〈教学〉 11月度座談会拝読御書 日妙聖人御書 2017年10月31日

〈教学〉 11月度座談会拝読御書 日妙聖人御書 2017年10月31日

御書全集1215ページ18行目~1216ページ1行目
編年体御書493ページ7行目~8行目
師弟不二」こそ成仏の直道
妙法を持つ人は仏と等しい大境涯に
 
本抄について

 本抄は、日蓮大聖人が文永9年(1272年)5月、佐渡で認められ、乙御前の母(日妙聖人)に与えられたお手紙です。
 本抄は、鎌倉に住んでいた乙御前の母が配流の地・佐渡へ大聖人をお訪ねした、その志をたたえています。乙御前の母は夫と離別し、幼い娘を育てながら純粋な信心を貫きました。
 本抄御執筆の当時は、前年9月の竜の口の法難から佐渡流罪という、大聖人門下にとって厳しい試練の渦中にありました。門下には所領の没収や鎌倉からの追放、投獄などの迫害が及んでいたのです。こうしたなかで乙御前の母は、鎌倉から、はるばる佐渡にまで大聖人をお訪ねしました。
 大聖人は、乙御前の母の求道の姿勢をたたえて、「日本第一の法華経の行者の女人」(御書1217ページ)と仰せになり、「日妙聖人」という最高の名を贈られています。
 本抄では、末法の凡夫は妙法を持つことで仏と等しい功徳を得ることができると教えられています。今回、拝読するのは、この部分の仰せです。

拝読御文

 我等具縛の凡夫 忽に教主釈尊と功徳ひとし彼の功徳を全体うけとる故なり、経に云く「如我等無異」等云云、法華経を心得る者は釈尊と斉等なりと申す文なり

受持即観心

 日蓮大聖人が出現される以前は、経典に説かれた法理をもとに瞑想して自身の心を見つめていく「観心」が成仏のための修行でした。
 大聖人が、仏法における正師として重んじられたのが天台大師です。
 天台大師は、自身の心を深く見つめていくことによって、“自らの心に十界が具わり、自己の一瞬の心(一念)に三千の諸法という森羅万象が具わること”を覚知する観心の修行を説きました。
 しかし、これは極めて困難な修行であり、覚りに到達する人はまれでした。これに対して、大聖人の仏法では南無妙法蓮華経の受持によって、誰もが自身に具わる十界を見ることができます。つまり、自身に仏界が具わることを知り、現実に仏界を現すことができるのです。このことを受持即観心といいます。
 大聖人は「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与え給う」(御書246ページ)と仰せです。釈尊が成仏するために積んだ膨大な修行(因行)と、修行によって得たさまざまな功徳(果徳)の全てが、成仏の根本法である「妙法蓮華経の五字」すなわち南無妙法蓮華経に具わるということです。
 大聖人は、この南無妙法蓮華経を私たちの成仏のための御本尊として顕されました。
 末法衆生は、この御本尊を受持することによって、釈尊が修行で積んだ仏因の功徳と仏果の功徳の全てを自身に譲り受けることができるのです。

以信得入

 日蓮大聖人は、凡夫が妙法を持てば、たちまちに仏と等しい功徳を得られると教えられています。ここで大切になるのは、妙法を持つ人の信心です。
 これは仏道修行の基本である「信行学」の「信」に当たります。この「信」こそ私たちが仏の境涯に入るための根本です。
 法華経には、釈尊の弟子の中で智慧第一といわれた舎利弗も、ただ「信受」することによってのみ、法華経に説かれた法理を体得できたと説かれています。信受とは、仏の教えを信じて受け入れることです。法華経譬喩品には「汝舎利弗すら 尚此の経に於いては 信を以て入ることを得たり」(法華経197ページ)と説かれます。これを「以信得入」といいます。
 仏の覚った偉大な智慧・境涯を自身のものとしていく道は、ただこの「信」による以外にありません。仏の教えを信じて受け入れていった時に、仏法で説く生命の法理の正しさを理解していくことができるのです。
 末法の御本仏・大聖人は、御自身が覚られた宇宙根源の法である南無妙法蓮華経を御本尊として図顕されました。
 大聖人が、末法の一切衆生のために、御自身の仏の生命をそのまま顕されたのが、御本尊です。
 この御本尊を、私たちが仏の境涯を開くための唯一の信仰の対象として深く信ずることこそ、大聖人の仏法を修行する根本にほかなりません。

