「学びの道」継つぐ 青春の挑ちょう戦せん王おうたれ!

「学びの道」継つぐ 青春の挑ちょう戦せん王おうたれ!


北海道・札幌創価幼稚園の園児たちは、元気いっぱい。どんなことにも輝く笑顔で取り組む“太陽の子”に!


 一、巡めぐり来くる11月18日は、私たち「創価教育」の「原点の日」であります。
 この日は、創そう始し者しゃである牧まき口ぐち常つね三さぶ郎ろう先生が、平和と人じん道どうの信しん念ねんを貫つらぬき通とおして、軍ぐん部ぶ政せい府ふの不ふ当とうな弾だん圧あつによって獄ごく死しされた日でもあります。今年で75年。牧口先生は悲ひ願がんであった「創価の学びや」で凜り々りしく成長する皆みなさん方がたの晴はれ姿すがたこそ、何よりの喜びとされるでしょう。先生の会かい心しんの笑え顔がおが胸むねに迫せまります。
 牧口先生は、幼おさなき日から青春時代、さらに最さい晩ばん年ねんまで一いっ生しょう涯がい、学んで学んで、学び抜ぬかれました。きょうは、その偉い大だいなご生涯を偲しのびつつ、先生が開き示しめしてくださった三つの「学びの道」を、皆で受け継ついでいきたいと思うのです。

 

読書は希望の力ちから


関西創価小学校では、全員が“創価のメロスに”を合言葉に、友への感謝の心で一日一日を走り抜いてきた(大阪・枚方市で)


 一、第一に「学びの道」は朗ほがらかな「希望の道」なり、ということであります。
 新潟県柏かしわ崎ざき市の荒あら浜はま(現在)に誕たん生じょうした牧口先生は、幼くして実じつの父ちち母ははと別れて、逆ぎゃっ境きょうの中で成長していきます。家の仕事の手伝いをせねばならず、小学校に思うように通かよえない日もありました。でも、そういう時は、仲の良い友だちに授業の内容を砂すな浜はまに書いてもらって教わりました。どんな境きょう遇ぐうでも、学ぼうという情じょう熱ねつを燃もやし、たくましく前へ前へ進んでいったのです。共ともに学ぶ仲間とは、朗らかに一生涯の友情を結むすんでいきました。
 13歳の頃ころ、北海道へ渡わたり、警けい察さつ署しょで給きゅう仕じとして働はたらきながら、暇いとまがあれば、本を開き、一いっ心しん不ふ乱らんに勉強していきます。「勉強給仕」と呼よばれるほど尊とうとい努力の日々は4年間。今の中学生・高校生の年代に当あたります。
 そして、その姿に心を打たれた人たちからの支し援えんに応こたえ、学校の先生を養よう成せいする師し範はん学校へ進学を勝ち取っていったのです。
 牧口先生には、いつ、いずこにあっても、一いっ緒しょにいる大切な親友がいました。それは「本」です。「読書」こそを、「希望の力ちから」とされたのです。
 女性教育の先せん駆く者しゃでもあった先生は、日本で最初の少女雑ざっ誌しを編へん集しゅうされた折おり、苦く労ろうして学ぶ乙おと女めたちを激げき励れいして呼よび掛かけました。
 “我われらは書物のおかげで、いながらにして世界万ばん国こくの人々と話をすることもでき、また千年前の人の教えも受けることができます”と。
 そして良りょう書しょという、楽しく面おも白しろく、しかも親しん切せつに真実の力ちからになってくれる親友を、生涯、そばから離はなさないようにしようと、訴うったえておられました。
 ですから、わが学園の読書の伝でん統とうを、牧口先生はさぞかしたたえてくださっているでしょう。今、皆さんが時間を工く夫ふうして読み進める一冊一冊が、心の天てん空くうを広げ、英知の大地を耕たがやし、創そう造ぞう力りょくの大おお海うな原ばらを豊ゆたかにしてくれるのです。

 

勇気の一歩を!


