「立正安国」の精神こそ日蓮仏法の魂 勇気と真心で納得の対話を

座談会 栄光の峰をめざして〉31 

「立正安国」の精神こそ日蓮仏法の魂 勇気と真心で納得の対話を 2017518

 

加熱・冷凍で「食中毒」を予防

〈出席者〉

原田会長 長谷川理事長 永石婦人部長 志賀男子部長 伊藤女子部長

「SGIは、目を見張るような草の根の運動を展開しています。活動を通して互いを理解し、深い人間関係を築きながら平和の建設のために行動しているのです」と識者(4月、イタリアの首都ローマに集ったラツィオ州の友)

 志賀 「なぜ、学会は政治に積極的に関わるのですか?」――ヤング男子部のメンバーから、こう質問されることがあります。

 永石 政治不信、青年の政治離れや無関心は、長い間の社会問題です。けれども、未来を開くのは青年です。「青年は心して政治を監視せよ」とは、学会の不変の指針です。

 伊藤 「宗教」と「政治」の関係は、新入会の方も増えている今、確認しておくべき点ですね。

 志賀 昨年、聖教新聞のインタビューで、世界74カ国・地域に広がるカトリックの信徒団体のクァットルッチ事務総長が、宗教団体が積極的に政治に関わる必要性を明瞭に語っていました。いわく、「政治における改革を成し遂げるには、議員の心を常に正していく必要があると考えます。そして、政治家の良心を保つための薬こそ、『宗教』であると断言したい」と。

 長谷川 世界を見渡しても、宗教を基盤にした政党は数多くあります。これが世界の常識です。道徳や倫理、宗教心がない政治は、必ず堕落するからです。

 志賀 事務総長はまた、「日本では、いまだに、“宗教家は政治に口出しするな”ということを言う人がいるようですが、それは、国家の成長を妨げる浅薄な言論です。宗教的思想を根本に、自らを律し、正義の信念に生きる者こそ、より積極的に政治に関わるべきです」とも述べています。

 原田 古今東西哲人政治家たちも、「政治には、宗教性が不可欠である」と強く主張しています。たとえば、インドの大指導者ガンジーは、「宗教の欠如した政治は、国家の首を吊るロープであります」との有名な言葉を残しています。

 また、議会制民主主義発祥の国・イギリスの大宰相グラッドストンも、「治者(国を統治する者)は、義務を厳守して、特に宗教的でなければならない」と喝破しています。

 志賀 日本ではいまだに学会の支援活動が、「政教分離」の原則に反するなどと、的外れの批判をする人がいますが、これがいかに不見識、不勉強か。そもそも憲法20条の「政教分離」の「政」とは、「国家」のことであり、「国家が宗教に対して中立であること」を定めたものです。

 長谷川 かつて、国家神道と結び付いた軍部政府は宗教を弾圧しました。その時、「政教一致」の横暴と戦ったのが、学会の牧口先生であり、戸田先生です。

 こうした歴史を繰り返さないためにも、国が宗教に対して中立の立場をとり、介入してはならないことを示したのが憲法20条です。

 原田 国会でも、内閣の「憲法の番人」といえる歴代の内閣法制局長官が、何度も明言しています。「憲法の定める政教分離の原則と申しますのは、信教の自由の保障を実質的なものとするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入しまたは関与することを排除する趣旨である」「宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨ではない」と。

 それをねじ曲げ、策略で持ち出すこと自体、政治の真の進歩を遅らせるだけです。私たちは、国民の権利を存分に行使し、堂々と政治に参加していきたい。

 

平和な社会を築く

 伊藤 立正安国論に「一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を?らん者か」(御書31ページ)と仰せです。自身の安穏を求めるのであれば、家族や友人をはじめ、周囲の人々の幸福と、社会の平和と繁栄を祈り、その実現のために、積極的に行動すべきである――これが日蓮仏法の本質です。

 原田 宗祖・日蓮大聖人は、鎌倉幕府の実質的な最高権力者である北条時頼に、立正安国論を提出されました。天災や疫病などにより、苦しみにあえぐ民衆を救うため、為政者は、生命尊厳の思想と慈悲の哲学を持つべきであると、決然と声を上げられたのです。

 長谷川 この立正安国論が、10問9答の「問答形式」になっているのは、注目すべき点です。

 原田 万人尊厳、万人平等の哲理を否定する、誤った考えに執着する客に、主人が理路整然と真実を説き示していくのです。

 主人は、時に相手をなだめ、時に毅然たる態度で、文証、理証、現証の上から諭していきます。それに対し、「客色を作して曰く」(同20ページ)等と、客が感情を高ぶらせて主人を批判する時もあります。

 永石 しかし、主人の明快な話と確信あふれる姿に心を動かされ、最後は「私が信ずるだけでなく他の人にも語っていく」(同33ページ、趣意)と決意し、真の“同志”へと変わります。

 原田 大聖人の実践は、「立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」といわれます。「対話の力」で、世の中の平和を築いていくのが、大聖人の一貫した、御行動でした。私たちには、この「立正安国」の魂を受け継ぎ、平和と幸福の社会を築いていく使命があります。きょうも、「勇気」と「真心」と「納得」の対話で、「立正安国」の道を歩んでいきたい。

 

手洗い・嗽の励行

 伊藤 最近、メディアで話題になっていますが、暑い日が増え始め、「食中毒」への注意が必要です。

 永石 手や食材、調理器具等をしっかり洗う。肉や魚は十分に加熱もしくは冷凍する。こうした基本が食中毒を防ぐ方法です。

 原田 手洗い・うがいによる、健康管理を含め、心身ともに充実した日々を過ごすためにも、互いに気を配っていきましょう。