「如我等無異」

 仏の目的は、一切衆生を自身(仏)と等しい境地に導くことにあります。
 その願いが、法華経方便品に、「如我等無異」(我が如く等しくして異なること無からしめん=法華経130ページ)と述べられています。
 自身を妙法そのものであると覚知した仏は、同時に、あらゆる衆生が本来、妙法そのものであると覚ります。そして、自らが妙法そのものであることを知らずに苦悩の中にいる人々に仏は同苦し、限りない慈しみの心を起こすのです。
 無量の智慧と勇気、そして福徳、慈悲にあふれる仏の生命。全ての人に、その生命を、自身と同じように開かせたい――それが、仏のただ一つの願いなのです。
 法華経寿量品の自我偈には、こう説かれます。「私(釈尊)は、つねにこのことを念じている。すなわち、どのようにすれば、衆生を、無上の道に入らせ、速やかに仏身を成就させることができるだろうか、と」(毎自作是念 以何令衆生 得入無上道 速成就仏身=同493ページ)
 末法の御本仏である日蓮大聖人も、一切衆生を自身と同じ境涯へ高めようと、瞬時も休むことのない広布の闘争を貫かれました。
 弟子の私たちが、この心を受け継いで、どこまでも広布に前進していく時、仏の願いである万人成仏を現実のものとしていくことができるのです。

池田先生の指針から 師と共に広布の誓願を貫こう

 本抄で、「『如我等無異』等云云、法華経を心得る者は釈尊と斉等なりと申す文なり」と仰せです。
 「如我等無異」こそ、仏の願いが込められた法華経の真髄の一節であり、法華経が「何のために」説かれたのかを明確に示す珠玉の一句です。
 方便品第二に、「一切の衆をして 我が如く等しくして異なること無からしめんと欲しき」(法華経130ページ)とあります。すべての衆生に、仏と同じ境涯を得させようという大慈大悲です。
 (中略)
 衆生がいかに仏道修行を積み重ねても、「釈尊と斉等なり」とならなければ、仏法の目的を成就したことにはならない。「斉等」とは、両字とも「ひとしい」という意味です。「釈尊と平等」なのです。
 大聖人は本抄で、「師子王の子は師子王となる」、法華経の行者は「教主釈尊のごとく法王とならん」と仰せです。
 仏が「吾子」として、一切衆生を「仏子」と呼ぶのも、「仏」にするためです。仏子がいつまでも「子」のままでは、親である「仏」は、永遠に使命を全うすることはできません。(『勝利の経典「御書」に学ぶ』第19巻)
 ◇ ◆ ◇ 
 「凡夫の忽に仏となる」かどうかは、要するに、信心があるかどうかという一点で決まります。
 一念三千の法理の柱は十界互具であり、なかんずく人界所具の仏界です。しかし、理論上は、皆が仏であるというのと、実際に、自分の中にある仏の生命を涌現するのとは天地雲泥の差です。ここに「師弟不二」の重要性があります。
 師匠は何よりも、弟子をはじめ一切衆生の幸福を願い、万人成仏の大願に生き抜きます。
 しかし、いくらその慈悲の陽光を浴びても、弟子が同じ誓願の心を起こさなければ、真の意味で、仏に成る道に入ることはできません。一人ひとりが自分から胸中の可能性を開かない限り、幸福を自ら得ることはできないからです。(中略)
 弟子の一人ひとりが、師匠と同じ誓願に立ち、同じ心で、同じ生き方を力強く始めていく。ここに「日蓮と同意」(御書1360ページ)の生き方があります。「師弟不二」の実践があります。(同)

参考文献

 ○…『勝利の経典「御書」に学ぶ』第19巻(聖教新聞社

世界広布新時代第28回本部幹部会への池田先生のメッセージ 2017年11月12日

 

叫ばん「創価の師弟、万歳」と
小説「新・人間革命」第30巻は第5章へ 「勝ち鬨」の章を連載
共に栄光の人生を!――関西文化会館で行われた本部幹部会でスピーチする池田先生(1995年11月、大阪市で)

