本部幹部会で紹介された池田先生の指針 最後は「信心強き人」が勝つ 2019年1月22日

本部幹部会で紹介された池田先生の指針 最後は「信心強き人」が勝つ 2019年1月22日

幸福 希望 広布は行動の中に
万年に輝く栄光の歴史を
牧口先生「体験はダイヤモンド 実験証明なき宗教は観念論」
イギリス・ロンドン郊外のタプロー・コート総合文化センターで同志を励ます池田先生。同センターにはチャーチル首相が植えた杉の木も(1994年6月)

 「世界広布新時代第40回本部幹部会」(12日、巣鴨の東京戸田記念講堂)の席上、1993年1月の新春幹部会での池田先生のスピーチ映像が上映された。勇気の対話拡大に走る友への指針として掲載する。

 一、遠いところ、また寒いなか、本当にご苦労さまです。
 文永12年(1275年)正月24日、日蓮大聖人は、大田乗明への御手紙にこう仰せである。
 「抑俗諦・真諦の中には勝負を以て詮と為し世間・出世とも甲乙を以て先と為すか」(御書1002ページ)
 ――そもそも俗世間においても、真実の世界である仏法においても、勝負が肝要であり、世間も出世間(仏法)も、甲乙(勝劣)を決することを最も大切なこととするか――と。
 世間においても、仏法においても、何が勝れ、何が劣るかを明らかにせねばならない。そして、正義は邪義に絶対に負けてはならない。
 一、仏法も、社会も、人生も、「勝つか負けるか」――これが根本となる。
 個人も、一家も、団体も、すべて「勝負」である。戦闘である。ゆえに、大聖人は御書に教えてくださっている。「世間でも勝ちなさい。仏法でも勝ちなさい」――と。
 「勝つ」なかに「幸福」もある。「希望」もある。「広宣流布」もある。
 ゆえに、大聖人直結の誉れの同志は、絶対に負けてはならない! 断じて勝たねばならない!
 学会はこの「断じて勝つ」信心を貫いたゆえに、あらゆる障害を乗り越え、奇跡と言われる大勝利、大発展を成し遂げたのである。

仏法も社会も勝負

 一、また大聖人は、弘安3年(1280年)正月11日、南条時光にこう仰せである。
 「花は開いて果となり・月は出でて必ずみち・燈は油をさせば光を増し・草木は雨ふればさか(栄)う・人は善根をなせば必ずさかう」(同1562ページ)
 ――花は開いて、やがて実となり、月は出るごとに必ず満ち、灯は油をさせば光を増し、草木は雨が降れば繁る。(それと同じように)人は善根を積めば必ず栄える――。
 仏法は道理である。
 私どもは、法のため、人のため、広宣流布のために、日々、懸命に行学に励んでいる。
 その真心の信心が、しんしんと降り積もる雪のように、わが身の善根とならないはずがない。「信心」強き人は、最後は必ず勝つ。必ず栄えていく。三世永遠に、無量の福運に包まれ、物心ともに、幸福に満ちみちていくのが仏法である。そうなるに決まっているのが、信心なのである。
 ゆえに信心は、まじめに、地道に貫くことである。
 仏のことを「能忍」という。広布のさまざまな労苦を、あるいは無理解な周囲の声を、「能く忍び」、耐え抜き、乗り越えてこそ、永遠の勝利者となる。
 また仏の別号に「世雄」とある。民衆を救う“世の英雄”として、苦しい戦いも勇敢に戦闘し、勝つ人が仏なのである。
 反対に、要領よく立ち回るだけの人は、表面は良いように見えても、福運はつかない。善根は積めない。
 だれであろうと、どんなに高い地位にあろうと、学会を利用するだけの人間、学会員を裏切る恩知らずの人間は、善根を、すべて失ってしまう。
 「始めは事なきやうにて終にほろびざるは候はず」(同1190ページ)――始めは何もないようであって、ついには滅びないものはない――と仰せのように、最後は必ず滅びていく。

燦然たる人生劇

 一、初代会長・牧口先生は、戦時中の昭和17年(1942年)、功徳の実証に満ちあふれる学会員の体験談を喜ばれ、心からたたえられた。(『牧口常三郎全集』第10巻)
 「斯る体験談の発表は、全く命がけの結果であり、ダイヤモンドの様なものである」と。さらに先生は「今までの宗教は観念論ばかりで実験証明はなかった」と言われ、この悪しき宗教史を変えゆく事業が、創価学会の使命であることを訴えられたのである。
 私どもは、この一年、燦然と輝くダイヤモンドのごとき、福徳に満ちた大勝利の人生劇を、ともにつづってまいりたい。
 一、ところで、イギリスのチャーチル首相が、独裁者・ヒトラーと本格的な戦いを開始したのは何歳か――それは、65歳の時であった。
 首相就任の折、彼は獅子吼した。
 「われわれの目的はなんであるかとお尋ねになるならば、私は一言でその問いに答えましょう――勝利、この二字であります!」(ロバート・ペイン著『チャーチル』佐藤亮一訳、文化放送出版部)
 世界的に有名なスピーチである。
 “目的は何か――勝つことである”と。最後の勝利を信じて戦ったチャーチルが、常に人々と「V」(ビクトリー。勝利)サインを交わしたことは有名である。
 一、当時、ヒトラーの狂気は、ほしいままにヨーロッパを蹂躙していた。イギリスの情勢は極めて厳しかった。
 ある日、悪化する戦況の報告を聞いた後、チャーチルは静かに口を開いた。
 「さあ、これでおもしろくなった」――と。
 苦境に立たされれば立たされるほど、彼は、ますます闘争心を奮い起こし、悠然と指揮をとったのである。
 “今こそ、私の出番だ。力の見せどころだ”“大変であるほど、やりがいがあるではないか!”
 世界は“イギリスの運命は、近く終わりを告げるだろう”と見ていた。しかし、彼は人々に呼びかけた。(下院演説と放送で)
 「もし、イギリス帝国が千年の久しきにわたって存続するならば、『これぞ彼らのもっとも輝かしいとき』と後世の人をして言わしめよう」(加瀬英明編『チャーチル名言集』講談社
 “「彼らは最も輝かしい勝利の歴史をつくった」――千年先の未来において、こう言われるような戦いをしよう!”というのである。
 今、この時の戦いが、万年の果てまで「最も輝かしい歴史」となることを確信して進みたい。

世界に希望の灯を

 一、ロンドンへの激しい空襲は続いた。食糧や武器も不足した。激動と混乱――。
 戦況の報告を聞いた彼は、厳然と言った。
 「イギリスが絶対に征服されずに、決然とナチに抵抗している事実を目のあたりにみることによって、踏みにじられ、絶望のどん底に苦しむヨーロッパの数億の男女の胸に、否、その境界を遠く越えて全地球上の自由を愛する人々の胸に、希望の灯が点じられ、やがてこの灯が燎原の火のごとく燃えさかることは間違いあるまい」(同)――。
 “私たちの戦いで、人々の胸に希望の灯を!”――と。
 私どもの戦いも、さらに赫々と世界の民衆の胸に「希望の灯」を点火している。そして万年の未来の民衆の胸にも点火している――この意気で、勝利また勝利の前進を広げてまいりたい。
 本年一年の、皆さまのご活躍とご健康、そして輝かしい栄光を念願し、私の新春のごあいさつとさせていただく。
 きょうは、本当にありがとう!(大拍手)