激励の糧としていたと伺いました。
原田 その通りです。今、半世紀を経て、同じように、青年部の皆さんが『新・人間革命』を真剣に学び合っている姿に、いつの時代も変わらぬ後継の息吹を感じます。先生の執筆闘争に感謝するとともに、一人一人が師弟の精神の体現者として成長していきましょう。
長谷川 間もなく、本年最初の座談会が各地で行われます。各人が新たな目標を掲げ、勢いよく一年をスタートしていきたいですね。
原田 座談会は「皆が信心を深める」「皆が主役」の歓喜あふれる場にしていくことが大切です。
永石 『新・人間革命』第2巻「先駆」の章には、こう記されています。「信心の確信あふれる、和気あいあいとした座談会を開催していくならば、弘教の輪は必ず広がっていきます。座談会は、学会の縮図です。職業も、立場も異なる老若男女が、幸福への方途を語り合い、励まし合う姿は、現代社会のオアシスといえます」
原田 本年も、座談会を中心に仲良く朗らかに前進していきましょう。
池田先生が滋賀の友に贈る指針 語れ我が友 熱き心 2020年1月6日
池田先生が滋賀の友に贈る指針 語れ我が友 熱き心 2020年1月6日
- 連載〈勇気の旗高く〉
池田先生が各地の友に寄せたスピーチや指針などを紹介する「勇気の旗高く」。今回は滋賀県を掲載する。
<日本最大の湖・琵琶湖を有する滋賀県。古くから近江と呼ばれ、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の天下人らが、県内に堅固な城を築いた。紫式部をはじめ、多くの文人・歌人が訪れた詩情豊かな天地を、先生はこよなく愛し、友に励ましを送ってきた>
私は、大津、彦根、米原、長浜、東近江、高島、草津など、近江の路を踏みしめてきました。かつての甲西町(現・湖南市)に足を運んだことも懐かしい。
春夏秋冬、装いを変えゆく琵琶湖畔を一緒に散策したり、湖上に架かる大橋を渡ったり、名城・彦根城で思索の一時を送ったり、湖水を照らす満月を仰いだり、金の思い出は尽きません。
とりわけ、愛する郷土の繁栄を真剣に願う友と、いかに地域に貢献するか、友情と信頼を広げていくか、語らいを重ねてきました。
湖国の友どちの清冽な志には、常に胸を打たれたものです。
<滋賀の同志が誇る長年の地域貢献。その原点は1971年(昭和46年)9月5日、滋賀研修道場の誕生を記念して行われた「びわこ祭」である。この時の思い出を、先生は振り返っている>
琵琶湖の美景は、人々の心を感化して、文化の創造の力となり、青年の成長の糧となってきました。この点に注目されていたのが、創価教育の創始者である牧口常三郎先生であり、その弟子の戸田城聖先生です。
先達の心を知る滋賀の友人たちは、長年、米原市の琵琶湖畔で文化の集いを重ね、それを通して、地域貢献と青年育成を進めてきました。
この地に、私も何度となく伺い、若人と楽しい語らいの機会を持ってきました。
凜々しき女性たちに、「今日一日を 汝自身に勝つ それが十年先の 勝利の人生であるからだ」と綴り、贈ったこともあります。
「琵琶湖周航の歌」を、地元の高校生の皆さんや、婦人の皆さんが生き生きと歌い上げてくれたハーモニーも蘇ります。
「黄金の波に いざ漕がん 語れ我が友 熱き心」
今もよく聴く、大好きな歌です。
郷土のために奔走する滋賀の友と対話する思いで――。
<瀬田川に架かる「瀬田の唐橋」は、数々の戦乱の舞台となったことで知られる。その歴史に触れ、先生は滋賀の勝利の前進をたたえた>
わが滋賀県は、東西日本を繫ぐ要路にあたり、広布の大切な要の地でもある。
あの“瀬田の唐橋を制するものは、天下を制する”という有名な言葉が残っている。