 一、今、私の胸に蘇る戸田先生の師子吼があります。
 1953年の春、ここ東京・豊島の天地で、「金曜講義」と呼ばれ親しまれた御書講義を始められる際の宣言であります。
 「牧口先生が妙法に身命を奉った、この地で、この会場から、広宣流布の戦いを開始するのだ!」と。
 以来、明年で65星霜。先師と恩師の魂魄をとどめる、この師弟の殿堂に、日本全国、そして世界70カ国・地域から地涌の宝友が集い来って、創立87周年を祝賀することができました。両先生の会心の笑顔が浮かびます。
 SGIの尊きリーダーの皆さん、本当にようこそ! 本当にありがとう!(大拍手)
 一、はじめに、わが全同志の奮闘に満腔の感謝を込めて、発表させていただきたいことがあります。
 それは、小説『新・人間革命』の執筆についてです。
 現在、第30巻の第4章「暁鐘」の章で、1981年のヨーロッパ、さらに北米訪問の歴史を連載しており、「その先はどうなるのでしょうか?」との問い合わせが多く寄せられています。
 今日ここで、引き続き来月から、第5章の連載に入ることを、伝えさせていただきます(大拍手)。
 タイトルは「勝ち鬨」です。1981年秋からの関西、四国、九州、そして翌年の雪の東北等々、忘れ得ぬ同志たちとの共戦譜をつづりながら、反転攻勢の勝ち鬨をあげた歴史を残していきますので、どうか楽しみにしてください(大拍手)。

使命に生き抜け

 一、「勝ち鬨」とは、正義の勝利に轟かせる「鬨」の声です。凱歌の声です。
 勝ち鬨といえば、戸田先生のもと、青年部が学んだ大河小説『永遠の都』に、印象深い場面があります。
 すなわち信念の革命児ブルーノは、卑劣極まる陰謀にも屈せず、最後の最後まで同志ロッシィを信じ抜いて、叫び切りました。「(わが同志)デイビッド・ロッシィ万歳!」と(新庄哲夫訳、潮出版社)。
 同志を裏切らなかったこの声こそ「欺瞞」に打ち勝ち、「誘惑」に打ち勝ち、「嫉妬」に打ち勝ち、なかんずく「自分自身」に打ち勝った勝利の声であった。人間として最も神々しい勝ち鬨であったと示されているのです。
 戸田先生が、若き魂に一番、刻みつけたかった急所が、ここにあります。
 先生の指導にお応えして、我ら草創の青年部は「いかなる時代になろうとも、かつまた、いかなる戦野に進もうとも、絶対に同志を裏切ることなく、使命を全うせんこと」を固く誓い合いました。青春の不滅の誓願です。
 今、うれしいことに、創価世界市民による麗しき友情の連帯は、地球社会の希望と光っています。『永遠の都』の舞台であるイタリアでも、わがSGIの友が、民族も、宗教も超えて、深く強い心の信頼で結ばれた、平和と文化と教育のネットワークを広げていることは、ご存じの通りです。
 経文通りの悪口罵詈も、忘恩背信邪宗門らの圧迫も、学会は「異体同心の団結」で全て勝ち越えてきた。いな、未来永劫に勝ち抜いていくのです。
 牧口・戸田両先生に捧げる思いを込めて、「正義の勝利、万歳!」「創価の師弟、万歳!」「全世界の同志、万歳!」と叫びたいが、どうだろうか!(大拍手)

題目の音声

 一、日蓮大聖人は、「真実一切衆生・色心の留難を止むる秘術は唯南無妙法蓮華経なり」(御書1170ページ)と仰せになられました。
 我らが自行化他にわたって唱え、弘めゆく題目の音声こそ、人類に襲いかかる、いかなる苦難も断じて打開していく、生命の究極の勝ち鬨なのです。
 御書には、あまりにも明確に、そして、あまりにも厳然と説かれています。
 「仏の住む国土でないならば、いずこも皆、苦しみの世界である。仏のいる所を離れて、何が楽しみとなろうか。
 願わくは『現世は安穏であり、来世には善い処に生まれる』と仰せの妙法を持つことのみが、この人生の真の栄光であり、来世には成仏の導きとなる。すべからく、心を一つにして、南無妙法蓮華経と我も唱え、人にも勧めることこそが、今生人界の思い出なのである」(467ページ、通解)と。
 広宣流布に生き抜く創価家族こそ、自他共の生命に永遠に輝きわたる幸福と栄光の都を勝ち開くことができる。これが御本仏の絶対のお約束です。
 一、半世紀前の1968年、「栄光の年」と銘打った、この年、私は21世紀を「生命の世紀」に、と提唱しました。時は巡り、人類の夢見た「平和と生命尊厳の世紀」へ、創価の若き人材が澎湃と躍り出ています。これからが「人間革命」と「立正安国」の栄光の勝ち鬨を轟かせゆく黄金時代です。
 創価の父母たちの学会精神、折伏精神を明々と受け継ぎ、いよいよ威風堂々と邁進しようではないか!と申し上げ、私のメッセージといたします(大拍手)。