東京創価小学校の集い。児童たちは“読書で英知の扉を開こう!”と多くの本との出あいを重ねてきた

 

 一、第二に「学びの道」は不ふ屈くつの「勇気の道」なり、ということであります。
 日本の軍ぐん国こく主しゅ義ぎが吹ふき荒あれる時代にも、牧口先生は民みん衆しゅうの大地に飛び込んで、苦く悩のうの庶しょ民みんを励はげましながら、生命尊そん厳げんの平和の哲学を互たがいに学ぶ対話を広げていかれました。人間が人間として学び合い、励まし合い、高め合う権利は、誰たれ人びとたりとも奪うばうことはできません。先生は迫はく害がいの牢ろう獄ごくでも、悠ゆう然ぜんと、たゆまず読書に励み、最後の最後まで、断だんじて哲学の探たん究きゅうをやめなかったのであります。
 この偉大な牧口先生に続く創価の青年にとって、学ぶことは即そく、正義の戦いです。ゆえに、苦しみながら、悩なやみながら、もがきながらでいい。自分らしく学びの一歩を、日々、踏ふみ出していく。この勇気を忘わすれないでいただきたいのです。
 第三に「学びの道」は世界市民の「連れん帯たいの道」なり、ということであります。
 牧口先生は、若き日から、地球全体の自然環かん境きょう、人類全体の生活文化を研究され、「世界市民」の教育に先さき駆がけて取り組まれました。小学校の校長として、直ちょっ径けい2メートルもの大きな地ち球きゅう儀ぎを教きょう材ざいに、児じ童どうの心を世界に広げたこともあります。さらに、自みずからも激げき務むの中で生き生きと英語の習しゅう得とくに挑いどまれていました。
 私の師し匠しょう・戸田城じょう聖せい先生の「地球民族主義」というビジョンも、この牧口先生から継けい承しょうされたものです。
 創価の大理想を断だん固こと実現し、両先生の偉大さを世界中に宣せん揚ようすると決めて、私は戦い続けてきました。学園の創立者として皆さんの先せん頭とうに立って、世界市民が学び合う平和・文化・教育の大連帯を築きずき上あげてきました。一いっ切さいは、弟子で決まる。後継の勝利こそ、先せん人じんの勝利だからです。

 

「負まけじ魂だましい」で進め


自身の課題を、一つ一つ乗り越え、学園創立記念日を飾った東京・創価中学校の生徒たち(東京・小平市で)


 一、世界の知性との対談集も、トインビー博士をはじめ80点に及およびます。
 その一人、中国教育学会名誉会長の顧こ明めい遠えん先生の言葉が思い起おこされます。
 「この瞬しゅん間かんも大きく変化している社会において、ただ学ぶということだけが、新しい創造を生み、不ふ敗はいの地(決して敗やぶれないという天地)に立つことができるのです」と。
 これから皆さんは、ますます変化のスピードが激はげしくなる時代に直ちょく面めんします。だからこそ、「さあ何でも来こい!」と立ち向かい、勇ゆう敢かんに学び抜いてください。悔くやしい失敗や敗はい北ぼくからさえも学んでみせるという「負まけじ魂だましい」で、大だい胆たんかつ聡そう明めいに前進していただきたい。「常じょう勝しょう不敗の英知の大し城ろ」で学ぶ旭きょく日じつの学園生は、どんな闇やみも晴らして、新たな価か値ち創そう造ぞうの暁あかつきを告つげてくれたまえ!
 牧口先生、戸田先生とご一いっ緒しょに、私はいつも、奇くしき縁えにしで結ばれた、わが命いのちの学園生を一人一人、見守っています。皆、健康第一で、青春の挑ちょう戦せん王おうたれ!(大拍手)

 

 


 全すべてに大だい勝しょう利りの11・18
 世せ界かい中じゅうの同どう志しに深しん謝しゃ!
 「大だい願がんとは法ほっ華け弘ぐ通つうなり」
 伸のびゆく青せい年ねんが先せん頭とうに
 新あらたな地じ涌ゆの拡かく大だいを!
 (御書P736)