古代最大の戦乱と言われる672年の「壬申の乱」以来、幾たびも、この唐橋こそが決戦の勝敗の分かれ目になったことは、有名な史実である。
御金言に曰く。
「此れこそ宇治川を渡せし所よ・是こそ勢多を渡せし所よ・名を揚るか名をくだすかなり」(御書1451ページ)
「瀬田の橋」に堂々と翻る滋賀広布の勝利の旗が、そのまま全関西の、いな、全日本の広宣流布の大旗なのだ。
この滋賀の天地で、私も折伏の戦いの歴史を、滋賀の同志と共に創りに創ってきた思い出は深い。
かつて彦根の友に語った。それは、「強き祈り」「勇気」「忍耐」が人生勝利のカギだ。そして戦いの大原則であると。その指導を胸に刻んで、愛する滋賀の友は、今日まで悠然と戦ってこられた。そして勝利の歴史を高々と残してくださった。
<1976年(昭和51年)2月、池田先生は草津で新会館の起工式に出席した後、大津の会館へ。滋賀広布20周年を記念する勤行会で、決然たる信心で立ち上がることを呼び掛けた>
寒い二月であった。雨も降っていた。当時の会館はあまりにも狭く、照明も暗かった。
非難中傷の雨に打たれながらの、まだまだ小さな、わびしき滋賀の創価学会であった。
私は断固として訴えた。
「滋賀よ、日本一の朗らかな大滋賀を建設せよ!」と。
そして、すべての人が大きく境涯を開き、「常勝の人生」「常勝の滋賀」を築いてほしいと祈った。
仏法は勝負である。信心に中途半端はない。
日蓮大聖人は、弟子たちに、何度も「大願を起こせ」「思い切れ」と激励されている。
環境がどうあれ、朗らかな、決然たる心さえあれば、そこに偉大な活力の太陽、敗北することなき太陽が昇るのだ!
<1995年(平成7年)10月、池田先生は滋賀文化会館を初訪問。本年は25周年の佳節である。
この訪問の折、先生は「夢の国/琵琶湖を照らし/満月が/滋賀は 仏土と/煌々 昇らむ」との和歌を詠み、勇気の対話を訴えた>
正義の大闘争こそが広宣流布である。
時代の混迷を目のあたりにしながら、何もせず、ただ傍観している――それほど無責任な、卑怯なことはない。
今、創価学会が立ち上がり、全力で、誠実に行動している。これこそ大聖人のお心にかなっていると確信する。
「仏法は勝負」である。ひとたび戦いを開始したからには、断じて負けるわけにはいかない。師子として仏敵を打ち破り、勝ちぬいていく以外ない。すべては、ただ民衆の安穏のためである。
皆さまが勇気をもって、仏法を語れば語るほど、人々の心の奥に、最高の「幸福の種」をまくことができる。たとえ、今は相手が反対したとしても、必ず花開く時が来る。
なかんずく、婦人部の確信の弁舌は、観念論ではない。言葉だけの空まわりでもない。強き一念、深き体験より発する、わが婦人部の一言一言には、人々の心を打つ響きがあり、心を動かしていく力がある。
皆さまが祈り、しゃべった分、仏縁を結び、広宣流布のすそ野は広がっていく。
妙法の音声に、どれほどの力が秘められていることか。
それは、全宇宙のあらゆる衆生が具えている尊極の仏性を呼び覚ましていく。
ゆえにすべてを仏天の加護に変え、味方へと転じられるのである。
功徳の「功」とは、「悪を滅する」こと。功徳の「徳」とは、「善を生ずる」ことである。
学会の正義が、このように堂々と証明されゆくのも、学会員なかんずく婦人部の皆さまの懸命な祈りと戦いの功徳なのである。
皆さま方の大闘争に呼応して、今、諸天善神もグングン勢いを増し、働いている。
さらに朗々と、妙法を世界へ宇宙へ響かせながら、人々の心に「希望の種」をまく一日一日でありたい。
<「滋」には「そだつ」「やしなう」、「賀」には「よろこび」の意味がある。
滋賀の友は、人材の育成と対話拡大に喜び勇んで進み、盤石な「夢の国」の建設に挑んでいく>