湖北大学「名誉教授」称号授与式での池田先生の謝辞(代読)    2017年11月10日

湖北大学「名誉教授」称号授与式での池田先生の謝辞(代読)    2017年11月10日

教育の大河で平和共生の緑野を広げよ
若人よ尽きせぬ知恵の扉を開け
「労苦即栄光」の大道を
中国の未来は君たちのもの――池田先生が、第3次訪中の折に訪れた武漢で、歓迎する子どもたちと(1975年4月)

 「根深ければ則ち條茂く、源遠ければ則ち流長し」
 この大中国の先哲の至言を胸に響かせながら、私は今、20世紀前半の湖北省の天地へと心を廻らしております。
 激動の時代の真っ只中で、“教育の力によって、民衆を救い、社会を蘇らせていくのだ”と毅然と立ち上がった、貴国の賢者たちの英姿が命に迫ってくるのであります。
 その一人、湖北省教育庁長であった黄建中先生は、文明の母なる大河・長江と漢水が交わる天下の要衝・武漢にあって、1930年、新たな学府の創設に着手されました。これこそ、栄光の名門、貴・湖北大学の淵源であります。
 以来、87星霜――。
 貴大学は、尚党委書記、趙学長の卓越したリーダーシップのもと、化学をはじめ、世界的レベルを誇る総合学府として、隆々たる大発展を続けておられるのであります。
 一、実は、貴大学の起点となった1930年は、私たちの先師・牧口常三郎先生が『創価教育学体系』を発刊した年でもあります。
 その日、11月18日が、わが創価学会創立記念日であります。
 「創価教育学」の出発から14年後――1944年の、くしくも同じ11月18日、日本の軍国主義の弾圧に屈しなかった牧口先生は信念の獄死を遂げました。
 本日、光栄にも、同時代のアジアそして世界に崇高なる人材育成の模範を示してこられた、貴・湖北大学より、最高に尊き「名誉教授」の称号を賜りました。
 創立と殉難の日を前に、この栄誉を、私は万感の思いを込めて、創価教育の父・牧口先生に捧げたいのであります。後継の弟子として、これほどの喜びと誉れはございません。
 誠に誠に、ありがとうございます。

鳳凰のごとく使命の大空へ

 一、貴大学という滔々たる教育の大河が、どれほど悠遠にして豊穣な文化の源流を有しておられるか。
 校章には、いにしえの「楚国」の打楽器であり、礼楽の象徴である「編鐘」とともに、王者の瑞鳥・「鳳凰」がデザインされております。
 そして、描かれた「鍵」が「知恵の扉を開く」との意義を表されていると伺いました。
 偉大な先人の精神性を継承しつつ、尽きせぬ知恵を湧き出す鍵を身に付けた若人たちが、鳳凰のごとく、使命の大空へ限りなく羽ばたいていく――教育の究極の理想が、何と見事に凝縮されていることでしょうか!
 なかんずく、私が日本、そして世界の青年に広く伝えたいのは、貴大学に脈々と流れ通う「自強不息、克難奮進(たゆまず努力し、困難に打ち勝ち前進する)」という伝統精神であります。
 幾多の難問に直面する21世紀の世界に立ち向かう青年にとって、何よりも要請されるのは、この不撓不屈の負けじ魂でありましょう。貴大学の人間教育の薫陶に、私は深く感嘆する一人です。

世界の大学と先進の連帯

 一、この6月には、貴大学の卒業式の行事の中で、尚書記と趙学長が、900人の卒業生と共に、ミニ・マラソンを行い、はなむけの励ましを贈られたとの心躍る報道に接しました。
 長い人生のマラソンに挑みゆく卒業生たちの心身にとって、忘れ得ぬ支えとなり、険しき坂を突破しゆく力になるに違いありません。
 「雨風の艱難の道を越えて、究極の高みを目指す。
 現代化が我々に、発奮し社会の繁栄に尽くせと呼び掛ける!」
 「団結して勤勉に励み、実を求め新たに創造する。
 新時代が我々に、帆を上げて航海へ旅立てと呼び掛ける!」
 素晴らしき校歌を仲良く朗らかに歌い上げながら、「使命即労苦」「労苦即栄光」の大道を邁進されゆく貴大学の同窓生のスクラムが、目に浮かんでくるのであります。
 とともに、貴大学は「世界市民教育」にも力強く取り組まれています。世界の諸大学と、先進の連帯を結んでこられたことも、存じ上げています。
 一、思えば、百十数年前、若き日の牧口先生は、当時の日本の代表的な留学生教育機関であった弘文学院で、貴国からの向学の青年に「人生地理学」の講義をし、深い心の交流を重ねておりました。講義に感銘した留学生たちは、中国語に翻訳して発刊してもおります。特に、この学院に学んだ7000人の英才のうち、およそ4割は、洞庭湖を挟んだ湖北省湖南省の出身者であったと記録にとどめられております。
 この先師の心を偲びながら、1975年、わが創価大学は、日中国交正常化後、新中国からの最初の国費留学生の方々をお迎えさせていただきました。
 また、1989年に開始された、武漢人民ラジオ放送局での実用日本語講座にも、テキストや放送用テープの作成など貢献させていただいたのであります。
 そして、うれしいことに、今回、馬場学長を代表とする訪問団を温かく迎えていただき、貴・湖北大学と創価大学の間に交流協定が調印される運びとなりました。
 長江と漢水が合流しゆくように、二つの教育の流れの融合が、必ずや素晴らしい世界市民の連帯の水かさを増し、平和共生の緑野を広げゆくことを、私は確信してやみません。
 私も貴大学の誉れある一員として、両国そして世界の青年たちと、ともどもに、いやまして尽力していく決心であります。
 その真情を、牧口先生の教育哲学とも深く響き合う黄先生の言葉に託し、御礼のごあいさつとさせていただきます。
 すなわち――
 「行動によって知れ」
 「為すことによって学べ」
 「働きによって得よ」と。
 貴大学の永遠無窮のご隆盛、そして、本日ご参加くださった全ての方々のご健勝を、心よりお祈り申し上げます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)

〈座談会 栄光の峰をめざして〉71 広宣流布は「地域部」が原点 わが街の安穏と繁栄祈り行動 2017年11月9日

〈座談会 栄光の峰をめざして〉71 広宣流布は「地域部」が原点 わが街の安穏と繁栄祈り行動 2017年11月9日

皆で祝う「七五三勤行会」
〈出席者〉
原田会長
永石婦人部長
林地域部長
山﨑地域部女性部長
志賀男子部長
伊藤女子部長
創価学会の活動を「身近な地域を足場にしながらも、世界へと思いをめぐらす。ローカルな軸足を持ちながらも、世界市民として発想し、行動」と評価する識者も(昨年、岐阜での地域部の大会)

 林 11月15日は、「地域部の日」です。地域部は、今から43年前の1974年(昭和49年)に結成されました。その13年後の87年(同62年)11月15日、池田先生が出席される中、第1回の「地域部総会」が開催されたのが、「部の日」の淵源です。

 永石 先生は、かつて言われました。「広宣流布は地域部が原点。その皆さま方には偉大なる使命と福運がある」と。

 原田 その指針を胸に、「①地域の安穏と繁栄を祈ろう! ②礼儀正しく 良識豊かに! ③励まし合い 助け合う連帯を!」との「3つの心がけ」のまま、地域貢献に奔走しているのが、地域部の皆さんです。

 林 千葉に住む、ある壮年部員は、居住する地域の「コミュニティ委員会」の会長を務めて13年になります。このコミュニティ委員会は昨年、“あしたの町・暮らし作り活動”で内閣総理大臣賞を受賞しました。

 山﨑 私も体験を伺いましたが、18ある同地域の自治会と連携を取りながら、住みやすい町の環境整備に尽力する活動は、本当に素晴らしいですね。

 林 実は、この壮年部の方が携わる地域活動で、内閣総理大臣賞を受賞したのは3度目とのことです。地域の誰もが参加できる、独創性あふれる取り組みを生み出し続け、全国から大きな注目を集めています。

 山﨑 「もちろん、一緒に活動をしてくれる仲間のおかげです」と語る壮年の、「私の原動力は題目です。祈れば祈るほど、智慧が湧いてくるのです」との話は感動的でした。

 林 けれども、こうして評価されるようになるまでは幾多の壁がありました。地域活動を始めた当初は、学会員というだけで、冷たい目で見られたこともあったそうです。しかし、池田先生、学会の素晴らしさを伝えたいと、懸命に活動に取り組み続けたのです。

 原田 こうした模範の地域活動をしておられる方が、数多くいるのが、学会の地域部の特徴です。その壮年部の方も、今では、人柄と行動力に深い信用が集まっているそうですね。

地道な活動の結果

 山﨑 東京のある商店街で理事長を任されている、婦人部の方の活動も、先日伺い、深く感動しました。

 林 この方も、20年以上の長きにわたり、地域活動に取り組まれていますね。一つ一つの地道な活動を通し、信頼が寄せられるようになり、今では、「あなたの人間性にひかれます」とまで言われるようになったそうです。

 永石 地域部のどの方々にも、共通するのは、「池田先生と学会から学んだ、人間主義の思想を、地域にも広げていきたい!」との思いですね。

 山﨑 実は私も3年前から、町会の役員を務めているのですが、本当の意味での理解と信頼関係を築くのは、一朝一夕ではいかないことを実感しています。
 だからこそ、何十年もの間、地域活動を実践され、大きな信頼が寄せられている、地域部の先輩の皆さんにお会いするたびに、尊敬と感謝で胸がいっぱいになります。

 伊藤 日蓮大聖人は厳然と仰せになられています。「其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ」(御書1467ページ)と。

 永石 「その地域の広宣流布は、あなたに任せます」との仰せを、現代において、幅広く実践している代表が、地域部の皆さまであると強く感じます。

 原田 戸田先生は、「激動の時代である。勝負の世紀である。自分の足元を固めた人が勝者となる。自らの地域を盤石に築いた者が勝利者となる。これが鉄則である。生き抜く人生の鉄則である」と言われたことがあります。

 志賀 キューバの英雄ホセ・マルティも、「戦う者は地域をにぎっていなければならない」と喝破しています。

 林 地域部はこれからも、自身の住む地域こそ、「広宣流布」と「立正安国」の舞台であると定め、どこまでも、池田先生と共に前進してまいります。

子どもは未来の宝

 原田 さて、15日を中心に、「七五三」を祝う勤行会が、各地の会館で開催されます。

 永石 少子化が進む社会の中で、「七五三」をはじめとする、子どもの行事への関心は年々、高くなっています。

 原田 こうした行事には、両親はもちろん、祖父母や親戚なども出席し、皆でお祝いするという、ご家族が増えています。
 学会にあっても、「新年勤行会」とならび、未入会の家族の方が、会館に足を運んでくださる貴重な機会となっています。

 志賀 そこで、本年の「七五三勤行会」は、未入会のお子さんや、その両親、祖父母の方々も、気軽に楽しく参加できるように配慮しながら、今まで以上に心のこもった運営をしていきたいと思っています。

 伊藤 具体的には、会館内で、記念撮影ができるスペースを設けたり、池田先生の創作童話アニメを上映するなどして、学会の温かさに触れていただけると、うれしいですね。

 原田 大聖人は、「女子一人・男子一人・たとへば天には日月のごとく」(同1566ページ)と仰せられ、子の存在は、天に太陽と月が同時に昇っているようなぐらい喜ばしいことであると述べられています。
 ご家族や親戚の方々をはじめ、参加者の皆さんが、“未来の宝”の成長を喜んでいただける、祝福の勤行会にしていきましょう。

〈座談会 栄光の峰をめざして〉70 徹して「一人」を大切に―― 訪問・激励こそ学会活動の要 2017年11月6日

〈座談会 栄光の峰をめざして〉70 徹して「一人」を大切に―― 訪問・激励こそ学会活動の要 2017年11月6日

油断大敵! 絶対に火災を起こさない
〈出席者〉
原田会長
長谷川理事長
永石婦人部長
竹岡青年部長
志賀男子部長
伊藤女子部長
同志のもとへ足を運び、心を砕く――そこに地域広布の未来が開かれる。各地で励ましの輪を広げる友

 原田 広宣流布の大潮流は、今や世界規模の広がりとなりました。しかし、どこまでも「一人」を大切にするという根本精神は永遠に変わりません。日々の活動にあっても、地道な訪問・激励が、その要です。

 長谷川 池田先生も、かつて「個人指導や訪問・激励に徹してこそ、幸福の大城は築かれる」と、明確に教えてくださいました。「一対一の励まし」が学会の伝統です。

 竹岡 先生ご自身が徹して「一人」に焦点を当て、大切にされたからこそ今の学会があります。その原点を忘れることなく、訪問・激励で人材拡大の大波を起こしてまいりたい。

 志賀 以前から言われている、会合での指導と個人指導の比率を「2対8」にすることに、私自身も挑戦しています。

 伊藤 激励といっても、それぞれで状況が違います。特に、青年部の新任リーダーからは「悩みを打ち明けられても、うまくアドバイスできるか自信がない」という声も聞きます。

 原田 まず、相手の話をよく「聞く」ことです。「聞いてもらった」という安心感が心を軽くし、前進への弾みとなります。また、お互いの信頼関係も生まれます。先生はかつて、指導の要諦について「“御本尊を拝もうではないか”と、御本尊を指し示していくことである」と教えてくださいました。大事なことは“共に御本尊に祈ろう、共に御書を学ぼう、共に学会指導を学んでいこう”と同志を導くことです

 竹岡 “個人指導の達人”といわれる先輩が「私ができることは、何回でも足を運び、話を聞いてあげることです」と語っていたことが忘れられません。

 永石 先生も、訪問・激励など一対一の励ましは「誇り高い仏の仕事だ」とつづられています。まず友のもとを訪ね、話を聞くことですね。

 志賀 そして、御書の御文、学会指導を通して励ましを送っていくことです。そのためには、まず自らが日々、研さんを重ねていかねばなりません。

 長谷川 何よりも大切なことは真剣な祈りです。まず事前に祈る、悩みを聞いて一緒に祈る、成長を願ってさらに祈る。励ましの基本は祈ることといっても過言ではありません。

 原田 創価学会は、どこまでも信心の団体です。その目的は、一人一人の幸福にあります。常にこの原点を忘れず、宝の同志へ真心の励ましを送っていきましょう。そこにこそ、広布のさらなる伸展があります。

病が信心を深める

 永石 こうして、訪問・激励を実践する中で、ご自身、また、ご家族が闘病中という方もいらっしゃいます。

 長谷川 これだけの高齢社会になれば、当然、生老病死の中の「病」ということも、それだけ多く直面するのが現実です。

 原田 仏であっても「少病少悩」と説かれています。病気になることは、決して信心が弱いからではありません。病に負けて、希望を失ってしまうことが不幸なのです。大切なのは信心で立ち向かう勇気です。

 長谷川 日蓮大聖人は「このやまひは仏の御はからひか・そのゆへは浄名経・涅槃経には病ある人仏になるべきよしとかれて候、病によりて道心はをこり候なり」(御書1480ページ)と仰せです。病という苦難は、信心を強め、境涯を深める糧にさえなると御本仏は断言されています。

 原田 また、「南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さはりをなすべきや」(同1124ページ)とも仰せです。先生はこの御文を引かれて「あらゆる病苦を打開する根源の力が、妙法にはある。妙法は最強の『生命の大良薬』です」と指導されています。題目をあげ抜き、信心根本に戦い抜く中で、必ず一切を変毒為薬できるのです。

 長谷川 先生は、事故にあったり、病に倒れたりした時、大切なのは、「どう信心で乗り越えていくかである。信心さえしっかり貫いていくならば、妙法の絶対の力用によって、必ず自身をもっともよい方向へと向けていける」と語られたことがあります。リーダーは徹して一人を励まし、共に前進してまいりましょう。

 志賀 また、今週は、各地の地区やブロックで座談会が行われます。

 永石 「創立の月」を祝賀するとともに、健闘をたたえ合うあたたかな集いにしていきたいですね。

 原田 体験を語り、VODを活用するなど友人参加の座談会も推進してまいりましょう。明年の「11・18」広宣流布大誓堂完成5周年に向けて、新たな決意で、新たな前進を誓う座談会としてまいりたい。

「用心」の声掛けを

 伊藤 さて、間もなく立冬です(7日)。本格的な冬の到来へ、気温も下がり、空気が乾燥してくる時期です。9日からは秋の全国火災予防運動が実施されます(15日まで)。

 志賀 消防庁は、防火のためのポイントとして「寝たばこは絶対やめる」「ストーブは燃えやすいものから離す」「ガスこんろ等から離れるときは必ず火を消す」等を挙げています。これらは日頃の生活の中で心掛けていきたいと思います。

 永石 そのためにも、周囲へ注意を促す「声掛け」や、身の回りの点検・整理などを習慣化することが大切ですね。

 原田 油断は絶対に禁物です。「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(同1169ページ)との御文を心に刻み、絶対無事故を期してまいりましょう。

〈池田先生と共に 新時代を進む〉21 2017年11月6日

〈池田先生と共に 新時代を進む〉21 2017年11月6日

誓願の青春スクラムは堂々
 

 「青年拡大の年」の総仕上げへ、日本も、世界も、若人が力強く邁進している。
 仏法源流のインドでは、男女青年部が10万を突破する地涌の大連帯を築いた。釈尊、そして日蓮大聖人が、いかばかりお喜びか。
 創立の月・11月は、「男子部の日」(5日)、「女子部の日」(12日)の節を刻む。
 淵源は、1961年、戸田先生に誓った精鋭の大結集を成し遂げた総会である。
 ――この世から「悲惨」の二字をなくすのだ。その根本の力が広宣流布である。人間革命の平和の光を地球上に広げゆこうではないか――師弟不二の心で、我らは拡大の誓願へ走った。
 御書には「末法に入って法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり」(1304ページ)と説かれる。
 一人の青年に妙法を受持させることは、その生命を最極の宝塔と輝かせゆくことである。これほど、未来を照らし晴らす聖業はない。
 一人また一人と糾合した青年群の熱と力で、この半世紀余り、大法弘通の潮流を起こし続けてきたのだ。
 そして今、尊き父母の折伏精神を受け継ぐ青春スクラムが、新たな地涌の人材を続々と呼び出している。未来部の成長も目を瞠る。21世紀はもとより22世紀の慈折広布の展望も、私の心には明るく広がる。
 ― ◇ ― 
 恩師は、関西で弘教に挑む私に詠んでくださった。
  
 我が弟子が 
  折伏行で
   築きたる
  錦州城を
   仰ぐうれしさ
  
 「折伏行」こそ、師恩に報じゆく無上の道である。折伏行の中に、勇気も、誠実も、英知も、忍耐も、全てが含まれている。この仏道修行に挑戦する青春は、常勝の栄光と福徳に包まれる。
 関西はじめ、各国各地に聳え光る新時代の錦州城をうれしく仰ぐ日々である。
 ― ◇ ― 
 私が対談したトインビー博士は言われていた。
 ――多くの指導者は、生死の問題を真正面から解決しようとせず、全て避けて通っている。ゆえに、世界の未来の根本的解決法は見いだせない。私はこの道を高等宗教、なかんずく大乗仏教に求めてきた、と。
 大聖人は、「生死の大海を渡らんことは妙法蓮華経の船にあらずんば・かなふべからず」(御書1448ページ)と仰せになられた。
 「生老病死」の苦悩を本源的に打開しゆくSGIは、人類の哲学の大船である。
 若きキャプテンたる男女青年部を先頭に、平和の大航路を颯爽と進みゆこう!

〈池田大作先生 四季の励まし〉 創立の月 躍動する生命で出発 2017年11月5日

池田大作先生 四季の励まし〉 創立の月 躍動する生命で出発 2017年11月5日

 
 

 広宣流布の大聖業は、
 民衆救済の誓願に立たれた
 日蓮大聖人お一人の
 不惜身命の大闘争から始まった。
 現代の世界広布の潮流も、
 牧口先生、戸田先生が
 日蓮仏法を純正に実践し、
 創価学会
 創立したところから始まった。
 「一人立つ心」とは、
 わが創価学会
 「創立の精神」そのものである。

 仏のことを「覚者」という。
 「目覚めたる人」という意味だ。
 仏教は人間を賢明にし、
 知恵者とすることを目指す。
 なかでも日蓮大聖人の仏法は、
 一切の民衆に成仏、
 すなわち「目覚めたる人」となる
 方途を教えられた大法である。

 現在から未来へ、
 いかにして前進と向上、
 成長と発展の道を開いていくか。
 そこから
 人間革命のドラマが始まる。
 絶えず生き生きと
 新しく出発するのが、
 本因妙の仏法である。
 日々、
 心新たに前進する学会活動は、
 仏法の法理に則って、
 幸福と勝利のリズムを奏でゆく
 行動なのである。

 わが生命の奥底には、
 尊貴なる地涌の生命が
 脈動している。
 深き誓願の祈りと勇敢な行動で、
 その清らかで力強い生命力を
 「涌出」させていくことだ。
 皆さまは、一人残らず、
 尊い使命を持って、
 この地球に生を享けた。
 新しい創価学会の大建設は、
 この「地涌」の
 大生命の躍動から始まる。

 もみじの葉が紅に燃える。1988年(昭和63年)12月、池田大作先生が熱海の静岡研修道場でシャッターを切った。
 静岡は、創価学会の初代会長・牧口常三郎先生が戦時中、信教の自由を侵す軍部政府の横暴と戦い、折伏に赴いた地である。先師が掲げた“正義の旗”は第2代会長・戸田城聖先生、第3代会長・池田先生に受け継がれ、学会は192カ国・地域に広がる平和と幸福の大連帯となった。
 間もなく学会創立記念日の11月18日を迎える。「11・18」は、創価の三代会長の大闘争に続き、弟子が広宣流布の誓願に立つ日。
 さあ、折伏精神を赤々と燃やし、共に新たな人間革命の勝利劇をつづりゆこう。